花火野郎の観覧日記2007

観覧日記その8 7/29
第39回 豊田おいでんまつり花火大会
     
愛知県・豊田市

 前回観覧が2001年度なので、6年ぶりのおいでん祭りになる。  
 観覧の間が開いたのは、天候や懐事情やさまざまな要素が絡むが、なによりも気持ちを遠ざけたのは厳しすぎる「場所取り」。01年当時ですら可能な限り早く現着しても僅かな隙間すら難しいという状況。私の住処からではいくら早く出ても昼前に着くのがやっと。それでは遙かに遅すぎるのだ。しかもその後、場所取りのしきたりが変わり、河川敷ならびに堤防斜面は開催日の1週間前解禁となった。また堤防道路は車が通行しているので当日の午前10時場所取り解禁と、いずれも遠方に住む私には場所取り争奪戦に参戦すら叶わないので、もう戦意喪失したのである。
 本年度はさらに例年より規模縮小などの噂も聞こえてきて、今年も予定は立てたものの直前まで「行くか?どうしようか?」と観覧を迷っていた。
 愛好家仲間が居るのはありがたいことで、当日の場所取りに参加できる先発隊に観覧場所確保をお願いすることにしてなんとか立ち位置は得られる見込みとなった。
 当日早朝、窓を何かが叩く音で目が覚めると、外は既に土砂降り。最寄り駅に辿り着くまでで濡れてしまう出だしに萎える。それでも開催地は既に梅雨明けして好天が見込まれたのでそのまま向かう。
 現地に到着すると見事に晴れ上がり厳しい暑さだった。過去の記憶を辿って堤防道路に到着すると、先発隊によって好適な観覧場所を確保されており恩恵にあずかった(感謝)。
 それから豊田では、必ずそうしているが、多くの愛好家ともども近隣の木陰に陣取って永い午後を過ごすのだった。あまり遅くなると堤防道路の人通りが増えてカートで運べなくなってしまうので17時頃に機材を観覧場所に移す。しかし三脚の足下のアスファルトは日中焦がされ続けて思い切り岩盤浴状態となっており、横になれば健康的な汗がかけるとかそういうものでもなく………。
 風は日中からあまり変わらず、北西方向と例年の完全逆方向である。私は少ない観覧ながら一度も経験したことのない風向きでありこのまま変わらなければ、おいでん祭り花火大会としては過去に観覧した中では最良の条件になると期待した。
  

ミニメロディ花火

創作花火
睡蓮の花 株式会社磯谷煙火

スターライトパレード
株式会社磯谷煙火

スターライトパレード
株式会社磯谷煙火

日本煙火芸術協会特別作品
8号・昇朴付ひまわりの花
5号・昇曲付かざぐるま

日本煙火芸術協会特別作品
10号・昇小花南国ヤシ雪牡丹
5号・昇小花芯入五色ダリヤ

日本煙火芸術協会特別作品
10号・昇曲付万華鏡
5号・昇朴付錦冠花車

日本煙火芸術協会特別作品
It's SHOW TIME
長野県 田村清治作

日本煙火芸術協会特別作品
疾風烈火
静岡県 小口昭三作

青木煙火8号

日本煙火芸術協会特別作品
夏のやすらぎ〜ヒーリング花火〜
長野県 青木昭夫作

魂の尺玉・昇り小花花に群蝶
有限会社太陽堂田村煙火店

魂の尺玉・ひかりの宝石
株式会社磯谷煙火

メロディ花火
株式会社磯谷煙火

メロディ花火
株式会社磯谷煙火

メロディ花火
株式会社磯谷煙火

メロディ花火
株式会社磯谷煙火

メロディ花火
株式会社磯谷煙火

メロディ花火
株式会社磯谷煙火
189.gif
メロディ花火
株式会社磯谷煙火

日本煙火芸術協会特別作品
浪漫満載彩り花模様
静岡県 田畑朝裕作

ワイドスターマイン・銀世界
紅屋青木煙火店
 
 今日は撮影の方はかる〜く。のんびりと楽しんでやろうと思っていた。だからカメラも1台、三脚も1本と豊田の陣容としては軽い装備。途中のスターマインや単発程度は撮らずに要所の大型プログラムだけ、なんて思っていたのが、いざ始まってみるとフル回転で撮ってしまった。フィルムは充分用意したはずなのに、残りを確認するくらいの消費ぶり。
 これだけ合間のない打ち上げプログラムで時間的余裕がないのかもしれないが、唯一、芸術協会5号玉対打ちに、同8号、10号を重ねてしまうのだけは勿体ない! 何度も何度も勿体ないと叫ぶ羽目になったのだが、芸術協会同人の豪華競演だと考えればまぁいっか。

