花火野郎の観覧日記2009

観覧日記その2 3/28
舎人公園 春の花火と千本桜まつり
  
東京都・足立区

tonerititle.jpg 新交通システムの日暮里・舎人ライナーは2008年4月に開業し、それを記念して同じ場所でやはり花火大会が行われた。こうした場合一回こっきりのイベントになるのが普通だが、開業一周年を記念して再び花火大会が開催されたのである。足立区にはすでに夏恒例の「千住の花火」もあるわけだから不況といわれる昨今、各地の花火大会も開催が危ぶまれるなかで、新しい花火イベントは久しぶりに明るい話題という感じだ。桜まつりと絡めて春の恒例イベントとして定着されれば喜ばしい。
 会場になる舎人公園は東西南北に各1キロメートルほどで、現在は約51.3ヘクタール(最終計画では69.5ヘクタール)を開放している都内最大級の公園だ。かつては鉄道駅から遠かったが(一番近い東武線竹の塚駅から約2キロメール)、日暮里・舎人ライナーが開業し一転して抜群にアクセスしやすくなったことになる。舎人ライナーは公園のほぼ中央を南北に通り、公園ど真ん中に舎人公園駅があるという便利さだ。同ライナーの車両基地が公園東側敷地内地下にあるという。公園は東京都足立区になるが、位置は緯度的には埼玉県南の川口市と同じくらい。地図で見ても西隣は川を挟んですぐに川口市だ。
 舎人ライナーに乗るのは初めてだ。お台場を走るゆりかもめ線と同様で、まったく無人の交通機関だ。所によってはビルの7〜8階もあろうかという全線高架の軌道を走っている。この軌道は地図で見ると起点の日暮里駅から北上し綺麗に南北に垂直に真っ直ぐ通っている。舎人公園駅に滑り込めば眼下には賑やかなイベントの様子とたくさんの来場者が見て取れた。
 昨年は愛知は小坂井の「風まつり」と同日となり、節約して近場のこちらのイベントにしようか?と検討したので、花火に関するだいたいの様子と位置関係は調査済みだ。埼玉県南と位置的に同じなのでかなり近場のイベントに感じる。私にとっては正月2日のもてぎ以来本当にひさしぶりの花火観覧になった。
 現着は15時過ぎ。陽射しは十分で公園内を散策していると寒さを感じないほどだった。打上場所は公園北側の陸上競技場。ライナー高架下の道路を挟んだ園内唯一の高台から眺めると、競技場トラック南側に一列に花火が設置されているのが見えた。打上位置が判ったところでどこから観るかとロケハンしながら公園全体を歩く。
 高架の駅から真っ先に目に付いたのは菜の花の黄色だったけれど、花火と千本桜まつりと銘打ったもうひとつの主役の桜は、残念ながらほとんど開花していなかった。我が家の周りでも開花は3月20日頃と早かったが、翌週には寒さが戻ったせいで開花が足踏み状態になった。とりわけ打上場所の陸上競技場周りはぐるりと桜並木なだけに咲きそろっていれば壮観に違いない。
 公園巡りの最後に陸上競技場を見に行って設置の様子を確認する。陸上競技場には特設観覧席が設けられ、その入場開始は16時からだった。数えるほどのお客さんが開門を待っていた。ロケハンしながら周囲を回って位置関係を見る。この時点で風向きは西北西で北側から観るには良さそうだった。
 最初はライナーの軌道を挟んで反対側の高台から観ようと思っていた。誰かが敷物を敷こうとして警備員に注意されていたのを見て、まさかと思い警備員を通して大会本部に確認してもらうとその高台全体が観覧禁止ということだった。やれやれ一番見晴らしの良い場所が駄目とは無粋というかなんというか。しかし安全のためといわれれば仕方ない。
    
    
    
  

    

    

    

    
 
