花火野郎の観覧日記2013

観覧日記その9 8/3
長岡まつり大花火大会 2013

  
新潟県・長岡市


超大型ワイドスターマイン

正三尺玉1発目

正三尺玉2発目
   
 新潟駅近くのホテルで迎える2日目の朝。カーテンを開けると窓にはびっしり雨滴が着いて土砂降りの景色がそこにあった。まじすか………。テレビで予報を見るに長岡は終日曇りの夜は晴れ。
 とりあえず長岡に向かってみよう。雨だったらそのまま通り過ぎて帰れば良いし。
 長岡は曇りで涼しかった。それで予定通り右岸堤防道路に有料自由席の場所取りに行く。初日と同じ14番ゲートの列に向かったが初日より1時間は早い午前8時台に着いたのに、すでに順番待ちの列は初日と同じくらい延びていて、シートを置いてみると昨日と結局3メートル前進くらいしか変わらない位置。
 堤防に向かっていてすぐに気が付いたのは、足元に落ちていた大量の燃え殻や玉殻の欠片。風下の初日の降灰がどれほどだったかを物語っている。
 当初の予定では2日間あるのだから次の日は別の場所で観覧しよう、などと考えていた。しかし昨日がアレでは、雪辱せずにおられよか。パワーを抜かれるばかりの観覧にもう帰ろうかとも考えたが、なぜかふつふつとリベンジ魂が沸いてきて「昨日の分、倍返しです!」。結局初日と同じ場所取りを繰り返している。
 無料観覧席が12時30分、有料自由席は14時15分と土曜ということもあって開場待ち行列が相当長くなったことから、昨日よりかなり早くゲートオーブンすることになった。
 3日の14番ゲートの行列を見るに、明らかに写真愛好家が少なかった。3日は花火大会集中日なので、長岡は初日を観て翌日は他の大会を目指した愛好家も多いのだろう。または昨日の逆風に懲りた愛好家は最初から対岸を目指したのかも知れない。だからオープン後の場所取りは実に楽だった。驚くことにだいたい場所取りが一段落した後も普通なら三脚が林立するこの14番区画の最上段は半分以上三脚が立たずに空いたままだった。おかげで、こっちがいいか、向こうにするかとゆっくり検討できたくらい。確保した場所は昨日と数メートル違いで殆ど同じ。
 近くに一人で畳2畳分ほどのブルーシートを拡げている古参の地元カメラマンが居てびっくりした。しかも半分は花火が終わるまで、ただブルーシートが敷かれているだけだった。長岡が長い私には即座にその意図が読みとれた。写真屋同志ならではの共感というべきか。
 これはつまり「そこに誰も座らせない」策であるのは明白だった。その意図は「完璧なナイアガラと正三尺玉の写真」を得るためである。さてその方法論についてはここに書くのは控えよう。興味が在る方は、どこかの花火会場で私を見かけたら質問して欲しい。
 さすがに2日目は歩きまわる気力も薄れて、場所取りを済ませた後は大手大橋下の日陰でほとんどの時間を過ごしていた。
 豊田や桑名に愛好家大集結なんて話を聞かされたばかりだけど、この両日、そうした知り合いにほとんどお目にかからなかった。3日は集中日だから長岡だけにというのも無理があるが、酒田に行った方も多そう。とくに写真・ビデオ関連の知り合いはほとんど見かけない。
 だから、「午後の長い待ち時間は愛好家達と花火歓談をして過ごした」などという観覧記の定例文が使えないほど。いやいや最近のビッグネームの大会じゃ珍しいぞこりゃ。長岡は豊田や桑名に集結するレベルの愛好家の食指を動かさない大会ということなのだろうか?目新しさの少なさもあろうけど、今期の「有料指定席騒ぎ」で敬遠した愛好家も少なくないと思う。有料なのはいいが「抽選」がからむと観たい気持ちより当落が先だから萎える。さらに出るはずのない大量キャンセル分の「現地販売」というのに萎える。
 今日一日は焦がされることもなくおおむね過ごしやすかった。過去の長岡を考えてもこんなに快適なのは初めてかしら。快適どころか、堤防斜面で開始を待つ頃になると足が寒いくらいだった。西日に焼かれることも少なく宵を迎えた。
 昨日同様、メッセージ花火から追悼花火。風は北北東か。川に沿ってゆっくりした右からの横流れ。昨晩に比べればよほど良い条件だ。しかし下流側からということは、開幕の大手大橋ナイアガラの煙はほどなく会場全体を覆うことになる。終盤は一時、東からつまり背中からの順風という好条件になって多少は昨晩のリベンジが果たせたかな、といったところ。
 2日日の天地人は小千谷煙火興業。このプログラムについに新潟の業者が手がけることになった。当初からなぜ、他所の花火屋にやらせるのか?という声があったのも知っている。で、その結果は「出来ているじゃないか」と感嘆した。構成玉の全てが逸品という野村ほどにはいかないが、充分にこのワイドスターマインの妙は心得ていると感じた。地元で賛否あろうとも他府県の野村、マルゴーが牽引したればこそのこのパフオーマンスなのは確か。
 正三尺玉に関しては初日の方がクリアーだった。3日は下流側、そして目の前の打ち上げの全ての煙が三尺打ち上げサイト方向に流れてしまったので、2発とも霞んでしまったのだ。しかしこの日の正三尺玉は昨日とはメーカーが違うような感じだ。1発目にいたっては彩色花びら芯?
「この空の花」。煙に巻かれた昨日とは見違えるほどの順風の条件に、より鮮明にそして目の前に咲く花火群は本当のことなのか?と信じられないくらいの美しさだった。心が震える一幕に、思わず喉の奥から声が出てしまう。
 久しぶりに古くからの愛好家仲間と並んでのんびり撮影できたのが嬉しかった。2日間、鉄パイプに腰掛けての観覧で本当にお尻が痛い。両日とも時間が押して21時15分くらいの全終了だった。片づけて長岡駅到着は昨日と同じ21時50分。懲りたので別の入り口から構内に入り後はすんなりと新幹線ホームに。到着していた列車に乗ったのが22時10分。昨日よりはスムースにいった。
 来年度は右岸の河川護岸工事が行われ(長生橋〜大手大橋間)、大規模な改修がなされるとのこと。これにより右岸では50,000人規模で観覧席が増設される模様。さらに土日開催とあって相当の混雑が予想される。
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