花火野郎の観覧日記2008

観覧日記その17  8/23
第82回 全国花火競技大会 大曲の花火
  
秋田県・大仙市

大曲の有料席争奪戦線再び………完敗…_| ̄|○
 
 昨年同様、正攻法で8月1日に商工会議所にTELするも、以降1週間一度も電話が繋がらないままだった。
 その日の午後には各種桟敷券が完売してしまいキャンセル待ちとなった。そのキャンセル待ちをお願いします、という電話もまた繋がらないものだからメールを打って申し込んだ。
 ここでなんだか固執する気がなくなった。大曲に縛られなければ同日の他の花火大会に行けるではないか。そう考えると楽になった。
 現在の大曲は有料席が無くても普通に堤防斜面に場所取りできた昔とは違って、お席が確保されていなければとても観に行く気にならない。一般席は河川敷で徹夜の行列をしてからの場所取りで面積も少なくなった。そんな常軌を逸した前夜祭には参加できない。だから普通に普通のやり方でお席のチケットがに入手出来なければ、無理して費用を掛けて大曲まで行かなくていい。それでいいと。もし一年に一箇所しか花火大会に行けないとしたら、その花火大会は大曲と決めている私が、そう思うくらいここの有料席はなんと昔ながらの販売方法だろう。
 一日中リダイヤルしたり、ましてや現地に行って並んでまで買えない。見に行く花火大会はひとつだけじゃない身としては、いち花火大会のチケットを入手するのにそんな無駄な時間を割けない。コンビニの端末で待たされることもなく買える花火大会があることを考えれば、買い求め易さの点で差は大きい。
 私はこうしたモノを情実で手に入れるのが苦手なのだ。日本社会だからどうしてもそういう部分があるのは了解している。それは残念ながら不公正だ。なにより情実に頼らずに普通に買えればそれが一番だと思う。私はシネコンのチケットをネットでよく買うが、アクセスして座りたい席を自分で選んで購入、というそのシステムは便利だと思う。
 しかし大曲にはこの種の購入手段がない。情実や人ヅテなら苦労しなくて手に入るのに、要領が悪いバカだなぁという方もいるだろう。全国からネットやメールで遅滞なく公平に買えるシステムならそんな要領を効かす必要もない。それと相変わらず個人売りの分があまりに少なくしかも販売箇所(席の場所)が限定されすぎているのではと考える。
 金を出せばオークションで自由に買えるが、1マスあたりが2倍3倍の価格にまでなったものを買ってまで観たいと思わない。有料席は協賛金と割り切っているが、高値を呼んでも定価との大幅な差額が主催者の協賛金になるわけじゃないからだ。
 運営費で苦労する各地の花火大会で近年有料席化が著しいが、新規有料席を設けるのではなく、「一般の自由観覧場所だった区画を召し上げて有料席化」という費用捻出方法は、間違いなく大曲がC席を設けた段階で全国に先駆けた。しかも大曲の場合は「その殆どを一般客でなく先ず余所からの団体観光客に売る」というおまけつきだった。私ら一般客もただ観しようとは思わないが、団体最優先というのでは打つ手がない。
 花火大会は花火だけではなく、運営トータルで評価されると考える。その運営においても全国の大会の規範とされてきた大曲だが、残念ながら市内外に膨大な有料席を販売する大会としては、フェアで簡便な販売方法という点で全国一遅れているのが現状だ。一般客から観覧場所を取り上げたことの代償を一般客個人が参加できる公正なシステムで払う義務があると思う。花火当日、運営スタッフとの会話ではこの販売方法は改善の方向にあるという、今後に期待したい。
   

金谷橋からのF席とA桟敷

P席、フェンス、通路、夜店の位置関係

普通のP席最前列の体育座り目線

too badなP席最前列の体育座り目線
子供が30人は入れる巨大ゴミ箱の後ろって……

A桟敷後方の一般席の場所取り(午前10時)
    
