花火野郎の観覧日記2015

観覧日記その26 12/3
秩父夜祭り花火大会

  
埼玉県・秩父市

   

撮影場所近くの紅葉
  

撮影場所近くの紅葉
  

撮影場所から
打ち上げ方向

昇小花八重芯錦冠菊
田村清治

昇小花八重芯ステンド牡丹
田畑朝裕

昇小花聖礼花
斎木慶彦

昇銀朴彩色万華鏡
磯谷尚孝

昇小花三重芯錦冠菊
今野正義

昇曲付三重芯銀点滅
山崎芳男

黄金の滝
  
   
 一昨日まで秩父地方は雨予報、なんで夜祭りの日だけなのさ、と嘆くくらい前後は天気が良いのに。それが前日になって良い方向に変わり、午後から晴れとなった。秩父に向かう途中も青空が時折見えるほどで、現着の11時過ぎにはすっかり回復していた。
 昨年荒川の対岸側の道を利用した際にいくつか観覧ポイントが発見できたが、それを中心にストリートビューで探したポイントを実際にロケハンしてチェックする。対岸側の国道は迂回路に指定されているし、一部はシャトルバスの運行ルートになっているからとりわけ路駐の摘発が厳しい。日中も夜もすごく頻繁にパトカーが行き来している。路駐の車が居ると直ぐ後ろに止めて警告し、車を出すまで張り付いて離れない。祭りの指定駐車場はこちら側は山の上のミューズパークにしかなく、昨年見つけた場所に駐めるか、と思っていた。ところがストリートビューでロケハンしているうちに、なんと!こんなところに駐車スペースが!と驚きの発見をして当日はさっさとそこに突っ込んだ。予定していた撮影ポイントにも近くこれで気兼ねなく一日を過ごせる。
 最初のポイントに三脚を持って上がる。いや登る。それは駐停車禁止で駐車場もない坂道の中腹だからだ。さすがに一番乗りだ。三脚を置いて確保。見晴らしは良いが木立があるので背の高い三脚と脚立が追加で要るかな……。次は荒川に向かって下る斜面の上の方。国道からちょっと下りるだけだ。昨年各町スターマインを撮った二つめの場所の近く。
 駐車場所の付近に飲食店が無いのがわかっていたから途中で買ったお弁当で昼食。食べながらどちらにしようか考える。今回の撮りの目的は町中心部の夜景をほどほどに前景にしたいこと。どちらの撮影場所もそれを考慮している。とりあえずより視点の高い方にしますか。って機材上げが大変そう。結局3回に分けて三脚3本とカメラザックと踏み台を担ぎ上げた。クヌギ林の山道は落ち葉にすっかり覆われて晩秋の風情。小さい頃、よく遊んだ公園がクヌギ林だったからとても懐かしい匂い。午後になって完全に晴天となり陽射しのせいか気温も高く、シャツ一枚でも荷揚げをすると一汗かいた。観覧・撮影場所は山の途中といったところで対打ちの打ち上げ場所まで2.5キロメートルくらいか。これだけ離れていても町の方向からはドコドコドコドコと祭り屋台囃子の太鼓の音が絶え間なく聞こえている。相変わらず屋台の巡行コースとも縁が無い場所だがお囃子の音やアナウンスが祭りの雰囲気をここまで運んでくれている。
 午後は車に戻って昼寝をしたり撮影場所近くで紅葉の撮影をしたりで過ごす。チャリでもあれば駅前の観光案内所に打ち上げブログラムを取りにいくのだが今回はパス。昨年のようにそのために車を出すとキャパのない駐車場所を失うと考えた。つまり夜の撮りはぶっつけだ。
 隣に三脚を置いた写真愛好家が毎年来ているとかで、スマホに納めた昨年までの同じ場所からの写真を見せてくれた。花火の出る場所については見当がついていたが実際に見て出る場所はもちろん開花の高さとか幅とかがわかってありがたかった。結局この場所では私とその方と二人だけ。もう少し高い場所に4〜5名写真愛好家が居ただろうか。札所への通り道だから花火が始まってから見物人が何人か来たくらい。見物人の車も近くに止まったが、たちまちパトカーが後ろに付いた。
 19時35分過ぎにワイドスターマインから、日本芸術花火大会は始まる。やや時間をおくかと思ったが、終了後ほどなく私としてはいきなり、と言う感じで対打ちの曲導が昇り、あわててひとつ目を撮り損ねた。いつもなら10分以上間が空くはずなんだけど……。それは画角を見るのに大切に使わせてもらって2番目に備える。しかし最初の5組で早くも装填ミスか配線ミスなのか、対打ちの片方しか出なかったり、他の対打ちの時に混ざって3発上がったりと、乱れて焦った。
 毎年のことなので、開始時間と進行はだいたいわかるし2キロちょっと離れているとはいえなんとなくアナウンスが聞こえる。しかし肝心の玉名はプログラムを取りにいかなかったから不明のまま。逆に次は何がどこの煙火店が来るか、とそれも面白くはある。パステルカラーの昇小花だけでそれとわかったのは斎木煙火本店だけで、あとは開いてみないとどの業者かわからなかった。
 機材はカメラ2台だが、三脚は3本。レンズの1本が望遠ズームなので、レンズの先端をぶれないように支えるだけの三脚が1本追加。実際はそれほど望遠領域が必要だったわけではなく、対打ち10号を縦位置で捉えるに90ミリから100ミリ程度。スターマイン系はさすがに遠く小さいので、撮影は10号対打ちが主体。武甲山側で上がる尺入りの大型スターマインだけを撮った。
 予報に反して羊山公園上空は北風のようだ。花火の煙はゆっくり武甲山方向に流れる。花火の背景になる夜空も次第に雲が撮れて快晴となり、天頂まで綺麗に晴れて素晴らしい晩になった。スターマイン打ち上げの左手側からはオリオン座が昇りゆくところでいよいよ冬の夜空だなぁと感じる。しかし山を背負っているせいか風は余り感じず、気温も秩父にしてはかなり高い晩だ。
 しかし今年は進行が恐ろしく早い。進行表にはそう書いてあるものの、芸術花火出だしのワイドスターマインから10号対打ちも直ぐだったし、昨年黄金の滝が20時45分からになっていたところ、20時30分前にすべて打ち終わっていた。
 私は翌日が平日ということもあり黄金の滝まで観て撤収。片づけながら各町スターマインも少し撮ったが、羊山から武甲山にかけて黄金の滝までの煙が広くたなびいている感じでモヤってしまっていたので未練なく引き上げた。すでにロケハンを含めて登り下りを3〜4回やっていたので3回に分けて運んだ機材を一度に下ろすのはヨロヨロだった。対岸に居ると祭り指定の迂回路である72号線が直ぐ目の前だから帰路はまったく渋滞もなくスムースだ。21時に車を出して帰宅は23時。

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