花火野郎の観覧日記2009

観覧日記その16 10/17
NARITA花火大会 in 印旛沼4th
  
千葉県・成田市

 費用のかかる八代は早々に断念して、代換えの大会は?と早くから考えていた大会だ。まだ4回目と若い花火大会だが前年まで観た方々の噂ではそこそこの物が観られるらしい。
 成田線の最寄り駅は上野駅から快速で直行便が通るので便利だ。その下総松崎駅(しもうさまんざき)は、ここに自動改札があるのか?と思うほどのローカルな佇まい。関東にまだこのような風情の駅が在ることに驚く。自動改札はないけれどSuicaをタッチする端末は設置されていた。駅を出ると花火大会の案内板がありそれに従って徒歩20分ほど。駅の周りは田圃なのですでに車窓から遙かに花火会場らしき場所は確認できた。
 会場現着は14時半をまわった頃、ただちに全体をロケハン、セッティング、間合い、前景、風向きを考えて、「それならあの辺り」と会場南側の立ち位置候補地辺りを見ると既にズラズラと三脚が………。皆さん良い読みである。とりあえず三脚を建て、プログラム誌を購入してからさらに花火の設置状況を観察。この時間で既に最前列にある有料席エリアには入り口ゲートができていて、チケットが無いと入れなかったので花火群を近くで見ることはできなかった。有料席は一度完売して追加販売したらしく需要に驚く。迫力なら有料席だろうけれど会場は広大な田圃の中。有料席と自由席の間に夜店群が一列に立ち並んでいるが、それを前景として使わなければ写真的には闇夜に花火だけになってしまう。そんなロケーション。
 だから並んだ三脚の位置は観覧エリアの最後列にして、花火の前景として夜店群が横一線に入る様な場所。今年は夜店の量も増えたらしく、会場センターを中心に左右(だいたい南北)方向から夜店を入れて狙うことが出来る。花火の位置と幅、夜店との相関関係、とりわけ本日の目玉である二尺筒の位置と出所を確認しておく。
 観覧エリアは全て田圃の上で、厚手のビニールシートが広大に敷かれていた。その上を歩く感触はかなり柔らかめで、そうとうに田圃が緩い状態なのだろう。設営の労苦が感じられる。私の観覧・撮影場所あたりは新しく土を入れたようで比較的しっかりしていた。
 見知りの愛好家が多く、歓談しながら待ち時間を過ごすが誰もが気にしているのは天候。この日は朝から曇り空で雨予報も出ており何度も空を見上げる。
 予報は悪い方が当たってしまったようで18時頃から雨に見舞われることになる。それほど強い降りではないが傘を出しては畳むを繰り返して凹む。開始が近づくがなかなかカメラをセットするタイミングが難しい。雨に加えて気温も低めでもう一段暖かい格好で来れば……と思った。これはレンズの曇りや結露にも注意しなければ。今日は駅から歩くということを考えてカメラはメイン1台、記録用のコンデジ1台、三脚も1本という軽装。雨具や防寒着も豊富に携えているわけじゃない。夏期を過ぎて初使用の使い捨てカイロを用意して手が冷えないようにする。
      

下総松崎駅舎と跨線橋

観覧場所から打上方向

田圃の一部はビニールシート敷き
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開幕の宴・光のステージ

スターマイン 喜怒哀楽
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単発・夕焼けと涙
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蒼き星の幻想曲

