花火野郎の観覧日記2008

観覧日記その5 5/3
熱海元気ですよATAMIX '08海上花火大会
  
静岡県・熱海市


オープニング
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空中ナイアガラ
    
 ゴールデンウィーク当初の予報より実際は全般に思ったほど天気が良くならなかったようだ。我が家から最寄り駅に向かう時間にはなんと天気雨。都内から熱海へ向かう間もすっきり五月晴れどころか重い雲が足早に流れていく天候。
 それでも熱海、伊豆方面に向かう西湘バイパスから続く海岸道路はさすがの大渋滞中。ゴールデンウィークの移動は電車に限る。
 なんと盛況な。駅前のちょっとした広場は見物客で埋まっていた。その視線の先には「阿波踊り」。熱海元気ですよイベント事務局主催の「第2回 熱海で元気に阿波踊り」が連休の3日4日両日開催されているのだ。東京の高円寺とか本場徳島からも踊りの連を招聘しているらしい。そこここに「熱海元気ですよ」の揃いのTシャツを着たスタッフが居て、その人数も半端じゃない。駅前もそこから続くアーケードにも踊りの連が入り、その見物客も相まって通行するのがやっとなほどの人混み人だかり。5月の連休に来たことはないけれど花火以外がこんなに賑やかな熱海に身を置くのは初めてのような気がする。それにしても駅に向かう道路も熱海を通過して伊東方面に向かう道路も数珠繋ぎの渋滞だ。
 翌日のロケハンにと親水公園まで降りてみてさらに驚いた。無数の「熱海元気ですよ」の幟が並び、クリスマス時にはツリーを置いている広場には特設ステージが設けられてイベントの真っ最中。そのまわりにも椅子テーブル模擬店が並び、こうした催事をここでやっているのも初めて見る。ここでもスタッフや警備員の人数が凄い。観光客も一杯だ。
 熱海元気ですよのイベントは花火だけじゃないから、花火だけを取り上げられても本意ではないだろうけれど、あらためてイベント全体はかなりの規模で動いている事がわかる。
 親水公園の通路には駅方面よりさらに多くの阿波踊りの連が並んで連ごと持ち前のパフォーマンスの真っ最中。賑やかだなぁ。とそこですれ違いざまに芸妓さんスタッフから温泉まんじゅうのパックを手渡されてびっくり。無料配布中だという。いやぁただでもらえてしかも食べ物というのが嬉しい。いいイベントだなぁ。
 少し小ぶりの温泉まんじゅうはとても美味しかった。それから何度も付近をうろうろして何パックか貰って食す。土産に持って帰ろう。ただで貰ったものを土産とは何というセコさだろうと自戒するが、どうせ花火が終わる頃駅前に戻っても温泉まんじゅうを買えるような店はどこもとっくに店じまいしている、というのが熱海でもあるから仕方ない。車で来ているわけじゃないので花火前に土産を買って荷物を増やすような余計なこともしたくないし。ひとしきり賑わいとまんじゅうを楽しんで撮影場所に戻る。
 そろそろ開始時刻。しかし放送の回線が違うのかどうか、今日はまったく下から進行アナウンスが聞こえてこない(あとで確認すると親水公園周辺では聞こえていたらしい。音量か放送範囲の問題と思う)。
 公園やサンビーチのライトアップを落とし始めたのでそろそろかと思っていたら開幕ワイドが一斉に出始めた。用意はしていたので焦る事もないが、進行がまったく聞こえないのはいささかやりづらい。
 ここでアッと驚く成り行きは、開幕一斉が銀、ということ。ありゃー空中ナイアガラで銀を使うのにここでも出しちゃいますか……。
 日中は風向きはともかく、信号雷などを見るとサッと風に飛ばされていたのだが、この開幕スターマインが終了するとそのまま巨大な煙の塊が湾内に居座ってしまった。風が弱く向きも悪い。開幕は10号入りだから上から下まで全域最大幅での煙の壁だ。ああ、もう今日はダメだ。と早々にあきらめた。以降全ての打上が煙に埋没した。煙は風向によって親水公園からサンビーチまでまんべんなく覆い、しかも動きが悪い。
