花火野郎の観覧日記2014

観覧日記その12 7/26
第27回 信州上田大花火大会

  
長野県・上田市


真田の赤備え
紅屋青木煙火店

幽玄夜噺 夜空の六文銭
篠原煙火店

幽玄夜噺 夜空の六文銭
篠原煙火店

上田城千本桜
紅屋青木煙火店

上田城千本桜
紅屋青木煙火店
  
 前回2010年の観覧日は駅から炎天炎熱の花火会場方面を見て、なかなか駅舎から外に出られなかった。今回は到着時に幸いに雲が拡がって陽射しが無かった。それで下流の上田橋を渡って、対岸の風向き予報による候補地まで一気に歩くことができた。途中まったく屋根もないので炎天下だったら辛い。
 河川敷にあった背の高い樹木は伐採されて無くなっていた。しかし低木は残っているので、それに遮られて打ち上げ場所全部が見えないところが多い。風向きも考慮して見通しがきく所まで堤防上をどんどん進むと、結局前回よりも若干上流寄りといえるがあまり変わらない立ち位置になってしまった。終わってから歩いて駅に戻れる範囲というと、徒歩30分くらいのこの辺りが限界か。花火の設置列は2〜300メートルくらいのようでその空間を右方向から見る位置。花火の背後がちょうど上田駅になる。少し左下流側に歩くだけで打ち上げ真正面となるが、それだと撮るにはなにかと厳しい間合いかな。
 今日は平日だが関東近辺の愛好家の皆さんは神奈川か、と思いきや三々五々知り合いが集まってきていてびっくり。神奈川も臨港パーク最前列はほとんど価格の高い協賛席になってしまって見づらくなった。神奈川はもうたくさん観たし同じ金を掛けるなら新幹線代金にしようかと上田に来てみたわけだ。
 足利に続いて、またも観覧位置の目の前にスピーカーが。対岸にまできっちり放送を届かせようとする運営は素晴らしいが、日中は午後4時過ぎから花火が始まるまで延々と童謡の歌(なぜ童謡)が流されて喧しく、各所のスピーカー近くの住民から苦情が来ないのかと思った。しかしこれも花火の日の日常と認識されているのだろうか。
 ここの良い点はのんびり来られること。対岸などは堤防道路が交通規制されるのが打ち上げ開始直前の18時30分。それから敷物を手に家を出てくるような近隣の住民も多い。車が通らなくなるので、道路に敷物を広げてのんびり観覧というわけだ。そして自宅から運んできたごちそうを家族が囲む。そうした観覧客の様子にも本当に和む。
 たいてい平日になってしまうが、遅く到着しても観覧に困らない。最悪仕事帰りでも上田駅には19時15分には着ける。打ち上げは始まってしまっているし対岸までいくとなると30分はかかる。しかし途中休憩時間後の後半の美味しい部分を見るには十分だ。そんな時間でも撮影は座って観ている客の後ろから頭越しにできるからぜんぜんOK。
 車なら一日休みにして来ることになる、車が在れば観覧場所の選択肢も増えるが、新幹線で大宮からわずか1時間という便利さは捨てがたい。上田までは自宅から車だとさすがに2時間30分はかかってしまう。
 駅で得た1枚物のプログラムに目を通すと、2010年の時と余り変わってなく、タイトル的には目新しさが少なかった。というか、「六文銭花火」や「上田城千本桜」などは、花火がまったく同じでなくても定番プログラムタイトルとなっているようだ。
 来賓の挨拶や空が暗く落ちるまで少し待って、花火は19時10分スタート。しかしそれでも空は明るく、20分くらいは見ているだけだった。そういう予報も出ていたが、夕刻までは順風の良い風が吹き抜けていたものの、宵が迫りいったん無風になった後、花火が始まってみると煙の流れから東南東風なことに気がつく。東風となると対岸から見て、打ち上げ列の向かって右後方から左斜めに射し込んで来る風だ。順風方向はワイド列の真横だから、位置的に良い場所は無いという風向き。やれやれ残念だ。2010年度はしてみると良い条件だったのだなぁ。
 打ち上げの煙は上田電鉄別所線の鉄橋の対岸(こちら側)側の踏切方向に向かって流れていく。終了まで風向きは変わらなかったし、全体的に弱含み。煙の掃けも上空ほど悪かった。
 「六文銭花火」は今回は篠原煙火担当になっていて、錦の六文銭の他は、全部和火とフラッシュという「幽玄夜噺」仕様だった。青木煙火の「上田城千本桜」は以前見たときよりずっと潤沢な千輪に夜空が埋め尽くされて咲き競う桜花の素晴らしい光景だった。そこから転ずるザラ星もその上の開花もピンク点滅という一幕も、あたかも吹き抜ける風とともに散り行く桜吹雪さながらで、なんとも心打たれるひとときだった。
 今夜も何度かあったが、和火系の最も暗い星と、フラッシュや点滅系の最も明るい銀を同居あるいは連続で見せる演出はどうなんだろう。明と暗どちらかの花火が確実に見えにくくなってしまうと思うのだが。隣で見ていた家族連れも「下でぴかっと来ると上の花火が見えない」。とぼやいていたが、ザラ星の上にフラッシュが入っていて、射出直後に目が眩んでしまって、上空に咲く花がよく見えないのだ。
 打ち上げ前のスポンサー読み上げが長いのと、振り込み詐欺にご注意とか、迷子の呼び出しとか煙が晴れるのを待っていますとかのアナウンスが多く、長く、実際に花火を打っている時間が短く感じる。
 フィナーレは3社合同による一番大型の出し物で、出だしから青木煙火と判る、猛烈な星打ちだった。
 風向きの関係で煙待ちが多かったので少しずつ進行が遅れていったが、それにも関わらず、途中にある10分間の何もやってない休憩時間をそのまま取ったせいで、結局休憩時間分終了が押してしまった。10分休憩を取らなければ花火屋さんが疲れてしまうほど猛爆ではないし、たった10分でトイレに行けるわけもないし訳の分からない休憩だ。
 終了とともに速攻で片づけて帰る。時間が遅れると発車時刻ばかり気になって花火に集中できなかった。こういうところが他所から遠征の悲しいところ。地元の住民ならたった10分の遅れは何でもないだろう。途中で出会った愛好家氏への挨拶もそこそこに一目散に駅を目指す。普通に20時30分に終わっていれば、焦ることもなく目当ての新幹線に乗れたが、10分以上押したので余裕が無くなってしまったのだ。もちろん最終の新幹線には楽勝で間に合うが、帰宅時間でトータル1時間も遅くなる。それはそのまま睡眠時間が減ることだからちょっと堪えるのだ。ホームにたどり着くと約7分前だった。帰宅は23時過ぎ。連日の暑さもあって疲れたなぁ。

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