rainyday_title.jpg 久しぶりに完全雨仕様の観覧だ。大曲はここ5年くらいは好天に恵まれ、かつて隔年くらいで雨にやられていたことを考えると晴天続き過ぎる。ということで我々の間では早くから今年の大曲はそろそろ天気が危ないのではないかと噂されていた。予報も最初は良かったが近づくに連れて開催当日は悪くなるばかり。完全な雨対策が必要になった。雨とわかっていても行く大会は大曲だけと決めているものの、大曲に向けて準備万端整えてきたのに雨とはやはり脱力する。
 傘は2本。自分とカメラを護り、撮影中はカメラバッグを護る2本。セパレートのレインウェア。もちろん衣類も撮影関連の小物も細かく分けてビニール袋に入れて防水。乾いた着替えも必要だ。そして開催に向けて情報を集めていると、どうやら現地は既に秋模様か気温が低いらしい。ということで雨プラス低温対策。使い捨てカイロに薄手のウールのセーターもザックに突っ込んだ。結局寒くて持っていった衣類は全て着たほど。レインウェアは防水防風はしてくれるが温かくないのでセーターが役に立った。北京オリンピックよろしく、人工降雨ロケットを打ち込んで晴天に出来るのなら花火大会には有効だなぁと思ってみたり(米どころ秋田では被害甚大な気もする)。
 前日遅くに大曲入りした。ホテルを引き払って徒歩で金谷橋(大曲橋)のたもとまで歩く。午前8時半前だ。薄曇りの空の元花火会場が視界に開ける。
 こうして会場全体が見渡せる場所に立つと毎度のことだが、「今年もここに来られて良かった」と震えるような感激が全身を駆け抜ける。ただそのことに感謝したい気持ちになる。
 大曲への道は永い。宿泊の手配、切符の手配、観覧席の入手。手間も費用もかかる。なにより自分がこの時に健康で、そして長い一日を乗り切らなければならない。雨となれば何倍もの負担がかかる。大曲ほどふと思い立って無計画に来るのが無謀な場所はない。
 上流側金谷橋から会場に入るつもりがなぜかいつも既に空いているゲートが閉まったまま。桟敷や会場の様子を取材しながら近年は歩くことが出来ない堤防道路を歩いて中央ゲートとなる5番に向かう。  歩いているとネットが途切れているところがあり広く見渡せた。すると、河川敷通路を次々に人が駆けてくる。自由席の場所取りの始まりだ(今年は待機人数が多くなったため下流ゲートを午前8時にオープン)。上流側に場所取りしたい人はゲートから約1キロメートルをダッシュしてくるわけだ(脱帽です)。桟敷は全体に増量されたようでC席は下流側の自由席を浸食してさらに延びていた。これによって金谷橋〜姫神橋間の大部分の斜面はC席となった。A席も若干増量したようで、団体専用のF席も昨年同様に金谷橋の直下に設置されていた。P席は逆に減ったようだ。ここは最前列にあたらなければ閉鎖区画の中で居場所が確保されているのでお買い得だと思う。
 5番ゲートもやはり閉まったままで、ゲートキーパーの警備員は一番下流側のゲートから入れという。そろそろ9時になろうかという頃。仕方なく堤防道路のネット越しにC席の様子や、花火のセッティングを眺めているとそのうち5番ゲートでは悶着が始まっていた。警備員に詰め寄っているのは「カメラマン席」を申し込んだ方々の一部だ。カメラマン席は専用区画内での居場所を決めるのを花火当日に現地つまり会場河川敷で行う。申し込み時に決められた受付番号順に現地で自分で好きな区画を選ぶという方法だ。ところがその現地での受付時間が9時。受付場所は5番ゲートの階段を降りて直ぐの開催本部なのに警備員は下流から入れの一点張り。下流側を経由すれば往復1キロはある。つまり時間的に受付に間に合わないから、「早く開けて入れろ」という次第。
