花火野郎の観覧日記2013

観覧日記その19 12/31
ツインリンクもてぎ 花火の祭典〜冬〜

  
栃木県芳賀郡・茂木町


     

   

     
 
 愛好家氏に仲間共々宇都宮駅でピックアップしてもらって一路茂木へ。
 14時頃のメインエントランスインだが、場内はガラガラ。飲食ブースやイベントの客呼び込みも少々寂しい。北西との風予報から第2ターンの無料スタンド上部に向かう。
 このところ冬場の茂木はたいていこちら側からの観覧だ。そこからみたところ花火の設置はコンパクトに仕上げられているようだった。ワイドの幅はほぼAB有料指定席の幅くらいか。プログラムはオープニングに続いて、
第1部 夜空のイルミネーション
第2部 冬の楽園
第3部 菊花の誉れ
第4部 フィナーレ
 と4部構成。かつての干支玉のように多彩な10号玉をじっくり見せる場面が無くなってしまったのは惜しいが、なにやら長野県は須坂地方の玉名に似ているタイトルの第3部に期待が持てそう。
 宇都宮駅で昼飯は済ませてしまったので、あとは歓談しながら待つのみ、といってもさすがに大晦日か顔見知りの愛好家氏の数も少ないようだ。到着時は三脚も少なく閑散とした印象だった。過去2回の晦日の花火の祭典が少々残念な内容だったせいかリスキーと考えた愛好家もいるのかもしれない。それに年4回公演となったことはむしろ愛好家の興味を削いだのではなかろうか。1回ずつが4回皆勤賞を目指したいような内容か?といえばそれはどうだろう。4回のうちひとつ見ればいいんじゃないか?からどの回を見ても大差ない、に変わり、コンディションリスクと有料の点と、見る場所を選べない不便さがいつしか足を遠ざけてしまうのではないかと懸念する。
 聞けばマイカー組はカウントダウン花火に向けて終了後は各地に散るようでうらやましいが、茂木からの梯子ではなかなか体力勝負だ。私もまだ水戸の年忘れが在った頃に北関東のスキー場のカウントダウンに梯子したことがあったが、なかなか距離もありきつかった。まぁ最近は冬場で5分やそこらの花火ではよほどの内容でなければ腰が重いといったところ。
 16時の雷が上がるまでは予報通り北西から北北西と、向かって右横流れの風だった。しかしその直後16時半くらいから予報にない綺麗な東風に急変。しかも風力もあり、リンクの底から吹き上がってくる風は思い切り冷たくて震え上がった。これほど寒く感じる茂木は初めてかもしれない。しかもものの見事な風下向かい風というのも逆に珍しい。今夜ばかりは屋内観覧のVIP席は暖かくて良さそうだ。そして冷たいこの東風は花火終了まで変わることがなかった。
 冷たいとはいえそれなりの防寒装備だ。ダウンは当然ながら、インナーには既製品の1.5倍暖かいというユニクロ新製品・ヒートテック「極暖」を奢り万全だ。しかし目出し帽でも被りたいくらい顔が冷たい。普段は手袋などしないが、手の甲だけ覆う指出し手袋に使い捨てカイロととにかく超真冬仕様。
 残念な風向きだが打ち上げ開始1時間前では大きく位置を変える事も出来ず諦めた。それにその頃には場内は大変な混雑になっていたのだ。
 終了後に帰ろうと観覧場所を離れたら場内外はびっくりする人出だった。飲食ブースには行列ができ、南ゲートの方の駐車場まで車が入っていた。いったいいつ来たのだろうと思った。寒いからぎりぎり間際に来場したのだろうか。
 向かい風で風速もあるものだから、冠系は頭上を越えて流れはるか後ろに盆が拡がる有様。ほぼ有料指定席の幅で設置された花火群、そのままほぼ全客席側を煙が直撃する。第3ターン側はやや良かったようだが、北西風の予報で立ち位置を決めた第2ターン側はモロ下。オーバルコースを横切りスタンドの建物の後ろに相当な燃え殻が落ちるほどの風だ。形のよい盆の玉が多かったが、向かい風で上部がめくれ上がってしまうため写真では残念な姿に写っている。
 内容は過去2回の晦日より良かった。それでも以前ならもっと目玉となる出し物が必ず入ったが、それが無しというのが残念といえば残念。4つそれぞれのパートは趣向を変えて楽しめたが、今回はパドックレーンからの恒例の庭園花火も回転物もなく前触れもなく挟まる四重芯以外はこれといって意外性もなにも無かった。かつて我々を驚かせた、100箇所一斉も、二尺も、地割れも、オーバルを半周もするワイドも、ナイアガラも何もない。その中で特に屋号にも使用している菊花をふんだんに打つ3パート目はとくに八重芯〜四重芯の大玉の決め所では出来のよい玉を放っていて見応えがあった。やはり四重芯が綺麗にキマってこその菊屋小幡花火店。
 すでに昨年そうだったように、下部の星打ちの方向に工夫を凝らし、目先の変わった見栄えを追求しているようだ。しかし星の多少の曲打ち程度ではかつてのワクワク、ドキドキの感には遠い。そうなってから長い。夏の納涼大会でやっているのと大差無い出し物をこのサーキットでやっても新しさがあるのだろうか。ここだけでしか見られない“特別”にこだわる。そうして茂木はメジャーになったのに今回はそれがないのが残念。とは見慣れて過ぎた愛好家の私見だが。
 2014年の開催日が発表され、春・5/3、夏・8/14、秋・9/14、冬・12/31とのことだ。大晦日にこれだけの観客が詰めかければ31日開催は動くことはないだろう。私的にはやはり冬公演はクリスマス頃または以前のように新春公演に戻して欲しいと願う。
 この大会で2013年度の観覧を締めくくりました。観覧日記に未掲載の分を含めて28箇所の花火大会、花火イベントを無事観覧できたことは、とても贅沢な時間を過ごさせて戴いたと感謝するばかりです。遠征も多目になり、私的には予算オーバーとなって失速という流れになってしまいました。
 ともあれ新年度もまた無事故の消費とともに素晴らしい花火に出会えることを期待しつつ、新たな観覧に胸を躍らせる年末年始です。観覧日記2013をお読みいただきありがとうございました。
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