花火野郎の観覧日記2010

観覧日記その19 11/27
藤沢市制施行70周年記念 藤沢市花火大会
  
神奈川県・藤沢市

 長らく江の島花火大会として開催されたきた本大会は、新たに藤沢市花火大会(市など主催)と名称を変えて開催されることになった。江の島花火大会は大正時代に始まったといわれ、8月の第1火曜に開催するようになったのは2005年から。2尺玉を含めて5000発に上る打ち上げ数が見物だった。しかしながら海水浴シーズン真っ直中で、大きな海水浴場を抱える同市としては毎年15万人以上の観客が訪れ、大会終了後の莫大な観客の整理誘導や交通渋滞にも悩まされてきたようだ。
 例年ならば8月初旬に行われてきた同大会だが、今年は11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の横浜開催を控え、8月に従来の警備態勢を確保するのは困難と判断されAPEC終了後の11月27日と晩秋の花火大会として開催されることなった。同時にこの延期を機に来年以降も秋口に開催をずらすことも検討中ということで、明くる2011年度は10月中の開催を見込んでいるらしい。同市としては黙っていても海水浴客が訪れる夏期以外のシーズンでの集客の目玉イベントとなればむしろ歓迎できる延期であるのかもしれない。
 いきなり11月延期では周知徹底が足りないとみてか、例年通りの本年8月3日にも「湘南龍の口燈籠(とうろう)流し」と併せて、「江の島納涼花火大会」として相当規模を縮小して開催された。
 新生藤沢市花火大会として従来と大きく変わった点は、花火に対する主たる海沿いの観覧エリアを大きく囲い込み、そこを大規模な有料指定席として販売したことだ。こうした運営は初めてのことになるので、仕切られた指定席エリア内での様々な運営については手探りの状態が見受けられた。
 開催に先駆けて早々に同大会告知ホームページには、有料区画の図面と販売方法が掲載された。チケットはコンビニの端末から買えるような方法を採っている。私共も仲間の代表者にまとめて購入をお願いしてあった。入手した有料席はTUBE-A席で、場所は江ノ島に渡る橋の藤沢側の付け根にある。
  
TUBE有料席の様子

TUBE-A席全景

TUBE-A席。椅子はゆったり

TUBE-B席。段差部分と椅子

TUBE-B席。椅子の間隔は広い
   
 江の島花火大会の時に初観覧したのは2007年で、担当煙火店なども今回と同じだったが、その時は私は運が悪かったらしい。強風と波浪で台船の積み込みも出航も遅れたらしく、花火開始自体が遅れ、結果として終了は40分押しとなってしまった。そのため帰りの電車の関係で途中までしか観ることができなかったのだ。今回は開始時間も早いし開催時間は40分ほどであるため帰路にも余裕がある。有料席ということで出発も昼ぐらいでよくのんびり出かけた。
 鎌倉経由で現着したのは14時30分頃。それにしても紅葉シーズンの土日ということか電車から見える範囲でも鎌倉の観光スポットのいくつかは大変な混雑だった。利用した江ノ電もラッシュ並みの混雑だったのには驚いた。
 TUBE-A、B席への誘導案内表記を見ながら迷うことなくその場所に辿り着いた。まだ準備中で江ノ島への渡し船なども営業中なので岸壁への入り口は仕切られていなかった。それで両有料席エリアに入ってロケハン。A席は海縁の砂浜エリアで、全て砂浜に並べられた折り畳み椅子席。B席は陸続きのコンクリート岸壁の部分だった。階段状の岸壁の一段ごとに指定席が設けられ、足りない分は最上部に折り畳み椅子が並べられていた。驚いたのはそのエリア内で立ち働くスタッフと警備員の数の多さで、席数に対して多すぎるとみたけれど初めての有料席運営ということで大事をとって多目に人員を配置したのだろう。
 正面の前後2本の防波堤の手前側先端には未だ2尺筒が聳える打ち上げ台船が係留されたままで、台船による打ち上げ場所が何処になるかはわからない。したがって正確な撮影場所を決めることはできない。有料席内はどちらもゆったりしていて、椅子同士もかなり緩く並べられていた。チケットがあればその区画内のどこからでも撮影できそうだったが、念のため区画外の一般観覧場所になりそうな一角に三脚を置いて保険の撮影場所を確保しておく。
 その後、愛好家諸氏が三々五々集まってきたが、正式な有料区画への入場は16時からということで、区間外の道ばたのあちこちで歓談して時間待ち。有料席は近そうだったが、台船だけで打ち上げていた従来と違って今回から正面の防波堤上でも打ち上げがあるらしく、それを考慮した上での有料席の配置なのだろう。だから新生となってまずは正攻法で有料席から観てみようと思った。
 夕刻、ようやく台船が出航し、我々はそれが停船するまで成り行きを見守った。台船上には防波堤と対で打つスターマイン各種、5号以上20号までの打ち上げ筒が所狭しと並んでいて、それがどこから打ち上げられるかは重大な関心事だったからだ。そして有料席側から見て2本の防波堤の向こう側ちょうど正面辺りに停泊した。およそ500メートル程度の間合いと思われる。レーザー距離系が無いので見込みだし、あっても防波堤の向こうなので測距できないと思う。台船の位置が確定したことでそれから割り出すと、だいたい両有料席エリアのどこに位置しても問題なく観覧・撮影できると考えられた。当日売りもあるということで、どれほど埋まるのかと興味津々だったがTUBE席は開始ころにはほぼ満席状態になって盛況だった。
 2尺玉で500メートルくらいだとけっこう近い。縦で28ミリくらいでみっちりか。しかし陸からの打ち上げと違って台船なので多少パワーが逃げて高度が上がらないかもしれない。いちおう最大広角まで用意しているので有料席辺りからでもはみ出すことはあり得ないと考えた。
 初めての体制で防波堤からのいくつかのワイド打ちなどのプログラムもお初ということで、さすがに出てみなければどういう打ち上げ空間になるかは読めない。カメラは2台で一方は最大広角の24ミリ装着で3発の2尺専用とした。一方はメインで防波堤との距離200メートルあまりということを考え、最大5号程度としても展開に備えて28ミリ装着と広め側に保険をかける。結局そのままレンズは変えずに最後まで撮りきった。
   

