花火野郎の観覧日記2010
観覧日記その5 7/18
横浜スパークリングトワイライト「横浜花火ショー」
神奈川県・横浜市
事実上の開催凍結、消滅状態になったみなと祭国際花火大会を一新する形で、新しい花火イベントとして誕生した。もとよりあったイベントに、花火ショーを増設した形だ。
みなと祭国際花火大会は少なくとも、地元にとっては莫大な経済効果があったはずで、それがゼロ、ではさすがにやりきれないことと思う。ただ一日のイベントで莫大な集客が見込める花火大会はやはり大きな存在だ。その代わりにこのイベントをやることを知ったのは日程表作りや行楽情報誌の花火特集などを手がけているのでそっちからの入電だったかもしれない。
大したモノじゃないだろうとは思ったが、新しいイベントであるなら観ておくかと計画に入れる。驚いたことにこの花火を見物するに、メインの山下公園はもちろん、山下埠頭、大桟橋、赤煉瓦パーク、象の鼻パーク、というおよそ観覧場所と目されるところの全ての最前列が有料区画にされていたことだった。大桟橋のすぐ向こう側、花火の根本も見えない象の鼻パークですら2000円という強気の価格設定には驚きを禁じ得ない。当然ながら開催日直前でも余裕で端末で買える販売状況。案の定、山下公園では「当日券アリ」の売り子さんが多数出ていた。
有料席というよりエリアだが、一般の無料見物場所と緩く仕切ってあるだけで、手花火始末用の水の入ったバケツが多数用意されていた。
この有料席を購入してそのエリアに入ることで、その人はイベントの参加者となる。ショーの内訳は、入場時に渡された手花火(スパークラーetc)を有料席で19時の定時に一斉に着火。その後海上に設置されたナイアガラ富士に点火。それから約15分間の台船からの打ち上げ花火、という流れだ。
私は風向きもなにも一切考慮せず、山下埠頭区画の一点買い。それは単に、久しぶりに普段は立ち入れない山下埠頭で撮って(観て)みたかった。というだけの動機。他の区画では有料エリアの後ろで普通に一般客も無料で見物できるけれど、山下埠頭だけはチケットがなければ、埠頭の根元から先に入ることもできない。
それにしても梅雨明け直後、ドピーカンの快晴で猛烈に暑い。有料席を買ってあるので待ち時間は少ないものの、日陰を縫って歩かなければいられない。
入場開始の17時。ゲートで有料席料金に含まれている手花火を渡されて入場。あはは……。久しぶりの総コンクリート仕立ての埠頭はねっとりと暑い……。日没まで風通しのいい日陰に避難して過ごす。入場が遅い時間なのでまぁ楽だ。かつてここで自由に観覧出来た頃は半日以上ここで焦がされ、直射と蓄熱で蒸し焼きにされたものだ。国際花火が無い今、もう二度とここで自由に場所取りをして撮影する日は無いだろうと思うと、愛好家諸氏と共に乗り切ったあのうだるような午後の長い時間が懐かしい。
山下埠頭で気が付いたのは、ネットやローソン端末で公に販売されている有料席とはまったく別で一般販売されてない「港湾労働関係者向けの特別有料席」があったことだ。驚いたのはその存在ではなく、そっちの有料区画の方が一般販売の山下埠頭a、b区画よりも遙かに客が多かったこと。私の求めた一般区画は最前列に手花火を持って一列に並べるくらいの人数だったが、その半分くらいの区画面積におそらく倍くらいの客が入っていたのではなかろうか。
19時の汽笛の合図とともに埠頭のあちこち、対岸の大桟橋や山下公園でも一斉に手花火に火が点った。それらが無数の小さな光の粒になって一列に拡がる。
19時20分頃、山下公園に近い海上でナイアガラ富士に点火。横浜でナイアガラ仕掛けというのも初めて観る気がする。そしてナイアガラが消えると同時に打上台船から一斉掃射が始まった。
しかし誤算はあるもので、まずは南からの強風。そしてここで何度も撮っていたのに忘れ去っていたこと。それはカメラが日没方向に向く、ということだった。国際花火大会の時は、開催時間が長いので、後半はしっかり花火のバックは夜空になるのだが、今回の花火ショーはそれと比較すると始まりが早すぎ、時間が短か過ぎたのだ。だから露光すれば明るくなりすぎてしまう背景に為す術がなかった。風にしても、近くで「こんなに風があるのに(手花火に)火を付けちゃっていいんですか?」と家族連れがスタッフに聞いていたくらいだから、埠頭の上も上空もよほど風が強かった。
イベント開始前に定時雷が上がった時点で思いっきりすっ飛ばされて行くのがわかった。これではもう形の整った写像は望めないな、と諦め、さらに日没後の空がいつまでも暗く落ちないのに2度諦めた。まぁ今日はそれを見越したわけではないが、デジタルカメラ1発だから惜しげもない。
事前にマリンタワーに上がって台船を観察したマニアによれば、「満載」状態だったらしいから、物量はそれなりだったと思う。印象ではあたかも1時間で打ち上げていた、これまでの国際花火大会の出し物の、時間軸を圧縮して短時間に消費したかのようなラインナップ。玉の内容は国際花火大会同様に素晴らしいものだったので申し分ない。スピーディで密度は高いのだけれど、乱れ打ちにも似て、とりとりめない、という感じだ。物量は凝縮されていて一般客には受けがいいかもしれない。しかし緩急はともかく、間というものがないし、それで15分強打ちっ放しだと個々の出来の良さを見せている感じじゃない。
錦冠の一斉打ちにフィナーレを確信し、ささっと片づけてみなとみらい線の中華街駅から帰る。入場規制していたが、駅構内はガラガラ。地下鉄もゆったり。コンパクトにしかも有料になったイベントにさえこれだけのお客が押し寄せるのだから、本当に国際花火が無くなったのは惜しまれる。
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