 こちらは視線が高いので真鶴寄りの10号だけ玉の出来も良く煙の上に突き抜けて見えていたが後は全滅。
 デジタルスターマインの内容はほぼ4月19日と同様だった。これもたなびく煙のベールの向こう側。
 次は空中ナイアガラ、というところでなかなか上がらない(親水公園辺りでは1分お待ち下さい。なとど放送していたようだ)。実は発煙量の多いデジタルスターマインなどもあって上から見るとサンビーチから後楽園ホテル方面まで市街も含めてまんべんなく煙に覆われている状態だった。私の所からはアナウンスが聞こえないが、さすがにとっておきの出し物の前である。これは煙の通過待ちをしているのだと推察した。とそこへ市役所の市内放送で「本日の花火は終了致しました」と 勝手に 終了宣言。
 おいおい……放送している本人はおそらく親水公園とか現地におらず、終了時間が来てもう打ち上がっていないので事務的に放送したのだろうが、そりゃないだろう。
 それで帰り始める客もいたわけで、親水公園ではまだ終わっていませんと引き留めにやっきだったようだ。
 私もあまりに間が空くしこの終了宣言で一瞬本気にしたけれど、それにしては打ち上げ終了と共にただちに点灯する街路灯やライトアップが戻らないので、レリーズを持って待機していた。とそこでいきなり空中ナイアガラが始まった。実際は3分ほど煙が晴れるのを待ったことになる。4月のよりやや継続時間が長く出だしのVトラや多数の色芯入りではないがおおよそ30発超の10号玉も放たれての7カ所打ち。まずまずの内容だった。やはりこれ無くしては終わらないだろう。
 気象条件は仕方ないとはいえ、まったく写真にもならないしそもそも観ることすらできない。これほど悪条件は過去18年の熱海観覧の中でもなかなか無い。
 花火内容は4月19日の華の舞の時と大差ないと感じた。
 結局……本日伝え聞いた話や取材情報を集約すると---
 昨年12月25日と、本年元旦のATAMIXだけが相当なスペシャル仕様だった。ということらしい。おそらくは予算的にも通常より上積みされていたと考えられる。本日5月3日は都合4月19日の観光協会バージョンと同等。見た目にも多少の演出の差はあるものの物量は同等だと思った。つまりATAMIX海上花火大会と名称は同じだけれどクリスマス、元旦のスペシャル仕様にはほど遠かったのだ。最初のATAMIXが凄すぎて今後の全てのATAMIX開催日が同規模かと考えたのは尚早だったらしい。つか勝手に期待しすぎというところだろう。今後は本日と同等のバージョンとのこと。15分間の短縮版であっても最初と最後をのぞけば薄さは否めないのだから同じ物量を25分や30分間では息が続かない。この内容なら10分で打てるだろう。熱海に温泉などを目当てに訪れる客にとっては花火はプラスアルファの楽しみだ。しかし花火が最大の楽しみである私にとっては熱海は多額の交通費と時間を割いてまで出かけるのは難しくなった。私は元旦の内容でやるならそれだけを何度でも観たいと言ったので、次の熱海観覧は何時になるか予定がたたなくなってしまった。熱海にはずいぶん通って打ち上げ場所の変更など多くの変遷を見てきた。かつての最盛期の打上げが再び観られるかとこの年の元旦には心が躍った。でもそれはよそ者の叶わぬ願いなのだなぁとこの日の帰り道は不思議と平静だった。同じ熱海で別々の主催者がそれぞれに同じ場所で花火大会を開催し、それぞれ熱海を活性化させて、訪れたお客さんに楽しんでもらう、という共通の目的があるのに双方が同じように予算が厳しくてと言い打ち上げ内容の薄さを競い合っている。倍の密度で開催できる可能性が直ぐそこに手を延ばせばあるのに外野からみればオヤオヤな現況。
 条件の悪さも重なってモチベーションが落ちてしまい、翌日の風向き予報も同様だったので、この日にいったん帰宅すると翌日はもう出かける気がなくなってしまった。
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