花火野郎の観覧日記2007

観覧日記その4 5/18
下田黒船祭り海上花火大会
     
静岡県・下田市

ogasaki.jpg 下田へ向かう途中国道135号の途中、間もなく白浜という地点で、「尾ヶ崎ウイング」というパーキングがある。最初に黒船祭りに車で来たときに休憩した場所で、熱海方面から南下してくると高台から白浜方向が初めて一望できる。当時は道ばたのただの駐車場所だったが、現在は立派な展望台や東屋が建設されている。ここから眺めると「下田に来たなぁ」と感慨深く、目的地の下田港までは後20分足らずの距離だけれど必ず車を停めて休憩するのである。あとは下る一方の道は白浜の白い砂とエメラルドグリーンの海岸線を左に観て通り過ぎ下田港へ至る。
 現着は13時少し過ぎ、メイン観覧会場のまどが浜やベイ・ステージ下田を横に観て通り過ぎ、最初から今日の予定観覧ポイントまで乗り入れる。とはいえ黒船祭りの期間中は公共の駐車場も使えない場所があるので、三脚を置いたらまどが浜の駐車場に入れても良いと思っていた。しかしその後使える駐車場が近くにあったので、またまた年に何度もない車の至近距離に三脚を置くという楽チンな環境になったのだった。
 10年以上も前にロケハンして、以来封印していた撮影場所があった。どんなにそこが良くても風向きが悪ければ使えないから、下田にもご無沙汰だったし、今回風向きも良く久しぶりに使えそうだと行ってみた。しかし残念ながら自然の樹木が伸びて眺望を隠してしまっていた。同時にそこがかつての視界を保っていたとしても、もうここまで機材を一人では運べないと痛感して歳月というものを感じた瞬間だった。
 そういうことだったから予定場所の替わりとしての今日の観覧ポイントは、その昔ペリー艦隊が初めて上陸した記念の場所としてペリー提督の胸像が元々建てられていた地点の近く。今現在はかつての設置場所からもう数百メートル西側に移設され、胸像を中心としたちょっとした記念広場のようなものが作られている。明日の黒船祭りの公式パレードはこの近くがスタート地点になっていて、今日は下田市の関係者がその式典のための準備に追われていた。
 天気予報からこの辺り一帯の撮りになると予定して、各配置までのだいたいの距離は地図上で把握している。下田はそこらじゅうロケハンしているし撮ってもいるから見当がつきやすい。
 撮影位置を決めてからは午後は長い時間、台船と海上スターマインがどこに配置され固定されるかを観察していた。
 みさご島の筒の設置は、撮影位置から双眼鏡で全貌が見えるので問題ない。あとは2隻の台船と海上スターマインが曳航され、定位置とならないと構図が描けない。台船は何度も曳航をやり直しながら位置や向きなどがようやく定まったようだった。海上スターマインは小さなモーターボート2隻で運ばれて行くが、これも何度か位置を修正していた。
 一番手前の台船までは300メートル欠けほどの距離なので程良い間合い。もう一隻までは490メートル前後だった(レーザー測距)。海上スターマインは900〜1000メートルと遠く測定範囲外。あらかじめ地図上で予想配置場所から距離を求めている。だからここは最初から望遠系を使う予定でレンズ群もそのように構成して持ってきている。
 そう。全ては風向きだから仕方ない。日中から打ち上げ終了まで安定して西風である。一昨年のハリスの小径からよりさらに海上スターマインは遠くなる。しかし今年はそのハリスの小径は風下。
 ベイ・ステージ下田近辺の岸壁あたりのメイン観覧場所は程良いが、スターマイン台船1、みさご島からの7号、単発打ち台船2の3箇所が左右に幅広く散っている場所でしかも横風。花火は横に飛ばされるしカメラは左右に振り回さなければならない。
 だからといって単純に下田へ着いてから風を読み、風上はこっちだからと回ってきても、各打ち上げ地点からの距離を考えた上でのレンズ構成などそのための準備がなければ対応できない。下田はメイン側からは左右にワイドに配置され、横方向から観れば奥行きのある設置なので、どこから狙うかで相当撮影体勢は変わってくる。
tripod.jpg 今回の撮影場所の良い点は、レンズ向きとしてはほぼ一方向で全て対処できるのと、風上にあたるという点である。
 犬走島に設置される10号、15号の位置は撮影場所からは見えないが、夕刻ベイ・ステージ下田近辺に情報収集に行くと岩の影になっていた筒群を見ることができた。
 平日であるが、各地から愛好家が参集しているのには驚いた。しばし談笑し、再び徒歩で撮影場所に戻る。
 撮影予定場所のすぐ脇は伊豆七島方面への神新汽船の乗り場がある。そういうこともある、と予想していたが、ベイ・ステージ下田に出かけて戻ると岸壁には船が接岸して横たわっており、10号打ち上げ方面にマストの一部がかかるような具合。発着所の係員にスケジュールを聞くと、明朝の出航までこのまま碇泊するらしい。他に代換え地はないのでそのままとした。スターマインや海上スターマインなどほとんどの打上には影響はないからまいっか。
 メイン会場から遠く離れているので静かな観覧になるかと思いきや、開始3〜40分前くらいから、地元客の車が次々に到着し、また近隣の地元家族連れは徒歩で三々五々集まってきて辺りはずいぶん賑やかになった。
 観客の中からは英語での会話も聴かれ、明日からの黒船祭りに先駆けて来ている米軍の水兵さん達か関係者なのだろう。
 定刻、突然手前台船から花火が吹き出し、唐突に打上は始まる。お、手前のスターマインは意外と近い。
       

