花火野郎の観覧日記2012

観覧日記その7 7/28
桑名水郷花火大会

  
三重県・桑名市

 近年何かと話題の桑名に初観覧。先に翌日の蒲郡行きが決まっていたので、前日のうちに近くまで行ってしまうと翌日が楽というのと、愛好家の間で話題の桑名を観てみようという計画。桑名水郷花火大会を知らなかったわけではないが、それほど凄いという話は聞かなかった。しかしいつからか大スポンサーが一幕の凄い規模の打ち上げをプログラムに入れて、その仰天の内容から一気に話題になったらしい。こういう仰天プログラムから全国区の有名大会になった例としては、柏崎の尺玉600連発が新しい。はたして未だ観ぬそのプログラムはどういうものだろうか。
 今ではネットの動画サイトでいくらでも花火大会も、そのハイライトシーンも事前に観ることが出来る。でも私はほとんど観ない。そもそも動画は観るに時間がかかるということもあるが、見知らぬ初めて出かける大会やその一番の名物プログラムを動画サイトで最初に見てしまったら、肉眼で見るのは動画サイトで見たものの再検証、再確認、追認するだけじゃないかというのがその理由。観たことのある大会、実際見た大会を再確認するならともかく動画サイトで観て良さそうだった大会を実際見に行くのは私にはできない。これが写真なら一連の流れの一部しか写らないから、そこにないモノも発見できるかもしれないし、一枚の写真からいろいろ想像も楽しめる。でも動画って余さず全部なんだもの。内容を見てしまうのだからもう驚きはなくなってしまう。推理小説の結末を明かされているようなやっちまった感がないだろうか?私は初めて観る物は自分の眼で最初に直に観て感動したい。だから話題の凄い打ち上げも桑名のポスター写真や、既に観覧した愛好家が賀状の写真で送ってくれたりしたものを観ているにすぎない。
 暑い。桑名駅に着いたのは午頃だが、もうねっとり暑い。たぶん会場までは徒歩15分くらいと踏んだが日陰も少なそうな炎天の道で消耗する気は無かった。しかし駅頭にタクシーが一台も居ない。列車を降り駅から出る客がみなタクシーを探しているのだがまったく無し。近くのビル内にある観光案内所で花火プログラム誌をゲット。同時におすすめの観覧場所などを尋ねる。
 ちょうど駅から降りたところにタクシーの会社があり電話してみると配車してくれるらしい。ほどなくやってきた車に乗り、運転手に情報を聞きながら河畔の六華苑の近くまで乗る。案内所でその前辺りが良い場所と聞いたのだ。
 観覧場所は揖斐川の堤防道路の上。すでに川縁の最前列から隙間無くシートが敷かれてそれは果てしなく続いているようだった。打ち上げ場所はと揖斐川と長良川を分ける長大な細長い中州のようなところで、既に設営済みの二尺筒が何本も見て取れた。ふむ、このたくさんの二尺筒が見物というわけか。凄く近そうだ。
 初めての場所なので三脚を持って端から順に歩いていると、既着の愛好家集団に出くわしてご挨拶。すでに観覧済みの愛好家氏も居て色々状況を教えてもらう。
 とりあえず愛好家氏が場所取りした位置に同居させてもらうことにして、近隣にある大きなSCに全員で避難することにした。
 SCの店内は26度くらいでこれで外気温差10度くらい。外は目眩のする暑さだった。玉村でいう両水的なこのSCが近くにあって長い午後の待ち時間をここで過ごせて本当に助かった。
    

水中スターマイン
       

水中スターマイン

水中スターマイン

水中スターマイン

夢をあしたへ
双龍・願いは天まで宇宙まで
20号・昇曲導付八重芯錦冠緑点滅
二発同時打ち

夢をあしたへ
オープニングステージ
20号・八重芯錦先青紅銀乱

夢をあしたへ
オープニングステージ
20号・八重芯錦冠色蜂

夢をあしたへ
ミュージックステージ

夢をあしたへ
ミュージックステージ

夢をあしたへ
ミュージックステージ

夢をあしたへ
ミュージックステージ

夢をあしたへ
ミュージックステージ

夢をあしたへ
ミュージックステージ
    

夢をあしたへ
ミュージックステージ

夢をあしたへ
ミュージックステージ

夢をあしたへ
ミュージックステージ  

夢をあしたへ
ミュージックステージ

夢をあしたへ
ミュージックステージ
20号・銀芯錦冠緑点滅
二発同時打ち

夢をあしたへ
ファイナルステージ
水上・炸裂の華
錦煌めく桃源郷

夢をあしたへ
ファイナルステージ
水上・炸裂の華
錦煌めく桃源郷

夢をあしたへ
ファイナルステージ
水上・炸裂の華
錦煌めく桃源郷

夢をあしたへ
ファイナルステージ
紅輝昇龍・一斉開花

夢をあしたへ
20号・昇曲導付彩色芯錦冠蜂
20号・昇曲導付八重心芯錦冠オレンジ点滅

 
  
