花火野郎の観覧日記2010

観覧日記その17 11/13
おやまバルーンフェスタ ナイトグロー&花火ショー
  
栃木県・小山市

 小山までは自宅から30分くらいなのだが、最寄り駅からバルーンフェスタの会場までは相当ありそうだった。アクセスMAPを見ると、結構遠いと感じる。夏の小山サマーフェスティバルの花火会場より遙かに遠い。それで行きはタクシーに連れていってもらう。
 あの堤防の向こうですから、と運転手は会場脇の小山総合公園駐車場の一番奥である堤防の際まで突っ込んでくれた。
 到着は14時過ぎ。堤防の上に出ると河川敷のイベント会場が見渡せるが、肝心の熱気球は一機もいなかった。付近の空に浮かんでいるもない。そこそこの観客も居るのだが熱気球が飛んでくる様子もなく拍子抜けしてスタッフに聞くと、まもなくフライトが始まるというのだが……。
 花火の位置も判らないし、とりあえず遠くの対岸からロケハンすることに。この手のモノを見るのは2001年のもてぎ熱気球ホンダグランプリ・バルーンイリュージョン以来で10年ぶりだ。
 いくつか過去に小山の熱気球と花火の写真を見たことがあったけれど、メイン側から撮ればどうしても熱気球が手前にあって、「花火が主役」と考える私のポリシーからすると熱気球が大きすぎると思っていた。だから対岸側から見れば花火の方が手前になり、熱気球も相対的に小さく写ってバランスがいいのではないか?という考え。というようなことを理大祭の時に愛好家氏と話したら、小山の経験があるらしく、橋を渡って対岸に行けると聞いたので行ってみることにしたわけだ。同じ様な条件では近場ではツインリンクもてぎの熱気球レースがあり、ナイトグローと花火のイベントが行われている。そこでも熱気球はオーバルコース上、メインスタンド前の最前列に一列に並べられ花火は後方奥から打ちあがる。しかし茂木では反対側は立入禁止区域になってしまうので同じ事はできない。
 会場が見渡せる対岸の堤防道路までやってくると、辺りは田園地帯。農作業をする人以外に堤防道路上に10数名の人が見えて何かの準備をしている。花火愛好家達かと思って近づくと違うようだ。三脚を持つ私に挨拶をする者も居たりで、え????? (後で考えると三脚など持っていたが故に公式の記録写真係と勘違いされたのかと)。
 堤防道路を行ったり来たりして地図で位置を確認する。対岸を見ると、到着時には何も無かったメイン会場に次々にバルーンが膨らみ始めているではないか?え?どこから来たんだ?いつ用意したんだ?
 気が付けば一堂に会していた気球が一斉に離陸を始めた。そこでようやく、午後の第2フライトが始まったのだと悟る。
 第2フライトは、ロードランナーとジャッジデクレアドゴールの二つの競技とのこと。後で調べると会場から飛び立つ競技で、ジャッジデクレアドゴールは、競技開始前に競技委員長が特定のゴールを発表し、競技気球はスタート合図後このゴールを目指して飛んでいき、ゴールのもっとも近くへマーカーと呼ばれる色布が付いた砂袋を落としたものが1位というゲームだ。
 高く低くそれぞれに高度を維持した熱気球は、風向きの関係か私の居る堤防道路方面に向かってきていた。
 曇天だから熱気球の写真はそれを専門としていなくてもダメだとわかる。私としては単に裏側にロケハンに来ただけだし全国の熱気球の大会を追いかけるようなファンではないが、被写体が近づけば撮ってしまう。このコンディションでは空に浮かぶモノを撮るに全方位逆光になってしまうし、航空機同様に快晴以外の背景ではいささか精彩がない被写体といえる。
 熱気球の競技進行もルールも知らないので、その堤防道路で先ほどの人たちが何をしているのかわからなかかった。フライトが始まると手に手に携帯電話のカメラを向けて写真を撮っているが観客とも違うようだ。
 前方で堤防を越えようとしている別の熱気球をカメラで狙っていて、ふいに近くにどさっとマーカーが落ち、頭上近くを何かがが通過した感触があってあわてて上を見ると、熱気球のバスケットと巨大なバルーンがもの凄い至近距離にあって驚いた。そこから目一杯バーナーを焚いて一気に上昇にかかるところだった。バーナーを焚いてなければ熱気球は無音で飛ぶので接近に気が付かなかった。
 性というやつですかさず写真を撮る。拡大してみるとパイロットの一人は見事なドヤ顔で、思ったところにマーカーが落とせたようだ。それか私を記録係と間違えたかしっかり余裕のカメラ目線。曇天時のこうした写真はドアップに限る。頭上をかすめて通ったせいでとっさにそんな写真になった。
    

堤防すれすれに接近

マーカーを落下(円内)

頭上すれすれに接近遭遇(望遠じゃなく広角)

