花火野郎の観覧日記2008

観覧日記その14 8/10
第21回 東京湾大華火祭
  
東京都・中央区

 今年は燃料費高騰、原材料高騰その他その他の度重なる諸物価、諸経費の値上げで、レジャーも安、近、短であるらしい。かくいう私も、費用のかかる遠征は次々キャンセルし、近場中心の観覧となっている。それでもいくつか行けるだけマシというもの。ネットの愛好家諸氏のブログなど観てみると、もちろんビッグタイトルを梯子しているうらやましい方々も居るが、地元の大会を丁寧に回って発信している方も居て、これはこれで重要な活動だと思う。
 さて東京湾。今期は観覧ガイドを新規におこしたけれど、この大会を取り巻くあらゆる場所は立入禁止区画が多く、結局一般的な観覧場所というのは、晴海第1メイン会場、晴海第2、第3、ほっとぷらざ、豊海運動公園、日の出協賛席、お台場、芝浦などに限られる。人気のお台場も規制区域が多く、何処ででも観られるというわけじゃない。穴場と呼ばれる場所も実際はがっつり花火を観る、という観点からは問題にならない所が多い。かつては観覧できたレインボーブリッジ遊歩道も使えなくなって残念だが、晴海だけでも膨大な収容力があるから問題ないだろう(終了後が怖いが)。
 相変わらず情報誌にはトンデモ花火記事が見受けられて残念だ。某誌の直前特集には、お台場のどっ外れにある潮風公園が“メイン会場に近い”穴場、と書いてあって仰天した。ライターは本当にそこで東京湾大華火を観たことあるのだろうか。2.5キロメートルも離れた遠花火でも穴場と書いちゃうわけですか。しかもメイン会場って何処のメイン会場のこと?このライターはまさかとは思うけど、お台場がメイン会場だと勘違いしているんじゃないだろうか。お台場を目指す客で花火の見た目の大きさに文句を言う人は少ないと思うけれど、記事を信じて出かけた客は携帯のワンセグで映画を見せられる映画館に入ったようなものだなぁ。 
 知る人ぞ知る、といわれるが知る人が多過ぎだぞ。という某埠頭が今宵の観覧場所。一般に広く告知しているわけではないのだが、この観覧場所は良く知られているようだ。埠頭の4/5は地元区民の招待席で、残り1/5が、この招待券の選に漏れた区民とその他の一般客用だ。招待席については地元だけに告知され募集がかかり、区民でないと応募できないからよそ者が知ったところでどうにもならない。
 ゆりかもめ線で観覧場所に向かうが、女性の浴衣着用率が高くてびっくりした。夕方現着すると既に一般客用の入場待ちの行列が果てしなく延びていた。一部に一般用があることがこれほど知られていたとは。ここではだいたい3時間程度は行列を我慢しなければならないが、首都高速の高架が作る日陰の下になるので陽射しは避けられる。
 開場の17時を前にして粛々と入場が始まった。列が長くなりすぎると開門を繰り上げることもある。入場後は好きな場所にシートを敷くが、あまりに広大なエリアゆえなかなか埋まらない。
 一般席と区民席は隣接していて、ちょっとした仕切があるだけだが行き来はできない。また区民席の方は再入場できない旨と、椅子の使用ならびに“三脚を使用しての撮影はご遠慮下さい”のアナウンスを繰り返している。開始直前みっちりと観客で埋まった区民席埠頭を見ると、ここで客のど真ん中で三脚を立てる根性のある奴は居るまいとさえ思う。立てるなら一番後ろか、最前列で座って撮るしかない。もっともそれは一般席の方でも同じ。2002年に区民席との仕切の所で立って撮影したら、後ろから飛んでくる抗議の品(ペットボトルとか)を避けながらの撮りだった。だからまぁ今回は障害物を背負って絶対に文句の出ない場所で撮っている。
 この場所での観覧は2002年以来だが、当時区民席はその面積の広さもあってガラガラだったが、今年は区画一杯にぎっちりの観覧客になったのに驚いた。おそらく発券枚数を増やしたのだと思うが満員御礼ぶりは凄かった。打ち上げ方向を見てみると、以前と花火の背後の景色が変わっている。新しいビルが建ち、そして建設中のビルもあり、またいつかビル群が揃ったところでここからの撮影が楽しみだ。目立つのは「ザ・トーキョー・タワーズ」の高層ツインビルで、窓灯りも煌びやかでいいアクセントだ。
  

