花火野郎の観覧日記2008

観覧日記その12 8/1
第23回 神奈川新聞花火大会
  
神奈川県・横浜市

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昇小花 八重芯変化菊
秋田・小松忠二

昇小花 芯入錦冠花車
東京・小勝則孝
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昇小花 三重芯変化菊
静岡・池谷博文

20号・昇天銀竜
紅光露芯菊先緑紅銀世界
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蝶がキターーー(長野産)

20号・昇銀竜付 彩色千輪牡丹の花

なんという八重芯銀冠(長野産)

大スターマイン
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20号・錦曲導付
緑銀乱芯錦大冠菊先の群光
   
 仕事帰りで開始まで1時間足らず。神奈川新聞にそんな時間に着いて、昨年のようにホテルの部屋というでもない。ここの混雑を知る人なら「それからどうする?」と思うだろう。もちろん臨港パーク、新港パーク、運河越しに観覧車とコンチネンタルの間に花火が上がるあの定番スポットもさすがにこの時間では無理。今年は仕事帰りの時間で、それでも可能な絵を考えた。
 思い描く絵は赤煉瓦倉庫の上に上がっている花火というシンプルなもの。横浜みたいな夜景がきらびやかな場所ではシンプルというのが難しい。目に入るモノはあれこれ写したくなるもの。結果として、一画面上で眼が見たいモノが多すぎて、花火だけに真っ先に眼がいく絵柄になりにくい。
 場所を選ぶには、公式HPに交通規制図が載っていてダウンロードできるのだが、打ち上げ台船の位置がほぼ正確に記載されているのでこれを利用した。こういう場合適当な位置を載せたり、周りの地形も省略や変形されて参考にならない略図となるものだが、神奈川新聞花火大会を何度も観覧している経験からみてこの規制図は結構正確だと思った。さてここから望む絵を撮れる位置は?と机上で割り出す。私の花火写真の一部はこうして計算高く撮られている。
 日本大通り駅からはすぐの目的地を目指す。すでに交通規制時間帯で幅広い車道は通路になっている。他にも候補地を考えたけれど、やはり交通規制や立ち入り禁止などで使えない観覧場所が多い。大桟橋にはまたまた飛鳥2が鎮座し、眩いばかりのセレブ感。
 現着してみると地図だけで思い描いていた通りにはいかないもので、長い方の赤煉瓦倉庫の前にはでっかい白い仮設テントが設けられてなにか催しをやっていて照明も入っているし、背の高い立木やらもある。短い方の赤煉瓦倉庫の方がイルミネーションもよさげだと思ったが、手前になにやら水遊び的なでっかい施設があってこれが邪魔とか。街路灯とか信号とか障害物も多い。理想としては倉庫群から充分な引きが欲しいのだがなかなか思うようにはいかない。地元のカメラマン諸氏にも周知の場所であるらしく、赤煉瓦倉庫エリアのあちこちに三脚が並んでいる。
 障害物を避けて事前に思い描いた場所に三脚を立ててベースキャンプとし、そこからまた今後に備えてあちこちにロケハンしてまわる。大桟橋に停泊する飛鳥2が望める海縁に出てみるが、こんな開始まで45分という時間なのに余裕で場所を取って座れるし三脚を差すのも無理がない。花火までの間合いは嵩むけどこれは快適な観覧場所だ。金曜の神奈川新聞でこれなら結構楽だなぁ。
 海縁に出ても台船が直接見えない位置。正確な打ち上げ位置を知りたい。19時に雷が上ったものの赤煉瓦倉庫の屋根の上に出ず。見えないってば……。もっとも最初から4号以下は屋根で見切れて下の方が見えない、5号も下半分が引っかかってしまうだろうということで、7号以上の狙いなのだ。立ち位置を決定するには、本番の花火がたとえ4号でもいいから上がってくれないと台船の位置がわからないな。打ち上げ位置が正確にわかったら、前景となる倉庫の入り具合を調節しようと思っていた。
