片貝まつり
(新潟県・片貝町)浅原神社秋季大祭奉納花火大会

片貝町民の花火への熱狂が生んだ世界一超四尺玉!

開催日時  毎年9月9、10日
打上場所  浅原神社後方山中

問い合わせ先  小千谷市観光協会 TEL 0258-83-3512
        片貝煙火協会 TEL 0258−84−3900


 呼び物は昭和59年度大会から打ち上げを始めた世界一「超四尺玉」。開発直径800メートルという超大玉である。これを各日一発ずつ、ほかに三尺玉3発の大サービス(うち一発は昼の三尺。2005年度)。毎年10日には日本唯一の「真昼の三尺玉」を打ち上げている。これはカラースモークを使った昼花火としての三尺玉であるが、天気が良ければ、昇っていく玉が肉眼で見えるほどである。夜の花火打ち上げの主体となるのは尺玉である。
 どうも大玉の話題や評判ばかりが先行してしまうが、この祭りの在りように目を向けてみると面白いし片貝まつりの本当の姿が理解できると思う。ここ片貝では花火のスポンサーは殆どこの片貝町の町民なのである。奉納のかたちをとり身銭を切って打ち上げられる花火には、それぞれに「祝還暦」「祝成人」「初孫誕生」「先祖供養」のほか結婚、新築、長寿祈願、家内安全など人々の思い思いの願いが込められている。そんな人々の生活が息づく花火祭りである。ここでは花火は、親と子、親戚、先祖、友人、仲間などここに生まれ、住み、共に働き、あるいは巣立っていった全ての人々の心と心を結ぶ絆、架け橋の象徴であるのだ。この点からも観光、または納涼をうたった花火大会とは性格が異なるといえる。いわば内輪の祭りなのだが、町民の花火への熱狂はいつしか多くの観覧客をも呼び寄せることになったのだろう。花火を通して老若男女町民の心がひとつになる熱い祭りである。
 片貝の町では祭り期間中、「玉送り」「筒送り」などの古式ゆかしい儀式が行われる。いまでは火薬類取締法などによって、許可を受けてない一般の人が火薬を扱うことができなくなっているが、昔は奉納される花火玉は個々人の手作りに拠っていた。奉納当日になると、それぞれが自分の玉を持って集まり花火係の者に渡して打ち上げてもらうのであった。のちにこの「自分で玉を持ってゆく」部分が儀式化された。若衆が村内の各戸をまわって玉を集め、飾り立てた荷車にそれぞれの玉を積んで一括して神社に運ぶようになった。これが「玉送り」という行事で、法令によって実際には花火玉を運ぶことがなくなった現在でも、例大祭の象徴的な儀式として午前中から一日中行われている。連ごとに揃いのはっぴ姿、思い思いに飾り立てた屋台を引きながら、木遣音頭をがなり、笛太鼓や爆竹を鳴らして大騒ぎで町内を練り歩く。今では花火玉の代わりにご祝儀を受けてまわる。男も女も、老いも若きも酒が入っていて、連どうしどこかの路地ではちあわせようなら激しい引っかわせが行われる。どこかに陣取って撮影待ちをしているなら必ず2〜3の賑やかな一団が通りかかるだろう(写真左上・1999年度永遠会玉送り)。
 打ち上げは全て現地販売の「花火番附(はなびばんづけ)」(プログラム)にしたがって行われる。この花火番附は1色刷りだが新聞紙大12ページの立派な物で、片貝の花火を観るならぜひ購入しておきたい(2005年度一部1,000円)。特定の販売店の他、郵便局や神社境内でも販売されている。神社境内、周辺道路にも沢山の露店や地場物の販売店が立ち並ぶ。片貝は花火関連のオリジナル商品が数多いのでみやげ用にどうだろうか。
 この大会は絶対の「雨天決行」。よほどの台風直撃でもないかぎり土砂降りでも打ち上げ、地元では「そんなことで(台風で)止めたことはない」と言い切る。
katakaisajiki.gif 観覧は完全無欠の桟敷第一主義で、神社内の特設桟敷で見るのが前提となっている。もちろん境内には当日売りの一般有料席(2000年度よりかつての自由席は1000円の有料席となった)もあるにはあるがおまけ程度の面積しかない。したがってこの一般有料席利用する場合も12時からの販売に対して場所取りのための行列は厳しい。桟敷もほとんどが町民とその関係者で永年予約済みとなっている。しかし他地域の観覧客も購入できるので、片貝町煙火協会に問い合わせてもらいたい。申し込みに合わせて拡張するというなんとも柔軟な桟敷である。片貝まつりの町民による熱狂の雰囲気を直に味わいたいなら、観覧するのは絶対に桟敷や境内でなければならない。しかしながら異邦人の観光客にとっては桟敷は地元民の固まりであり、その独特の熱狂は、気持ちの上では、はじき飛ばされる疎外感を感じるかもしれない(写真右・一般有料席から桟敷方向=打ち上げ方向を見る)。桟敷席は当然、事前予約制であるが、嬉しいことに当日売り(指定席の切り売り、区画を割っていった後に出来る不定形の場所など)も多少用意されて当日15時から販売されているので、一人あるいは少人数の時は利用するとよいだろう(マスではなくて一人分ずつの販売、3000円)。大人数だと性格上ひとところに一緒に座れないことがある。購入には午前9時前から行列ができる。お早めに。
 桟敷席からの撮影は広角オンリーとなる。四尺玉は28や35でスッポリと撮れるが、尺玉はもう頭上高くに開くため、玉だけを撮るような格好になるだろう。境内相撲場近くの一般有料席では、桟敷後方で一段低い位置になる上に(境内から打上場にむかって緩やかな斜面になっている)、境内林の一部が邪魔して、尺玉や四尺玉の一部が欠けてしまう(この有料席エリアの左方=神社本殿側へ行くほど欠ける)。
 桟敷以外の推薦の観覧ポイントはまず、桟敷後方及び右脇(北側)の田圃に面した境内を周回する道路脇。近所の人も敷物を出して観覧の準備をしている。桟敷とほぼ同位置からそれなりの喧噪を味わいながら観ることが出来る。相撲場に沿って境内から出る方向に少し歩く。
 花火の進行は全て番附に従う。打ち上げ枠は順番通りに進むものと、「番外」と称して時間指定で打ち上げられる特別枠とに分かれている。桟敷や境内付近に居れば、この番附を書いてある通りに独特の調子で読み上げる女性のアナウンスが必ず耳に入る。いや否応なく聞こえる。これがまた片貝まつりらしさをあおっている。もしこの読み上げがなかったら調子が出ないだろう。それくらい祭と一体となって印象的で楽しい。

