花火野郎の観覧日記2010

観覧日記その11 8/5
第23回 信州上田大花火大会
  
長野県・上田市


オープニングスターマイン
音と光の幕開け

スターマイン
南国の黄金椰子

スターマイン
田舎の散歩道
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スターマイン
六文銭の彩り

スターマイン
六文銭の彩り

スターマイン
上田城花火千本桜

スターマイン
上田城花火千本桜

スターマイン
真紅の花束

スターマイン
真紅の花束

スターマイン
花火浪漫
    
 上田の花火は知ってはいたが、平日にあたることが多くてなかなか来られなかった。上田市はこの花火大会とは別に、真田六文銭まつりの花火大会も別会場で開催する。この千曲川沿いだけでも上山田温泉、千曲川納涼花火大会、佐久千曲川大花火大会、飯山市千曲川花火大会といくつも花火が開催されている。
 初めての場所なので上田駅現着は無駄に早い14時過ぎ。なにが無駄といって、なにも一番暑い時間帯に……ということだ。遮る雲もなく強烈な陽射し。駅から外にロケハンに出るのをしばらく躇ったくらいだ。
 打上場所一帯は新幹線の車内からも一望できた。対岸に渡るにしても屋根もない(当たり前だが)橋を徒歩で渡らなければならないし、炎天下の徒歩でのロケハンに躊躇する。
 上田電鉄別所線でひと駅乗ると、対岸すぐの城下駅に着くのでこれを利用した。二両編成の運転席側のひとつのドアしか開かない仕様で、「降りるなら一番前」と地元の乗客に教えられてあわてて降りる。ちなみに昨年度公開のアニメ映画「サマーウォーズ」はここ上田市が舞台。上田駅から発する上田電鉄もそのままの姿で映画に登場している。
 暑い……誰も外を歩いている人など居ない。日陰を縫って川縁の道路に出る。
 うは……これは近い。千曲川の流れに近い場所に設置された花火筒が間近に見える。川を挟んでこの近さだから、メイン側は同じ河川敷内に見物場所もあるからさらに近い。最大5号と大玉は無いものの、土手から土手の差し渡しも400メートル強でそれほど広いわけではないから、かぶりつきの大迫力で観られることが魅力だ。
 風予報から最初から対岸のどこか、と考えていた。機材は先日の長岡仕様そのままだ。カメラは一台、三脚も一本。カメラザックひとつにまとめてあるものの、全部背負ったままだとこの暑さでは無理と、道ばたの日陰にデポして三脚と飲み物だけ持ってロケハン。
 すると長岡で一緒だった愛好家が通りががり声をかける。こうして日の近いうちに知った顔に出逢うと距離の離れた別の場所の花火大会に来ているのにそんな気がしない。他にも知り合いがちらほら。皆さん精力的だなぁ。
 風向きによっては上田駅側とは対岸の川縁を選択しなければならず、上下流のどちらかの最寄りの橋を渡らなければならないがそれほどの距離ではない。昨年まで観覧した愛好家によれば、対岸は背の高い木立が茂って、見通しが利く場所が少なかったそうだ。しかし今年は花火開催の当日にも伐採作業をしていたほどで、川沿い道路縁のどの場所に陣取っても対岸の川岸に並べられた花火群がよく見えるようになっている。
 堤防道路を行ったり来たりするも結果として風上の上流側から間合いを稼ぎ、斜め方向に観る位置に決定。他にもいくつか候補地がありそうだが、徒歩で帰りの新幹線に戻れそうな場所というとやはり会場周辺に限定される。まぁ初めての場所は正攻法ということでまずは間近からの狙い。
 近いから大広角とすでに観覧した仲間から言われていたが、最大が5号だからなんとか28ミリでも収まるだろう。
 大会本部のあるメイン会場側ではないためか地元客の出足も遅い。夕刻になって雲が大きく湧き、陽射しを遮った。風も強めに吹いてかなり涼しく感じられた。こういうところが山間部のいいところかな。都内やその近郊だと夕方でも夜中でもずっと暑いし。