東京湾、銘華の競い

東京湾、銘華の競い
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東京湾、銘華の競い

東京湾、銘華の競い

東京湾、銘華の競い

東京湾、銘華の競い

東京湾、銘華の競い
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 東京湾も2003年以来と久しぶり。最期に観たのは晴海主会場だった。この時既に終了後の混雑が凄かったからもう主会場で観るのは遠慮したいと観覧記に書いている。
 開催第一回目から一貫していくつかのパートに分けてだいたいのイメージタイトルを設けるものの、詳しいプログラムの無いこの大会。この日も6部構成らしく見ているとなんとなくわかるけれど、メイン会場でもないこの埠頭では一切アナウンスがない。出るに合わせて撮るという応変さが求められるがとにかくどこで何が出るか掴みにくい。揃って打っているようで片方だけとか、号数を合わせているようでどちらかだけとか、とにかく両台船の疎通がまったく無いかのような打ちっぷり。
 それぞれの台船に15号筒を積むと、晴海からの間合いが延びてしまうからなのか他の理由なのか近年目玉の15号は1隻だけ別台船になった。これが左右台船の中間奥(晴海から見て)に位置している。ようするに15号は一箇所打ちになってしまったのである。これがなんとも最高に残念なことだ。もう左右対打ちで上がる15号は幻の映像になってしまった。単発はもちろん終幕では連続打ちで15号が放たれたが印象はいまいちだった。それぞれの玉の出来もあるが、対打ちの時ほどの感動はなかった。いやアナウンスもされないから、観客はそれが15号玉であることすら気が付かないだろう。
 この日はセンター1箇所で打つこの15号の撮りをことごとく失敗するという集中力の無さというか、いや、観ているだけではタイミングはわかりませんて。相変わらず左右が揃わないし、合間を埋める単発打ちも思い思いのバラバラである。しかしまぁ、長らく観ているとそれが東京湾らしいなぁと思わせる部分だ。
 今晩の撮影上の問題点は、雲が多く背景がしっかり暗くならないこと。気圧配置の関係でどんよりとした曇天に夏らしくない東寄りの風。つまりこのメイン会場と正反対に相対しているこの埠頭から見て左流れの横風。風上側の台船から打ち上げられた花火の煙が風下側台船の上空に達して隠してしまうことだ。だから撮るタイミングが悪いと、風下側台船の花火は煙に打ち込んだ状態になってしまう。風はけっこうあるものの湿度のせいか煙のせいか終始クリアとはいえないコンディション。
 使用レンズはこの埠頭からで15号を入れても35ミリ。縦展開になるのは7号以上の玉を両台船で打つときだけで、スターマイン程度は台船の間隔が離れているため横位置狙いだ。デジカメ君もサブに控えているが、細かい露光作業を2台同時にはできないので撮りっぱの放置状態である。
 私が立って撮ると言っているのに開始間際に来た客が狭い所に入り込み直ぐ後ろにシートを敷くとか、打上が始まれば、どこの大会でもそうだけど子供がちょろちょろ前に出て来るので、いつ三脚に当たるかと思うと落ち着かない。後から来ながらも親は平気で「前の方に入らせてもらいな」とか言って子供を送り込んでくる。不愉快だ。親が教えるべきはそんな狡い要領の良さでなく、早く来て長い時間場所取りして待たなければ前の方で観ることは出来ないということだ。
 そんなこんなで周りが落ち着かない風情でもあり、なんとなく気が抜けて撮りにも締まりがない(気合いが入らない)風だったのだが、なんとこんなところでと本日の絶叫タイム到来。煙火芸術協会の10号出品だ。後援している朝日新聞紙面での事前の花火大会解説では、第3部として「東京湾、銘華の競い」とある(しかしそれが何時何分からかはわからない)。新聞によれば芸術玉20玉が作者と玉名のアナウンスと共に打ち上がる、ということなので晴海メイン会場などでは放送があったのかもしれない。
 この花火大会は時間と玉名を記載した詳しいプログラム誌が無いので、思いがけなさもひとしお。同時に、1発目を観て直ぐに芸協玉とわかるだけの経験も必要になる。さらに、2発目を打ったら左右で交互に打つのだと気が付く必要もある。そして3発目が出るまでに二発の別の作家を同居させようか、それぞれ単独で撮ろうか決めなければならない。出だしは左右の台船から交互に別々の作家の玉を打つ。別といっても玉の傾向を合わせてあるようで、片方で流星群光(小松煙火工業)だともう一方は錦先方向変化(北日本花火興業)と引先蜂系で揃えたり、千輪で揃えたりとなかなか芸が細かい。途中から後半は同じ作家の2玉で対打ちとなり、万華鏡が、三重芯黄金点滅がと次々に対で開く様は本日一番の絶景だった。両台船の間隔が離れていることが幸いしスターマインダブルなら中抜けして締まらない絵になるところだが、10号対打ちにはなんと相応しい離れ具合か。かつて冬の秩父で感銘した芸術協会対打ちがまたここで観られるとは。アナウンスもプログラム誌も無い埠頭では、それがどれほど素晴らしい玉なのかを観覧客が事前にもその最中にも知る由がないことが残念だ。一人で叫んでいる私はまたまた浮いた存在……。
 第5部では「2016年、東京オリンピック大輪の華」として誘致に向けたアピールだろうか、先だって見たばかりの北京オリンピックの開会式よろしく(足跡花火はCGだったらしいが……)、輪物のワイド一斉打ちが繰り返された。
 終盤にさしかかりチラチラと雨粒を感じるが、本格的に降り始めたのは最期の玉を打ってからだった。
 観客席が騒がしくなり降り始めたとわかったが、屋根状の構造物の下にいたおかげで片づけ中は雨を感じなかった。さぁと帰りかけると意外に降っていて、あわてて傘を取り出す。相変わらず雨具を持たない客が多く浴衣の女性は可哀相。
 ゆりかもめ線は混雑で使用不可となっているためJR線の田町駅を利用するのが正しい。しかしこの埠頭の客だけでも膨大で、群衆の間を素早く縫っての歩きと雨になった蒸し暑さでかなり消耗した。
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