 そこへまた警察が9時から堤防道路を通行止めにするとアナウンスで宣告。じゃ下流側には何処を通って行けと?矛盾に次ぐ矛盾。開門の交渉に私も参加した、カメラマン席は買っていないが申し込んだカメラマン諸氏の気持ちはわかる。結局連絡やら手配の行き違いが要因。9時10分になってようやく全ゲートオープン。カメラマン席の御仁達は無事に三脚の置き場をゲットして目出度し、目出度し。
 会場をぶらぶら取材したが、もう10時くらいにはA桟敷裏の一般席は全てシートがびっしり敷き込まれていた。C席は11時に入場可能で、それからずっと荷物と共に終了までの10時間以上を河川敷で過ごした。そこから花火のセッティングと立ち位置を検討しカメラワークを確認する。またまた超ワイドスケールになりそうだ。いつもなら日中は近くの日陰地帯に逃げ込まざるを得ないが、強烈な陽射しもなく風が肌寒い。今年も「突風にご注意と」会場アナウンスが繰り返している。消耗するので早々に上着を着込んだ。
 この天気では河川敷のあちらこちら、街の辻ごとに日がな立ちつくしている名物「ババヘラアイス」のオバちゃん達も少々気の毒だ。ビール、フラッペの類も苦戦したことだろう。河川敷で半日過ごした私も、とにかく温かい食べ物を探して買い食いしていた。
 今年はまた花火群の設置が変更された。10号割物は昨年比で300メートル以上下流に。昼花火はだいたい昨年の位置だがもう少し上流側か。創造花火は上流側に寄せて配置された。広告仕掛けは昼花火の並びに一括して設置された。これは互いの競技の煙の影響も鑑みたか、下流側桟敷の観客への配慮と思う。
 危うい天気は予想より早く崩れ14時頃最初の雨が来た。一旦は止んだものの1時間もしないうちに次には本降りとなって昼花火の頃はしっかり雨。周りの団体ツアー客も最初の雨で、傘という一時しのぎではなく一斉に合羽やセパレートのレインウエアに着替えていた。おそらく注意事項に書いてあると思うがその用意のいいことに驚いた(写真・昼花火前の会場、C席)。良心的なツアーだ。かつて花火観覧ツアーの創生期には、雨でもなにも用意して来ない客のために、添乗員が大量のビニール傘や合羽をコンビニに買いに走ったものだった。
 またまた私のC区画のトイレは昨年と同じ数。寒さで冷えたのか昼花火前後には超長蛇の列。ふと見るとなんとA桟敷券を下げた客が並んでいるではないか!「申し訳在りませんが、こちらに来られた訳は?」と取材にかかる。C区画より遙かに多い専用トイレが設置されたA桟敷から、目的を果たすまでより時間のかかる5000人以上に14基しかない激戦区画にわざわざ来るとはなんという行列マニア?
 17時からの昼花火は完全に雨でその間バッグや我が身をこれ以上濡らさないことに神経を使うばかり。15時に降り始めてから花火終了まで一度も腰を下ろすことができないくらいだった。観る気も撮る気も失せる。雨と曇り空にスモークも雲散霧消し無惨なり。昨年逆光だとほざいたが、それでも晴天下の昼花火がどれほど良いことか。昼花火が終わった頃には無理もないが相当な数の客がぞろぞろと帰り始めていた。 
 日中の風は東寄りだったが、夕刻からの雨で流れが変わった。予想の東〜東南東方向ではなく南東寄り。ほぼ雄物川に沿って吹き、やや下流側差込み加減。上空の風はもう少し東寄りか。風向き的には非常に好コンディションの晩だった。あとの問題は夜の部開始時に雲が低くないか?見通しは良いか?だった。
   
