花火野郎の観覧日記2007

観覧日記その5 7/21
第61回 海の日名古屋みなと祭花火大会
     
愛知県・名古屋市

 残念ながら昨年と同様に天候は思わしくない。例年なら名古屋みなと祭りは、台風4号で開催が吹っ飛んでしまった横浜の国際花火大会の翌日の7月16日が開催日だったが、名古屋港開港100周年記念スペシャル大会ということでイレギュラーに1週間ずらしたのは台風除けには先見の明があったと思った。しかしその台風の1週間後も相変わらず梅雨明けせず雨模様の天気になってしまったのは残念。予報では風向きは南東方向からの差し込みで、午後2時頃に現着した時点ではその予報通りの風向きと小雨模様だった。この風向きなら好適な観覧場所は正面の集いの広場からイタリア村方向のどこかかなと考えられた。既にこの時刻で台船を望む岸壁をはじめとして多くの三脚も建ち並び、また雨を凌ぐ大きな屋根のある建物が一箇所なのでその下に近隣はもちろん遠方から「スペシャルな名古屋みなと祭」を期待して花火ファン、愛好家が参集していた。
 開港100周年でスペシャルなところは、打ち上げ台船にそのまま現れていた。例年2隻の台船でやるところを大中5隻の台船を観覧場所から観て横方向に連結させ、ワイド打ちを可能とした偉容は、充分に今宵の打ち上げを連想させてくれていた。
 この日は予め主催者によって用意された撮影場所で楽チンに観覧・撮影するつもりだった。しかし不測の事態は起こるもので、あと開始まで1時間と迫ったところでその場所が使えなくなってしまった。
 写真やビデオの愛好家は、午前中から場所取りしているような名古屋港では、もはやこれからどこか撮影場所を探してどうにかするのは無理である。
 とにかく代換え地を都合してもらったが、そこは日中「あそこらへんも良さげだなぁ」と漠然と考え、当初の撮影場所に入る前に下見してあった。その際、台船方向に障害物があるので見送ったのだが、開始時間も迫りもはやそんな事態ではなかった。しかも当初の撮りでは台船まで600メートルほどのディスタンス。この距離だと標準ズームでコントロールできるので、基本的にはこの日は近場の撮りを想定した機材構成ではなかった。しかし移った場所は350メートルほどの至近距離。万一にと用意した28ミリ相当でも下から上まで撮るには近い。
 機材を運ぶのに大汗かいてしまった。リゾート気分の撮りからいきなりブートキャンプである。ビリーバンドはないが、機材満載のカートと三脚2本が充分すぎる負荷を与えてくれて、1年でこの時期がいちばんデブっている私には、ありがたいエクササイズというか………。
 障害物は良く見ると照明灯だった。「これが点かなければいいけどな」、という悪い予感は当たるもので、開始30分ほど前の19時頃ばっちり点灯。いくつかある照明灯のひとつがモロ向いている。台船に被るのを避けた位置取りをしたのに、広角の画角では灯りが画面隅に入りこんで壮大なフレアとなるだろうと懸念した。
 このハレ切りの処置に直前で手間取って、メインカメラにレリーズを繋いだところで「カウントダウンスタート!」。とそれくらい綱渡りの準備状況。カウントゼロで開花を合わせるために、カウントの途中で台船から早めに最初の1発目が放たれた。無事にこのスタートの開花にタイミングを合わせることができた。
 カウントダウンで8号が出てみると、下(台船)から入れて開花までカバーできるのは手持ちのレンズではやはりせいぜい8号までと悟る。
 10号は玉だけだなぁ。つか花火には良い場所だが、代換え地は「名古屋港」らしい目立った事物が何も入りません。まぁこの大気状態じゃ花火から距離を置かない方が正解だ。霞んでしまうし花火自体の光量が落ちて写真にならない。
 直ぐ脇はやや離れて盆踊り等をやっている集いの広場だが、位置の関係か進行アナウンスや音楽はいまいち良く聞き取れなかった。しかし今回は眼下にしっかり台船の全貌が見える場所であるために、筒口を見ていればタイミングを合わせられる状況だったので助かった。
 回を重ねる事に近年は一般協賛花火が増えて名古屋港祭り花火大会の主軸は「メモリアル花火」だというのが現実だと思う。4〜10号メモリアルが玉数も従えており、花火に託する協賛者も多いからだ。合間のスターマインはこれらの繋ぎであり、メロディ花火が最大の見せ場といったところ。そのメロディも今宵は2度用意されていて、ラストのメロディはみなと祭り史上初の5隻の台船幅を一杯に使ったワイド仕立てと聞いていた。
 開始間際になり準備に忙殺されれていたが、ふと気が付くと沖に風が流れているではないか。これはいい感じだとも思ったし背後から雨雲が来るとも警戒した(実際、中盤では傘をさしての撮影)。
 残念ながら私のカメラにだけ煙や霧や霞を除去するスペシャルな魔法の仕掛けがあるわけじゃない。このようなコンディションならばハンディは同じに与えられるのだ。始まってみると、既にカウントダウンの一発からして霞み気味。湿気か雲か以後の打ち上げも花火自身の煙にも没し、風は良好に吹いている感じなのだが煙が消えていかない状態が続いた。惜しいがこればかりは、つまりこちらではどうにもならない要素なのである。
 幸いに近場で見上げているわけではないので、多少は抜けがいい風なのだが、8号、とくに10号のメモリアル単発打ちでは名花が掠れて惜しまれた。
   