蒼き星の幻想曲
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蒼き星の幻想曲

芸術華火 全国銘華 10選

市制55周年記念 尺玉55連発

市制55周年記念 尺玉55連発

NARITA BIG FINALE

NARITA BIG FINALE

NARITA BIG FINALE

NARITA BIG FINALE

NARITA BIG FINALE

NARITA BIG FINALE

NARITA BIG FINALE

終幕の大輪 黄金の2尺玉
     
 18時30分を過ぎてオープニングセレモニーが始まる。30分ほど主催者ならびに成田市長をはじめとする来賓の挨拶が続く。やがて会場の照明が落ちると辺りには街路灯1本も無く暗い。後は露天商や一部の誘導灯の灯りだけだ。雨も開始頃にはおおむね上がり、終わり頃には快晴の星空になっていた。打上始めると上空の風は順風気味。この時期この時刻、南天の空にはひときわ明るく木星が輝いている。ちょうど上空はその木星方向からの南風。地上付近は東寄りで右から左とちぐはぐに煙が流れる。
 プログラムの目玉はオープニングと中ほど、フィナーレの3回のワイドコンピュータ打ち。特選芸術玉10発打上。市制55周年記念の尺玉55連発。最終の二尺玉1発。これらの間を単発打ちとスターマインの繰り返しが埋めている。
 開幕はカウントダウンでいきなりワイド仕立てだから期待感が盛り上がった。しかし残念ながら単発打ちとスターマインは一般客はどうかわからないが私にとっては退屈な時間。単発は3〜5号だろうか全てが同じ調子の打上で、早く次のプログラムに行ってくれ、としか思わない。市制55周年記念にほぼ全ての尺玉を費やしているのでこうした合間の単発やスターマインに大玉があまり入らないのでメリハリがなく単調になっているようだ。
 スターマインも、本来のスターマインは少なくて小型煙火の中華小箱をいくつか並べて焚いて終わり、というのが何度かあってがっかりした。最前列の有料席客にはそれなりに見えるのだろうが、そういうのもスターマインと称するのはどうか。このあたりも尺玉55連発やコンピュータワイドに予算を割いているせいなのか、そうでなければもう少しバランスが良かったのではないかと思う。
 コンピュータ打ちには必ず楽曲を伴うにもかかわらず、その他の全プログラム(単発打ちにすら)にもBGMを流しっぱなし。選曲も難アリと思えるものがあるが、地域と客層に合わせた結果だろうか。ともあれ煩わしくやかましいだけだ。なにより肝心のコンピュータ打ちの際に音楽が活きないではないか。その3回のコンピュータ打ちも開幕とフィナーレに集中させれば良かったように感じた。どうしてもワイドで打つ展開は似ているので3度も繰り返せば驚きや感動も薄れてしまうのではないだろうか。
 単発打ちのひとつが「花火でビンゴ」という出し物。ビンゴゲームの数字の変わりに花火の種類で揃える、というものだ。専用のビンゴカードを予め会場内で入手して参加する。
 この発想は面白いと思うのだけれど、進行の手際が悪いのか時間がかかりすぎだった。花火開始前に手順や花火の種類について説明しておくとかもう少しさっさとやる方法があると思う。やりはじめてすぐに「この調子で誰かが目が揃うまで続くのかよ……」と脱力した。結局これだけ、たったひとつの単発打ちのプログラムに15分以上を要し、ゲームに参加していない者には退屈でしかない。一般客はただ花火を上げればその種類がわかってカードに穴を開けられるわけじゃないから、「今の花火は○○○です」と玉の名前や種類をいちいち解説し、だからカードの○○○の花火のところに穴を開けて下さい、と手取り足取りだ。それが花火教室的な所も兼ねていて面白いアイデアだが時間がかかる。同じ物を何発も打つ必要がないし、途中と最後でそれまでに上げた種類を順番に復唱する必要もない。とにかく冗長な時間だった。解説が入るのにそれに被せてここでもBGMを流しっ放し。私の周りも撮る手を休めて腕組みをして無言……といった雰囲気。