 開幕から30分くらい、芸術協会10号が始まるまでは様子見。スタートの19時15分を待つ。さて目の前の屋根のどこから花火が上ってくるか?もしあそこならあっちに移動しよう。ここからならあそこに変えようと虎視眈々と打上を待つ。今日の基本的な狙いは芸術協会10号10発と、3発の二尺玉。あとは気楽にいこうと構える。
 プログラムでは4号からの早打ちでスタートするが、開幕は10号が放たれて、これは全てを確認するにありがたかった。するすると赤煉瓦倉庫の屋根から曲導が昇り、打ち上げ位置を確認。高さと大きさを確認。
 さてこうして最初の玉が出てみると……アハ♪これはまた、なんという“計算通り”。……出る位置といい、高さ、構図、全てが予想通り。しかも完全な風上じゃないですかー。夜は雲が拡がってくるという予報で、もし雲が低かったら10号は打ち込んでしまうかも、と気が気じゃなかったけれど予想外の晴れた空。出る位置によっては場所を変えるか微調整のつもりが、三脚を動かすこともなく、そのままここで初めてカメラを載せた。移動に備えてカメラは載せていないのだった。
 べつだん高さのある場所に立っているわけじゃないから、目の前をさんざん観客が横切るだろうし、赤煉瓦倉庫の前も人だかりができるだろうと思っていたけれどこれは予想に反して素通しでよく見えた。それもそのはずで赤煉瓦倉庫のすぐ南側(つまり私が立っている側)に立つと倉庫が壁になって花火が見えない。だからそこで誰も立ち止まって眺めることがなかったのだ。
 昨年同様に携帯電話でプログラムが見られるサイトを見ながら観覧。芸術協会玉がなかなか始まらず、ここから少し遅れ気味になったが、二尺玉はほぼ時間通りに打ち上げられた。1発目は芯入菊先緑紅銀世界と芯菊。見事である。
 花火内容的にはいつもの神奈川新聞といったところ。プログラムとプログラムの間に妙に長い合間を取るのは何故なんだろう?20時を過ぎて後半に入ると大型スターマインや尺打ちが入ってきて、芸協と二尺玉だけ、と決めていても結局撮ってしまう。単発やスターマインの中に入ってくる新潟産、長野産、秋田産の尺玉もなかなか見応えのある良い物が多かった。
 撮影で難しいのは花火の根本が見えないから曲導が昇ってくるタイミングがとりにくいこと。赤煉瓦倉庫は見た目よりずっと「暗い」ことの2点。倉庫は肉眼での見た目くらいに写すには結構な露光が必要だ。自照の灯りは倉庫内の窓灯りだけ。ライトアップは足下からの弱い灯りだけ。なんたってレンガですから光の反射率も低いし。当然屋根は灯りが無く真っ暗で空にとけこんでしまう。屋根のラインを出すには向こう側で花火が上がるか、露光を掛けて空の部分を抽出しなければならない。しかしこの日のように快晴の空だとそれにも露光時間がかかる。前後の露光を毎回足せればいいけど打ち上げが続いている場合はそうもいかない。だから花火本位で倉庫アンダーになるのも承知で。
 二尺2発目の彩色千輪はハーフトーンの小花が入って明るく綺麗で、昨年以上に絶景の咲き具合だった。終幕は錦や銀冠の連打から間髪入れず3発目の二尺玉が上がるといういつもどおりの流れ。だから毎回直前の大量の打ち上げの煙の中に打ち込むような消費となるのが残念だ。芯入錦冠菊先割はダーッと豪奢な引き火が倉庫の屋根の向こうに流れ落ちて素晴らしい光景だった。
 帰りはこれが神奈川新聞花火大会?というくらい難なく、日本大通り駅からみなとみらい線はすかすかで座れたし、横浜からは20時51分発の湘南新宿ラインに5分前着で余裕で座って帰れたし、と混雑とは無縁の帰路。ちょっと観覧場所を変えるとなんというラクチン。赤煉瓦倉庫一帯は空いているし、帰りも全く快適だった。仕事帰りだから機材も最小限にとフイルムカメラだけだが、これくらい人混みに巻き込まれないならデジカメ君も持ってくれば良かったナ。
 私はメイン会場ではないから空いていたのだと思っていたが、後日そのメイン側で観覧していた愛好家も空いた感じだと言っていた。同じ横浜、皆さん国際花火の方で燃え尽きちゃったんでしょうか。
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