花火野郎の観覧日記2015

観覧日記その19 8/29
第33回 全国新作花火競技大会

  
長野県・諏訪市

   

「光のダンス」
茨城県 新堀雄一
野村花火工業株式会社

「ほ・ほ・ほ〜たる来い 蛍乱舞」
長野県 村上 淳
有限会社伊那火工堀内煙火店

「アクアテラリウム」
愛知県 本田裕之
加藤煙火株式会社

「諏訪湖に煌めく宝石万華鏡」
静岡県 中嶌結希
株式会社イケブン

「紫映鏡華」
山梨県 飯田茂雄
株式会社斎木煙火本店

「光の楽園」
山梨県 柿本尚輝
株式会社マルゴー

水上スターマイン
Kiss of Fire

   

   

   
   
 昨年は車で出かけて、往きの中央道事故通行止めで難儀した。今年は車と電車の交通費を精査して、若干安い電車を選んだ。
 早朝最寄り駅から乗ろうとしたら、運転見合わせ。午前4時台の人身事故って・・・。幸い運休は下り線のみで助かった。
 新宿からスーパーあずさで上諏訪に向かう。こんな早朝がらがらでしょう。と自由席にしたが、8時発の列車に7時過ぎから行列が出来ていてびっくり。あわてて加わる。1本早い7時30分発はガラガラの状態で入線してきたが、ホームの客が乗り込むと通路に立つ客が出るほど。  私が乗る電車も、ドアオープンとともにたちまち立ち客が出るくらいの混雑だった。大部分の客は小淵沢や茅野辺りで降りる登山、ハイキングの客で、上諏訪を前に車内はすっかり空席が目立つ。
 湖畔に着いたのは10時30分頃。石彫公園自由席の入場順番待ちの列に場所取りを済ませて一段落。このところずっとぐずついた天気だったが、今日は貴重な晴れ間とかでこの時間から秋晴れだ。陽射しを避けて木陰で15時の入場開始を待つ。今日は電車ということもあり、機材もカメラ1台三脚1本と軽めのカメラザック詰め。
 15時になって場所取り解禁になり、居場所を確保できるとようやくひと安心だ。後は近隣の愛好家氏と歓談しながら開始を待つ。何度と無く、場内アナウンスでその時間帯の気象状況を放送していた。開始時の風は西風。風力はあるが逆風気味だ。開始前には湖畔を渡ってくる風が冷たくなり上着を着たり少し防寒を施す。
 市長の挨拶から本番が19時定刻に始まり、点火式からオープニングのスターマインに続いていずれも工夫を凝らした作品が続く。全般の第一印象としてはすごく明るい点滅系や芯が多かったかなぁ、と言う感じ。あとは千輪系の玉が多いのはここのお約束。大きな星の動きのある玉では開場全体がどよめき、千輪物では感嘆の声が漏れる。プログラムやアナウンスの解説から、こんな玉かと想像の付くものや、思いもよらない意外な展開が見られたりして、そこが新作の醍醐味か。
 最期の「Kiss of Fore」は初島から10号を打ち始めるクライマックスあたりで、向かって左の水上花火群から猛烈に煙の塊が石彫公園に達し、煙の中になってしまった。しかし地響きの連続と共に開花する「Kiss of Fire」はやはりこの位置から見ても迫力満点だ。これが水際の最前線だったらどれほどだろう。
 この後審査結果発表となったが、優勝の有限会社伊那火工堀内煙火店がアナウンスされると、その作品が打上げられた時よりも盛大な歓声が沸き上がった。観客の多くの支持を得た優勝作というわけだ。
 今回の終了時間は20時30分くらい。最初は出口で混み合っていた観客も30分ほどで次第にまばらになり、湖畔はやがて静かになった。夜行の列車まで3時間ほどもあるのでのんびり湖畔で一人ビールで和む。冷えたビールを飲むには少々肌寒い晩だ。
 帰路の「ムーンライト信州」はまったく寝付けなくて疲れた。電車は走って揺れているから眠りを誘われるもので、どこかの駅で長時間停車というのが何回かあるこの夜行は、停まってしまうと目が覚める。遠い駐車場まで歩き自分で運転して帰るのと、究極の選択だなぁ。

INDEXホームページに戻る
日記のトップに戻る