花火野郎の観覧日記2013
観覧日記その7 8/1
第28回 神奈川新聞花火大会
神奈川県・横浜市
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スカイシンフォニー
イン YOKOHAMA |
スカイシンフォニー
イン YOKOHAMA |
スカイシンフォニー
イン YOKOHAMA |
スカイシンフォニー
イン YOKOHAMA |
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本当にうっとうしい夏だ。今週に入ってただの一度も太陽にお目にかからない。暑いには暑いけれどこうも日照が無いのでは気が滅入る。
天気は雨予報と悪かったが行けば良かった、行かなくて良かったと悶々とするなら行ってしまえ、と出かける。しかしみなとみらい駅を一歩出たとたん、後悔が。なんという蒸し暑さ。湿度90パーセント以上確実だ。おまけに予報通りの北東風。これでは臨港パークの大部分が風下になってしまう。
またもギリギリの到着なので昨年と同じ場所に向かう。するとすでに潮入りの池の畔には4〜5人分の三脚が連なっていて、話を聞くと「昨年の神奈川新聞観覧記の写真を見て」と嬉しいことを言ってくれるではないか。「私の撮った場所からは、誰でも観覧・撮影できる」というのが自分の写真作品の基本ポリシーなので、同じ場所で狙ってみたいという行動はとても嬉しい。同じといっても、風向きや潮の関係か台船の散り具合はまったく同様ではないと見た。
その彼らの端に三脚を連ねて急いで準備する。驚いたことに昨年私の背後は林があったのに、伐採されてなだらかなスロープの芝生エリアに改装されていた。そしてその斜面にも相当な客が座り込んでいた。ほぼ同じ時刻に到着なのに昨年比で遙かに、そして圧倒的に観客が多い!しかも観覧席は1000円も値上げしたのに、だ。
海縁も見に行ったけれど当然ながら満員御礼。後ろの新設スロープもてっぺんまで上がってみた。視点は高くていいけど、台船に向かう角度がいまいちで止める。花火の出所が林の向こう側になってしまい、海面への映り込みとかが期待できないからだ。
機材はデジタル一眼にズーム1本と身軽にした。終了後、臨港パーク西側の無料観覧エリアの混雑がもの凄い。ここをちゃっちゃと抜けるにはカートは不利なのでカメラザック。
入場ゲートにプログラムをもらいに行くも、「配布は終了しましたー」とか可愛らしい声で言われちゃったぞ。しかし入り口で自動で手渡されるこういうモノは、花火ファン以外には単なる紙ゴミ。無料のプログラム冊子などあちこちの大会で敷物にされ、無惨に捨てられているのをよく見かける。だから近くの分別ゴミ箱をチェックすると、果たして小ぎれいなプログラムが捨てられていたのでありがたく回収。
心配された雨やまして雷は大丈夫そうだったけど、風は向かって左斜め奥から手前、とよろしくない。神奈川新聞ではかなり珍しい風向きだ。
果たして始まってみると、煙に霞む。残煙がランドマークタワーに向かって流れ、その頂上部を包み込んで隠していく。
レギュラープログラムの芸術協会の名品10号も全て霞んでしまって残念。
準備中に気が付いたけれど、後ろに芝生エリアを新設したせいか、潮入りの池の近くにスピーカーが増設されていた。これがものすごく近くて大音量。大会後半は耳栓をしての撮影だった。
耳栓をしたくなったのは、集英社提供の「少年ジャンプ」からみの出し物からだ。アニメ発のいくつかのコミックから象徴的な型物スターマインを放つ。これだけでそうとう費用がかかったプログラムだけど、テーマソングや声優の絶叫が喧しすぎて、耳を塞ぐ。
そしておまちかねのコロワイドプレゼンツ「スカイシンフォニー イン YOKOHAMA」では、終始MCをやる男声アナウンサーの「コロワイドー、コロワイドー!」「ありがとうーコロワイドー」「コロワイドー様!」の絶叫連呼、「みんなでコロワイドにありがとうと言おう、ありがとうー」という感謝の強要には興が冷めた。たしかに大スポンサーだろうけど、そこまで持ち上げなければならないのか?そこまで天候を考慮してか早めに進行していたが、打ち上げに入る前の前振りMCを10分近くやられて白けた。昨今こんなにしゃべくりがうっとうしい大会は他に無い。喧しいのでさっさと始めてください。昨年もう少しおとなしかったと思うのにどうしたわけだ。そもそも臨港パークはもはや全て有料席。なんで金払って見ているのにスポンサーに感謝しなけりゃならん?音楽コンサートだって普通はアーチスト側が「今日は来てくれてありがとう」と観客に感謝する。それがなぜここでは観客がお礼をいわなけりゃならないのだよ?どういう傲慢か?
風向きの関係で右半分はよく見えない悪条件だったけれど、昨年同等の圧倒的な猛爆。装填ミスもうかがえず、昨年以上に入念に周到に準備されたものと思われた。これだけの物量を御しきって足並み揃えて打ち上げるのは、なかなかたいていの煙火店でできることではない。
売った玉がどう消費されようと、使う側の勝手なのかもしれないけれど、ラストの二尺玉は無惨過ぎた。制作者が見ていたら嘆くだろう。
コロワイドの時は何度も「煙が晴れるまで」の待ち時間を取ったのに、最期の二尺はもうコロワイド終わったからどうでもいい、とばかりにその猛烈な残煙の中にそのまま打ち込んだ。凝った芯も何もない。錦冠の引先のごく一部が見えただけだった。
これはいったい誰が悪くてこんな打ち方になったのか。これなら二尺など無くて良いではないか。二尺に協賛した者はどう思うだろう?
これまで長きに渡って神奈川新聞花火大会の主軸で目玉だった二尺も芸術協会出品さえもコロワイドのまるで露払い、前座扱いという流れなのに悲しくなった。神奈川新聞は昨年軒先を貸したばかりに主役交代された格好。ずっとコロワイドと関係なく成り立ってきた大会なのに、もうそれ抜きでは客にとっては満足できない結果となった。もとより芸術協会出品10号の玉名すらアナウンスしないのだから仕方ないか。
こうしてみるとあれだけの物量でありながらほぼ全部が見えたのだから昨年は奇跡的に良い風だったのか。帰路は潮入りの池から直近の臨港パーク北側の出口から出て、新高島駅経由で横浜駅へ。片づけて歩き始めが20時30分。これで20時50分横浜発の湘南新宿ライン宇都宮行きに楽に乗れるのだから交通の便は最高だ。
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