 もし喧噪を好まず、撮影など花火だけをゆったり見たいなら、神社境内からは外れることになる。まずは片貝小学校の校庭を利用した臨時駐車場だ(12時から駐車可)。小千谷方面から車で来た場合、最初の臨時駐車場の表示はこの校庭になる。(2005は片貝中学校は駐車、観覧、立ち入り禁止となっている)
 片貝小学校の校庭では、車やテントで泊る観覧客も増えている。静かで人目も少なく落ち着いた夜が過ごせる点が好評だ。そしてこの校庭からも観覧や撮影には支障がないので良いポイントといえる。撮影にも校庭内なら器材の移動距離が無く便利である。ただ撮影するとなると前景、背景ともあまり写し込む要素がなく、闇夜に花火だけとなってしまうので、何等可の工夫が必要だろう。
 この校庭からメインの打ち上げ場所(桟敷席前方)までの距離は400メートル余り。観覧にも撮影にもちょうどよい距離だ。尺玉などメインの打ち上げは、山に向かって右手の小学校校舎上空辺りに打ち上がる。
 三尺玉、四尺玉はこの校庭正面の山の上から打ち上がる。遮るものがないので一際聳え立つ迫力が味わえるだろう。これら大玉をとらえるための使用レンズは、桟敷席のそれと大差はない。やはり縦位置で28〜35ミリくらいだろう。ただ28ミリでは少々空きが気になる=玉が小さく写ってしまう=が無難といえる。しっかりフレーミングできる自信があるなら、35ミリくらいの方がキッチリとフレーミングでき、よく玉の大きさが表現できるに違いない。
 この小学校の校庭臨時駐車場への入り口表示があるところが片貝支所で、この建物の屋上から大玉打ち上げのサイレンが鳴らされる。したがって小学校の校庭は最もよく聞こえる場所の一つだろう。
ポプラの木 神社を関越道方面に500メートルも離れればもう一面の田園地帯が拡がっている。地元観光協会も桟敷以外では観光客にはこうした田圃の中の道で観覧することを奨めている。場所でいうと片貝郵便局、煎餅の新野製菓があるあたりから先だ。ちょうどここは路線バスの終点で折り返し地点になっている。四尺までの実物の打ち上げ筒が並ぶモニュメントあるふれあい広場に立つ二本のポプラの大木(写真右)が目印。木とモニュメントのすぐ脇は新設の片貝バイパスで、この道路の歩道部分も好ポイントになる(当日は長岡方面への車線は路肩駐車可となり延々と縦列駐車する)。そしてここから関越道にかけての田圃一帯がいわば好撮影・観覧ポイントといえる。
 関越道まで行けば直線距離を考えれば離れすぎだが、かえって大玉などでは、桟敷で下から見上げるよりも昇り詰める高さを実感することができることから関越道付近で観覧・撮影する客も多い。
 田圃の中なら神社方面が見通せる適当な場所に決めればいい。田圃の中で観覧する場合も、打ち上げ方向確認のため、一度は、浅原神社まで出向いて、桟敷の位置や様子などを見ておくと良いだろう。大玉は神社後方の山頂から上がるのでどこからでも良く見える。その他の打ち上げは境内後方の中腹。ポプラの木あたりで打ち上げ場所からは700メートルくらいの距離。使用レンズは35〜80ミリ。三尺や四尺玉は50〜60ミリで見かけ上はほぼ同じ位の大きさに見える。大玉に関しては予め打ち上がる場所を地元の人に良く聞いておきたい。目安としては、スターマインが上がる場所よりやや左の山の上からである。大玉は打ち上げ時間が決まっており、サイレンも鳴るので何時に打ち上がるのかわからないことはない。
須川の流れ ふれあい広場周辺から100〜150メートル下がったところを流れる須川のほとり(写真左・ぬまた橋からの須川の流れ)も撮影ポイントとしておすすめしたい。ちょうど小さな橋(ぬまた橋)が架かっているので、渡った側の上下流の川沿いだ。おそらくは地元の客を含めあまり混雑しないので場所取りも要らないだろう。三脚の安定が良くないので注意。付近の農道は観覧の車がびっしり駐車するので、路上やあぜ道上での撮影には気をつけたい。また近くに灯りがまったく無いので移動の時など、光量のある懐中電灯が撮影用とは別に必要だ。この須川沿いに昼間の内にロケハンに立つと、正面の山の中ほどにちょうど尺玉の筒場=打ち上げ場所が遠望できる。筒場は神社の桟敷からも見ることはできないので、双眼鏡などで様子や位置を確認しておくとよいだろう。大玉はこの尺玉の筒場のだいたい左後方の山の上から打ち上がり、スターマインは尺玉の打ち上げ位置の左脇からとなる。
 ここからの画角は尺玉と地上部分を同時にフレーミングして50〜70ミリ程度。もちろん玉をアップで狙うならさらに100ミリ前後の望遠を用意する。この辺りでは、さすがにわずかな民家の明かりくらいで花火以外に写る物が少ないので、尺玉などは単独で撮るのも悪くないと思う。大玉の使用レンズもほぼ同じといえる。見掛上ははるかに遠くで打ち上がる大玉と尺玉はだいたい同じような高さに上がるからだ。むしろ二尺玉があるときに、尺玉よりも10〜15ミリ程度広角側にシフトする必要がある。神社からはだいぶ離れているが、夜になれば風向きにもよるがちゃんと番附を読み上げるアナウンスを聞き取ることができる。
 場所的かつ季節的に農道などでの撮影では、夜は結構気温が下がる。防寒の用意に加えてレンズ及び器材の結露に気をつけたい。

