花火野郎の観覧日記2010

観覧日記その16 10/2
第79回 土浦全国花火競技大会
  
茨城県・土浦市

 競技花火大会の双璧と呼ばれるが、土浦と大曲は性格が異なっていた。もとより土浦は出品業者が全部門に参加しなくてもよく、正味は割物とスターマインに両方参加している業者だけで競技評価されてきた。指定枠制の大曲に対して土浦はそこまで厳密ではなかった。
 土浦がとくにスターマイン部門において、ここまでハイレベルになったのはいつのことだろう。かつては「数多く打ち上げればそこが優勝」と言うくらいレベルの低い戦いだった時もあった。それが現在では間違いなく煙火業界で最新最高レベルのスターマインが一堂に会する競技会となったのは良い方向への驚くべき変貌だった。もはや土浦のスターマインは他では容易に見られない特別中の特別で、普通の設計では全く目立つことはないほどに進化している。それを目の当たりにできる私どもは、本当に恵まれた時の流れの中に居合わせているのだと噛みしめるほかはない。
   
 駅頭での混雑とかを色々考えたあげくレンタカーを借りだして土浦に向かう。必要無いけどリッターカーのくせにナビまで付いている。通い慣れた土浦では使わないけれど現在位置が表示されているのは面白い。たまにとんでもない場所を走っていることになっているのがさらに爆笑だ。土日休日のお約束かと思うほどの朝いちからの事故渋滞で出遅れるものの、なんとか現着して隙間に観覧場所を見出した。既に多数の愛好家氏が到着し三脚建立(こんりゅう)済みで、え、何?重役出勤?これでも?
 堤防が有料桟敷になってから毎度同じような位置なので、今回は別の観覧場所も暫定確保してずいぶん迷ったのだけど、第2候補は想いもよらない激戦区になっており、自分が考えた位置と面積を確保できない妥協の場所だったので最終的に撤収した。
 開催週になって天気が崩れ、実施も危ぶまれたが予定どおりに行われることになった。しかし9月の月間のトータル降水量が多かったのか周辺の既に刈り入れも終わった田圃はどこもかなり水たまりを残していて、観覧場所としては使えない場所が多そうだった。しかし空は前々日の雨が嘘のような好天。雲がゆっくり流れ晴れたり曇ったりだが陽射しは強い。花火開始までに少しは田圃も乾くだろう。
 撮影場所を確保したあと車を例年の場所に駐めに行く。前日から腰を痛めてしまって、ウロウロするのは止めにしようと思いながらも打上現場を拝見させていただいた。
 メインのスターマイン現場は、最近では各社ともそれぞれの工場内で緻密に装填済みの筒を、所定位置に並べて固定し、電気配線や防火シートを施すだけ。といった現場作業を軽減する方法が採られている。かつては花火玉を装填する作業もこの場でやっていたが、今ではそのような光景を見ることはほとんど無いのが少々残念。
 今回はイオンショッピングセンターが完成して以来、初めて10号と創造花火の打ち上げ場所も確認しに行った。
 土浦の10号競技の打ち上げは長らく詰め替え方式で行われていた。プログラムを見ると10号は5業者5玉がワンセットになっているのがわかる。5本の筒に装填したその組の打ち上げが終わると、続く創造花火とスターマインを何組かやっている間に次の10号の組5発を総入れ替えする。という方法だったのだ。だから使用する筒は予備を含めて6本。
 それを安全のためもあるのだろう。今期から出品玉数分の筒を全て一箇所に並べ、全ての競技玉を予めセットして順に電気点火で打ち上げるという大曲と同様の方法に変わった。土浦ではもともとの10号打ち上げ場所が田圃の中の農道で筒の設置場所に制限もあったものと思われる。
 そしてかつては田圃だった10号サイトに足を運ぶと、そこは完全にイオンショッピングセンターの駐車場内でその変わり様に驚いた。建物まで50メートルほどと、さすがにこれでは全館休業はやむ無しと思い知った。まだ装填前だが立ち並ぶ10号筒は壮観だった。
 隣接する別の区域の駐車場には、定時雷用の打ち上げ筒と、創造花火用の5本一組の筒がこれも出品業者分の全量が一塊りに並んでいた。さらにその北西側隣の教会の駐車場には土浦花火づくし用の8号筒70本あまりが置かれている。全体のおおよその配置を見る(別ウィンドウ)。だいたいの打上場所の規模は、競技全体で約800メートル幅で、大会提供に限れば設置場所の幅で約550メートルくらいと思う。
 その土浦花火づくし用のワイド打ちのセットは、何ヶ所か一塊りに間隔をおいての設置だが、堤防からはけっこう距離があり、ショッピングセンター寄りの一群もあった。それでいてあのスケールに見えるのだから驚きだ。ちなみにちょうど大会提供点火担当煙火店スタッフがいらしたので、この幅広い大会提供ワイドはどこで点火するのか?と聞いてみた。するといままさに点検しているセンター8号筒群のすぐ隣の駐車場、つまりワイドスターマインのど真ん中の直下という、素人から考えると恐ろしいほどのまっただ中だと言うではないかっ。すぐ左脇からは8号が唸りを上げて打ち上り、すぐ背中側ではワイドの一カ所分が絶え間なく上がるという壮絶な点火現場なのであった。
 スターマイン競技は2列に並べられ、観客側に一番近い列と一番後方の列では距離があり、客から見た場合の見かれの大きさにだいぶ影響する。10号は盆のサイズからしてほとんど同じ場所から打ち上げているも同然なので、見かけ上の高度や盆の大きさの違いはそのまま玉の個性だと言える。
        

