花火野郎の観覧日記2007

観覧日記その3 5/12
葛生工業祭 第29回花火大会
     
栃木県・佐野市

 前回訪れたのは2004年。佐野市との合併を控えて葛生町として最期の工業山神祭の時だった。この時の一連の打ち上げはなかなか好印象で、またフォトジェニックでもあったので再びやってきた。佐野市となった現在、また前回とは担当煙火業者も違っている。どのような打ち上げが観られるだろうか。
 最初に来たとき14時に現着し「早すぎたか」と後悔したにもかかわらず、今回それを上回る早いお着きとなってさらに深く後悔した。車による経路を変えたのだが、まさか自宅から流して走ったにもかかわらず45分ほどで到着してしまうとはっ。すでにロケハンもやりつくしてすることもない。再び近くのコンビニで弁当を買って東屋で食べながらのんびりと待つのであった。
 開催時間にはメイン観覧場所となる堤防道路では、歩道部分で露天商の皆さんが準備に取りかかっていた。とはいえまだまだ荷ほどきといった時刻。そこから対岸の至近距離の打ち上げ場所を眺めると、工場詰めとした打ち上げ筒がかなりの本数で既に用意されていた。しかし全体の準備はまだ未完のようである。
 ロケハン済みであるので、車を予定観覧場所の至近に運び撮影プランを考える。車の直近で三脚建立という年に何度もない楽チンな場所である。地元愛好家に聞くところによれば、堤防道路の露天商達は昨年は別の場所に設営したらしい。すると花火の前景として使えない位置になるので、さぁどうしたものかと考えながら現着してみると「元通り」になっていた。つまり2004年に観たときと同じ場所に露店が連なっていたのだ。現地の豪邸に住む老婦人と世間話をしたところ、この露店の数が倍ほどにも増えたと言っていた。総延長は覚えていないが確かに上流の古越路橋近くから下流の葛生大橋までずらりと立ち並ぶ露店は壮観であった。メイン観覧場所では河川敷上で一番離れた筒まででも100メートル程と激近の距離。そのため観る分には申し分無いが、撮るにはさすがに無謀な間合いである。露店が元の位置であること、それと風向き、筒の設置具合を考慮して、メインより一歩下がった前回と同じ農道を観覧場所とする。ここからは花火の下に画面の端から端まで途切れることなく夜店を前景として(花火に対してちょうどいい大きさで)入れる事が出来る。似たような絵になるのを避けるのと、思うところあってもうひとつ技を合わせ掛けすることにした。写真をご覧になってわかるように、「水気」の利用である。田植えを控えたこの時期、ちょうど水を張っているところの水田が目に止まったのだ。
   
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打ち上げ場所の様子yomise.jpg
メイン観覧場所の堤防道路と連なる夜店群
   
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 花火は水面に映っても、夜店群全体がそうなる条件の花火大会はなかなか少ないもの。だからそこにある素材を使う花火撮影としてはこういうのも面白いんじゃないか、と。そういう趣向のお遊び系。とはいえ、目の前にあるのは一面の池や沼じゃなくて、水のある面積には限りがある=反映が見込めない部分がある、から三脚の位置はなにげに置いているわけではない。打ち上げ場所のセッティング、つまり打ち上げ幅を確認した上で撮影位置からそれがどこからどこまでの範囲に出るか?を双方を何度も行き来して検証した上で決めている。たとえば数カ所からザラ星が出たときに、ひとつだけ水のある範囲から外れてしまわないように。前に水たまりが在るところのどこでもいいというわけではない。
 距離を考えると花火全部が映り込むのは無理そうだが、低空のザラ星や小型煙火はいけるだろう。ただし一歩下がったこの道からは夜店群の前景と引き替えに、一段低い河川敷で行われるトーチや吹き出し物、枠仕掛けの類の全ては見ることが出来ず、スターマイン類の根本も見えない。
 さて開始直前、機材を運んで三脚の後ろに立つと、ほぉこれはなかなか、と水面に夜店の灯りが映り込んでいるのが予想外に綺麗で見とれた。映り込みの度合いを鑑みていつもより低めにカメラ位置を設定しているのも細かい工夫である。
 今日は訳あって、カメラ2台体勢のうち片方はデジタル一眼である(もちろん借り物、初めて触るメーカーと機種だがいきなり無謀な本番撮り)。いちいち撮る度に写りが見えるというのはなかなか便利であるなぁ。
 前回は小型煙火と打ち上げものとの合わせ技が見られたが、小型煙火はそれだけ単独で消費し、号数の低い小玉もまたそれだけを早打ちする、といった構成で多少まばらな感である。小玉による単発は束ねて号数を上げたり、量や打ち上げ場所を増やすなどボリュームアップも考えられるが、1時間超の開催時間を維持するとなるとどうしてもこういう形にならざるを得ないのかも知れない。 
 日中の風向きとは微妙に変化があったが、終始それほど煙にもやられないで済んだ。メインより一歩下がっているとはいえ進行アナウンスもほぼ聞き取れる範囲であり問題なかった。問題といえば、発発のトラブルだろうか前方で夜店の5件ほどの灯りが一時消失したことくらい。
 片づけをして、車内で遅い夕飯を摂っているとたちまちあたりに人も車も居なくなった。帰路としていた道路が通行規制で遠回りしなければ入れず、少々町中をうろうろしたがまずまず順調に帰れた。
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