スターマインと単発類

昇小花 芯入染分ダリア群声
細谷一夫(ホソヤエンタ−プライズ)
komatsu.gif
昇朴付 流星群光
小松 忠二(小松煙火工業)

昇分火 彩色芯錦輝菊
山内 宏(山内煙火店)

昇小花 八重芯変化菊
田村 清冶(太陽堂田村煙火店)

スターマインと単発類

海上扇菊

海上スターマイン
    
 犬走島が近いので時折挟まる10号はほどよい距離で盆も大きく見え、玉だけ撮るならいけそうだったが、低めに通過する雲に引っかかって霞んで見えるので撮りはパスする。日没の頃に快晴だった空も、その後雲が飛びはじめ、西の空から次々に雲がやってくる感じだった。それでも寝姿山の頂上が霞む程ではないのでそれほど低空の雲でもない。西風は変わらない。撮影位置からはどの打ち上げ方向もまず順風であるから問題ない。ただし今江のスターマインの煙が7号方向へ行くのは仕方ないところ。やはり雲の影響か向かいのみさご島の7号も時折盆の上部が霞んで見えることもあった。
 話に聞くだけだが、昨2006年度の下田は濃霧発生で壊滅的なコンディションだったらしい。ほとんど筒口からの射出の火しか見えないほどの海霧だったということで、下田では痛い目に(台風とか台風とか台風とか)あってきた私も驚いた。
 2回ほどあった海上扇菊もなかなかいい具合だった。射出は左手前の台船から沖に向けてという感じで、前を横切って飛び、右側の海面に落ちる具合。一昨年は遠すぎて鑑賞とか撮影とかの対象外だったが、思わずカメラを横位置に構え直して撮ってしまう。
 芸協の5号5発6種は、数からいえばさらに減ってしまったのが残念。3発ずつでいいから10社になりませんかねー。打上は奥の単発台船からだったが、一昨年観たときよりもずっと近くに見られて盆の形も良かった。
 ラストに全ての打ち上げ場所から盛大に放出して、海上スターマインに点火が受け継がれる。今回も海上スターマインに合わせた撮りの対策を施している。カメラ2台で露光量を変えてみたが、内包される玉の構成がその都度違うので常に同じ撮影結果が得られるとは限らない。今回は駄目押しに雷粒攻撃かな、かろうじて堪えていたオーバー目が一気に崩壊といったところか。オーバーであることを差し引いても画像がシャープじゃないので、風上の全ての打ち上げの煙が溜まっているのかも知れない。こうしてみると同じセッティングで撮った2005年の写りは悪くなかったなぁ、と思ってみたり……。
 惜しいかな名物の海上スターマインは名物であるだけにやや設置場所が遠すぎる気がする。メイン観覧会場からも相当遠いに違いない。海上扇菊が出来るなら、花火を放出する範囲も大差ないと思うのだが……。この海上扇菊が落ちる辺り、犬走島の手前で開発したらさぞ迫力があるだろう。
 後かたづけをしていると、あっというまに辺りの客も車も退けて静かになった。機材を積んでスタートするとちょうど21時。ベイ・ステージ下田辺りで仲間をピックアップして熱海まで送る。自宅まで3時間半ほどであるがやはり遠いかな。
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