花火野郎の観覧日記2008

観覧日記その19 9/27
東海まつり花火大会

    
茨城県・東海村

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打ち上げ場所全景を北東側から見る。刈り入れ中の田圃もある田園地帯
     

北東側に離れた10号打ち上げ場所

10号打ち上げ場所から見る
    
 開催日程表を作っているのだから名称を知らない大会ではなかったが観覧は初めてだ。今回は早い段階から30回記念ということで公式ホーページを設けたりスペシャル仕立てになっていた。掲載された情報の中でも我々愛好家の目を引いたのは担当煙火店として野村花火工業と野村陽一氏を前面に打ち出していたことだ。その名で客(愛好家のみ?)を呼べる煙火業者だし、茨城県内の他の担当花火大会の評判も高い。当日はその野村花火担当に早くから気が付いた花火愛好家が多く集うと予想された。
 公式HPの案内図や地図などで現地情報を収集して車で向かう。翌週の土浦全国花火競技大会の会場は通り道なので、途中で常磐自動車道を降りて再び桟敷席工事の様子を下見してから行こうと思った。9月13日に下見して2度目である。桟敷席はコンパネ張りの最中で半分くらい床が完成していた。これからブルーシートを敷いたり電設を施したりまだまだ作業は多く残していると見た。
 土浦をチラ見しただけでは東海村に早く着き過ぎてしまうので、土浦の田圃周りで咲き始めた彼岸花などを小一時間も撮影して楽しむ。
 しかしそれでも現地に11時過ぎには着いてしまった。最初に車でメイン側会場脇を走り抜けるとすでに花火屋さんが準備をしている様子だった。夜はこの道路は通行止めにして観覧場所になる。そうやって走り抜けながらも「電線が邪魔っぽいな……」とロケハンモード全開である。車の止め場所が見あたらずぐるっと回って下流の久慈大橋を渡り返す。そこは久慈川の河口近くでもうすぐそこが日立港であり海という場所で大きな船が停泊しているのが見えた。東海村というと私は原子力発電所が直ぐに思い浮かぶ。小学生の頃社会科見学で来たことがありその作文まで書かされたからだ。そこはこの花火会場から3〜4キロメートル南側に位置している。
 初めての場所なのでざっと一回り足でロケハンして様子を掴んだが、あと正味7時間も何をしていればいいのかと……。空は高く晴れ渡り秋の雲が拡がっていた。夏のロケハンなら大汗をかいてしまうが、花火を追いかけているうちにいつしか心地よい季節になった。
 会場は写真のように県道とJR常磐線に挟まれた田圃で、一角ではまだ稲の刈り入れの最中だった。こういう場所では農家の協力が不可欠で、当然ながら開催日までに打上場所の稲刈りが終わらなければ開催できない。花火開始前のアナウンスでは例年より収穫が遅れ気味で気を揉んだらしい。
 事前に風向き予報などを見て、メイン会場側と花火を挟んで反対側が良さそうと思ってプランを立ててきた。しかし地図と実際は違うもので、最大の予想外は会場南東側を通る常磐線だった。これは田圃の中の地べたを走っていると思ったら、切り通しの様なところから久慈川を渡る鉄橋までかなりの高さに盛り土をした上を通っているのだった。常磐線を挟んで充分に間合いを取るつもりが、盛り土が堤防のように壁になってしまうのだった。
