花火野郎の観覧日記2014
観覧日記その29 12/3
お台場レインボー花火 2014
東京都・港区
12月6日
今年もお台場を舞台にレインボー花火が開催されることになり、どこから観ようかと期待していた。お台場から一度は観るのは鉄板としても他をどうするか。
初日の風向き予報は西高東低の気圧配置の関係か、北西風と台場がよろしくない。それで昨年のように台場を対岸に観る位置にしてみる。しかし昨年同じ場所で3回も撮ったので(微妙に位置は変えているが)また同じでは芸がなさすぎる。
待ち時間もたっぷりあるしまずは同じ風上方面で少し遠くからと、東京タワーもロケハンしてみた。芝公園の東京タワーはどれほど久しぶりかというと、小学校の遠足以来だ。新しいスカイツリーと違って東京タワーは少々行きにくい場所、というのも足を遠ざけた。仕事でその近くまでは何度も行ったのだが、展望台に上がる気にはならなかった。東京タワーは遠くからそのライトアップとともに眺めるだけの存在になっていた。
久しぶりに150メートル展望台に上がる。うん、スカイツリーは高すぎて実感がないけれど、東京タワーの展望台はビル群までの距離がほどほどで、高さを感じるいい具合の場所だ。建設当時は遙か彼方まで見えたのだろうけど、今は全方位に高層のビルが建ち並び、150メートルの高さは群を抜いて高いわけじゃなくなった。さっそくレインボーブリッジ側に移動して見てみるに、一瞬で幻滅した。レインボーブリッジを半分覆い隠すように壁のような新しいビルが建設中だった。おそらく浜松町近辺。ブリッジのワイヤーのあたりに建設中の屋上の四隅に乗せられた4基の建設クレーンが重なって、すでに半分隠している。がっかりだ。上の特別展望台まで上がれば見えるかもしれないが、もう未来永劫ここからのレインボー花火の撮りはないだろう。それに展望台の窓は透明度も悪く傷だらけのアクリル製というのもめげた。久しぶり過ぎる東京タワーもものの10分も居たかどうか。まったくご用がなかった。しかし行って確認するまでわからない。
東京タワーが使えなくなったので、やはり竹芝近辺にするか、とまた移動。竹芝から芝浦までロケハンして別の場所を探した。ここらの埠頭は夜になれば一体が閉鎖され、海際に出られる場所は無い。それで結果的に昨年よりずっと西側にまわった位置に新しい場所を開拓した。
あとは開始を待つばかり。やはり間合いがあるので、最初から80-400ミリの望遠ズーム装備。もしかして東京タワーだったから夜景撮影小道具セットを持ってきて役に立った。しかしこれは実にうまい場所だと密かに自己満だったんだけど、そううまい話があるわけじゃなく、撮りにはそうとう制約がかかった。それでも例年と同じ場所から打ち上がればかなり理想的な絵になるはずだった。が、しかし。
19時になり最初の一斉が出た瞬間絶句した。目が点、とか頭が真っ白とかいうのはこういう瞬間か。「まさかっ!打ち上げ場所が全然違うじゃん……」。
予想では左の台場側橋脚からある程度右に離れた場所から打ち上がるはずだった。ところが出たのは橋脚のほぼど真ん中。真後ろ。なんというバランスの悪さ。ぼっーとしているうちにもどんどん玉は打ち出される。「早く撮らなきゃ」と思うのだけれど、あまりにその出る場所が想定外過ぎて焦って手が止まる。
でも待っている間に「おかしい」とは思っていた。昨年と場所を変えたので、ここから直接台船が見えるはずなのに、17時30分をまわってもそれらしきものも警備艇も確認できなかったのだ。いつもなら1時間前くらいならとっくに台船が来ているはずなのに。
私は台場側から見ていないのでなんとも言えないが、多くの愛好家氏の台場からの写真を見るに、従来より約200メートルから300メートル北東側に移動していると思われる。お台場側から見た時、従来は正面の2つ並んで横たわる鳥の島の双方の真ん中辺りから上がっていたが、今回は右側の島の中央くらいと、かなり右側に移動した。なんらか主催者の都合があるのだろうが、2007年に第一回が始まって以来、一度も位置が変わった事がないのに絵的にはずいぶん花火とレインボーブリッジの相関のバランスが悪くなってしまったなぁ。
アクアシティで観覧していた愛好家も、屋上の柵というか壁の見切りが高いのに、三脚を下げるように注意されたらしい。ただでさえ背のびしなければ海面が見えない場所なのに。こういう客も施設も建物も多い場所で開催しておいて、そうした規制とかあちこち立ち入り禁止とかどうもなぁ。
12月13日
今宵の場所は知り合いの愛好家氏が撮ってみる、といって地名を教えてくれたのだけれど、その時はグーグルマップに地点の名前が出ていないこともあってどこだがわからなかった。ついでに近辺一帯をストリートビューしてみるとブリッジとは絡まないが良さそうな場所があったのでチェックしておいた。そうしたら教えてくれた場所はまさにそこだったのだ。難点は公共交通機関だと最寄り駅から遠いことか。車で乗り付ければ楽だけれど都内に車で入ってくる気がしないんだよね。鉄道で十分便利だし。
