花火野郎の観覧日記2014

観覧日記その13 8/14
ツインリンクもてぎ 花火の祭典〜夏〜

  
栃木県・芳賀郡茂木町

 台風11号は、まるで夏を連れ去ってしまったかのように、天気図上では早くも秋霖?というような空模様。台風本体が通ったわけじゃないのに9日10日に観覧予定していたいくつかの大会を無き物にしてくれたし、まぁそのおかげでゆっくり休めたけれど。
 世間がお盆休みに入ってもなんとなく各地の天気はパッとしない。14日は行きたい大会があったのだけれど、シーズン前に遠征費用のシミュレーションをするとなかなか予算オーバーで近場の茂木にした。それでも無料で見られるわけじゃない。チケットは買ってあったけど、天気予報は良くないので無駄にしても止むなしと思っていた。
 それでも見るだけでも、と出かける。夏のツインリンクは一年で一番の集客混雑日、帰りのことを考えてやや遅い目の11時頃スタート。家を出てほどなく入る国道4号バイパスがまさかの大渋滞。これに巻き込まれて、対面通行の車線が増えるまで大変な時間をロスした。
 到着は14時すぎ。3時間以上費やした。メインエントランスに近い駐車券は瞬殺したので、普通の南ゲート寄りの駐車場。遅めに出た狙い通り、誘導された駐車場所はかなり南ゲートに近かった。しかし反面メインエントランスへは相当長い歩きになる。
 ようやく飲食ブースが立ち並ぶ第3ターン側にたどり着くと蒸し暑さで汗だくだった。機材を屋根のある場所にデポしたかどうかのタイミングで雨が降ってきた。ほどなく本降りになり、お客様用の休憩所に避難して涼みながら雨宿り。
 夏の花火の祭典は、あらゆる場所が有料席指定席になっている。無料のところはエントランスの外とか、飲食ブースの周辺とか、あとはオーバルコースに設けられた無料観覧スペースのみ。しかしこのオーバルコースのエリアは、レースをやるアスファルトのコース上に、各自が敷物を敷いて直に座るという炎熱地獄。今日は曇り日だからいいけど、普通に炎天下だったら居られません。しかもそこに降りて行くのも大変。しかも昨年まではオーバルの南側のコーナーにだけ観客を入れていたが、今回はグランドスタンド側の400メートルのストレート部分にも客を入れている。だから目の前のパドックレーンを使う庭園花火などは無しになっている。このストレート部分は午後2時までに入れば無料。それ以降は1,200円という超桟敷席!。
 夏興行はほかの季節の3回と比べると、各種観覧料金が割り増しで高い。最低限必要な観覧料金は入場料と駐車券で4,200円。他のシーズンより1,000円以上高いのだ。これに指定席券などを加えると相当な出費。一家そろって快適なテラス席など良い場所で観覧ということになると、一日過ごして好きなように食べれば総額何万円もかかるそれなりのレジャーだ。しかしそれでも場内はお客でごったがえしていた。私が到着したあとの時間も続々と来場したようで、南エリアの駐車場は半分ほど空いていたのに、帰り際に見るときれいに満車になっていた。
 有料席での撮影はかなり規制されるので(三脚を使用しての撮影不可とまで注意書きにある)、今回はお気楽な有料席エリア外からの観覧・撮影だと決めてきた。またその方が脱出も早い。思えば1999年に初めて茂木に来てからそれは一度も無かった。たいていは有料エリアや仮設スタンドエリアの上部とか、必ず打ち上げ場所が直視できる場所からのみ見てきた。それが今回はずっと後方。
 前方に飲食ブースや立ち木があって、打ち上げの根元が見えないので、スタンド脇まで行って入念に出る位置を確認しておく。とくに二尺筒。それとワイドがどこからどこまでか?雨になったこともありあまりエントランスの外までロケハンできず、飲食エリアの後方で見ることにして、あとはベンチに座って開始待ち。
   