 しかしこのビンゴ大会。ランダムに数字の玉が選び出される本来のビンゴと違って、予め打ち出される玉の種類と順番が決まって(セッティング済み)いるのだから、ビンゴカードを手に入れた時点で運ではない要素で勝敗が決していることになる。それも運なのかどうか。もし点火器の配線を適当にするとか、筒に詰めてから並びをシャッフルするとかどの玉が出るのか、打ってみなければわからない。ということならビンゴゲームになるのだろうか?よくわからない。
 開始前の主催者の挨拶では「時間の短い大会ですが……」と謙遜しておきながら、こうした冗長な出し物のおかげでゆっくり進行しても1時間以内で終わるだろうと考えていた大会は1時間20分もかかってしまった。単発とスターマインを束ねることでもう少し短くできると思う。それともまさかこの夜が寒い時期にこれでも開催時間が短いとでも考えているのだろうか?
 最も期待しすぎ?だったのが、芸術華火全国銘華10選。少なくとも10号で10発かと思ったがたった10発のうちで5〜7〜10と号数を変えて打ち、10号は最後の2発(野村花火、紅屋青木煙火店)のみ。しかも残り8発の中で同じ煙火業者が入るなど中味も薄い。後の尺玉55連発に費用をもっていかれているのだとは思うが、愛好家諸氏のこのプログラムでの期待外れ感とがっかり感はそうとう大きかったと思う。
 ラストの尺玉55連発は一カ所打ちからスタートし、中盤から対打ちの部分も設け、最終的には3箇所打ちとなり粒の揃った玉を使用してここは見応えのあるプログラムだった。10号はかなり設置が深い、つまり遠目であるようで、手前に出した5号などど比べても高さが出ていなくて迫力感はいまいちだった。これも私どもが一番遠くで見ているせいかもしれない。
 3回目のコンピュータ打ちは物量も多くラストは銀一色で締めくくり満足だった。続いて二尺玉・小割浮模様入り錦冠がフィナーレを飾った。やはり二尺も設置が遠目で迫力はもうひとつ足りない気がした。
 撮影は35ミリからの標準ズームで足りた。しかし尺玉55連発の対打ちで、高さは余裕だけれど縦位置の幅が足りなくなり28ミリに変える。横展開のコンピュータ打ちも3回目だけ28ミリ。続く二尺もそのままで撮り終わる。二尺は位置を確認してあったがピッタリ構図したど真ん中から出るとなんか感動する。プログラムを見て控えめに持ってきたフィルムが足りるかな?と最初はワクワクしていたが、撮りようもない時間が長すぎて思ったほど消費できなかった。
 オープニングで成田市長が挨拶し、この花火大会を成田市の新しい呼び物にしていきたい。口コミで伝えて欲しい、多くの観客に来て欲しい、と豊富を語っていた。そして会場設営や場内での動きを見ても運営スタッフは意欲的だと感じた。ビンゴ大会もそうだがカウントダウンや、手拍子での打上スタートイベントなど、会場一帯となって盛り上がれるようなホットな花火イベントを目指しているように感じる。その上で大会を育てるためには運営スタッフは他の大会をたくさん観ると良いと思う。そういうことで業者任せではない自分たちの地域に根ざした花火大会が見えてくると思う。同じ公称玉数でありながら、尺も二尺も無く、もっと短い1時間で何倍も濃密な時間が過ごせる大会だって在る。まだ回数の浅い大会であるから方向性を模索している段階と思うが、地元の客はともかく他地域から「成田の花火を見たい」とまで考えて足を運ぶ客を獲得できるかどうか。まずは時期を考えても1時間以内に終わらせる進行をしてほしい。来年は尺の56連発なのか?二尺を3発なのか?拡大し続けられるのか?不況の中で新しい花火大会がつぶれることなく成長していって欲しいと願う。
 私としては今日この大会の内容と所要時間のままではリピートするのはいささか辛い。二尺や三尺も“他でいくらでも観られる”し、私はビンゴをやる限り遠慮したい。
  帰路は再び徒歩で最寄り駅へ。来た道を辿る。駅ホームは隣の成田方面行きは人が溢れていたが、跨線橋を渡った上り方面はそれほどでもない。来た電車に難なく座れて上野まで直通。帰宅は23時30分だった。雨と立ちっばなしで疲れたか、車内では眠くて仕方なかった。
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