 その常磐線の盛り土のすぐ西側の側道にあたる農道脇が打ち上げ場所として立ち入り禁止区域の境になっている。したがって境界線の直ぐ外側の農道が観覧場所になりそうだった。反対側の県道とこの常磐線脇との中間がメインの5号までの打ち上げ場所になる。直線距離はどちらからも250メートル程度。間隔をとって置かれた打ち上げ筒群を見ることが出来た。さすがに正面に相対すると間合いが近すぎるので北側にハスにずれて距離を置くことにした。それというのも銀塩カメラの手持ちの最大広角(24ミリ相当)が修理入院中で広角側の装備に余裕がないのだ。とりあえず10号の位置が不明だったので適当な場所に三脚を仮置きしてロケハンを続ける。
 正午くらいに同じようにロケハン中の写真愛好家達と打ち上げ場所北東側の堤防道路で出逢って話し込んでいた。公式に公開された会場図からは、このあたりが10号打ち上げ場所のはず。河川敷を見渡し川縁まで見に行ったがどこにも見あたらず準備している様子もない。
 ひとまず歓談もお開きにして昼食に向かう。河川敷グラウンドがあるので常磐線の鉄橋下には立派なトイレがあったが、会場付近には飲食店どころか飲み物の自販機すら無い。堤防道路から対岸の常陸太田市の大きなショッピングセンターとホームセンターが見えたので車で買い出しにいくことにした。
 昼食を済ませてから農道に戻って観覧場所を検討していると、先ほど立ち話をしていた堤防道路近くで10号筒の設置作業をしているのに気が付いた。どうやら花火屋さんも昼休みが終わって作業を始めたらしい。近くで数えると計22本の10号筒が用意されていた。常磐線の鉄橋から直線で300メートル程度西側だ。愛好家のひとりがレーザー距離計で計ってくれたが、私の仮置き三脚地点から10号筒は500メートルほどの間合いになる。そして5号以下の殆どの打ち上げ場所はハスに構えて間合いを稼ぎ、300〜350メートルは離れているだろう。撮影にも観るにも左をみて右を見てと忙しいことになりそう。この配置によってメイン打ち上げ場所専用と10号専用と2台の銀塩カメラを使うことにした。メイン側は28ミリ相当、10号は35ミリ相当だ。
 両方の筒の位置が判ったので位置を微調整して撮影場所を決める。とはいえ初めての場所なのでカンというか適当で。メインはワイドで目一杯打たれてもだいたいスケールの予想が付いたが、10号は高さと盆の大きさが35ミリで入るかどうか1発でも上がってみないとわからない。
 前日の午後くらいになってようやく公式HPに打ち上げプログラムが掲載されたから印刷して持ってきた。残念ながら10号に玉名まで書いてないが、10号3発目の五重芯だけは記載されていた。1発目の10号を撮らずに画角を確認しようと思ったが、待て待て待てよ。大晦日の那珂川でもいきなり四重芯をかましていたわけだからここも危ないなと思い直す。
 午後も半ばになると三々五々集まる愛好家は次第に増えて農道はいつしか三脚の壁となって、あちこちで歓談の輪ができる。しかしそうして立ち話をしているともう上着がないと寒いと感じるくらいだった。夜はそれなりに防寒する必要がありそう。
   