 他府県で遠方の客は長岡市や小千谷市に宿をとるようになるだろう。花火終了時間が22:30頃と比類なく遅いので帰路の足には注意したい。1997から四尺玉打ち上げ後に22:45発で長岡行きの臨時シャトルバス(7〜8台)が出るようになったが一般車両とほぼ同じコースを通るため、長岡着は概ね0時〜1時の間とみておこう。時間からいえば、下記の来迎寺まで徒歩で行き、信越線で長岡に出た方が遙かに早い(2005は臨時列車快速四尺玉号あり=長岡着23:39)。いずれも長岡を拠点とした観覧により便利になったといえる。
 やはりマイカーが便利か。車で来る場合高速「関越自動車道/小千谷(おぢや)インターチェン ジ」下車、早い時間の(初日の午頃とか)到着なら片貝町内の臨時駐車場に入っていける。案内表示を見ながら走ればよい。遅くなると小千谷インター近辺の無料駐車場シャトルバス乗り場でマイカーをそこの駐車場に 置き、専用のルートを通るシャトルバスに乗り換えて花火大会会場に向かう。シャトルバスは専用コースを通るため、最も早く片貝町内に達することができる。こうした交通案内は関越道の料金所、小千谷以前のSAやPAで配布している。
 車の場合、終了後は片貝町内をはじめ周辺はやはり相当渋滞し、1〜2時間はまったく動かなくなることを覚悟しよう。小千谷へ向かう場合もいったん長岡方面へ迂回した方が早いかもしれない。
 観覧ツアーなどに参加する場合は、大手で何度も片貝を手がけているところに限る。桟敷席に入る時間が午後2時から4時の予定になっていないようなツアー=桟敷で夕食になっていない=は打ち上げ開始に間に合わないおそれがある(バスツアーなどで、花火が終わっても片貝町中心部にたどり着けない、という事例もある)。
 電車を使う場合。新幹線で長岡駅下車の後乗り替え、信越線「来迎寺 (らいこうじ)駅」下車、歩いて3km(約40〜50分位。片貝パイパスを直進の一本道なので道順はわかりやすい)。帰路はこの逆ルートで長岡泊あるいは上野方面、大阪方面の特急寝台を掴まえることが可能。
 18時以降は付近からは全く町内に車では入れなくなる。早め(午前中から午後2時頃まで)に町の中に入っておくか、小千谷インター下車の後のシャトルバスをお勧めする。
       
小千谷市ホームページ
あだち永遠会片貝まつり四尺玉のページ
にいがた夜物語(地元のあだっちさんによる詳細なまつり情報)
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