花火野郎の観覧日記2015
観覧日記その11 7/18
田園夢花火2015 たまむら花火大会
群馬県佐波郡・玉村町
今年度より開催場所が変更になった。第26回目の昨2014年まで開催されていた玉村消防署近くの田圃に、かねての計画通り国道354バイパスが開通したからだ。それは打ち上げ場所だった地点とクロスして東西に横断する形で完成した。人に誘われてこの花火大会を見始めたのは第10回大会くらいだったと思う。その後何度も道路が出来る、いよいよ着工、今年が最期と聞かされてきたがとうとう引っ越しとなった。
新しい開催地は従来の北側2キロメートル余、利根川を渡ったやはり田園地帯だ。打ち上げ場所はこれまでどおり農道上に南北にワイドに設置され、周囲360度どこからでも観覧可能になっている。この変更により、もとよりマイカーなどでの訪問になっていた他地域からの花火愛好家は、最寄りの新町駅などからさらに遠くなったためにいっそう車無しでの観覧が困難になった。さらに待ち時間を過ごせる大型SCのような憩いの場所が無く、木陰の多い公園はあるものの屋内での待機は困難とみられた。
開催場所が変わったので、ながらく下道で行っていたルートを変更。往きは下道でも行けるし安いんだけれど2時間半以上かかるのが難点。問題は終了後で、従来のように下道を使って本庄や熊谷方面に抜けるのはこれまで以上に渋滞に阻まれると推察した。それで東北道から北関東道と、北から南下する有料ルートを検討。新開催場所北側には北関東道のICが2つあって使いやすそう。会場と離れた指定駐車場に入れても各方面からシャトルバスを施しているのだが運行がスムースかどうかはわからない。もともとは地元のための大会。近隣に住んでいない花火ファンにとっては不便な場所であるのは仕方ない。マイカーならさほど不便ではないが、公共交通機関となると健脚向けだ。それでもシャトルバスを出しているあたりけっこう開催地以外からも見に来る客が居ることに配慮していると思う。高崎線・新町駅からの徒歩なども考えられない距離になった。両毛線の駒形駅から約4キロメートル。新町からは町役場までバス便があるので、役場から3キロメートルくらいか。
当日は足並みの遅い台風の余波で天気が悪かった。予報でも現地は午前中から雨。その後も強い降りではないものの雨模様だった。午過ぎの予報でようやく18時以降に雨雲が切れる見込みとなった。以前のように快適なSCが近くにあるわけではなく、日照りでも雨でも居場所には苦労しそうだった。それで出発はギリギリ遅くにした。
思えば玉村観覧も4年ぶり。最期になった2011年はなんとか往きは電車とタクシーで行き、帰りは愛好家氏にマイカーで最寄り駅まで送って貰った。マイカーを取り戻した昨年は確か天気が悪くて不参した。今回も予報を考えれば最初から行かない選択もあったが、新しい開催地での大会を見てみたかった。
14時過ぎに家を出るが、最寄りの東北道ICに入るかどうかというところから後は現地までずっと雨中走行。到着が遅いからどうせ打ち上げ場所近辺の観覧場所はとっくに売り切れだろう、と別の観覧場所を最初から目指す。思えば4月下旬に新しい開催地が発表されてから、時間をかけてストリートビューなどでくまなくロケハンしていたのだ(愛好家氏によっては事前に現地視察にいったらしい)。それで風向きに応じた観覧・撮影ポイントをいくつかピックアップしておいた。
この日早朝に打ち上げ場所に近い2箇所の規模の大きい指定駐車場が使用中止と発表された。当日までの雨によって舗装されていない臨時駐車場がぬかるんで使用できなくなったとのこと。これで合計1000台分近くの大駐車場が無くなったので、ますます遅く行っても近くには駐められないだろうと思った。
台風一過。19時頃 |
開幕スターマイン |
開幕スターマイン |
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超特大スターマイン Dream of 38,000 |
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現地付近には16時過ぎに到着、車を田圃脇に仮止めして傘をさしながら撮影場所の確認。ストリートビューと実際が違うことはよくあるからだ。打ち上げ場所も田圃の真ん中なら、観覧場所も田圃のまっただ中、という田園花火大会だから、グーグルで見たのと大差なかった。前景の田圃にきっちり水が入っているところを選んで畦道に雨対策をした三脚を置いておく。それから2時間余、降りしきる雨の中、車の中でじっと待機だった。だから結局大会本部にも花火設置を確認しにも行ってない。プログラムは公式からDLしておいたもの。付近の農道は車がすれ違うことの出来ない道幅なのでとても片側に路駐できる環境じゃなかったが、ちょっとした空きスペースを確保。小止みになって次第に青空が拡がっていったのは18時をまわってからだった。19時近くには台風一過の綺麗な夕景になった。この時点までで風は弱いながら東風と、観覧地からは順風だったのだが・・・。