10号競技用打ち上げサイト
打ち上げ場所写真は拡大しません(以下同様)

土浦花火づくし用8号打ち上げサイト

5号創造花火競技用打ち上げサイト

土浦花火づくし用打ち上げサイトの一部
 
 晴れたり曇ったりだが、炎天下の現場周りもなかなか焦がされる。観客側に面した堤防上では、広告仕掛けの枠仕掛けが、足場に乗せ始められているところだった。風は打ち上げ場所に向かって吹き込んでいて、今夜はいいコンディションになりそうだ。
 いったん車に戻ると正午前。そしてほどなく正午の定時雷が上がるのだが、これが打ちまくり。………て定時雷の物量じゃないじゃないか。こんなとこに70周年の資金をつぎ込まなくても…と思うくらいに正午と12時半の2回は物量の多い昼花火だった。
 ひと眠りして休憩してから機材を運ぶ。風は爽やかであちこちに彼岸花が咲き乱れるのも例年どおり。近くの農道にはそのまま遠花火で観覧すると思われる車の駐車も増え始めていた。桟敷側の堤防から後方の田圃エリアを見るとやはりぬかるんでいるせいか客の入りが少ないように思えた。
 観覧場所に移ってから長らくは入れ替わり立ち替わりに愛好家諸氏と歓談して過ごす。団体客も入り周囲の混雑も次第にピークに向かっていく(写真右・観覧場所付近より)。
 夕刻になって周囲から失笑が洩れたのは、ぬかるんだ田圃の中に旗を振って突っ込んでいく一団が居るではないか。「な、有料ツアーなのに見る場所が田圃!?(ゲラゲラ)」夕刻になっても空いている場所は、とうぜん相当水浸しだからで、そこに添乗員が先頭になって無謀な突撃。客の足下は革靴だったりスニーカーだったり。このお笑いツアーはおそらく桟敷を購入せず、毎年毎年田圃の中を観覧場所にしているのだろうな。それでいて今期の下見もせず、いつもなら大丈夫と来てみればぬかるんでいて立ち往生というわけだ。金を取るツアーで客を泥田に座らせるとは恐れ入る。桟敷くらい買ったらどうなのか(笑)。買わないにしても河川敷の一般席を前日に並んで確保するくらいの努力をしたらどうかと。さらに暗くなると、田圃に出入りするための唯一ぬかるんでいない畦道にシートを敷いて座りこんで通せんぼをしてしまう迷惑な客まで出る始末。
 この時期は17時30分を過ぎればすーっと暗くなっていく。18時開始ならばもう充分な花火舞台が出来上がる。今宵どんな素晴らしい花火群がここに描かれるのか。日中の雲も取れて快晴にして微風。素晴らしい夜空が目の前にあって期待に震えた。もっとも観覧に重点を置いているスターマインはほぼ順風。希にみる好条件だった。
     

