花火野郎の観覧日記2009

観覧日記その9 8/3
長岡まつり大花火大会
  
新潟県・長岡市

 長岡は2006年以来で、久しぶりの両日観覧と決めていた。もちろんお目当ては両日行われる担当煙火業者の違う「天地人花火」。ネットの動画で遅滞なくどんな映像でも見られる時代だ。今期、花火愛好家の多くがこの観覧計画を立てたと思う。昨年観ておけば、と最も嘆いた花火だ。あの日某所でパワーを吸われていなければ3日の長岡に行くことくらい可能だったのに………。
 宿泊の手配も含めて準備万端だった。しかし初日の天気予報は思わしくなく、当日の早朝に断腸の思いでキャンセルした。初日の花火開催時間くらいに雨雲レーダーを観ると、関東甲信越、東海、東北地方全域が雨となっていた。なんという夏か。現地でご覧になった愛好家にはあらためて描写する必要もないだろう。雨と煙の初日だった。
 長岡までは乗り換え時間無しだと自宅からなんと1時間40分で着いてしまう。新幹線とは速いものだ。前々日の横浜に行くのと時間的に同じ。いつもは新幹線を降りるともあっと暑い長岡駅ホーム上が「涼しい」。雪国らしい長いアーケードの商店街を抜けていくが日陰は快適な涼しさだ。
 観覧計画には有料指定席入手なども含まれていた。長岡の自由観覧席確保の入場待ちは炎天下で厳しいと聞き、最悪有料席等に流れればと考えていた。しかしまったく努力無しというわけではなくまずは並んでみようと。
 右岸堤防道路に達すると、果たしてそこには開場待ちに座り込む長い行列が入場ゲートごとに幾重にも出来ていた。初日の2日。自由観覧席の開場待ち行列があまりに凄くなり、14時開場を30分繰り上げた程だった。なんと初日の行列先頭は火曜日。7月28日から並び、泊まりがけで行列していたらしい。
 もともと今2009年の長岡まつり大花火は前評判が高かった。大河ドラマ放映年で相乗作用もあるだろうけれど、やはり前年の天地人花火の破壊力が凄かったのだろう。この不況下にあって、天地人に協賛したいというスポンサーが殺到したらしい。大玉の迫力が光る長岡に、コンピュータで緻密にコントロールされた音楽付き超ワイドスターマインが加わったことはさらに内容を充実させた。
 加えて震災復帰5周年を記念してさらにパワーアップした「スーパーフェニックス」も期待された。従来1.6キロメートルの打上幅をさらに1キロメートル増幅し、2尺玉まで入る超弩級のワイドスケール花火に化けた。長岡は2009年夏、不況を吹き飛ばしながら最大の話題を集めている大会となっていた。
 3日の行列は異様というほどではなかった。そして両日観覧で早朝から行列に参加できた知り合いの愛好家の好意のおかげで、開場と同時に良い観覧場所を確保できた。感謝である。巨大なシートを持って突進する他の観客に巻き込まれて出遅れたりしたが、私も場所取りに参戦した。
 前日観覧した愛好家達はリベンジに燃えさかっていて、バイタリティあるなぁと感心する。しかしそれもマイカー組ならでは。電車だと持てる着替えに限りがあるし、大雨にやられたら退散するしかなかっただろう。
 しかしマイカーもまた終了後は容易には脱出できないと思う。かつて車で来たことも何度かある、左岸に止めたのに、長岡インターに入る頃にはとっくに翌日になっていた。今はもっと混雑しているだろう。 
   
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天地人花火-1
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天地人花火

天地人花火
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天地人花火

天地人花火

天地人花火-画角の違い

天地人花火
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天地人花火

天地人花火
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天地人花火

天地人花火

天地人花火
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天地人花火
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天地人花火

天地人花火-14

スーパーフェニックス1

スーパーフェニックス2

スーパーフェニックス3

スーパーフェニックス4

スーパーフェニックス5

スーパーフェニックス6

スーパーフェニックス7

スーパーフェニックス8
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超大型ワイドスターマイン
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正三尺玉+ナイアガラ
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正三尺玉
  