照明灯が
  

照明灯が

照明灯が
  

二尺玉1発目・三重芯

第3幕「和の宴」

第4幕

第4幕 超ワイド

第5幕 尺玉対打ち
  

第5幕 尺玉5発同時打ち

二尺玉2発目

第6幕

第6幕

第6幕

第6幕

フィナーレ
   
 全有料席化ということもあるが、今日はただのひとりも知り合いの愛好家に出会わなかった。お盆ということもあるし、14日は他にも美味しい花火大会はいくらでもあるから、リスキーな茂木を避けるのもわかる。私も夏の大会で打ち上げ開始10分前にドタキャンして翌日順延になった時はキレた。
 他の愛好家からも「(混雑するから)夏はこりごり」という茂木にしたのは二尺の三重芯に興味があったから。「名門菊屋小幡が更なる進化を目指して挑戦した日本初となる二尺玉での三重芯」。との宣伝文句。玉名のとおりにうまく出るか楽しみだ。
 15時頃から小1時間ほどかなり降られたが、あとは18時頃にパラパラと降ったのみだった。夕刻の空は晴れ間も出て安心度大。
 18時過ぎ、観覧予定場所正面の背の高い照明灯に明かりが入った。うはー直射じゃないですか。これが誤算というか、「場内の明かりは打ち上げ1分前に全て消灯します」と言っていたのに、なぜか2本くらい、最後まで消さない大光量の照明灯のうち1本が目の前に残ってしまったのだ。そして打ち上げが始まるとそれが画面のど真ん中に鎮座。さすがにこれは・・・。他は消えたのになぜ。
 幸いだったのは、それまで飲食ブースやトイレに大行列していた客は有料席に移動したのか、花火が始まる頃には私の周りは潮が引くようにがらーんとほとんど人気がなくなった。それまで必死に調理にあたっていたブースの従業員も一気に手持ちぶさたになり、花火見物に転じていた。
 お客が居なくなったので、私は照明灯の影響が少なくなる位置まで、自由に移動することができたのだ。買い求める行列がなくなったので、ブースの店頭近くにも気軽に三脚を置けた。前景に難ありだが、もう打ち上げが始まっているのだから贅沢はいえない。さらに茂木である。風向きがよろしくなく、煙待ちにかなり時間をとったので、幕間のうちに自在に場所変更を検討できた。
 今夜は全6部構成。スピーカーの向きのせいか、打ち上げ内容のアナウンスがよく聞き取れなかったが、要所、つまり二尺玉の入る場所、超ワイドの場所、地割れ花火などの目玉の打ち上げがどこで行われるかはわかった。
 しかしなぁ、ツインリンク茂木に要望したいのだが、花火の祭典は花火のイベントなのだから、そろそろ放送した打ち上げプログラム、各ステージの説明をそのままプログラム冊子にしてくれないかな。入場時に渡されるイベント案内のチラシの片隅でもいいじゃないか。春夏秋冬いずれの興行時も目玉商品のタイトルだけで、打ち上げ順やステージごとのイメージなどは公式ホームページの花火の祭典ページにも載らない。
公式にあるのは、
 
今年の「花火の祭典“夏”」は、非常に難度の高い「三重芯」を、日本初となる「二尺玉」で打ち上げます。
花火の祭典名物ともいえる直径800mの“超ワイド打ち”に加え、花火の祭典特有の大迫力の巨大地割れ花火。
さらに、それをも覆い尽くすほどの尺玉との競演は、まさに「演舞」。
さらに、新たに様々な角度からお楽しみいただける「多角度構成」にもチャレンジ!
 