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昇雄花四重芯変化菊
太陽堂田村煙火店

昇曲導八重心虹色瞬き牡丹の華
伊那火工堀内煙火店

昇曲導付五重芯変化菊
小松煙火工業

マジックスター
小松煙火工業

昇曲導付四重芯変化菊
菊屋小幡花火店

ひなぎくの華かざり
磯谷煙火店

盂冬の華
山内煙火店
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昇曲付四重芯変化菊
紅屋青木煙火店

昇尾花三重芯菊先紅光露
菅野煙火店

昇曲導付五重芯冠菊先緑点滅
野村花火工業

昇曲導付四重芯変化菊
篠原煙火店

昇曲導付銀彩の華
篠原煙火店
  
 夜の部開始の19時頃には晴れ間とまではいかないが奇跡的に雨が上がり俄然としてやる気が沸く。
 開幕500メートルナイアガラの向こうに花火が上がるとほっとした。大曲の夜のスタート。感無量で震える。一年の時を経てまたこのオープニングを迎える事が出来た。続いて歓迎花火の後標準玉となる。ここで今日初めての10号が放たれる。この天候だ。10号域がきちんと見えるかどうかが勝負。すると視界は10号開花域まで絶クリアー。なんと星星の発色の綺麗なこと。これまで雨だったのにまったく霞みも曇りもないとは!
 しかしそれも続かず、10業者も進まないうちにまた雨が落ちる。雨の観覧は確かに辛く嫌なものだ。私も最初は雨対策と周りの観客にピリピリしていた。まだ堤防道路で観覧できた頃。最前列を取れなかったことがある。それでも前の客は座るから後ろで立って撮ることに問題は無かった。しかしその日は途中から雨。傘をさした客が一斉に立ち上がり視界を塞がれて撮影を断念したことがある。だから斜面になっているC席だって、下が濡れて座っていられなくなれば、平気で客は傘をさしたまま立ち上がるわけで。
 最初はプログラムに良否をチェックしていたが、それも雨でヘロヘロになり止めてしまった。これはという業者は必死で記憶に収める。
 今日は絶品と呼べる抜きんでて凄みのある10号割物は無かったように思う。確かに出品規定が三重芯以上となり、多重芯がポピュラーになって久しい昨今は製作レベルも高くなって出来具合が拮抗しているせいもある。三重芯が三重芯に、四重芯が四重芯に開き、そのように見えることは大曲クラスではもはや前提で最低限の条件といえる。それも多重芯の先駆者達が牽引役となって菊花型割物花火の技術レベルを一段高い領域にまで引き上げた功績によるものだ。
 ここ数年だけ大曲を見た客は、今夜の割物で「三重芯に、四重芯がどれも出ているからさすがに大曲は凄い」と思われるかもしれない。しかしそこに至るまでが長かったのだ。玉名どおりに開く、花火師や花火マニアだけでなく、一般観客が普通に見て楽に多重芯に見える、そういう玉になるまで各花火作家はどれほど試行錯誤されてきたことだろう。
 今回大会後に仲間内でも話題になったのは菅野煙火店の出来の良さで、昨年までと作り手が変わったのだろうか三重芯として素晴らしい玉だった。
 大曲では多重に出るのは当然とした上でもうその先、各層は破綻無く出ているか?配色は?星の変化は?バランスやオリジナリティは?と鑑賞や審査の領域もさらに細部に高いレベルになっているのだ。その観点で見ると、これは凄いと唸る多重芯玉は無かった。もちろんそれぞれの完成度は高く、多重の中のオリジナリティも素晴らしかった。それだけに少しの破綻も目についてしまうのだ。上位入賞の割物は安定域に入っているといえる出来だった。その変わりに2発目の自由玉はバラエティに富んでいて、こちらに良作が多く見られた。
    
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美の花街
太陽堂田村煙火店

RAIN〜水色の雨
イケブン

オペラと花火の夕べ  
伊那火工堀内煙火店

雪月花
菊屋小幡花火店

謎の円盤宇宙飛行
磯谷煙火店
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La Vita e Bella 素晴らしき人生
紅屋青木煙火店