出航前の打上台船

1.10号1発 八重芯錦冠先紅点滅

5.藤沢花火大会
新スターマイン

7.スターマイン
藤沢 彩色の花々

9.ミュージックスターマイン

9.ミュージックスターマイン

10.20号・八重芯錦冠先オレンジ点滅

11.スターマイン
日本の四季 秋

13.スターマイン
日本の四季 冬

14.10号10発 芸術玉

14.10号10発 芸術玉

15.20号・八重芯錦先青紅銀乱

16.クリスマス花火

17.ファイナルスターマイン

18.20号・芯入錦冠先色蜂
   
 定刻、付近の仮設投光器や防波堤上の照明灯が全て消灯されカウントダウンしてスタート。それから4つ5つのプログラムが進むまでにどういう流れで進行するかだいたい把握した。進行はスムーズで休み無くプログラムを消化するといった具合。流れが滞らないのは、プログラムのタイトルを読む以外の一切のアナウンスが無いからだ。それが可能だったのは開始前の約1時間のうちに協賛のスポンサー名については全て何度も繰り返し読み上げ済みだったからだ。プログラムごとにその協賛スポンサーを全て読み上げることがないので花火に集中できて良い。
 手前防波堤からは5号以下の単発とワイドもの、小型煙火類。少し予想外だったのは防波堤の先端近くで5号単発打ちが入り、それが少しカメラを振らなければならなかったことくらい。あとは防波堤と台船の2箇所打ちからミュージックワイド、台船からの7〜10号単発打ちに至るまでメイン側カメラ一発でこなす。風は予報とは違って東寄りのようだ。正面の開花もやや左に流されているが問題なく綺麗なフォルムを見せてくれる。
 出し物として初の打ち方と思われたのは防波堤からの斜め打ち出しで、いくつかのスターマイン時に同時に3号程度の玉を斜め横方向に飛ばしていた。この時だけはカメラを横位置にしなければ左方縦に打ち出すスターマインと右方で横に飛ばす玉とを同時にフレーミングすることはできなかった。
 一番気に入ったのは時間差で開きながら落ちてくるお得意の千輪物で、それで巨大なクリスマスツリーを描き出すといった趣向だ。
 終盤の10号芸術玉がすこぶる素晴らしく、八重芯に始まり、五重芯に終わる見事な競技会レベルの多重芯攻勢。これほどの玉を玉名も告げずに続けて打つなんてもったいなさ過ぎるっ。いずれも秀逸な開花で技量の高さがうかがえる感嘆すべき一幕だった。
 2尺玉はいずれも素晴らしい開花に唸る。八重芯物が2発も2尺で見られるとは。もちろん10号よりは高度を稼いでいるが地面の上から打ち上げるより若干低いように感じた。願わくばうち1発は千輪で見たいと思うのだが。
 ラストは怒濤の全箇所一斉の錦冠もの連打から最後の2尺玉が開花して、拍手と共に私は満足していた。スターマインに密度が足りない感はあるものの、5号以上の玉の出来は素晴らしく見応えがあった。なにより2尺は必見であり、これだけで見に来る価値がある。スターマインの薄い部分はそれはもう予算になるが、今回で新生藤沢市花火大会としては評判を呼ぶことだろう。そして新たな協賛を呼び起こしより充実した内容になっていくことを期待したい。
 撮影上では直前に良い風情だった防波堤の照明が落ちてしまったので、もう打ち上げ方向には灯りがなく花火だけになってしまったのが惜しい。撮影場所自体は視点も高くて満足だったし、この打ち上げ場所ならびに台船の位置であれば、有料指定席以外にも無料の観覧・撮影場所はいくつも検討できそうだ。今後何度か足を運びあちこちに場所を変えて観覧・撮影するのも選択肢が多くて楽しめそうだ。今回は有料席だったが、次以降は片瀬海岸や他の有料席も検討してみたい。
 片づけて橋の歩道に出るとみちみちの人の波だったが、列に加わると少しずつ進む。途中の地下道から反対車線の歩道に渡るとするすると歩けた。その歩道からはすぐに東浜に降りられるようになっていて、そちらからの見物もよさそうだ。鉄分の濃い仲間に帰りの鉄道ルートはどの経路がベストか?と聞いたら口を揃えて「小田急で!」「小田急で。」「小田急でっ」「小田急で・・」と言われたが、再び江ノ電鎌倉経由で帰宅は22時前だった。
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