カウントダウンから

スイカ

熱帯魚

ヨット

タコ

カメ

ダイヤノユビワ

スパイラル
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メロディ花火
A Question Of Honor

メロディ花火
A Question Of Honor
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メロディ花火
A Question Of Honor
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メモリアル+4号ワイド
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ワイドメロディ花火

ワイドメロディ花火
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ワイドメロディ花火

ワイドメロディ花火

ワイドメロディ花火
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ワイドメロディ花火

ワイドメロディ花火
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ワイドメロディ花火
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ワイドメロディ花火
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ワイドメロディ花火
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ワイドメロディ花火
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 撮りはメインはこの日最大広角の28ミリ一発。それできちきちの画角になるほどの400メートルに満たない間合いだから仕方ない。創作ものや型物ではサブのカメラでズームだった。ただでさえ雨模様の撮りは体力をすり減らす。また、傘をさす必要がある場合は、カメラ一台で最低限の操作しかできない。最初は1台だけで撮ろうとしたわけだが、照明灯のハレ切りのために光源との間にもう1本三脚を立ててカメラを載せ、メインを護る盾とする必要があったのだ。それをサブとして、必ず投入されるであろう型物に合わせて専用のセッティングにした。
 FMでメロディの音楽を流していて、ラジオの準備もできていたけれど、とにかくこのコンディションでは空模様を観てそろそろ雨が落ちそうだとか、傘の用意だとか手がける事が多くてラジオは出さず仕舞い。余力をとにかく見て撮ることに集中したい感じだった。のんびりしすぎて弛緩してしまうより、これくらい緊迫感が伴っていた方が、私にとっては今シーズン初日、ぶっつけの撮りには「喝」が入って良かったかもしれない。しかも絶えず花火からパワーが供給されている状態で、打ち上げ中は実に快適であった。
 花火についてはあらゆる賛辞が寄せられているので今更言葉を尽くす程もないが、2つの構成の違うメロディを見て、今夜は気合いが入っているというか気迫を感じた。
 序盤の型物シリーズはなかなかの形の決まり具合。見たところスイカ、ヨット、熱帯魚、タコ、カメというラインナップだろうか。タコは足先が遊泳星で凝った造りだった。創作花火では、光のオブジェ、雪の結晶、マーブル、オパール、ダイヤノユビワなどのお馴染みのシリーズが登場した。
 玉一つ一つの完成度から来る存在感は相変わらずだが、組み合わせて連発に仕立て、ある時間に空間に多数の玉が存在しているという状態でも実に爽快に玉が置かれて開花していく。
 例えば今が見頃の生花を、目の前で手際よく活けるが如く、しかも瞬時に空間に置いていくことの躊躇のなさ。まるでひとつひとつの開花は、そこで開くことが設計されているように整然と、ピタリと咲き、夜空に在る姿はなんと計算された凄みのある美しさ。と愛好家は言葉で表現するのだが、一般観覧客の心にも既に届いている。良い花火はわかる人にだけでなく全ての観客の心を捉える力がある。ここに居る殆どの観客は例えばメロディ花火の中のひとつひとつの玉名まで知らないかも知れない、それでも一目で一瞬で開花に引き込まれ、今度は何が起こるのか、そう考えたらもう目を反らせなくなる。花火を良く知る者には磯谷煙火の名品シリーズであるから安心して見ていられるわけだが、その知った玉さえもやはり凄いと何度も思わざるをえない。
 中盤からややコンディションも持ち直して少しは良く見えるようになった。1〜2カットのタイミングのズレはあったもののの全体の撮りは良くコントロールされていたと思う。終盤の4号ワイドのところで、8号、10号が重なることに面食らって、次の創作花火の頭を撮り損なったがこれは私のプログラムの解釈ミスである。4号ワイド台船左右2箇所からの単発打ちであるが、玉を揃えて対打ち仕様となっていて手抜きの無い構成に感心し た。
 直前の場所替えもさることながら湿気の多い中での行動はかなり疲れてポーッとしていたらしい。名古屋駅に着き、同道した仲間と別れ地下街から上がってさてあとはホテルで休むだけ、というところでとんでもない事態に!「デイパックが無い!」網棚に乗せて置き忘れたのであった。
 それから地下鉄の駅長室に駆け込み、捜索と荷物回収に1時間40分ほどかかり、チェックインしたら0時を回っていた。無事に手元に戻ったからいいようなものの、これで精神的にも極限まで疲れてしまった。花火の後は私的にはとんだ事態になったがその代わりに地下鉄職員の方々の多くの善意に触れることができた。
 風呂を使って1時近く。そのまま寝ればいいのに部屋へ入った時から点けているテレビのBS放送で、昔のTVシリーズの「スタートレック」をやっていて1時間ものを最期まで観てしまった。
 花火大会観覧3箇所分くらい肉体も精神も疲労して、翌日の長野詣では諦めた。>翌日の名古屋は「梅雨明けか」と思うほどの好天に複雑な想い。
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