熊野大花火大会
(三重県・熊野市)

大地を揺るがし、大気を振動させる鬼ケ城仕掛けの大迫力。

開催日時  毎年8月17日
打上場所  熊野市七里御浜、鬼ケ城および海上
問い合わせ先 熊野市観光協会 TEL05978-9-0100
   

 会場の七里御浜は熊野駅から徒歩3分ほどと近く、広さも観覧会場には十分である。正面一般席後方の国道沿いには仮設の桟敷席が数多く立ち並んで壮観だ。桟敷といってもどこかの運営というわけではない。個人のグループや企業それぞれが建設費用を自己負担し、シートを敷いて場所取りをする代わりに、鉄パイプなどの足場を組んで観覧場所としているのだ。だいたい二ヶ月前くらいから建設するというので、その日だけの他所からの客には残念ながらあまり縁はない。といっても一般席は十分にあるので問題はないだろう。プログラムは熊野駅を出てすぐ右手の観光協会の建物内で手に入る。
 浜と道路は場所によってはかなり高さのある防波堤で区切られている。したがって防波堤を通って浜に抜ける小トンネルまたは階段が狭く、行き帰りはボトルネックになる。1996より防波堤の一部に広い階段が設けられ、国道から浜に降りるのは快適になったし、この階段が雛壇のように新たな観覧場所となった。
 浜は3〜5センチくらいの玉石なのが珍しい。日差しが強いとこの玉石が焼かれてアッチッチーッ。座って待ってなど居られないし、日が傾いても相変わらず焼き芋か天津甘栗になった気分だ。
 打ち上げ場所は浜の一部と鬼ケ城という岩場、コンクリのケーソン上、および台船上。観覧・撮影のための現着は14〜15:00程度。客の出足は早いが晴れているなら浜石が暑いので、シートだけ敷いてそれぞれに日陰の場所に避難している。熊野へ向かう国道も遥か鳥羽や伊勢方面からびっしり渋滞し、車での観覧はお勧めできない。
 花火は大型スターマイン、斜め打出しスターマイン、二尺玉、海上自爆水中花火、海上自爆三尺玉1発、ナイアガラと見どころはつきない。1997からは打ち上げの三尺玉1発も新たに加わった。豊富なラインナップだが、見物はなんといってもラストの鬼ケ城仕掛け。岩場や洞窟に花火を直置きするという荒技で、信じられないほどのド迫力の地上大爆発の連続が数分も続く。しかもとにかく観覧席に近い。これに打ち上げのスターマインが加わり、これでもかの連続爆破の大音響には声も出ない。これだけではるばる(地元の方ゴメンナサイ!)来た甲斐があるというもの。
 海上自爆三尺玉は、花火玉を筏に載せて海上に浮かべ、直接爆発させるというものだ。普通なら何キロか遠くで打ち上げる三尺玉であるが、ここでは浜からの距離はその開発半径程度!。浜から400メートルくらいでほぼ半円形に開き、外側の星が波打ち際近くまで達するかという大迫力だ。
 鬼ケ城から獅子岩にかけての海岸一帯が観覧場所。全てのプログラムをまんべんなくおさえるには、獅子岩方面の国道沿いがいいだろう。鬼ケ城仕掛けに限っていえばできるだけかぶりつきの位置を確保したい。今回は前者でガイドしよう。国道沿いといっても浜からは結構高さがある。防波堤を兼ねているのだろう。ここの浜辺は中央が盛り上がっているのか浜に降りてしまうと波打ち際や海面が良く見えない。従って浜辺の観覧客や海面、花火を綺麗に見渡せるのが国道の歩道部分だ。 
 スターマインや単発、斜め打ちスターマインなどは35〜70の間で花火に合わせて切り取っていきたい。二尺は台船上から打ち上げ、縦位置28〜35ミリ。
 鬼ケ城の岩場の地雷花火は135以上の望遠を横位置で迫力を出したいが、スターマインの同時打ちが始まるとこれでは画角が狭く、85前後の縦位置に戻さなければならない、忙しい。カメラを複数使いたいところ。海上自爆三尺玉は50前後、撮影位置によって違うので保険としてやや広角目を使えば安心?
 花火の、というよりは観光写真的な超定番の撮影ポイントは獅子岩だ。自然の造形がなす、海に向かって咆哮する獅子のごとく風海食された岩が名所となっている。宮島の鳥居のようにこれをシルエットで前景に使うわけだ。これだけでやはり「熊野」とわかる名勝地である。したがって当然のようにカメラマンの激戦区。やはり昼過ぎには到着したい。きわめて狭い急な崖地で落差もある好ポイントには針山のように三脚が並ぶ。足場も悪いので撮影者本人の滑落や機材の落下には特に注意したい。また鬼ケ城仕掛けやその他の大多数の花火からは1キロ以上離れて遠くなるので、迫力はきわめてスポイルされる。立っている位置によっては獅子岩が迫っているので、半分以上花火は見えないことは承知しておきたい。
 帰路がまた大変で復路の急行の指定席がない場合、つまり普通列車に乗るには、たとえ切符が買ってあったとしても乗るだけで駅から延々と路上に行列(3時間程度)しなければならない。当然ながら切符も手に入れてないなら、切符購入の行列がさらに加わる。熊野駅における客さばきや誘導などがもはや駅員の能力を超えており、最終列車まで激しく混む。日付が変わるまでに列車に乗れたら幸運だろう。熊野市周辺の宿も満杯状態。車での往復はさらに大変で熊野へ至る国道も激しく渋滞するし、打ち上げ中も道路を埋めた車は全く動かない。前日に熊野入りする、離れた駐車場に停めるなど工夫がいる。覚悟していこう。浜辺でのテント・キャンプ組も多数。

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