 あとは時折三脚の様子を見に行くだけで、大手大橋下の日陰で日中を過ごす。涼しい風が吹き抜けて快適そのものだった。永らく長岡の花火を観ているけれどこんなに涼しい開催日は初めてだ。
 日没も近くなって機材を運ぶ。今日は欲張らず「天地人」「フェニックス」に集中。フェニックスは位置的にどうせ全貌は観られないから、事実上「天地人」だけが狙い。他はほぼ観ているだけにした。長岡は住処の県外に出かける花火大会としては一番永く、回数多く観覧している。家にある最も古い長岡のプログラム誌は1984年もの。それから毎年ではないが間断なく観ている。最初はプログラム1番からきっちり撮っていたが、もう既にたくさん観て、撮っているので対象を絞るのも許されるだろう。
 風は北北東か、向かって右斜め後ろから吹き涼しい。19時15分からのメッセージ花火。ここで初の尺玉投入。すっと開花の形のまま流れる煙に思わず「いい、風だねぇ…」。長岡では降られた経験はないけれど、風向きに関してはあらゆる条件を体験している。今宵はかなり良い条件のうちに入るだろう。結局終始この良好な風は変わらなかったのだ。花火の煙は左斜め奥に流される。つまり開幕の大手大橋ナイアガラにだけは良くなくて、アッという間に煙が立ちこめる。逆に長生橋ナイアガラには順風で久しぶりにすっきり綺麗な長生橋ナイアガラ瀑布を観られて感激した。名物の三尺玉も雄大に開きこれぞ長岡大花火と思わせる瞬間だった。対象を絞ってといいながら結局三尺も撮ってしまう。しかしこの場所での撮影も久しぶりでカンが狂って、2発とも豪快にはみ出して撮れていた。それは正三尺玉が本来の雄大な盆を持って開いている証であり、最大の名物が盤石であることが嬉しかった。
 大手大橋下流側の打上も相当に増えた。しかしこちらで発生した煙も正面に流れる頃には花火の遠く背後にまわっていて影響もなし。
 途中で良かったのは、尺玉55発。55発もかやたら打つのに時間かかるなぁ、と思っていたら、ドドドっと複数の発射音、なにっ4〜5箇所で打った?と思ったら5箇所で11発ずつのもうミニフェニックス状態。大手大橋をセンターに跨いだワイド打ちがレギュラー化しているのに驚く。
 そして緊迫の天地人花火。待ってました待ってましたとも。これだけのためにこの5分のために来ました。
 長生橋、大手大橋間隔目一杯使った長大スケールワイドスターマイン。
 例によって楽曲が聞こえているけど聞こえない、とにかく初見で展開に着いて行くだけでやっと。
 口がだらしなく開いているのがわかるが声が出ない。大好きなクリスタルフラワー系が乱舞する頃ようやく吾に帰った感じだった。スピード、タイミング、シームレスな場面切り替えと、実にこなれていた。昨年のものはネットの動画サイトで観たくらいだから、比較できないけれどこれは十分すぎるほど圧倒的だろう?
 天地人が無事に終了し、ほっとして力が抜けた。豪快にして緻密。精緻さと迫力を兼ね備えた長岡のプログラムは強い。地元煙火業者連合はよくぞ余所の業者を迎え入れる懐の深さを見せたものと感心する。
 撮りの方は天地人前の超大型ワイドスターマイン(従来のミラクルスターマイン)が天地人と同等のスケールだと、初日を観覧した愛好家より教えてもらい、それで画角をみておく。むむ、かなり目一杯だ。それで24ミリと28ミリ相当の縦位置で同時撃ちにすることにした。上がりをみるとみちみちの28ミリが意外といい味を出していた。
 開始当初は玉突きでプログラムが遅れ気味で、電車組としてはハラハラしたが後半にリカバリーして予定通りに進んだ。
 レギュラープログラム陣のベスビアススターマインも単なる繰り返しじゃなく、色々に打上方を変えてくれて楽しめた。大プログラムの繋ぎの部分とも言えるこれらがこの充実なのだから、全体がエネルギッシュにならないわけがない。いつもは長いと感じる長岡が今夜はアッという間に2発目の三尺まで進んでいた。
 開始早々は、花火に釣られて撮っていたが、それを過ぎるとじっと膝を抱えて空を観るだけの気持ちよさに酔っていた。尺玉の音が振動が実に良い響きで伝わってくる。長岡を見始めた頃の尺玉の驚きが変わりなくここにある。
 スーパーフェニックスは、やはり全貌はとても視界に入らず、大手大橋付近の観られる範囲だけ集中して観ていた。橋のすぐ下流側で打ち上がる二尺玉はやはり度肝を抜く大きさで迫り、都合3発の二尺玉同時打ちはフェニックスをさらにスケールアップさせていた。
 フェニックス終了と共に、急いで撤収にかかる。この後、大雨のため打ち切りになって未消費の2日分をふくむ「匠の花」10発なども待っていたが、付近の観客の密集度を考えると直感で悠長に最後まで観ているとカラ身でないだけにヤバいと思った。
 堤防道路で荷物をまとめ、警察官に怒鳴られながらショートカットし(スミマセン)、なんとか駅に続く大通りに出る。振り返りながら「匠の花」を観る。
 しかしここから誤算。この大通りは通行止めにされるが、SCウオロクの前の幅広い通り全体が観客席と化していて、まだそこには座り込んでいる客が大勢居たのだ。こんなことかつての長岡では無かった。まるで針山の様な無数のパイロンを縫ってのスラローム走行を余儀なくされピッチが上がらない。カートを引いても私もけっして足が遅いほうではないが、予想より時間がかかってしまった。
 例年より早い終了時間だから新幹線での日帰りは余裕と観たが甘かった。駅に到達した時点で21時30分を回っておりここでも難関が。これもかつてやっていなかったことだが、駅構内へ路線別に入場規制を敷いていたのだ。某花火大会の駅頭のように迂回規制しているでもなく、行列はスムースに構内に入っているようだったが、もしまともに入場行列に従っていたら上り新幹線終電に間に合わない確率は高い。2日を観覧した愛好家仲間からこの規制を事前に聞き、対応策を教えて貰っていて助かった。更に新幹線入場改札は数が少なく、砂時計状態で客が殺到していた。これも対応策を聞いていて難なくクリア。それで臨時の21時45分発という終電の1本手前の新幹線が入線する頃ようやくホームに達した。
 観覧だけで身軽ならば問題ないが、撮影など機材込みで新幹線利用の日帰り計画の電車組は、今年のように終了時間が早くても最後まで観てしまうと混雑と駅の入場規制で上りの最終に間に合わない可能性が高いと言っておきたい。
 ホーム一杯の客が乗り込んだが、越後湯沢駅までで大半の客は降りてしまった。長岡市内は無理でも近隣に住まっているかお泊まりしての観覧客が大半だったというわけだ。今回新幹線に間に合わせるため相当身体に無理がかかったので、翌日が仕事でなければのんびり泊まりとかにしたいところだ。
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