 挨拶やら、歌などが披露されたが開幕スターマイン点火が19時10分頃と、まだ背後の空が明るい時間の開始となった。山間だし直ぐに暗くなってくるだろう。風は概ね千曲川の流れに沿った南東方向。花火を流さず、煙は綺麗にはらってくれる良い具合の風だ。
 開幕スターマインでは24ミリ相当で画角をみたが超余裕なので、通常28ミリで行けるだろう。その後最大の5号でも28ミリで行けるのを確認して、最終のワイド系だけ開花空間の拡がりを考慮して最大広角で備える段取りとした。
 元々は地元の武舎煙火工業が担当していたようだが、現在はプログラム紙を見る限り、同県の紅屋青木煙火、篠原煙火の2社が加わり計3社による打上となっている。20番ほどあるプログラムの中で、3社が交互に担当したり、合同で打ち上げる出し物も用意されている。
 プログラム内容は4〜5号単発とスターマイン(単基〜ワイド)が代わる代わる展開。それぞれの持ち味を披露する形で進む。河川敷にスピーカーを直置きしている、という設置だが、対岸でも放送はとても良く聞こえる。
 各担当煙火店オリジナルのレギュラープログラムも見ものだが、「六文銭の彩り」、「上田城花火千本桜」など、この上田市の歴史や名物、季節の風物などの知識を知り得てから観れば、より深く味わえるであろう地域に根ざした題材と内容のスターマインがより魅力的だ。
 例えば六文銭。戦国時代から江戸時代にかけて武門のほまれの高かった真田家が用いた家紋だ。一文銭を三個ずつ横二列に並べた紋。合計六個の銭は六道(地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人間、天上)の衆生を救うため三途の川を渡る渡船料を意味するという。真田氏の子孫の方のお話によると六文銭は戦争時に用いた紋とされている。こんなこと知りながらであると、よりいっそう打上の設置がよく考えられていることがわかる。この出し物では銭を象った円形の型物の花火をテーマとして打ち、しかも打上場所は紋所に乗っ取った6箇所打ち。
 こうした題材は地域に根ざしていて他にない出し物だ。もとより花火大会はこうして、地域の何がしかを表現する、アピールする打上が基本にあってしかるべきなのだと思う。その地域の風物や名物、名所旧跡、史跡などがそこでしか観られない、触れられないものであるように、それらをモチーフとした花火はその地の特徴となり、名物となり、他では観られないプログラムということになる。目玉プログラムを作ろうとして単に大玉や、ワイド打ち、まして本家からお取り寄せした再現プログラムでは、名物になり得ない。そんなことと花火は大きさではないということを考えさせられたいい花火大会だった。担当煙火店は現在の最高の持ち玉を披露している。だからこれは今後機会があれば繰り返し観てみたい大会と感じた。
 途中の10分もの「何もしていない」休憩時間は不要に思うのだがどうなのだろう。
 フィナーレは3社合同による一番大型の出し物で、下流側4号の単発打ちから、ワイド掃射に移り、中盤で3箇所からの5号単発打ち、再びワイドスターマインになって終わる。という時間も長く見応えのあるプログラムだった。
 帰りは下流側の橋を渡り返して駅に向かう。上流側の橋に近いあたりで観覧していたが、上流側は倍以上も長い橋なのだ。炎熱の長岡の駅までの心臓が潰れそうになるような必至歩きに比べれば混雑しているわけでもなく、時間もゆとりがあって快適にゆっくり歩いて帰れた。それでも予定していた最終のよりずっと早い時刻の新幹線に乗れたくらいだ。
 駅側の川沿いの道路に大量に燃え殻が落ちていた。とはいえ重量のあるような殻は直ぐ下に落ちて、軽い紙片だけ風にのって散らばったようだ。
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