昇り曲付三重芯変化菊
赤城煙火店

昇り雄花四重芯変化菊
太陽堂田村煙火店

点滅曲導付点滅万華鏡芯銀冠先紅点滅
太洋花火

昇曲導付四重芯引先紅光露
斎木煙火本店

昇曲付四重芯変化菊
菊屋小幡花火店

昇り曲導付四重芯変化菊
野村花火工業

昇り曲付四重芯変化菊
紅屋青木煙火店

昇曲付四重芯銀点滅
山崎煙火製造所

昇曲導五重芯変化菊
小松煙火工業
   
 市制70周年記念打上として競技前の仕掛けと裏打ちスターマインが皮切りとなる。
 いつものように標準審査玉で位置と画角の確認をしてその後に備える。あとは休み無く集中して観て撮るだけだ。
 カメラは2台。標準ズーム搭載のメインはそれだけで3部門全てを撮るように使う。一台に気持ちを集中するためだ。他方は最大広角で土浦花火づくし専用横位置。それが始まるまで待機中となり、花火づくしが終わった後はメインのフォロー機になる。メインが弾切れの時にバトンタッチしたり、10号割物の押さえにしたりという役どころ。土浦花火づくし時は、サブで全体を撮り、メインは縦位置にして8号が入る部分だけ切り取って撮るというお遊び指向。メインと言うが、横位置で撮っている方が主だからむしろサブ的か。ワイド内の中央部だけ縦で切り取るんだからかなり贅沢仕様というわけだがそれも面白いんじゃないかな?今宵の段取りはそんな具合だ。当然三脚は2本だけとなるが、近年の土浦や各地の三脚激戦状態を見るに、なるべく本数(カメラ台数)を少なくかつコンパクトに撮影陣地を築くことを心がけている。欲張ったところで腕は二本。三脚を増やしても占有面積を拡げてしまうだけだ。
 割物、創造花火、スターマインとプログラムはきっちりしているが、追随する撮影は忙しい。無駄弾を撃たないようにと心がけてもフィルムはバンバンバカバカと無くなっていく。しかし撮影中に現像代を気にしても仕様がない。広告仕掛けが唯一、ひと息つける時間でフイルム装填やクリーニングをしながら花火を眺める。機関銃のように撮っている私がそうして休んでいると、後ろに座った観客から「仕掛けは撮るほどじゃないのか」みたいなことを言われたが……そりゃ、そ…おっと誰か来たようだ。
 10号は、山崎煙火が比類無きキマり具合と盆の大きさで、問題なく優勝玉と思った。今期は残念ながらバシッと決まった多重芯物が少なかった。その中で芯の出具合、全体の美しいフォルムで見事な四重芯だったといえる。青木煙火の四重芯も凝った大きくて芯入りの昇り小花にまず目を惹かれた。
 一般客や一部の審査員は毎年この競技を見るわけじゃないだろうけど、10号競技で昨年度とまったく同じ配色の多重芯というのもどうなんだろうか。違う組み合わせのものがありながら同じ玉を出品というのも何かの哲学かもしれないがバリエーションを見てみたいと思うのは、我々愛好家の贅沢なんだろうか。当初は四重芯を四重芯であるように開かせるだけで大変なことだったのに、ようやく芯が揃って出始めると、配色が、各層の星の揃い具合が、芯の真円度がと細部までチェックするようになってしまった。近年は多重芯勝負のようになってしまっているが、キマった八重芯にも感動できるセンスを忘れないでいたいと思う。
     

