花火野郎の観覧日記2012

観覧日記その6 7/29
第30回 蒲郡まつり納涼花火大会

  
愛知県・蒲郡市


開幕ワイド一斉

オープニングワイドスターマイン
Change!

海のじゅうたん

ワイドスターマイン
Festa!〜光の浜辺〜

ワイドスターマイン
Festa!〜光の浜辺〜

8号打ち

水上スターマイン
すずみが杜

8号打ち

特大スターマイン
Dynamic GAMAGORI〜躍進〜

三尺玉1発目
昇り小花付紫緑点滅芯錦冠菊緑点滅

三尺玉2発目
昇り曲導付二度咲千輪

三尺玉3発目
昇り曲導付紅小花入錦冠菊
     
 蒲郡まつりの花火大会というと、必ず同愛知県内の豊田おいでんまつりと日にちが被っているので、観覧する機会が無かった。どちらかというと行けるならおいでん優先になっていた。 
 しかし近年、おいでんまつりの場所取りがエスカレートし、自力では一週間前の場所取りだけで開催地を訪れるなどとんでもなく、開催日にいくら早く家を出てもまったく無駄無駄な状況になってからはほとんど観覧しなくなった。最後が2007年になっているが、この時も愛好家仲間に場所取りをお願いしてなんとか観覧・撮影できた格好だ。そして今年に至っては、撮影場所は場所の選べない有料席になったと聞く。おいでんがそんな風になって、同日開催の蒲郡を一度は観ておきたいと思っていた。
 先日の桑名で愛好家の一人から、明日は蒲郡ですよね。………から(場所)撮るんでしょ?と言われて仰天した。ネットを含めて私からは何も情報を流していないのに今シーズン初めて顔を合わせる愛好家から翌日の行程まで正確に言い当てられて驚かないヤツなんか居るの?蒲郡行きは担当煙火業者からの撮影依頼という機会を得ての初観覧になるのだが、それって蒲郡に行くことを含めて私と花火屋さんだけしか知らないはずのことなのに何で知っているの?
 昨日の桑名からはたいした時間もかからず蒲郡に移動できる。駅前は驚くほど広い開放的なスペースが展開していた。ごく近くにSCがあり、どうやら涼みながら時間をつぶせそうだ。
 指定された撮影場所は建物の屋上だった。屋上に日陰などないから夕刻に太陽も傾いてから上がろうと計画していた。しかし実際に建物の管理人に案内されて行った先で仰天する。階段を上って扉を抜けると「ここからが大変でして」と管理人が言う。そして実際の撮影地点の高さまでは建物の壁面に取り付けてある梯子みたいな所を3階層登って、3段上にある屋上まで上がる仕掛け。エレベータや階段を出たところが屋上という楽チンな考えは木っ端微塵になった。聞いてないっし。
 機材を運び上げ、運び下ろすのに一度では済まず2往復しなければならなかった。見晴らしはいいけれどかなり難儀な場所だった。機材がデジタル一眼と三脚1本だけで助かった格好。隣にビデオ撮影の方が居たが、こちらはカメラ2台三脚も2本とよりかさ増しの機材で私以上に大変そうだった。
 ああ、しかしそうして苦労して上がったその場所は、近年希に見る「完全風下」。元よりこの地形で陸風になることがあるのだろうか。眼下のお客さん達はまばらにも見えたが、開始間際になるとほぼ隙間無く埋まっていった。
 メインの埠頭で打ち上げられる最大は10号玉で、打上場所の全体幅は450メートルほどあり、ワイドスターマインはその中ほどに250メートル幅で設置されていた。
 開幕で10号10箇所一斉を設置幅一杯で出したものの、結局最大幅の10箇所打ちはこの時だけだった。
 3回に分けられてあるワイド打ちは近年の仕掛けを取り入れてそれぞれなかなか工夫されていると思った。しかしこれらをひとつに束ねて強力なワイドミュージックスターマインにした方がより魅力在るプログラムなのではないかと考える。音楽付きの似たようなワイドがいくつもあると散漫で見慣れてしまう。スポンサーの意向もある思うが一度豊田おいでんや、赤川、長野の最先端のミュージックスターマインを参考にしてはどうかとサジェストする。意欲があればこれはいくらでも進化できると思うのだ。今後の進化が楽しみだ。いくつかあるスターマインを埋めているのは5〜10号の単発打ちが主体だ。
 名物の30号3発は1キロメートルあまり離れている3隻の台船からの打ち上げ。離れているせいとその近くで他の打ち上げが一切無いことで、3発とも極めてクリアーな条件で見られた。1発目は明るく素晴らしい存在感だったが、2〜3発目は写真には見た目以上に暗く写っていた。
 変わったところでは水中花火。これは投下型でも射出型でもなく、船の上、船縁に沿って鉄パイプを何本も設置。その頂点に花火玉を固定して速火線で繋ぎ合わせたものだった。他に船上に射出式の連発を積んでいた。全体を埠頭と観覧席との間の海面に浮かして点火させるものだ。私は俯瞰しているせいでそれほどではないが、主たる打上埠頭と観客の居る場所との真ん中ほどの海上で開花させているから、地上レベルのお客さんからはけっこうな迫力なのではないかと思う。
 残念ながらほとんどのプログラムが風下の影響を受けたので撮りようもない。8〜10号の単発は出来も良かったが、前の開花の煙に邪魔される格好。ワイド系は地上からの星打ちだけで猛烈な発煙が向かってくるのでお手上げだった。
 21時少し過ぎに終了後は30分近くかけて建物の屋上から何度かに分けて機材を下ろす。しかし機材を肩にかけての後ろ向きの下りが怖い。慎重にしていたが暗いので目測を誤って、床と思ったらもう50センチくらい下で一段くらいドンと落ちてしまう。どうやらこれで腰か背骨にダメージを受けたらしく、あとでホテルに着いてから腰が抜けて痛みがやってきた。
 あれほど居た客が一斉に帰るのだから、果たして相当に広いはずの蒲郡駅前は人が埋め尽くして凄い混雑になっていた。パッと見で、これは2時間くらいで改札を通過するのは無理と判断した。うむしかしこれは、我が埼玉県で言えば「対処パターン熊谷駅」だな。大行列でお待ちいただいている皆様今回だけですサーセン。こういうのも経験なもので。それでほとんど待たずにすんなり改札を通過して宿泊地の豊橋行きの特別快速に21時38分に乗り込んだ。
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