花火野郎の観覧日記2011

観覧日記その8 8/17
 東日本震災復興祈念 第26回 神奈川新聞花火大会
  
神奈川県・横浜市


      

篠原劇場

篠原劇場

日本煙火芸術協会出品

日本煙火芸術協会出品
昇曲付八重芯紅煌星
根岸和宏

日本煙火芸術協会出品
昇曲付万華鏡
磯谷尚孝

日本煙火芸術協会出品
昇小花いぶし銀の華
細谷一夫

日本煙火芸術協会出品
  
青木昭夫

日本煙火芸術協会出品
昇小花華キキョウ芯錦先方向変化
今野正義

日本煙火芸術協会出品
昇小花八重芯錦八方菊
野村陽一
kanno.gif
日本煙火芸術協会出品
昇小花椰子芯彩色千輪
菅野忠夫

日本煙火芸術協会出品
昇小花三重芯変化菊
山崎芳男

日本煙火芸術協会出品
昇小花三重芯冠菊
堀米三郎

篠原劇場

北日本劇場

北日本劇場
   
 日本煙火芸術協会出品玉の玉名、業者名はプログラムにも記載が無いので観た上での推定です。間違っていたらゴメンナサイ。ご存じの方はご教示願います。
   
   
 ……くっ… い き な り かよ……
 開幕は数発の10号。それに続くのは、従来なら終盤かフィナーレに持ってくる「10号芯物銀冠」入り、銀冠スターマイン。直前に着いて露出も画角も撮りさえもウォーミングアップという出だしに、いきなりアクセル全開すか……。いやいやいや、やってくれるなぁ。それでも合わせてしまうけど。冠系の星がまっすぐに落ちていく。みなとみらい駅から地上に出た時に感じたが、これはもしかして順風に近いか?
 仕事帰りに今年から有料区画席となった臨港パークの入場ゲートを通過したのは、もう開始まで20分を切った頃。それから「撮影・観覧場所を探さねば」という切羽詰まった展開。臨港パーク内のレイアウトは熟知しているものの、もはや奥まで突っ込んでいる時間がない。例年なら開始は19時15分ともう少し余裕があるのだが。
 開始が差し迫っている状況だが、よりカンが働くのか、ゲートを通過して200メートルも行かない場所で針の穴を通すピンポイントを見つけた。最初は候補として通り過ぎてしばらく進んだが、肝心の台船が直視できない。お、ここは?と最初に思ったのは打ち上げ台船と海面が直接見える場所だったからだ。もっと奥まで行けばより海面が広く見える場所があると思うが時間がない。
 戻って、ロケーションを点検後(風向きとか、電線がないかとか、10号域まで見えるかとか、夜景の入り具合とか、街路灯の位置とか、とかとかとか)、無事に三脚建立。暑い。もう陽が落ちているのになんという暑さだ。すでに臨港パークの見渡せる芝生エリアにはびっしり観客が入っている。意外と有料なのに売れたんだなぁと感心する。立木が邪魔ではないとはいわないが、この時間では多少の妥協は止むをえない。
 背後は通路で立って撮るもこうした観客群の一番後ろだから無問題。仕事帰りと言うことに加えて、事前に洩れ来た情報では名物の20号が無いとのこと(噂では芸協も篠原劇場も無い、とまで……)。もうデジタルでいいや、とそれ一台の体制だ。ばたばたとカメラを用意すればももう開始直前。ななめ後方にスピーカーが設置されているおかげで進行アナウンスはうるさいほどに聞こえることになった。後に臨港パーク内のもっと奥にいた仲間に聞いたところどこでも明瞭に放送が聞こえたわけではないらしい。
「空が明るそうな最初のうちは見逃しても納得いく場所を探そう」などとも考えていたが、さっさと撮りにいって正解か。いきなり全開モードで打たれたのではな。それにそれほど空は明るくなく、例年の8月1日から半月もずらしたのが効いている夜空だ。
 花火大会全滅の様相をみせる神奈川県下にあって、数えるほどの稀少な大会だ。その稀少な大会に人が集中すると困るらしい。開催は喜ばしいものの、例年の開催日ではなく、お盆明けのド平日と、勤め人にとっては休みのとりにくい開催日設定は、少しでも客を減らす計算か。とはいえ学生さんら若者は休みだし人出に大差はないと思う。
 今回、例年最も客が集中するメイン観覧場所の臨港パークを有料化したのだって、運営資金集めもさることながら客の軽減対策と考えられる。有料なら敬遠するという者は別の場所に行くからだ。
 従来からの有料観覧席は、今年も同じように健在だが、我々を驚かせたのは無料観覧場所を召し上げての有料化だった。臨港パークと運河を挟んで隣の新港パーク、この二つを仕切って有料区画としたのだった。料金は2000円。それで入場後は好きな場所に入場時に渡されたシートを敷いて座るというもの。自前のシートは禁止。
 初にやることだから手際よく行かなかったのか、別の意図があったのかわからないが、カナロコ公式ページでの臨港パーク有料エリアの説明は変化していった。
・ローソン端末で買えるとしながらもLコードを不記載。
・神奈川県内のみと書かれたが他府県のローソンでも買えた?
・当初13時から17時までに入場(途中退場不可)となっていたのは、19時までに延長された。