スターマイン・運命の花を見つけた
光屋窪田煙火工場

スターマイン・sea side story
ファイアート神奈川

スターマイン・春夏秋冬JPAN
篠原煙火店

スターマイン・春夏秋冬JPAN
篠原煙火店

スターマイン・春夏秋冬JPAN
篠原煙火店

スターマイン・蝶の舞う花園
田熊火工

スターマイン・時を超えて
高田花火工業

スターマイン・時を超えて
高田花火工業

スターマイン・夏模様
関口煙火工場

スターマイン・夏模様
関口煙火工場

スターマイン・光の変幻
糸井火工

スターマイン・土浦発銀河の旅
丸玉屋小勝煙火店

スターマイン・土浦発銀河の旅
丸玉屋小勝煙火店

スターマイン・永遠のときめき
芳賀火工

スターマイン・月に願いをこめて
筑北火工堀米煙火店

スターマイン・木漏れ陽
マルゴー

スターマイン・木漏れ陽
マルゴー

スターマイン・木漏れ陽
マルゴー

スターマイン・木漏れ陽
マルゴー

スターマイン・紅への誘い
紅屋青木煙火店

スターマイン・紅への誘い
紅屋青木煙火店

スターマイン・紅への誘い
紅屋青木煙火店

スターマイン・花咲く旅路
斎木煙火本店

スターマイン・花咲く旅路
斎木煙火本店

スターマイン・ウララ・ウララ
土浦よ〜狙いうち〜
伊那火工堀内煙火店

スターマイン・ウララ・ウララ
土浦よ〜狙いうち〜
伊那火工堀内煙火店

スターマイン・ウララ・ウララ
土浦よ〜狙いうち〜
伊那火工堀内煙火店

スターマイン
頑張った人に捧げる唄
山崎煙火製造所

スターマイン
頑張った人に捧げる唄
山崎煙火製造所

スターマイン
頑張った人に捧げる唄
山崎煙火製造所

スターマイン・Sence of Wonder
菊屋小幡花火店

スターマイン・ハナミズキ
〜平和を願う希望の花束〜
和火屋

スターマイン・ハナミズキ
〜平和を願う希望の花束〜
和火屋

スターマイン・ハナミズキ
〜平和を願う希望の花束〜
和火屋

スターマイン・ハナミズキ
〜平和を願う希望の花束〜
和火屋
  
 スターマインは、昨年既に日本のスターマインの最先端は新次元か、新世代領域に達したかと唸った。しかしそうでありながら今期のそれは高度になったあげくは実は、「人の情感に訴える」という妙にアナログな実は結局そこに収束するのか!という、驚きというか安堵感というか、収まるところに収まったようななんとも腑に落ちる進化方向を感じたのだ。技術を超えて踏まえてそしてトータルで心に語りかける花火演出。これは大曲で既に一部の業者に於いて感じていたことなのだけれど、この土浦でより多くの出品でそれを感じた。
 もちろん技術的には凄いことが随所に散りばめられているようだ(煙火製造者ではない私に現象はみえるが仕組みは全部はわからない)けれど、それは一般客にはわからないしわからせる必要もなく、打ち上げたとき結局「どれだけ見て体感して感動できたか?自然に拍手できたか?」ということがポイントなのだと思う。
 たとえば工業技術が凄く進化して、人間に限りなく近いロボットができたとして、そっくりにするためにどれほどの技術がつぎ込まれたか?なんて技術者だけが評価すればよいことで、一般人は、たとえばそれが介護の分野などに使われて、一人暮らしのお年寄りの話し相手になってくれるかどうかの方が関心事ではなかろうか。喩えとしては変かもしれないし、うまく語れない。しかしながらトップクラスの花火作家は、最新の煙火製造技術もコンピュータ点火器も御し、振り回されることなくイメージを形にして、進化したステージであらためて花火が人を感動させるものだということを実現しているようだ。かつて瞬間芸だった四重芯が、一般の誰の眼にも多重層の芯物であることがわかる形に進化したように、高い技術や緻密な手間は感動をより身近にするために使われていくのだと感じた。
 細部を見ると、細かい何段階もの変色星は、変色に要する時間差こそあれ数社が使用してきているし、千輪小花も例年のごとくふんだんだ。コンマ秒以下の緻密なタイミングといい、場面転換といいどのスターマインも実に計算されたパフォーマンスだ。
 上位最先端の出品の何が他と違うのか?それはタイミングとか部品がどうかという以前に、たいていの煙火店なら、従来から在る手持ち玉のアレンジでいくところが、「その出品の演出構成に合わせて専用の玉や星や部品を新規に造っているところが凄い」のだ。
 土浦で凄いことになるには、他社に真似できないオリジナルの玉や部品があること、そして独自の演出や打ち上げ技術があること。打上本番で実現する実力があることだと思う。とくにそれとわかるオリジナル玉を持っているところは強い。しかもその年の出品に相応しい新たな玉や星を作るその手間を惜しまない業者が凄いのだ。それに加えて、選曲のセンスやそれとのシンクロ度も高い次元で要求される。楽曲がもはやスターマイン作品の一部になっている以上、それが花火を際だたせ、より効果的に見せることの一部になっている。だから土浦では音楽が聞こえない場所でのスターマイン観覧は、本来のパフォーマンスから何割かは削がれていると断言できる。聞けば、筑波山にも鈴なりで観客や写真愛好家が居るらしいが、それはもう鑑賞領域ではない。
 和火屋の作品にも感銘していた。いつものように千輪展開がくるのだが、その千輪玉のキレがいい。スカっと揃って咲いて、ふっと一斉に消える。パラパラと次々に咲いては消えをランダムに続ける見せ方の業者が多い中で、すごく爽快な千輪だった。
     
