花火野郎の観覧日記2012

観覧日記その10 8/4
第34回千葉市民花火大会 幕張ビーチ花火フェスタ

  
千葉県・千葉市


ミュージックスターマイン

水中花火

水中花火

ミュージックスターマイン

ミュージックスターマイン

水中花火
  
 千葉市民花火大会は、もとは千葉港で行っていてその頃二度ほど観覧したことがあるが最後が1997年と昔のことになる。今回どうして場所を移したのか経緯は知らないし、プログラム誌を観てもそれについては記載がない。大会名称もプログラム誌には小さく千葉市民花火大会と従来通りにあるものの、続く幕張ビーチ花火フェスタの方が目立つように表現されていることから、新しい開催場所の大会としてこの名称を押して行くのかも知れない。担当煙火業者は山崎煙火製造所と聞き、それも観てみようかという動機。元は別の業者だったが、千葉港時代にも何度か変わったり新規参入したりで、最終的にどこが担当していたか知らないままだった。8月に入って最初の花火集中日の土曜。当初は自宅近くの某大会にしようかと漠然と考えていたが、7月も20日を過ぎてからこの大会の場所と打ち上げ業者を知って興味が湧いた。それとこの大会としては初の水中花火。水中モノ好きとしてはおおいにそそられる。
 観覧会場は、一角に千葉マリンスタジアムのある、広大な幕張海浜公園。京葉線・海浜幕張駅から徒歩15分くらいだろうか。
 私がここに来たのは幕張メッセ国際展示場まででその先は行ったことがない。グーグルマップと公式の見取り図とでだいたいのあらましは把握していた。ここを訪れたことのある愛好家氏の話では、公園と浜辺を仕切っている防風林の背丈が結構高く、公園がわと浜辺の高低差も無いので公園からは海が見えない、ということだった。
 はたして防風林の規模は大きく、一般席と有料席エリアを仕切るものとしてはこれ以上確かな壁はないだろう。浜辺の有料席に行くには、防風林の間にある細い通路を通る。ここにはゲートを設けてチケットをチェックするようだ。まだ早い時間なのでそのままゲートを抜けて浜辺の下見をざっとする。曇りがちとはいえ遮る物がないビーチ。自分が入る予定のシーサイド席まで見ておけば良かったのだが、ビーチ席の一部を見たのみで終了。既に防波堤には花火が並べられていたがけっこう遠くて細部まではよくわからない。
 有料席入場は17時からだった。その時まで木陰のベンチで知り合いの愛好家氏達と長らく歓談を楽しんだ。
 ゲートオープンしあらためて入場してみると、浜の有料席は(ビーチ席とシーサイド席)総延長1000メートルくらいの細く長い浜辺の一部だった。一部というのは波打ち際のある、いわゆる砂浜の部分は全て立ち入り禁止になっているからだ。
 事前に公式の見取り図でわかっていたことだがこの超細長い観覧席の、北西側の一方の端にしか打ち上げ場所がないことにあらためて違和感を覚えた。
 海上では水中花火が投下されるものの、打ち上げ物はその一箇所のみ。ビーチ席は最前列と最後列で500メートルの差があり、シーサイド席はその後ろで300メートルの長さがある。シーサイド席は浜ではなく駐車場なのだが、その最も後ろからは花火まで1300メートルもあるのだ。こんな縦に細長い劇場は初めてだ。
 その両有料席にたいして、ビーチに出入りする口が4箇所しかないのも問題。ビーチの後ろは高さ数メートルの防波堤状になっていて、そこに切り通しのごとく設けられた狭い道が公園内と浜辺を結んでいる。有料ゲートからの入場時には2列縦隊で歩かされた。つまりそれくらいの道幅。
 防波堤のすぐ後ろが背の高い密集した防風防砂林。ここを抜けてどこからでも浜に出られそうだが、防波堤があるのと防風林の周りはフェンスで囲われていて中に入れない。日中は防風林の木陰で過ごす、ということもできなかった。
 それで浜を埋める客の数を考えると、経験上終わって一斉に帰る時のことが怖くなった。これだけ長い砂浜で出る場所が細くて数カ所しかないのでは、たいへんなボトルネックになってしまうと考えた。それで私と知り合いの愛好家氏3名は予め20時を回った時点で中座しようと考えていた。
 写真を撮ろうとしていた私は途方に暮れていた。有料席に着いてその中で最も打ち上げ場所に近いところに三脚を立てたものの、そこはそのエリアの最前列というヤバさ(後ろは座っている膨大な客)であるし、その位置で既に打ち上げ地点から900メートルも離れているのだった。目の前は砂浜が小高く盛り上がっていて視界が悪い、しかもその上に立入禁止の黄色いテープがさらに視界を塞ぐ。海が直視できる浜側も黄色いテープがあって、浜には降りられないし、通路があって三脚は立てられない。全情報がインプットされて答えは「お手上げ」。