悲恋〜花魁の世界〜
和火屋

蕾から花へ
野村花火工業

幸せのカタチ
マルゴー

幽玄夜噺
篠原煙火店
    
 もう一方の競技、創造花火のレベルは極めて高く、どの業者も渾身の出品作といえた。
 繰り返す雨に気持ちが萎えそうにもなったが、素晴らしい創造花火群にいつしか見とれて、見惚れて引き込まれ時間さえ忘れさせてくれた。
 どれもこれも完全に大曲スペシャル仕様だ。スターマイン1セットを繰り返し試し打ちは出来ないから、おそらくは各地の担当大会の中でこの日を最終目標に調整を繰り返し、最高の状態で出しているのだと思われる。タイミングも絶妙だしとにかく多彩、とにかくオリジナル玉。え?こんな星が?こんな玉がと驚かさせれることも多く、観覧者として毎年少しは精進しているかと大曲を再訪するわけだが、まだまだ修行が足りないと言われているようで頭をかきながらも嬉しい。これだから花火は楽しい。
 だいたい「創造花火」の趣旨からすれば、オリジナルでない方がおかしい。さらにいつもの持ち玉を再構成して別のタイトルを付けた、というものでもない。厳密に言えばこの出品のためにテーマを考え、それに合わせた花火を新に造ってこそ正しいのだ。そこまでしている業者はどれだけいるのだろう?
 イケブンの水色一発のスターマイン。パステルブルーの先駆者として総力を結集したとという感じの圧倒感。
 堀内煙火の5号三重芯をふんだんに使ったスターマインに驚いた。八重芯か……贅沢な創造だなぁ。1、2、3え?三重芯!5号でマジっすか!しかもたまに三重芯に見えるのじゃなくどれも見事な出来。
 篠原煙火の幽玄な和火模様。和火を使用した作品は多かったが、それだけを徹底して見せるという作品は、観客の関心を引いたことだろう。私にとっては既知の作品だが、あらためてそのこだわりに感心する。
 マルゴーの絶品と呼べるお得意のクリスタルフラワーもまさにジュエリーの輝きとフォルム。「美しすぎる!」と心の中で叫んで綺麗さに泣いていた。おそらくそれぞれ単発で打っても歓声を呼ぶに違いない。そこから変わる千輪模様。実に巧い。
 小幡花火は今年も各地で何度も見ているが、まだこんな手の内をこんな演出がと奥深さに驚かされた、和の趣の素晴らしい創造花火で唸った。それはタイトルどおり雪月花なのだが、おそらくこの出品のための玉を使っており、いずれも移ろいゆくものその美しさと儚さといった心に響く時間を感じさせてくれた。
 野村花火も八方咲きと千輪の絶妙な玉配りで、さすがに大曲は練りに練られた構成とタイミングである。
 永年観てきた大曲だが、席を取りにくいし、混雑するしで、大曲はたくさん観たしもういいかなぁとそういう気にもなっていた。大曲的なものは他でも観られるし、と。しかしこのような各社入魂の創造花火を見せられるとやはり大曲は別次元で外せないと確信してしまうのだ。聖地巡礼。私にとって大曲はやはりメッカ巡礼の如くその道程もまた修行というわけだろうか。この巡礼の旅は外せないのだと思う。
 大会提供スタートは20時50分頃だった。すっきり良くまとまっていたと思う。点火器の能力を見せるような星打ちの妙技は最小限、適材適所に限定され必要な所にのみ使い、あとは多種多様な打ち上げ玉をふんだんに打つことで魅せた。ワイドで凄いものが見せられると言うことだけでなく、大曲業者による花火玉単体の魅力、それがワイドで上がることの相乗でボリュームをしっかり見せていることが良かった。結局打ち上げた玉のパワーと開花の姿で魅了するのだというそこに原点があるのだと気が付かされる。玉は7号入りで幅も高さも最大級である。もともと大会提供にはなにかスペシャル(〜周年とか)でなければ10号は入らないものだったので適切なサイズだと思う。
 終盤は和火屋得意のトロピカル千輪ワイドの見せ場があり、過去これが披露された2004年の「輝彩燎爛」の時よりさらに増量、徹底した千輪乱舞の超絶景に絶叫しようにも声も出ない。またまた気が遠くなるような思いだった。
   

大会提供・未来惑星 栄光への輝き→
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大会提供・未来惑星 栄光への輝き→
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大会提供・未来惑星 栄光への輝き→
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大会提供・未来惑星 栄光への輝き→
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大会提供・未来惑星 栄光への輝き→

大会提供・未来惑星 栄光への輝き→
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大会提供・未来惑星 栄光への輝き→