    
 適当に涼んでから、地図で打ち上げ場所や方向を検討し直す。当初の位置では打ち上げ場所の真正面で、二尺まで打つのに手持ちの画角で入りきるか心配になった。
 それでまた炎天の堤防道路に戻って、少し距離を置きハスになる撮影場所を検討した。すでに多数の三脚が並んでいたがとりあえず合間に場所を確保して戻る。
 機材込みで堤防に向かったのは17時過ぎ。様々な縁のおかげで、大スポンサーNTNのはからいもあって最終的に本部席近くの川縁に撮影場所を得ることができた。
 撮りはデジタル一眼一発。三脚も1本。レンズは最大広角で24ミリまでしか所持していないので、これで二尺が入りきらないのなら仕方ない。このところの暑さを鑑み、まだ夏期で3回目の観覧。電車組としては機材を少しでも削ぎ落として軽くしたかった。フイルムとデジタルとでは、パッキングしたときの量も重さも桁違いだ。翌日またぎの観覧なら、フィルムだと2日分の量。デジタルなら1本で済ませるレンズも3本以上と嵩張る。
 あれほど焦がされた日中の暑さも、さすがに大河の畔に立てば吹く風は順風で心地よかった。
 撮りどころは何度かある水中花火。高速ボートによる投下式で、中州と警戒線の間を投下しながら駆け抜ける。落としている玉は4号程度だがこの観覧場所はもちろん、警戒線のギリギリで観覧しているレジャーボートの上を星がかすめていくような近さで、なかなか迫力だ。水中物はどういうやり方にせよ好きなので、ほぼ目の前を左上流から下流に向けて過ぎる水中花火を楽しんだ。川幅を活かした出し物で水郷桑名らしいプログラムともいえると思う。
 ありがたいことに一番の目玉プログラムに入る前に単独で二尺玉打ちがある。これはまた別の煙火店の二尺のようだが、それで画角に入りきるかどうかの確認が出来た。こういう点は直ぐに見られるデジタルは実にありがたい。どうやら川面を入れてもまだ上に余裕があるくらいの写りだった。対打ちの近い方の打ち出しでこれなら上下だけは全体が十分に入るだろう。二尺で対打ちとなると幅の広がりも大きいだろうがはみ出るのは仕方ない。
 いよいよ20時15分。スペシャルな時間がやってきた。
 高価な二尺をいちプログラムにまるで尺玉のような手軽さで15発も使うのだから豪勢だ。全体は3部構成。まずは二尺、二尺と大玉で押す第1部オープニングステージ。ミュージックスターマイン仕立ての第2部(二尺入り)ミュージックステージ。そして錦押し往生楽土の第3部(二尺入り)ファイナルステージ。
 事前の二尺で手持ちの画角に入りきることが確認して最大の懸念が無くなったので、落ちついて観ていられた。想定外は堀内煙火の二尺は藤沢でも観ているが明るく眩く見事なのだが、芯部が明るすぎて、すっ飛ばし気味だったことくらいか。堀内製は初めてでもないのにしゃーなしだな。
 第2部はお気に入りの天空の城ラピュタのサウンドトッラクにのせての打ち上げて、玉のバリエーションも多くカラフルな構成で楽しめた。
 レリーズ(リモコン)のトラブルで二尺をいくつか逃したり思い通りに行かないこともあったが、自分としては初見にしては展開に付いて行けてたし、それまでの打ち上げと二尺を重ねるか?単独で撮るか?などの判断も好みどおりになったと思う。過去に藤沢でも観たけれど、堀内製の錦の小花が3段咲きくらいで高さを変えて落ちてくるヤツ(玉名不明)がお気に入りで、それはぜひ単独で撮らねば。とか。今やデジタルカメラ全盛となり、あるシーンで玉が泣き別れても合成技でひとつにすることも可能なので楽ではある。
 二尺は第一部の八重芯菊2発を除けば親星が錦系。引き先が遊泳や点滅やらバリエーションはあるものの、2発の芯菊を除くと錦ばかりが印象に残る。スポンサーの意向なのだろうが、これだけ数があったらもう少しバリエーションが観たいというのはさらなる贅沢だろうか。芯菊あり、千輪ありと波の寄せて返すがごとく種類にも緩急が欲しいところだ。しかしながら上昇時間の長い二尺を混ぜながら、これだけの物量で押してくる打ち上げはなかなか怒濤だけど爽快さえ感じる。
 このNTNのプログラム以外にも二尺1発が別枠であり、ラストには尺ワイドに尺五寸の3発同時上げもあってNTN後の尻窄み感を軽減して見事な終了感を出しているといえるだろう。
 帰りすがら、愛好家氏2名と桑名駅近く人通りが収まるまでで一献交えながら歓談という楽しい時間を過ごさせていただいた。泊まりも駅前ホテルにしたのでのんびりできた。
INDEXホームページに戻る
日記のトップに戻る