花火野郎の観覧日記2007

観覧日記その16 9/1
第2回 常総市みつかいどう花火大会
     
茨城県・常総市

 目が覚めると自宅周りでは雨模様。霧雨程度だが既に自動車のタイヤが路面を通過する濡れた音がする。これでただちに出発しようかという気勢をそがれた。
 我が家からは花火会場まで車で1時間以内で到着する。地図上では県境を挟んでいるものの殆ど隣町。
 観覧予定場所現着は午前10時、雨で出足が鈍ったもののこれでも昨年より30分は早い。まずは三脚だけ携えて選り取りみどりで余裕の場所取りのつもりだったが……、
「小野里さん、 遅 い ですよ〜」と既着の愛好家諸氏に挨拶代わりに声をかけられ、そして早くも累々と形成された三脚の壁に驚いた。「って、まだ午前10時……なのに、どれだけ早く来れば……」。うぁぁぁぁぁぁ……。
 堤防道路とのり面は改修されたり、また樹木の伐採などもされて観覧好適地のキャパは2005年以前に比べてずっと拡がったが、その拡がった部分一杯に三脚群が。しかも同じ茨城は水戸市の年忘れ花火よろしく地元の一般客が殆どそこにいないじゃまいか!
 前日から来ていたという恐れ入るマニアはともかく、午前9時や10時で大勢が決しているとは今後どうなるのだろう。改修のおかげで堤防道路端だけでなく、一段下がった斜面の部分も観覧場所として使え、一般客はそこにシートを拡げて埋めていった。同時に普通に後から到着した写真愛好家達は、斜面の最前列に三脚を並べたので、豪華に連なる三脚の二段滝状態。上段下段に連なる三脚群は壮観というか、異様な光景というか、これほどの三脚が集結する大会だった?のか。この大会には花火写真コンテストがあり(不肖、わたくしが審査員を務めます)、今年はデジカメによる応募も可能になって、アマチュアカメラマンたちも気合いがひとしおなのかもしれない。
 昨年に続きこの大会は諏訪湖の全国新作競技と日程が重なっている。双方の天気を鑑み、どちらを観覧しようか迷った愛好家も多いに違いない……はずなのに殆ど迷わず常総市に直行で参集しているのではないかというくらいの勢揃いぶり。確実に諏訪湖を通り過ぎていらしたであろう遠来のお客をはじめとして、存じている愛好家の皆さんばかり。この集まりぶりも特定の主催スタッフの人徳であるかもしれない。揃いの水海道タオルを首に、同窓会というか会員限定大会の様相。
 それであちこちで花火談義や情報交換となり、長い待ち時間も苦にならなかった。中には午前中早くから麦芽燃料注入の一行も居て、昼にはすっかりの完成品という……楽しいですねぇ。一週間も前の天気予報では雨天が懸念されていたが、この日は終日曇り空で、午頃にほんのお湿り程度の小雨があったものの過ごしやすい一日だった。というより待ち時間中は風を浴びて歓談していると肌寒いくらいで、日中から上着が必要だった。私は14時過ぎに機材と上着を取りに行きがてらエアコンを点けなくても充分涼しい車内でしばしお昼寝。少し前の猛暑の待ち時間では車で寝るなど考えられなかったのだから季節を感じるなぁ。 
  

オープニング花火

全国花火名人新作花火コレクション
昇り小花付銀芯ステンドグラス
北日本花火興業

全国花火名人新作花火コレクション
華キキョウ芯黄金点滅彗星
北日本花火興業

野村陽一 花火GALLARY
点滅芯変色牡丹

野村陽一 花火GALLARY
点滅芯変色八方菊

メッセージ花火
8号・昇曲付八重芯錦先青紅銀乱
菊屋小幡花火店

メッセージ花火
8号・昇曲付八重芯菊先エメラルド銀乱
菊屋小幡花火店

全国花火名人新作花火コレクション
露草千輪青紅降曲
片貝煙火工業

ミュージックスターマインPART2
Japanese Beauty
山崎煙火製造所

花火ミュージアム
8号・昇銀分火付三重芯菊先黄光露
篠原茂男作
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花火ミュージアム
8号・昇リ錦朴付錦冠先遊星
青木昭夫作

花火ミュージアム
8号・昇リキラキラ小花三重芯菊先銀世界
青木昭夫作

花火ミュージアム
8号・昇分火付八重芯菊先水色時雨
小幡清英作

花火ミュージアム
8号・昇木葉付三重芯菊先青光露
小幡清英作

花火ミュージアム
7号・青紅変色芯引先エメラルドバリバリ
野村陽一作

花火ミュージアム
8号・昇分火三重芯引先青光露付
野村陽一作

内閣総理大臣杯受賞作コレクション
移りゆく季節の中で
野村花火工業

内閣総理大臣杯受賞作コレクション
移りゆく季節の中で
野村花火工業
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内閣総理大臣杯受賞作コレクション
移りゆく季節の中で
野村花火工業