・前売りのみ、としか読みとれない記載だったが、突如当日券販売の記載。前日に公式を再確認するとなんと「当日券の販売所」の案内図まで。
 この両区画だけで5万枚のチケットを用意したらしい。当日販売分は5000枚とのこと。残り45000枚が前売りで全部掃けたかは知らない。
 当初神奈川県内のローソンで、などと公式に書かれていたので、私はこの臨港パークの有料券を神奈川県在住の愛好家に間接的に購入して貰っっていたのだ。この日どこで観るかは決めていなかったけれど、万一の保険にと買っておいた。
 昨年撮った大桟橋が快適でいいなぁと考えていたのだが、くじらの背中観覧場所は今年も3000枚の整理券を用意して解放されたものの、どういう子細かカメラ、ビデオの三脚が使用禁止になってしまった。はぁぁ一期一会になったか。それと20号消滅の情報もあり、しばらく観覧していない臨港パークもいいかとこの日の観覧場所チョイスとなった。神奈川新聞で臨港パークは2003年以来となるが、冷夏だった2003年の同大会は雲の底が130メートル以下しかなく、ランドマークタワーの上2/3が雲に没し、しかも臨港パークは風下。台船からはザラ星しか見えないという最低最悪のコンディションだった。以来臨港パークで神奈川新聞は一度も見ていない
 例によってここにはプログラム誌があったのかなかったのか。ゲートでも渡されたのはシート代わりのゴミ袋と宣伝チラシだけで、プログラム誌はなかった(もっと早くに入場した仲間によると最初はあったらしい。また神奈川新聞購読者には掲載か折り込みがあったらしい)。プログラムは公式HPにすら掲載されない不親切ぶりだし(だから20号が在るの無いの、芸協が在るの無いの、と憶測ばかりが)、結局わからずじまい。観覧も撮りもぶっつけ本番だ。開幕の10号とそれに続く銀冠スターマインは不意打ちだったが、以降は協賛者名とだいたいの内容はアナウンスした。内容と言っても単発とスターマインです。くらいのことだ。それで中盤になると無いと諦めていた「芸術協会出品コーナー」がアナウンスされ驚くやら嬉しいやら。しかも5発ずつ2回に分ける例年のやり方ではなく、10種10発を続けて打つという。残念ながら珠玉の云々と言う割には、花火師名も玉名も一切アナウンスしなかった。篠原10号劇場に至ってはなんの前フリも無い中での打ち上げ。花火ファン以外は見ているだけじゃわからないなぁ。
 神奈川新聞花火大会は、2007年からは毎年観ている。その私からすれば、今回がとりわけ貧弱という風には見えていない。無いと思っていた篠原10号劇場と、北日本ならびに本田劇場も健在であった。つまり明確に無くなったのは3発の20号と、子供達の絵を花火化するという「夢の花火」ということになる。20号が無くなった経緯は知らないが予算にからむことだろう。誠に残念。これはこの大会の最大の目玉であるからだ。名物の無い花火大会は魅力も失せる。私も芸協と20号が両方無くなったらもう観ない。次年は、それこそ20号復活祈念大会として欲しいと願う。
 終盤の打ち上げには、福島県の花火師も参加とアナウンスされたが、観たところいつもと変わらない気がする。フィナーレは再び開幕同様に銀一色の大スターマインが飾った。しかしながら予定時間より10分も早く終わったために、「呆気なさ」感は否めない。昨2010年は、19時20分から20時30分と比較的長かった。今年のこれはプログラム間の休憩時間を詰めたら30分で終わるだろう。打ち上げ内容は悪くないがさすがに物足りなさはある。「花火は全て終了しました」としっかりアナウンスしていたが止め雷を観なかったら終了と信じられなかっただろう。
 有料化については賛否あると思うが、私的にはこれで周知されたろうからこの2箇所は今後も有料で構わないと思う。資金集めの問題より、手が付けられないほどの場所取り合戦が無くなるだけ良い。50人も座ろうかという巨大シートで場所取りしたりという無茶ぶりが無くなるだけで良い。今回は、有料区画料金の内いくらかを義援金に充てたならもっと売れたと思う。しかしお一人2000円というのは家族連れだと厳しい出費だ。
 横浜まで歩くか、一番近いみなとみらい駅か迷ったが、臨港パークの奥まで入っていたら迷わず横浜直行ルートだが、ゲートが直ぐ見えるところに居たので地下鉄に向かう。
 最初の交差点を渡って唖然。誤算だったのは、臨港パーク、新港パークが有料になったため、金を払ってまで観ない、という観客が、パシフィコから桜木町方面に続く幅広い直線道路上(車両通行止め)にびっちりと座り込んで観ていたらしいこと。道路を観覧場所に解放していたわけか。それですかすか歩くわけにはいかず参った。しかしこうした群衆の前に出るには特殊な歩行術が必要だ。今回も無事にみなとみらい駅構内に到達することに成功した。しかし構内はひどい蒸し暑さで激しく消耗。
 20時までとなっていた花火は10分も早く終わった。それで20時10分過ぎには横浜駅の新宿ラインホームに達していたのだから早い方だろう。
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