一気に上昇

グローバルーン
95.gif
単発
96.gif
単発

終幕一斉出し

終幕一斉出し

終幕一斉出し

終幕一斉出し
    
 同時に、げっ、的(マト)になっている!とその時初めて気が付いたのだ。どうやら私の居た堤防道路のその場所がゴールに設定されていたらしい。思えば蛍光色のシートを離れた2箇所に拡げていたのは、その2箇所の間の堤防道路がゴール地点(マーカーを投げ込むライン)で私は最初、その中に居たのだ。そこに居る人は競技スタッフだったのだ。
 ある気球は上空から急降下してきてマーカーを落としもまた急上昇というV字型フライト。またある気球は最初から堤防の高さぎりぎりの低空飛行で近づいて、すぐそこに置くというくらいの高さからマーカーを落とす。急降下急上昇がうまくいかなかった一機は必死に最大限にバーナーを焚いていたが間に合わず近くの平屋の農家の屋根を引っかけた。屋根瓦が吹き飛んでゆっくり飛散する様子がスローモーションのように見えた。
 熱気球は一方通行で、離陸したらチームの者が車で着陸地点に直行、着陸を待って回収後またスタート地点にということらしい。だから到着時に何もなかったのは、競技開始30分前程度に車に積んで集まって、それから膨らませてという段取りだったようだ。
 花火の打上位置がわからなかったので、いったんメイン方面に戻って聞いてみようと、参加の熱気球がすべて堤防を通過したあたりで裏手を離れる。まだまだナイトグロー&花火ショー開始の18時までは数時間もあるのだ。橋を渡り返していると、煙火業者らしいトラックが移動しているのが見えて、それが停車して筒を荷下ろしする一部始終を見たことで打上位置が判明した(この時は一カ所だけから上げると思っていた)。うーむそこか……。同じ対岸でも対岸の川縁近くからナイトグローを撮った写真があったけれど、その位置だと川面に映るグローバルーンは魅力的だけど花火は近いなんてもんじゃない、という間合いになってしまう。それと不慣れな場所で真っ暗な川縁から戻るのも気が引けた。だから花火に対して適当な間合いとなるとやはり堤防あたりだな。
 知り合いと歓談などをして16時過ぎてから対岸で撮ることにして向かう。対岸には自販機もトイレも無いが観客も誰も居ないのだった。ときおり近隣の住民が犬の散歩で堤防道路を通りかかるくらい。双眼鏡で対岸を見ると堤防斜面の観客席には三脚がけっこう建ち並んでいるが、こちらには三脚はおろか見物人も居ないのだった。
 バルーンイリュージョン、ナイトグローと花火で一番の問題は天候。雨ではイベント自体やらないし、風が強いと膨らませたままの熱気球をまとめて係留しておけないので、バルーン抜きになる。つまりバスケットとむき出しのバーナーの炎だけのイベントになるのだ。
 これがどれほどの艶消しか。バーナーによって内部から提灯のように照らし出される色とりどりのバルーンが最大の見物なのであって、それが無ければ意味がない。過去にここ小山はもちろん茂木や小千谷でも風船抜きでイベントが行われたことがあって、そうなるのが一番怖い。場合によっては花火も中止になってしまう。
 幸いに曇天ながら雨は大丈夫そうだったが、17時過ぎからやや風が出てきてハラハラさせられた。すでに会場には各参加チームの車が整列し、バルーンも拡げられて準備の様子が見える。開始15分前から一斉にバーナーが焚かれ、バルーンが徐々に膨らみ始め定刻にはバーナーに明滅する10数機ほどのバルーンが綺麗に揃った。
 茂木で経験したのと同様に進行アナウンスのカウントダウンに合わせて「バーナー、ON!」で各チーム一斉にバーナーを焚くイベントも何度か行われた。そこでバルブで短い露光をかければ綺麗に揃って灯ったバルーンが写る。ナイトグローのバルーンは意外に明るいので、それで十分写る。むしろ露光は長くない方がよい、風やバーナーによる熱気流で揺れるバルーンは静止していないからだ。
 どこで花火が来るのかわからないから最初はバルーンだけ撮っていた。結局、開始を告げる少量の花火。途中で音楽に合わせてバーナーを焚くコーナーで連続した単発打ちが行われた。花火が来て速攻縦位置に変えて撮る。
 その後参加した熱気球のチームに対してひとチームずつ紹介とインタビューが行われてそれがほとんどの時間を占めた。終了まであと数分。うぁあ花火ってこれだけか……せめてラストにスターマイン1セットでもやってくれないかな……とそこへ、カウントダウンの声、またバーナー一斉焚きですかねと思ったら、裏から見てバルーン群の幅一杯の5箇所ワイドでV字星打ちと色満星一斉出しが伴った。すかさず画角を調整した。それまで花火がセンターに熱気球群はやや横に外していたが、それをセンターに修正、V字星打ちに合わせて横位置かとも考えたが、より相対的に熱気球群がこぢんまりしてしまいそうでそのまま縦とした。
 このカウントダウン、一斉バーナー、一斉打ちを5回くらい繰り返すという、なんとも写真屋に優しい展開に感激した。今回もデジタル一眼一発で風向きが裏手ではやや難だったが、撮りとしてはまぁまぁかと。小千谷やもてぎと違って場所の制約からか、熱気球を横一列ではなく、2列くらいに並べているせいで熱気球部分の量感がいまいちだが、花火とのサイズ的な相関関係はだいたい狙い通りだった。花火と共にグローバルーンを観るのは久しぶりだったがいいイベントだった。来年は20回記念大会ということで期待が高まる。
 小山総合公園は駅から相当な距離だった。行きのタクシーの中でも歩きたくないと考えた。メイン側に渡り返すが、これだけの大きな施設だからバス便くらいあるのでは?とバス停を探す。はたしてコミュニティバスの乗り場が見つかり、しかもあと3分ほどで来るところだった。歩いたら1時間くらいかかりそうだっただけに、うぁあラッキー。
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