お台場レインポーといっても、必ずブリッジと絡むわけじゃない。とくに打ち上げ場所が変わった今年は、ブリッジ絡みの構図はどこもバランスがいまいちになってしまったように思う。だから他の台場の物件とか、ブリッジの一部とかそういう構図を狙った。
夕方に現着。西寄りの風がかなり強く、寒い夕暮れだった。撮影候補地に着くと見事な夜景で時間もあるししばらく湾岸の夜景など撮ったりしていたのだけれど、どうにも寒くて風よけになる場所に三脚ごと避難。結局そこでじっと開始を待つ。付近はどこも大規模な工事中で、近くに風速計と吹き流しがあったが、それが真横にはためくほどの風だった。お台場レインボーは過去にも強風で中止したこともあるので気が気じゃなかった。
西寄りの風だと風下じゃないが、打上げ場所を考えるとだいたい煙が横流れ位で済むだろう。この場所を使うには今日は風向きがよろしくなくて、別の撮影地を考えていたのだが、出がけに週間予報を見ると次の20日の開催日の天気が思わしくなかったので先にこっちで撮ろうとした次第。
完全防寒体制だったがじっとしているとぞくぞくと寒い。開始15分前くらいになると急に風が穏やかになり、これなら開催できるだろうと安堵した。三脚を運び準備にかかると、開始5分前くらいで急にわらわらと車が集まってきてそのまま縦列で路駐して観覧のようだ。それまではたまたま通りかかった車が夜景が綺麗なので臨時に路駐して、記念写真を撮って直ぐ離れる、という感じだったのだが、直前のこの集まりようは花火目当てが明白。もっともそれを見越してかただちにパトカーが駆けつけて排除にかかっていた。
カメラ一台なので段取りとしては打上げ開始から少しの間、全景が入るようにワイドで撮影。途中からレインボーブリッジに繋がる首都高速の高架道路を中心に撮る。前回、台場側からの写真をあちこちのメディアで見て、移動した打ち上げ位置をだいたい掴んだ。今回はそれをもとにきっちり位置を割り出して撮影場所を決めている。だから花火の開花位置は計算通り。こちらからではブリッジに絡む撮りは出来ないが、首都高速の高架道路が都会的な味を出してくれるのではと、そこにそそられた。
12月27日
昨年度まで(右)との
打上げ場所の違い(左・2014)
レインボーブリッジ芝浦側橋脚の真下というか根本。芝浦埠頭で夜間に一般人が立ち入れる海縁の場所は唯一ここだけだ。トイレも近くに在るので待機にはことかかない。2012年のレインボー花火で一度撮ったことがあるポイントだけれど、打ち上げ場所と背景の夜景とのバランスがいまいちだった。打上げ位置が変わっても、それに対応して比較的自在に撮影場所も変えられるお台場と違って、芝浦のこのポイントはほとんど動きようがない。しかし今年打ち上げ位置が移ったせいで、いい具合に使えると考えたのだ。本来は20日に使おうと思っていたが雨で持ち越し。幸いに西高東低の冬型気圧配置のおかげで北から北西のだいたい順風を得て、風向きもいい感じ。
花火の根本は前回は日航ホテル前あたり。アクアシティやデックス、フジテレビという台場で一番きらびやかな地点を若干外してしまっていた。今回は左にずれてちょうどフジテレビ社屋、球体展望室のあたりから出る。そのフジテレビも昨年同様に建物側壁面全体を使ったイルミネーション「グリッター」が華やかでゴージャスな背景になっている。17時を過ぎて点灯が始まると、灯ってない時はほとんどないくらいにめまぐるしく様々な絵や文字を描き出し続ける。
本日はがんばって10分のためにカメラは2台。横でブリッジから日航ホテルあたりまでの台場の夜景を取り込んだカットと、縦位置で花火中心に狙うものと2台。打ち上げ位置との間を詰めたので、上空を渡るレインボーブリッジとの無理無理な競演も可能といえば可能。ブリッジ抜きで横位置でフレーミングしてもうまくまとまる感じだ。位置的にはこの場所でぎりぎり南側を撮影ポイントにした。というのも第6台場が障壁になってメディアージュあたりのもっともきらびやかな部分を隠してしまうからだ。もう10メートルも右に位置できれば完全に花火の根元が見えるがそれは出来ない。
待ち時間のうちに目の前の海上を花火台船が空身で通り過ぎ、今度はどこかで花火を積んでまた通過する。花火台船が警備艇とともにブリッジの下をくぐったのが17時5分。それから30分ほどのうちに定位置に着いたようだ。以前と同様に、開始間際になるとぞろぞろと観客が現れたが総じてそれほどの人数は居なかった。
前回20日は雨だったので不参して判断できないが、過去見た2回分と比較しても今夜の花火はかなり充実していた。出だしから過去分とは違っていて見応えがあった。一回雨で見なかったせいで、とうとう今年はお台場からの観覧は無しになってしまった。
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