 花火は小型のものばかりのようだったので、高さも出ないとみてあまり距離を置くのもなんだかなぁと考える。特設観覧席で観るつもりではなかったが、候補地が観覧禁止になったため、結局一度中に入ってロケハンしてみようと先ほど通った陸上競技場に向かう。開場待ちの列もそれほどではなかったが、ちらほらと見知りの愛好家の顔も見えた。列に並んで10分ほどで開門。スタンド席では花火に対して近すぎ横すぎなので、陸上トラック北側の一般席にした。この中で観るならこの辺りと考えていた場所に三脚を立てる。初めての大会では正攻法ということで、ま、ここでいいかな。
 公園は広いのでこのイベントに来たとしても分散し、思い思いの場所から見るだろうからそれほど知り合いにはお目にかからないと思っていた。しかし一般席後方の芝生エリアには次々と知り合いの愛好家達の三脚が連なっていくのだった。アレッ?オヤオヤ?と次々にやってくるお馴染みの顔ぶれには久しぶりの再会の方もいてお互いにびっくりだった。
 競技場内では飲食は出来ず、トイレもないので、再入場券をもらって場外に出るというかたちになる。19時からの開始間際30分ほど前からはぞくぞくと来場者が訪れた。場内のスタンドもほぼ埋まっていたようだが、昨年も観覧した愛好家によればお客は少な目だという。開催日で比べれば昨年は2週間も後になる。桜も咲かないこの気温の低さではやはり出控えたか、日中のイベントだけで帰ったお客が多いのだろう。それにしても寒い。観覧場所を競技場内と決めたあと次第に曇り空となり、陽射しの恩恵が無くなるととたんに冷え込んできた。さすがに予報や自宅周りの気温を考えてアウターは真冬用のダウンだけれど、その下は薄手のシャツでいいだろうと思ったのが失策。使い捨てカイロを握り、震えながらの観覧となった。これじゃ桜の蕾が開かないのも致し方ない。花冷えという美しい言葉もあるが、桜が無ければひたすら冷えの二文字だけ。
 まだ本格的なシーズンでもないし、撮りの方はデジタル一眼一発という軽い装備。三脚もカーボンだ。花火も楽しみだけれど、それが始まるまで園内で桜でも撮ろうと思っていたが当てが外れてしまった。撮りの準備をしているとその時点で初めてデジタル水準器のバッテリーが無くなっていることに気が付く。最低限の軽い装備なのでアナログの水準器も無く目検討でやりますか。シーズン中は装備でのポカはほとんど無いが、オフシーズンは忘れ物があったり、点検ミスがあったり。
 花火と観覧場所は楕円の陸上トラック長辺の端と端という位置関係。だから間合いは200メートルそこそこか。最大で2.5号か3号くらいなのでまず広角系で足りると考えた。残念ながら一緒に写る物が少ない。もちろん舎人ライナー高架道は画面に入るけれど、高速道路の様な街路灯がないからちょっと寂しい。桜が十分に咲いていればそれと絡める構図も楽しめそうだけど。
 いよいよ花火が始まる頃には十分冷え切っていた。演目は5つのパートに別れ、それぞれの出だしと開幕、フィナーレの時にワイド掃射が入る。それ以外は単発打ちや小規模の連発で繋ぐといった構成。ワイド打ちの時は小型煙火や星打ちが効果的にあしらわれ、賑やかな物量感を演出していた。
 ワイドといっても陸上トラックの短い方の幅一杯だが、至近距離の観覧場所なのでそれでも十分楽しめた。惜しいことに打上が始まる頃には風は西南西と南寄りに変わってしまい、相当差し込みの風向きだった。ワイド打ちなどで発煙量が多いとその向こうのライナー高架が見えなくなるほどで、花火鮮やかな発色はいまいちだった。とはいえ内容、物量ともにこの時期のイベントとしては十分なものといえる。
 昨年見ている知人から終了後は「容易には帰れない」と聞いていたので混雑必死である舎人公園駅はパスしてひとつ北側の先の舎人駅から帰路に付く。地図で見ると陸上競技場の北側観覧席は舎人公園の最北端になり、距離的にも舎人駅の方が近いのだった。日暮里・舎人ライナーは一直線の往復線だからこれで日暮里に戻る。
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