 プロならこの困難な状況で撮ってみろ。という試練なのかそうなのか?つかプロだってお手上げだってーの、というシチュエーションだってあるぞ。決められたことを守る中では、もう無理無理無理無理ー。
 三脚が立っているから特等席なんだね、と周りの客からの声が……いやもう……途方に暮れているだけっすから(泣)。
 なんとか場所を変えて全て同じ高さの観覧場の、観客のど真ん中に三脚を立てたものの、誰かが前で立ち上がればもう前が見えないという状態。後ろは夜店の行列スペースだったので、後ろから文句を言われることはない、という奇跡の観客のど真ん中。
 打ち上げものは撮れるけれど、水中は全くダメだった。シーサイド席は立ってさえかろうじて海面が見える程度の場所で、敷いたシートに座ってしまうと海すら見えない。それで物珍しい水中花火が始まると案の定周りは「総立ち」状態。人垣の向こうに開く開花の哀しいこと。
 しかも実際の波打ち際のある砂浜は一切立ち入り禁止なものだから、投下型水中花火ったって、たとえば鎌倉のそれとは迫力も似て非なるもの。遠いものだから衝撃波も砂浜の振動も感じない。それなのにそれが見える、見えない、で有料か無料か観覧場所を分けているのだから笑える。
 花火そのものは良かった。担当煙火店は私は常総きぬ川などでしかしっかり観ていないから、3箇所以上の規模で打つ同煙火店のワイドを観たことがなかったのだが、驚きと感動があった。カウントダウン開幕で最初から5箇所ワイドで押してきて満足。8号までの大玉はそのワイドが設置してある防波堤の突端の一箇所でしか打ち上がらないものの、ワイドとのバランスも良かった。ただし単発は遠すぎて暗くさえ見えてしまうのが残念。その大玉で競技会や芸術協会出品などで高度な四重芯物を確実に決めることができる業者でありながら、八重芯さえ登場しないのは(観ていた時間内では)予算的なものか。
 残念ながらこうした打ち上げ物と水中花火とは90度方向が違っているので、水中花火とジャンボスターマインとプログラムには記載してあるものの鎌倉のような共演状態は浜のどこに居ても観ることはできない。有料席のお客さんはほとんど海に向かって腰掛けている状態で、じっさいは真横で打ち上がるとは思いもしなかった客が多いと思う。
 プログラムは4号早打ち、スターマイン、5号早打ち、スターマイン、4号早打ち、水中花火とジャンボスターマイン、ミュージックスターマインという流れを4回繰り返し5パート目がフィナーレだ。3パートも観れば流れもわかるので中座も未練がなかった。
 千葉港で開催していた時は10号まで打ち上げていたのに、これだけ広い海と広大な会場でありながら最大8号と縮小。有料席を4タイプで売りながら花火の物量に反映されているとは思えなかった。有料会場の幅が広いのになぜ前面海上に台船を浮かべて打ち上げないのかと不思議に思う。それならどの場所からもだいたい等距離で花火が観られるからだ。しかしそれは予算なのだろう。並べやすい防波堤に設置してあることもそうだが、有料会場全体を観ると設営はとても節約?しているようだ。浜辺の有料席は「立ち入り禁止」と印刷された黄色いテープを張り巡らせて仕切ってあるのみ。ついたてフェンスも仕切りもない。そして浜に座る一人分の区画を示している目印はなんと紙コップを逆さに埋めたもの。
 海上で3隻以上の台船でワイドに打ち上げない限り二度と観ることは無いと思うが、細長くて遠い有料席のうち遠いシーサイド席は有料に値するのだろうか。チケットをどれだけ販売したのか知らないが完売したというビーチ席はガラガラで、1000円価格の安かったシーサイド席はすし詰め状態。まぁガラガラに見えたのは、花火が始まったらより近い前の方に客が集まってしまったから後ろがスカスカになったのかもしれない。しかし有料席にあった大量の投光器をちゃんと消したのは評価したい。とはいえ防風林の向こうつまり一般観覧場所からは防風林に遮られて打ち上げものしか観ることはできないのだからましとはいえるが。私のセオリーからすれば、金を出さなければ見えない出し物があってはならないのだ(笑)。遠すぎるシーサイド席は一般客に開放してはどうかと思う。
 早めに脱出したおかげでスムースに帰路につけたが、防風林を抜けた公園内で、花火の見通しが良いところには大勢の観客が座り込んで見物していた。公園内だけではなく、海浜幕張駅に向かう道すがら、歩道で交差点で、ホテルやお店の前の空きスペースで本当に多くの見物人がビルの谷間や、木立の上に咲く花火を眺めていた。
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