開始1時間前に機材を運ぶ。畦道を通るのでカメラ1台で最低限の機材をデイパックに移して背負う。雨上がりでそこらじゅうびしょ濡れなので、足下は長靴仕様。開催地が初めての場所でさらに観覧地もまったくのお初の地点。間合いは1キロメートルを超えている。400メートルの間合いから広角を使う、という撮りは玉村ではもう繰り返し繰り返しやったのでもういいだろう。それに新しい開催場所といっても以前と同じように広い田圃のど真ん中に打ち上げ列があるのは変わらない。だから前景も背景も前の場所と大差ないから撮れる絵も似たようなものになる。それをちょっと変えてみたかった。
開催地が変わって観覧できるポイントのキャパが東側で若干減った。以前なら例年風上となる大会本部と花火を挟んで反対東側の2本の農道が観覧場所だった。つまり花火設置列から200メートル離れた農道とさらに400メートル離れた農道だ。近い方は主に一般の観覧客、後ろは写真・動画の撮影隊が一列に陣取る位置だった。こうして棲み分けができていたのだけれど、今回は例年の東風になった場合の東側観覧場所には、中央に小学校が位置しているためにその分だけ混戦模様?200メートル最前線は以前の半分に400ルートル撮影線も半分に。学校北側にも観覧できる農道が続くが、そこは花火まで300メートルラインなのだ、つまり一般客には良いが撮影にはちと厳しい間合い。しかも上空には電線もある。もし西風なら西側はかつてより観覧範囲が拡がってよりどりみどりなのだが。
構図を考えると東側で好適地は凄く狭くなるうえに、そこは早期解放区画として朝8時半からの場所取り開始区画だった。とても参戦出来ないので(雨予報ではさらに)、早々に打ち上げ場所を直視できる位置はあきらめていた。
到着から待機時は予報通り花火に向かうと弱いながらも背後からの東風を感じたのに、開始30分前くらいから無風気味、それを挟んで弱い北西方向に変わったようだ。手前が東、奥が西、左が南で右が北と、この場所は東西南北がわかりやすい。昼間から通行量の多かった背後の対面通行の道路も、花火が始まるとたちまち南北方向、打ち上げ列と平行して縦列駐車が連なった。その場で見物を決め込むらしい。だから対面の片側車線はもはや駐車場となっていた。
オープニングのワイドの残煙がほとんどその場を動かない。それからゆっくり左方向に流れ始めた。向かって左手前に煙がかなり遅く流れ、次々に停滞する煙に打ち込むような感じ。写真にならなかった。
構図的にはもともと田圃の真ん中だから玉村らしい事物を入れるのは難しい。花火は根本からは見えなくなってしまうが、花火との間に住宅地のシルエットを挟んで場所感というか生活感と対比物で花火のスケールを出したかった。距離があるので広角を使わない分、7号以上の玉はきちんと高度感が出るし、歪まないという具合。残念ながら単発玉のほとんどは残煙で埋没し、芯物の中心部が見えないほどで撮るだけ無駄だった。トータルとして風向きはともかく、想定していた場所で思い描いていた構図で撮れたのは満足。しかし玉村で逆風気味を喰らったのは、過去に観覧できた中では初めてかもしれない。やはり台風からみだと読みづらいなぁ。
フィナーレの銀一斉は幾多のフェイントをかいくぐってタイミングはうまくいった。さすがにその明るさで、前方の稲田の緑がほんのり照らし出されるくらいだった。思えば元の打ち上げ場所、東側の裏手で誘ってくれた愛好家氏とたった二人で三脚を並べていたこの大会も、ずいぶん盛大に発展したものだと感慨深い。
打ち終わってただちに車に戻って、機材を積み込み、泥だらけの長靴の汚れをざっと落とし、そんな出発準備をしているうちに、近隣の前橋や伊勢崎に向かう道路はたちまち赤いテールランプが連なっていた。
10分も経たないうちに車を出し、混んでない道を縫って21時20分頃には北関東道のIC付近に達したのだけれど往きに降りたところなのに、夜は入口がよくわからず(出入り口がひとつだけ)、何度か行ったり来たり迷走してしまう。料金所が見えているのに入口がわからない。ナビも高速入口がこことまではガイドせずIC付近で案内終了。しばらくぐるくるして、とあるコンビニの駐車場で方向転換しようとすると、隣が料金所へのレーンだった。「え・・ここかよー」。入口暗っ。南側から最接近するが、行灯でもない右向き矢印表記看板1発で表示されてもなー(夜はライト上向きじゃないと気が付かないよ)。知る人ぞ知るか。手前で信号右折とか看板出してくれよ(泣)。30分近く無駄にしてから高速イン。帰宅は23時前。
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