花火野郎の観覧日記2007

観覧日記その10 8/4
第2回 古河市花火大会
     
茨城県・古河市

 古河市は我が住処から見れば隣県なのだが、ほとんど地元と言っても良い近さ。利根川を挟んで川のこっちと向こう側といったところで、尺でも上がれば平らな地形だからおそらく自宅からでも見えるだろう。
 古河市花火大会は未だ第2回目と歴史が浅いが、この花火大会の全身は消滅した渡瀬遊水池花火大会だと考えられる。渡瀬遊水池という広大な貯水池の周り2箇所で打ち上げが行われていた。その当時と現在の古河市花火大会では打ち上げ場所も煙火業者も異なっている。その後2005年9月12日に城下町である旧古河市、総和町、三和町の1市2町の新設合併を機に、新生古河市花火大会として2006年度に第一回目を装いも新たにスタートさせた。
 公式ホームページに発表されたプログラムを見ると、それが全部ではないが、いくつかあるパートのひとくくり全部を「匠の技」と称して、開催県茨城の業者である山崎煙火製造所と野村花火工業が担当となっている。いずれも土浦全国花火競技大会では内閣総理大臣杯を競う有力煙火店。これがいわゆる招待枠なのか今後の固定枠となるのかわからないが、少なくとも本年度この花火大会最大の売りものである「三尺玉、三発」とともに注目の打ち上げパートであることは確かだ。
 8月に入って最初の花火大会集中日であるだけにどこに観覧しようか迷うが、古河の近さかげんが暑さでバテ気味の身には何とも魅力であった。候補としては、高崎、板橋、江戸川、横須賀などいくらでも近隣にあるのだが、この順番に遠くなっていく。どうも今年は猛暑に良好に身体が抵抗している感じがしない。三尺玉とともにこの両煙火店のパフォーマンスも気になって楽ちんな道を選んでしまいたい気分だった。
 JRの古河駅、東武線の新古河駅、どちらも利用できるが往きはとりあえずJRで、駅でなんらか花火大会の情報が得られるかと思ったからだ。しかしプログラムも手に入らず、改札口の三尺玉の模型だけが開催をアピールしていた。JRの駅からの方が会場まで徒歩での距離があるため炎天での消耗を避けてタクシーでヌルく会場入り。後で事情を知る愛好家に聞いたところ、プログラム誌が手に入らなかったのは、新聞折り込みで既に各家庭に配布してしまったかららしい。それで会場などで配る分は数が少なかったということだ。プログラム誌はこの愛好家に分けてもらって無事にゲット。
 打ち上げ場所は河川敷ぽいゴルフ場で、クラブハウスにあたる建物の近くの堤防に本部席や有料観覧席が設えてあった。クラブハウスの北側の隣は神社、かな。涼しい境内にはたくさんの露天商が軒を連ねて賑やかだった。
 ざっと見回して三脚を立てるものの、「たいして混んでいないだろう」と自宅を出てから30分足らず14時30分くらいのお着きだったが、既にシート類の場所取り、多数の三脚と堤防道路は隙間無く埋められていた。
 ゴルフ場のコース内にもう少し観覧場所があるかと想定していたが、現地を見るとコース内は打ち上げ場所で全面立ち入り禁止となっており、4段くらいの段になった広大な堤防斜面が主たる観覧場所となっている。キャパは、地元市民相手の花火大会としては充分過ぎるほどと思った。
 意外なことに知り合いの愛好家仲間が多数参集しており、高崎は?江戸川は?と不思議なくらいだった。
 日陰に避難していても暑く、けっこう消耗した。到着時東風で観覧場所は風下となっていたが、夕刻から南東風と変わり、順風の良い風となった。18時を過ぎると爆発的に観覧客が到着し始め、堤防道路に昇るいくつかの道は数珠繋ぎに観客が続いていた。目の前の堤防斜面もみるみる観覧客で埋まり、堤防道路である身の回りも立ち見や座り込む客で埋まり始めていた。
   

