花火が空に打ち上がる仕組み

tsutsudaisho.gif 打上げ方を組み合わせ、リズムとテンポを生むことが観客を惹きつける大事な要素といえます。花火はどのように打ち上がるのでしょうか?
 まず玉ごとに打ち上げ筒が必要なのはいうまでもありません。(写真右2.5号から20号までの打ち上げ筒の例)
 筒を固定して立て、底に打ち上げ用の発射火薬を入れます。それから花火玉の外に出ている導火を開きます(着火しやすいように)。竜頭にローブを通してこの玉を静かに筒の底に収めると準備完了です。小さい号数の玉では筒が短いのでロープを使わなくて装填が可能です。この状態で筒の口から「投げ込み」または「落とし火」という火の塊(マッチのようなもの)を落とします。ここでわずかの火の粉でも発射火薬に着火します。電気点火なら発射薬に挿入した点火玉に通電して着火します。続いてこの発射火薬の爆発と生み出されるガス圧で、花火玉は空高く放出されます(下図上段)。この瞬間、花火玉の導火線にも着火し、導火線内部で所定の時間燃え進んだ後に、中心の割火薬に着火。この割火薬が全ての星にも均等に着火させ、さらにその爆発力で玉皮を粉砕すると同時に星を四方に飛ばします。これが打ち上げと開花のメカニズムです(下図下段)。       



soten.gif 以上のような「打ち上げる」ための玉への着火方法は、従来から普通に行われてきた人手による直接点火といえます。現在では小さな号数の玉でも、予め筒に装填した上で電気で遠隔着火させる電気点火方式が増えつつあります。花火が打ち上がって開くまでのプロセスそのものは上のような「投げ込み」による方法と変わりません。電気点火の場合は右の写真(5号玉の単発打ちの装填)のように玉の底(下側)に予め発射火薬がセットされ、玉と一体になっている場合もあります。
 打ち上げの方法にはいくつかあり、ひとつの花火大会ではこれらを組み合わせてプログラムが進行します。
・単発打ち―信号花火や特に7寸以上の大玉などは一玉ずつ打ちます。
・早打ち一ひとつの筒で数十玉を連続打ちする方法です。
・連発―数十、数百の筒を並べて、導火線で短い間隔の差をとり、一度に打上げるものでスターマインがよい例。また電気点火で遠くから数カ所に置いた複数組の筒を同時に点火する(ワイド一斉打ち)ことも可能です。
・対打ち一2本の筒から「せーの」で、同時に打ち上げます。二つの玉があたかもひとつのように同時に開かねばなりません。従来は二人の打ち上げ担当者が同時に呼吸を合わせて点火しましたが、今では電気点火で容易にタイミングを合わせられます。
・重ね打ち一重ね玉ともいいます。一本の筒に2個以上の玉を積み重ねていっぺんに打ち上げます。スターマインにもよく使われる方法です。
・一斉打ち(同発=同時発射)一スターマインが束ねた筒の端から順に打ち出していくのに比べ、いくつかの筒に装填された複数の玉(10〜20発ていど)を同時に飛ばします。花束などとも呼ばれます。
 とくに早打ちは、一本の筒から連続して多数の玉を発射できる、という日本独特の打ち上げ方で現在でも一般的な方法です。ただし普通は、5号玉以下の小さい玉が多いようです。これは筒の底に、焚き火やバーナーなどで真っ赤に熱した「焼き金」という鉄片を入れます。焼き金にはいろいろな形状があり、鉄の鎖なども使います。筒の準備はここまでです。この中に早打ち玉というあらかじめ玉の方に発射火薬を取り付け済みの、早打ち専用の花火玉(写真右)を落とします。あとは単発同様に、玉の底についた発射火薬が焼き金の熱で着火し発射します。(上図右)次々に打ち上げる時に扱いやすいように玉には写真のように、それぞれ取っ手がついています。早打ちでは次の玉を防火シート内から取り出す人、打ち上げる人に渡す人、打ち上げる人と最低3人くらいの連携作業が必要です。筒口から早打ち玉を落とすと、瞬時に打ち出され危険なため、打ち上げ担当者は熟練が必要な方法です。
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