オープニング

昇曲導付四重芯引先紅光露

昇曲導付五重芯冠菊先緑点滅

連発花火
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デラックススターマイン

トリプルスターマイン
……豪華共演…

トリプルスターマイン

本日のゲスト

本日のゲスト
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八重芯八方冠菊

市民花火

市民花火

市民花火

市民花火

彩色八方芯引先紫光露

八重芯錦冠菊
   
 宵が訪れ急速に暗くなる。いつもより早めに1時間前には撮影準備完了していた。辺りは田圃で灯りもなく盛り土して高架となった常磐線の下の農道も真っ暗になりそうだったから手元が見えるうちに準備したわけだ。気温も下がっているようで、上着のジャケットの下にウールのセーターを着込んだ。
 音楽付きスターマインをやるための音響関係は費用をかけた素晴らしいもので、音楽もアナウンスも明瞭に聞こえてきていた。15分前から来賓の挨拶があって、カウントダウンと共にスタート。
 野村花火にしては珍しく小型煙火のワイドで始まった。そこに花雷が乗せられる。この開幕が出たとたん、「な、まさか……」しばらく絶句した。ふ、これだから天気予報はあてにならない。
 直前の雷打ちでは南西方向でまぁ良い風向きと思っていたのに、始まってみれば裏手はまさかの完全逆風の北西の風。打ち上げ場所から真っ直ぐに煙が向かってくるのだ。闇夜に白い煙の塊が災いのようにスーッと迫り来る様は何とも言えない。
 観覧だけの身の軽い愛好家数名は、開幕スターマインを見てただちに反対側に観覧場所を移したらしいが、三脚を何本も据えているとそうはいかない。居場所の農道は行き来に問題ないくらい空いていたが暗くて迅速な移動は無理だと思った。しかも左右に少し移動するくらいではどうにもならない逆風。
 残念だったのは風向きだけで、さすがに連発の経過では煙の影響を受けるけど、プログラムの合間が十分だったので次をやるころには流れていたのでまぁ良い方だ。10号はまったく影響無かったし間合いを稼ぐために斜めから見ていたせいで煙の直撃は免れ、花火を充分楽しむことが出来た。
 ときおり常磐線の電車が通るたびに、車内の灯りが我々の居る農道と田圃を驚くほど明るく照らし出して奔る。そしてまた直ぐに暗闇となる。花火をやるにはこの上ない暗さも好条件。
 花火内容は思った以上で満足だった、野村氏が開催前の挨拶で東海村は第二のふるさとと語っていたので、思い入れと共に心のこもった打ち上げを披露したと思う。
 スターマインには2箇所、3箇所の贅沢なプログラムが盛り込まれていたし、特に10号は五重芯までの贅沢なラインナップで、これだけでも綺麗に観られて良かった。プログラム誌はどうやら印刷が間に合わなかったらしいが、進行アナウンスでは10号は全て玉名を読み上げてから打った(音と共に録画しているわけはないので上の玉名はほぼ適当です)。案の上10号の1発目は四重芯引先紅光露。撮りも35ミリ相当で画角も良いようだ。(注:ご覧になった方は判ると思いますが、小型煙火を除いても全量野村花火製ではありません。10号は2発ほどゲストを呼んでいます)。
 中盤で良かったのは、トリプルスターマイン。矢継ぎ早のタイミングもオリジナルの使用玉も素晴らしく、スターマイン系では最大の絶叫タイムだった。
 いちおう保険で一眼デジカメも用意した。それは本日の手持ちレンズの中ではデジカメのズームが一番の広角だったので、もしとんでもなく近すぎたらデジカメ君に任せようというわけだ。結局終幕の市民花火(ワイドミュージックスターマイン)でフイルムと一緒に撮ったのみ。メインの各プログラムはフイルムの28ミリ相当で間に合った。適当に撮影場所を決めた割にはほどほどのハス具合だったようだ。一番奥(南西側)のシングルスターマインだけは28ミリでは遠すぎて、10号用のズームを振って対処した。
 ラストは5号30発と10号1発。この仕様で打ち上げ場所の離れた2箇所から同時にはやらないと見ていたが、まずは5号から入った。こういう時は打った玉数をだいたい数えていないと続く10号に対処できない。5号を観ていると10号は右耳の方で上がるという具合に向きが違うからなおさらだ。左側のカメラで5号を撮りながら、右側の10号の出を伺う。
 途中でボーッとアナウンスを聞いていたら反応が遅れて10号1発見送ってしまったのが失敗。スポンサーの読み上げなんかも聞き流すわけにはいかなくて、それが終わって「さぁ打ちますよ」というアナウンスを聞くつもりなのだが、そのうちそのことに集中してしまって撮影のことを忘れてしまうというか何というか。
 合間を空けているので押せ押せかと思ったがだいたい予定の20時30分で終了した。こちらからは見えないがメイン会場側は大勢の観覧客で盛況だったようだ。片づけて車に戻るとあとは常磐道日立太田ICまでなんの支障もなく素早く走ることが出来た。高速は節約して30分ほど走った土浦北ICで降りてその先自宅までは下道でトロトロ帰る。それでも21時に車を出して23時過ぎには帰宅できたので意外と早かった。
 今回は30回記念ということでスペシャル仕立て。10号を使うために通常の大会とは打ち上げ場所も違うらしい。次回以降もこの内容で見られるならありがたいことでリピーターになるだろう。
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