 おおキタキター!本家本元のメロディ花火。
 テーマの「天空の城ラピュタ」はスタジオジブリ制作アニメの中で最も好きな作品+楽曲なだけに、今日は音楽の通りがいいぞーっ。毎度「何の曲やっていたっけ?」と観ている間はリズムを取っているくらいなのに曲名が残っていない私だが、好きな曲なれば違う。「スラッグ溪谷の朝」からパズーのトランペットソロによる出だしも私的には「来てる!」。そこからエンディングの名曲「君をのせて」まで、アニメのシーンまで浮かぶような展開ではないか。各打ち上げシーン、いずれも素晴らしいが、光の宝石パートはやはり唸ってしまう。どうしてこの玉は、とその見事さというか切れの良さに見とれる。ほかの花火玉は割薬に着火して星が四方に球状に飛ばされ、と普通そういうプロセスが見て取れる感じだが、光の宝石だけは「開花と同時にその形になっている」というくらいスピードが速いというかそんな印象。最大限に星が伸び、形が決まったその状態でスパッスパッと咲いて散らばる心地よさ。終幕の錦、錦の一斉は「滅びの呪文」からのラピュタの崩壊だろうか。そうなるとそれが落ちついた後で、緑キラ星の割物に吊り星なんか仕込んで、天空に昇っていく大樹と巨大飛行石の表現なんかも見たくなる。って蛇足ぽいかな。
 写真的には後ろで8号だの10号を打たれるともう画角的に厳しいが、もうそんなことどうでもいい、という感じとにかく万華鏡や光の宝石のスパッと決まる連打が心地よく、素晴らしすぎてただ酔いしれさせてくれ……。
 終幕はかつての5箇所打ちワイドでは観たこともない、鬼の様な怒濤の連打。ザラ星も昇りも開花も銀、銀、銀の白一色。5箇所どころじゃない設置場所からは地鳴りと共にズドドドーッズゴゴゴーッと10箇所20箇所から昇りが一斉に繰り返し上がる。なんという物量、なんという畳みかけ、これでもかこれでもかこれでもかこれでもか……声も出ない……根本でぱーっとナイアガラの速火線が奔ってようやく我に返り、露出を調節して引き続きナイアガラの撮り……そしてパチパチと名残惜しげに次々に火が落ちて静かな河川敷に戻るのだった。もの寂しげだが、圧倒的な白銀打ちの後である、クールダウンには最適な余韻のある幕切れではないだろうか。
 ナイアガラの点火の頃、どうやら例年ナイアガラの火の粉を浴びるために河川敷に突入する強者が居るらしく、危なすぎて笑えた。警備員が一列になって突入を阻止していたが、燃焼温度が高いのでかなり危険かと。落ちる火の粉で芝生が燃え上がっているのを見ればその下に行けばどうなるかはわかりそうなものですが……。
   
 燃え尽きた、真っ白だぜ……なんという濃密な全速力の時間……。力尽きた、禁断の絶叫モードに突入してしまい声も枯れた。この日のおいでんを観られて良かった。
 花火内容とその構成、打ち上げの確かさ、気象条件、あらゆる花火大会の構成要素が縁あって高いレベルで合致して相乗作用となり、花火大会全体としてこれほどハイレベルでまとまることは数少ないだろう。とくに風向きは過去の観覧で一度たりとも経験したことのない好条件だった。
 この同じおいでんですら、今後何度も同じようにはならないだろう。この晩は素晴らしく壮大で完成された演奏のオーケストラだった。ブラゥボー!ブラゥボー!と同時に何かもう今夏最高のパフォーマンスを観てしまった気がして後が怖い。
  
 開催翌日早朝、再び窓を何かが叩く音で目が覚めると、午前5時にして外は既に土砂降りの雷雨。ホテルでタクシーを呼ぶが出払っていて不可。最寄りの豊田市駅までずぶ濡れで辿り着く。しかしこの日はすんなりとは帰れなかった。名鉄線は豪雨と落雷により遅延が発生していた。名古屋駅では新幹線ホームに上がったところで掛川〜静岡間が豪雨で不通。運転見合わせになった。やってきた新幹線に乗り込んだものの、ひと駅走った三河安城で約1時間、運転見合わせで停止。再開後も東京までところどころで激しい雷雨だった。
 関東地方でも雷雨によりあちこちで鉄道は不通になっていた。そして自宅までまたまた濡れながらの帰還。
 この広範囲の激しい豪雨、雷雨が10〜12時間前倒しで豊田市を襲っていたら、おいでん祭り花火大会は全滅だったのだから危ないところだった。
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