フィナーレ、10号華キキョウ芯錦冠15発
   
 大会提供を観ながら、どこか別の大会のワイド系を同時に考えることは私はまったくないけれど(逆もそうだけれど)、今やコンピュータ点火器、小型煙火、ワイド打ち、音楽シンクロという構成要素は他の花火大会でも可能なので、観たこともない異次元のオリジナルワイドスターマインを、と望むのは相当に難しくなったのも事実。大会提供の基本はテーマに沿った演出、花火で見せる物語、というものだと私は認識しているしそのようにここで学んだ。だから楽曲に合わせて持ち玉を見せているというワイド系ともまた別のモノなのだ。しかしワイドで打っている、と形態で似たようなモノとして比較されがちだし、各所でたっぷりそういうモノを見飽きたマニアでさえそう思い、ただちに今年観た何処かのワイドと比較して良いの悪いのと語りこれでも満足しないかもしれない。○○花火大会○○プログラムでは10号入りワイドだったそれにひきかえ云々なんて言いだしそうだが、「だから何?」。花火大会や花火プログラムは比較したりそのことで優劣や順位を付けるものじゃない。
 もし課題があるとしたら大会提供はかかげたテーマに沿った物語性を出し切れているか?瞬間瞬間で上げている玉は、何を表現しているつもりなのか?を明瞭に伝える必要があるということだろうか。
 まぁこんな小難しいことを述べないでも大会提供は「おもてなし」なのだ。この打ち上げで多くの観客が感銘し来た甲斐があったと満足したと思う。私も満足して拍手で終えた。それでいいではないか。
 プログラム合間の広告仕掛けも豪華すぎる内容。中には10号入りの超特大スターマインもあり、驚く程の物量だ。雨でなければ地元各社が力を入れたスターマインを撮りたいが残念。申し訳ないが「しか〜け〜」とコールされると「助かった」と思う。というのも、この間フィルムを替えたり、濡れたカメラボディを拭ったり、レンズをクリーニングしたり、荷物の濡れ具合をチェック、防水をやり直したりとこれでもかの物量を横目に見ながらそういう雨対策作業に専念できるからだ。
 到着時に各地の愛好家と歓談したが、それぞれが入手したお席の場所が違うということもあって観覧時には一人になってしまった。皆さんどこで雨と格闘しているだろうか。
 終始雨での撮りは2003年以来か。開始で止んだので駄目かと畳んでいたもう一本の三脚を立てたが、結局再び雨となり使えなかった。完全に降っていると1台のカメラを雨から護るので精一杯だ。他の荷物も濡れないように神経を使う。衣類を入れたザックはレインカバーをかけてゴミ袋のなかにそっくり入れて避難中。撮影中出し入れの頻繁なカメラバッグはカートにのせて地面から浮かし、下から染みてくるのを防止。上からビニールシートで覆いさらに傘を差し掛けて固定する。ビニールシートの隙間から手を入れてフイルムの出し入れをするのだ。こういう点では、一度セットしたら少なくともフイルム交換だけは要らないデジタルカメラは雨天ではありがたいのだろう。
 降りかかる雨に絶えずレンズやボディを拭かなければならない。降雨や結露が激しい時、レンズクリーニングは不可欠だが、これをクリーニングクロスでやると、じきに布が全面で吸湿して使い物にならなくなってしまう。クロスの2〜3枚持っていてもこのような天気の時は保たないし乾かない。ではどうするか?クリーニングペーパーを片っ端から使うのだ。常に新しいペーパーで拭っては捨て、拭っては捨てる。私はビニール袋で防水したクリーニングペーパーの束をポケットに入れて、取り出しては拭いて捨てるを繰り返していた。
 大会提供に備えてはレンズを交換、フイルムも換えなければならないが、それはこの天候で昨今の「すぐに打ち始める大会提供では」間に合わない。だからもう一台のカメラを大会提供仕様にセットしてそっくり乗せ換えるという方法を採る。本当は2台同時撃ちで攻めたいがこの天気では無理。大会提供が始まっても片手は傘という状況で細かい絞り操作や。カメラの向きの微調整もそれほどできない。できのいい大会提供は28カットほどフルに撮ってしまった。それでも雨粒は避けきれず写り込んだのは仕方ない。
「打ち止め〜」とコールされ、終わった……乗り切った、という思いで一瞬虚脱状態となる。不思議と長かったという感じはなく充実していた。残念ながらそのまま幸せにほんわか虚脱していられないのが昨今の大曲。トーチを振ってのエール交歓を背中で感じながら急いで片づける。雨ということで展開しているモノが多すぎて晴天時の倍も時間がかかった。そうしている間に道も駅も大混雑になってしまうと考えて落ち着かない。この辺りも大きくなりすぎた大曲の弊害かもしれない。いつしか初めて来た頃のようにのんびりと堤防斜面で人気(ひとけ)が無くなるまで佇んでいることができる日が来るだろうか。大曲に宿があるか、車で来ているか、キャンプをしているかそのいずれかの手段を採らないとそれは無理のようだ。ダッシュして駅に向かっても大会提供終了で既に退出したツアー客が駅前を埋め尽くしていた。
 雨とはいえ豪雨でなくて幸いだった。この天候の中、無事に開催にこぎつけ運営にあたられたスタッフの皆様、煙火業者の皆様、ご苦労様でした。素晴らしい花火だったこと、それを観覧出来たことを心より感謝いたします。
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