花火野郎の観覧日記2015
観覧日記その31 12/31
ツインリンクもてぎ 花火の祭典〜冬〜
栃木県・芳賀郡茂木町
広大な南駐車場に1台も居ない |
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この引きの長い花火の後 火災発生で中断 |
20号・モノクロームの金華 |
20号・モノクロームの金華(右) |
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ネーミングライツ10号 夜空の珊瑚礁 |
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1999年から見始めた花火の祭典だが、 この冬公演をもってしばらくツインリンクは見納めとしたいと思ってやってきた。
長らく花火を担当する菊屋小幡花火店先代の故小幡清英氏から観に来ませんかとお声がけをいただき、それ以来16年の長きにわたって数多く観覧してきた。たった1発しか上がらない四重芯見たさに車を走らせ、毎回何か工夫やサプライズの出し物があって見飽きなかった。当初は夏だけの公演が、冬が増え、四季になりすっかりツインリンクの恒例興行として安定した集客を重ね今日に至っている。だから観客としては誰よりもこの花火について多くを知ると言える。
もうたくさん観たからいいじゃないか、というのが本音。それに夏は特別としても、送料込みで観覧券と駐車券だけで4000円を超える見物料はもう正味30分足らずという内容に見合わない。花火の方も四重芯を出せなくなった現在、四重芯以外の売りや持ち味を出していきたいのだろうが、近年の競技会の割物やスターマインを見る限り、しばらくは様子見と考えている。
現地には11時前に着いた。風向きがはっきりしないので第2、第3両ターン側にそれぞれ三脚を置いて優柔不断な場所取り完了。といってもほとんど一番乗り状態。車に戻って途中のスーパーで買い込んできた弁当で昼食。11時を過ぎても広大な南駐車エリアには他の車が1台も来ていなかった。
その後も愛好家氏の集まりは遅かったが、15時をまわるとそれなりに顔見知りが揃った感じだ。一般客も夕刻から次第に増え始めて場内はにぎやかになった。
私は16時前に定時雷と風向きを観て北西側の三脚を回収、第3ターン側に観覧場所を決定。昨年の大晦日同様に二尺筒を正面に見るあたりだ。二尺は14時頃から装填を行っていた。
風は結局のところ南東くらいか、横風でもあまり煙が浮かない程度でますまず良かった。予報のように向きが変わる事は無かった。夕刻から季節なりの冷え込みになった。
開始が早いのでスタートからしばらくは背景に青空が見える状態。前半の終盤で、地上に次々にボタボタ落ちる冠系の玉を連続で打ったが、その後オーバル内のあちこちで火災が発生して進行はしばらく中断した。枯れた芝エリアに落ちた星から延焼。何カ所も燃えて消火活動が行われた。つか冬場の乾燥時期に地上に落ちるほどの星をばら蒔くというのは燃えるでしょ。私はこういうので大炎上に至るのを何度か見ているから怖かった。
再開後、前半の最後に二尺打ち。引き火と金銀ばかりのワイド打ちを前振りにしたが、昨年の大晦日に続いてまたもそれにかぶせるように打ってしまったので見せ方としては残念だなぁ。多くを製造しない自社の大玉を最高の状態で見せない、という判断はまったく理解できない。二尺モノクロームの金華のキマリは良かったが、玉としては色味がないので好きな方ではないし、昨年からこの玉ばかり競技会でさえ何度も見ているので鮮度もない。
後半の尺玉打ちでは、多重芯のキマリはいまひとつだけど、いずれも見慣れた小幡花火らしい配色の芯物が多くて良かった。途中ネーミングライツの尺玉とかなんとかアナウンスされたけど、よくわからない。ようするに一般から新作玉の玉名を募ったのだろうけど、そういうことはプログラム冊子とか作って記載してくれないと。聴くだけじゃその場でスルーだよ。公式HPにはそこそこ進行や花火内容が掲載されているけれど当日は打ち上げ内容などはあくまで放送するだけ。こういう点は最後までツインリンクは不親切なままだったなぁ。花火イベントなのにとうとう一度も花火のプログラム冊子を作らなかったのだから当然か。
フィナーレも錦錦と来たところに錦の終わりで一瞬のタメを入れることもなしに、塗り重ねるように銀の一斉掃射。ああ昔の打ち方が懐かしい。と終了後以前を知る愛好家同士で残念会。
色々に噂や情報の飛び交う担当煙火店だが、この晩の花火を観る限りはほぼ小幡花火製と見られたし、全体の印象は事前に懸念していたよりは良かった。特に10号は本来の持ち味だと感じた。しかしそこにもう四重芯が無いのが残念。
この日一番納得がいかなかったのは、花火開始が17時だったこと。昨年が17時30分からだったのでそう思い込んでいた。私の勘違いかと何人かの愛好家に確認し、入り口で配布されたチラシを観てもやはり17時。いくら日の短い冬のまっただ中といってもさすがに17時は明るいぞっ!たった30分しかない有料の興行でこれはないだろう。万単位のチケットを買う客も居るのに半分の15分は明るくて観てられないじゃないか。実際の開始は5分くらい遅れたけれど、開始直前に場内照明が落ちると、周りから「明るいっ」の大合唱。最初の10分は露光をかければ青空が写るような背景。こんな「花火をベストな環境で見せる」という点について投げやりな運営があるのかと呆れた。まさか大晦日に早く客を返して職員もさっさと帰宅したいわけじゃないだろうが、このイベントの開始当初、集客に苦労していた頃の心を忘れたか。見納めに相応しい観客不在の運営だった。良かったのは多くの愛好家の皆様と暮れの挨拶をすることができたことか。
毎年この冬の時期に来年度の予定がアナウンスされるのだが、2016年度の茂木は夏の開催のみとなるようだ。そして2017年は冬の開催として大晦日を廃止して正月2日の開催予定。とここまで発表された。今後の在り方を模索しているのかどうか、秋の野村担当も観られないとは残念至極。もう支離滅裂。これでは金を払ってまでコンディションにリスキーな茂木を見る愛好家を遠ざけるばかり。冬をやるなら大晦日でも正月でもなくクリスマス興行に戻してはどうだろうか。私は2014を最後に夏の花火の祭典は観ないことに決めたので、見納めとしなくても今2016はツインリンク花火の祭典の観覧は無いことが決定した。後日の報道によるとメディアによって異なるが、この日の観客数は6500〜7000人と発表された(火災発生も報道された)。
多くの愛好家が、カウントダウン花火に向けて早々に発って行った。後片付けをしているうちに連なっていた三脚は私のだけになり、皆さん撤収が早い。
この大会で2015年度の観覧を締めくくりました。私的には予算枯渇で断念した遠征もありましたが観覧日記に未掲載の分を含めて35箇所の花火大会、花火イベントを無事観覧できたことは、とても贅沢な時間を過ごさせて戴いたと感謝するばかりです。
ともあれ新年度もまた無事故の消費とともに素晴らしい花火に出会えることを期待しつつ、新たな観覧に胸を躍らせる年末年始です。観覧日記2015をお読みいただきありがとうございました。
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