    

大会提供ワイドスターマイン・
土浦花火づくし

大会提供ワイドスターマイン・
土浦花火づくし

大会提供ワイドスターマイン・
土浦花火づくし

大会提供ワイドスターマイン・
土浦花火づくし
  
 土浦花火づくしは素晴らしいワイド打ち仕様のプログラムに成長したなぁと思う。全般にゆったりとしたペースでの打上に特徴があると感じる。ところどころウェーブ状にまたは半分ずつ順に出したりと「動き」の演出が挟まるが、ゆっくりめペースで打っているせいもあって、それが端から順に出す演出なのか単に出遅れたのかの違いがわかりずらい。本割りの競技で見せるような猛烈に速くて緻密な打ち上げには向いているけど、動きが玉の上昇スピードと同等かそれより遅いのはコンピュータ点火器には苦手なのだろうか。
 だけど変にスピードや左右の動きを出すよりもこのペースのまま全体の足並みが綺麗に揃っている方が充分に土浦らしいのではないかと思う。そしてそれで充分感動できると。ほぼセンターでの8号打ちもそれが全体を引き締める緊張感を出して良かった。8号がゆっくり上昇するペースもまた全体の時間の流れとマッチしている。地元茨城勢による花火玉の内容も素晴らしく、「豪華にして雄大」というのが土浦大会提供の印象と思う。
 段取り通り、横位置で撮りながらメイン機で縦で中央部だけ撮るがところどころレリーズが遅れている。やはり同時といっても微妙に置き去りにされている感じ。というか長いぞ!花火づくし。フイルム1本30カット駆け抜けたが終わらない。おやおやフィルムチェンジとは予想外に楽しませてくれるじゃないか。
 昨今は審査結果などあまり気にしないで、マイベストが判断できればそれで良しとしているが、出品されている業者さんはそうもいくまい。いや昨年来の作品を見るともう出す側も晴れ舞台的な捉え方で好きなように舞台を使っているようにも思える。優れたパフォーマンスを披露している出品作が残念ながら審査で評価されなかったのは、毎度のことながら呆れて諦めるほかない。そうまでして総理杯を県外に出したくないのだろうか。だから私ども花火好きが少しでも作家の意向を正しく見て取って、正当に評価させていただく他はないと考える。
 ともあれこれだけのレベルの高いスターマイン群を擁した競技花火大会を見られたのは毎度のことながら至福の極み。出品された全ての業者さんに心から拍手を送ると共に素晴らしい作品に感謝申し上げたい。
 終盤、やや冷え込んだのか、レンズがやや曇っていて焦った。野外なのでホコリ飛ばしくらいは頻繁にしているが、レンズが曇るほど気温が下がったとも感じなかったのだ。花火に夢中でエキサイトしているのでそこまで気がまわらなかったか。片づけにかかると、カメラ本体も三脚に乗せたときの一番上になる部分を中心にぴっしょりと結露で濡れていた。下から上がった湿気とは違うようだった。
 見終わると片づけながら各所に散って観覧していた愛好家同士が集まり検討会になる。その途中で何人もの愛好家諸氏を見送ってから引き上げる。今日はどうでした?とくれば、二つ返事で「マルゴーさんでしょ?」と応えようと思っていた。
 それしかない。タイミングはもちろん、星といい玉といい圧倒的だった。今宵の数々のスターマインの中でこの作品のある一瞬だけが、まるで写真に撮ったような静止画になって脳裏に刻まれてしまった。昼間、現場を訪問させていただいた。知る由もなかったが使い込まれた花火筒群の中にこんな宝石が詰まっていたのか………。
 機材を積み込むともう22時10分前だ。それから30分ほどで常磐道を快走。うん、慣れない車は疲れるナ。

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