音楽スターマイン・山崎煙火
雪の華

スーパージャンボスターマイン
艶麗千輪咲・山崎煙火
三尺玉1発目
三尺玉1発目

花火百景・野村花火
5号玉100連発
八重芯引先エメラルド点滅
珠玉10発の大輪菊・野村花火
八重芯引先エメラルド点滅

珠玉10発の大輪菊・野村花火
キラ芯八方咲

スターマイン・野村花火
夜空を彩る光の花束
ワイドスターマイン
野村花火・ワイドスターマイン
大空の彼方へ
ワイドスターマイン
野村花火・ワイドスターマイン
大空の彼方へ
skyconcert2.gif
スカイコンサート
千輪百花園
千輪百花園
三尺玉二発打ち
三尺玉二発打ち
    
 開幕カウントダウンでスタートすると最大幅を使ったワイドはかなり幅があり、すこしハスの位置取りで正解だった。しかしこのワイドは高さが無く、横位置で収まってしまいそうだった。避けたつもりでも会場のあちこちに設置された邪魔者の投光器が自由な画角を阻んで閉口した。打ち上げ場所はゴルフ場だから他に何の灯りも無く、花火だけしか写らない環境である。
 三尺玉の筒は日中ロケハンしたところ、堤防道路の場所によっては見えたり木の陰になったりしたが1本だけ視認できた。ざっと打ち上げ場所までは500メートル以上あるだろうから、手前の10号よりは低く見えるがやはり音と盆のボリュームは凄い。カウントダウンとともに打ち上げた最初の三尺は珍しく千輪物だったので感激した。三尺で千輪というとまたまた絶えて久しくお目にかかっていないからだ。各地で打ち上げられる三尺もまた錦冠系が多い。今年、新潟の長岡まつりでは、正三尺玉の二発目が千輪だったらしいが、これも同大会では久しぶりではないだろうか。
 しかし続く、スカイコンサートと称したコンピュータ点火器による打ち上げは、少々内容の割には永すぎた。「これいったい何時までつづくのだろう」と曲が途切れたと思ったらまたまた同じ様な打ち上げが始まるたびに苦笑する。低空の小玉と輸入小型煙火セットによる打ち上げは、もう少しコンパクトして洗練できると感じた。こうした音楽シンクロ型のワイド打ちだけでなく、単発打ちの際にもBGMを被せて、結局常時何か音楽が鳴っている状態は、音を聞き慣れて印象が薄くなってしまうのではないかと思った。
 終わってみれば野村、山崎両煙火店がいずれ競技花火優勝煙火店として充分な内容を見せたと思う。特に野村花火は5号50発、単基スターマイン、10号10発、3箇所ワイドスターマインのいずれもが素晴らしく、このパートが見られただけでも来た甲斐があった。10号10発はいずれも頭上高くまで上りつめ四重芯、五重芯入りという手抜きのなさであり、五重芯のキマりはいまいちだったものののそれを繰り出す、という心意気が凄い。
 3箇所ワイドはコンピュータ点火器使用の音楽シンクロ型だが、この中で10号などは使用してないものの、観た経験のある方ならわかると思うが、水戸の年忘れの最期に登場するワイド以上の内容でより玉数が多いバージョンである。周りの観客の歓声もひときわ大きかった。
 終幕の千輪百花園は、土浦でも担当煙火店が良く見せるお得意の千輪ものスターマイン。ワイドで千輪また千輪の一斉咲のあと大玉千輪がさらにだめ押しで開花して素晴らしいひとときだった。
 最期は錦冠小割浮き模様の三尺玉2発で締めくくった。右が最初に打ち上がり紅小花、続いて左が緑の小花。同時打ちというよりは追い打ちといった感じで2発続けて打ち上がった。手前で上がる10号よりは低く見えるが、そこは三尺錦冠のボリューム。音圧とも圧倒的だった。保安距離などの問題はあるかと思うけれど、ほぼ同じ場所で二発開花してしまったわけだから、もう少し合間をとって離れた2本の筒から同時打ち(対打ち)すれば何倍も凄い光景だったと思う。まだ2回目の大会だからこれから試行錯誤しながら進化していくことだろう。充分なワイド打ちや三尺まで可能なロケーションは素晴らしいので活かし方次第では充実した大会になると期待したい。
 帰路は徒歩にはその方が近い東武線の新古河まで歩いた。すでに堤防道路から数少ない降り口は多数の観覧客で渋滞しており、JR古河駅方面は辿り着くのに難儀しそうだったせいもある。思った通り東武線の利用客は少なく、乗車もスムースだった。
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