スーパースターマインの競演
幽玄夜噺しスペシャル
篠原煙火店

スーパースターマインの競演
光のシンフォニー
菊屋小幡花火店

ファイヤーアートコンテスト
昇小花紅スパン芯オーロラ牡丹
池谷博文作

ファイヤーアートコンテスト
昇曲付ひまわりの花
篠原茂男作

ファイヤーアートコンテスト
昇小花八重芯銀点滅
山崎芳男作

ハナビリュージョン2007
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ハナビリュージョン2007

ハナビリュージョン2007
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ハナビリュージョン2007

ハナビリュージョン2007

ハナビリュージョン2007

ハナビリュージョン2007

ハナビリュージョン2007

ハナビリュージョン2007

ハナビリュージョン2007

ハナビリュージョン2007

ハナビリュージョン2007
   
 一般客が集まり始め、有料席が埋まり出すのも17時をとうに過ぎてから。既に堤防道路の三脚群にはいずれもカメラやビデオが用意され、各自準備に余念がない。風は午前中からほぼ変わらずに東方向からの順風と、良好なコンディションでスタートを迎えた。
 いつものように女性アナウンスにより流麗な司会進行でカウントダウン。一斉出し〜ナイアガラがやや出遅れたもののただちに「全国花火名人新作花火コレクション」として北日本花火興業の7号が始まり、打ち終わったかと思えば恒例、地元野村花火工業の秀麗5号玉100発対打ちと、後は全く滞りなくどんどん進む。この野村陽一GALLERYではやはりグラデーションを多用した星が綺麗で、青から紅、逆に紅から青の変色牡丹を打ち分けて見事だった。今年はこの星造りを他の色の組み合わせでも試みているようで今後も楽しみだ。
 良い花火の連続にフィルム消費も進み、チェンジが実に忙しく感じられる。
 メッセージ花火では、仲間の愛好家諸氏も作家指定、玉名指定というこだわり過ぎの割物を協賛している。それゆえ小幡花火、篠原煙火、野村花火、山崎煙火による秀作玉が打ち上げられるのでボーッと観てはいられない。その後はいよいよ飛ばしてプログラムは後半に。プログラムの中軸を受け持つのは「花火ミュージアム〜至高の世界・美の巨人たち〜」と題した、篠原茂男、青木昭夫、小幡清英、野村陽一と4名の気鋭の花火作家による割物競演だ。7号3発、8号2発。いずれ劣らぬ逸品の割物が披露される。出来映えもさることながら4つの個性の違いをじっくり見て取りたい至福の時間といえる。
 今回、新しい出し物として、「内閣総理杯受賞作品コレクション」が加わった。この地で同杯受賞となれば第一回はどうしても野村花火工業だ。ここで平成16年度、第78回大曲全国花火競技大会の内閣総理大臣賞受賞作である名作「移りゆく季節の中で」の再演となったわけだが、あらためて見て素晴らしいと思った。山口百恵の名曲「秋桜」にのせてしっとりした風情に合った叙情感豊かな玉と打ち上げペースは心打たれるひとときだった。
 3回に分けて用意された山崎煙火製造所担当のミュージックスターマインがいずれも出来がよく、楽曲と花火がかみ合って心地よい時間になっていた。主に3箇所打ちで豪華だし、プログラム全体を引き締めていると感じた。
 花火の巨匠スーパースターマインの世界。まずは篠原煙火店の「幽玄夜噺しスペシャル」全編、玉や昇り、ザラ星、トラ撃ちに至るまでほぼ全てが和火色で構成され、なかなか見られないプログラムだ。やや足並みが乱れ、全てが同じ色だけに空がその一色に塗りつぶされて、せっかくの玉の形が目立たなかったように思う。続く小幡作品は「光のシンフォニー」、好みが分かれる所だが、中盤の明滅の激しいフラッシュを延々と使うのは、私的にはいまいち。後半のカラフルな万華鏡ものは今年何度か観ているがやはり素敵だなぁと思う。
 そうこうしているうちに、アッという間に終幕のハナビリュージョンを迎えている。フィルムの用意が間に合わず焦ったが、「それではスタッフを紹介します……」とアナウンスしているうちになんとか間に合わせた。
 下方の華々しさの割には上乗せ玉が主に3箇所からと物足りない感じだが、その分上空の玉がくっきりと活きて見えている感じだった。これもまた夢中に撮ってしまう。至高の世界とかハナビリュージョンとか重要プログラムではカメラ2台で同時に撃ち落としているので、つまりフィルム消費も2倍というわけで、後(処理=支払い)が怖いなぁ。
 珍しいモノも見られたりして楽しい一日だったけれど、最期におめでたい後日談。
 プログラム中盤では、いわゆるメッセージ花火のコーナーがあり、花火愛好家諸氏もここで花火を協賛している。今回数ある心温まるメッセージの中に、なんと「プロポーズ」が飛び出した。「結婚しよう!」と締めくくられた男性からの(勇気ある?)メッセージに会場は「おおおーーっ」とどよめいた。続いて4発のハート型物花火。綺麗に決まったハートに今度は会場の女性陣から「わぁーっ」と歓声が上がる。
 さてこの顛末、メッセージの主は会場にプロポーズする相手と一緒に来たけれど、そこはちょっとしたサプライズが用意されていた。実は彼女もあらかじめ目を通すかもしれないプログラム誌に印刷されたメッセージと、本番のアナウンスは別のもの。そして大観衆の中での思いがけないプロポーズに彼女は大感激!男性はその場でOKを貰ったとのことである。やったぁぁ。目出度し目出度し。満場の中で一か八かのプロポーズをした男性にとっては、三尺玉炸裂以上の喜びだったろう。良かった良かった。おめでとう、お幸せに。花火大会って素敵だなぁ。
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