 それをどういう順に打ち上げるか、いつ登場するか?何幕構成なのか?それらはいっさい記載が無い。有名企業を花火の冠スポンサーにしているわりには高価な有料の興行としてあまりに不親切と思う。お席によっては価格は万単位なのにプログラム冊子も無しですか。しかも本日のプログラムは以下のとおりです、と初めてアナウンスしたのは19時25分過ぎ。毎度そうなのだけれど打ち上げまであと10分というところ。私はそこで急いでメモったのだが、全部聞き取れなかった。もちろん1幕進むごとにいちいちアナウンスはするけど、なんだかなぁ。
  
第1幕 ステージタイトル聞き取れず。オープニングステージ。最後に1発目の二尺玉、三重芯。玉名を言ったけど聞き取れなかった。
第2幕 「真夏のきらめき」 色とりどりの花がなんとかかんとか。
第3幕 「和の宴」和火のステージ。全て引き火かと思いきや、先がピンクに変色する玉が乱舞。
第4幕 ステージタイトル聞き取れず。二カ所打ちが三カ所打ちにそして最後に超ワイド打ちに。
第5幕 「妖艶」尺の対打ちがふんだんに。四重芯もここで登場。最後に尺玉5発同時打ち。 
第6幕 「大地の声」2発目の二尺玉が冒頭で入る。玉名を言ったけど聞き取れなかった。冠先降雪小割浮模様かなんか。それから地割れスターマイン。菊屋小幡おなじみの錦から銀に転ずるフィナーレ。
  
 風はオーバルを右から左に横切る南東。だいたい右からの横流れだが、西側の第2ターン方向は風下だろう。こういう向きだと裏から見ても同じなのでどうにも茂木は風に恵まれない。
 開幕後は照明灯の件があり、ほとんど撮らずに最初の二尺に集中していた。これを単独で撮るには打ち上げ位置の関係で照明灯は影響なかった。上がってからカメラを向け、画角を調整しても上昇時間があるから二尺は楽勝。これをゲットして今宵の目的はほぼ達成。あとは花火と撮りを楽しみますか。肝心の三重芯かどうかは一瞬見えたような気もするけど、写真では八重芯。盆はきれいな方だけど最中芯があっという間に消えた感じか。現象を見るに「昇り曲導付三重芯菊先紫光露」かな。このところ芸術協会玉にも良く出している三重芯の配色だから、センターは銀だったのだろうと思う。
 今日は車だし、群衆を前にして撮ることになるかも、と背の高い三脚と踏み台を用意してきた。だから前に人が立っても、横切っても平気。もちろん後ろは壁という完璧な立ち位置。 
 4幕の始まる前に、超ワイドに備えて16ミリからの広角に換えておく。根元が見えないのでどこからどこまで設置されていたかわからない。以前オーバルコースの半周ほど1200メートルくらいでやったことがあるがそんな感じかな。しかし今回はコース内に観客を入れている関係か全長800メートルとなっている。
 いつもスタンドの上部で撮っていると、ぎりぎりの接近戦になるが、今回は引きがある分、画角は楽だった。なにせ10号が横位置でなんなく収まるのだから、超ワイドも楽勝さ。と思ったら一カ所欠けていた。おっとそんなとこにもあったか。結局800メートルで打ったのはちょっとの間。
 2発目の二尺は引き冠でほとんど肉眼でもやっと引き火が見えるくらいで、写真に写らないほど暗かった。冠系とアナウンスでだいたいわかっていたので、下まで落ちるからと前景の飲食ブースまで入れて構図。しかし普通に錦冠でいいのになぜこんな暗い玉を上げるかな。地割れ花火は残念ながら私の居る位置では全貌は見えず、半円の上の方だけ。銀一斉が放たれて終了と察し、ばたばた片付けて駐車場へ。全体としてやはり夏公演は気合いが入っていると思った。庭園花火はできないがその他はフルバージョンであり、やはり4回公演の一番の物量と言える。
 始まる前あんなにいた客はほとんど有料席などスタンドで見ていたのか、ともかくその群衆が車を出す前に出さなければ。南エリアの駐車場はまだ暗く、ほとんど車の動きがなかった。ゲートアウトは20時50分。場外に出るとほどなく雨になったので場内でやられなくて良かったと思った。帰宅は22時30分過ぎとこれまでになく順調だった。しかし長距離運転の間が開いたのと往きの渋滞で足が攣る。情けない。
INDEXホームページに戻る
日記のトップに戻る