花火野郎の観覧日記2015
観覧日記その5 4/4
渡良瀬バルーンレース2015 バルーンイリュージョン&花火
栃木県・栃木市藤岡町
渡良瀬運動公園の桜 |
渡良瀬運動公園の桜 |
午後のフライト |
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権現堂桜堤の夜桜 |
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今日はハウステンボスとか熱海とか美味しい大会もあるけれど、とにかく移動費用がかかりすぎるからパス。熱気球と花火のイベントが近くで在り、初めての場所なので出かけてみる。会場は渡良瀬遊水池の一角にある渡良瀬運動公園で、自宅からは車で1時間足らずの距離。遊水池の西側を南から北側まで北上するルートだが、実際に脇を走ってみると広大な場所だなぁと思う。
現着は13時過ぎ。もちろん夜19時30分からのバルーンイリュージョンのためには早すぎる到着。渡良瀬バルーンレースは、HONDAがスポンサーしている年間5戦行われる大会のひとつだからそれなりの規模だし、藤岡町の桜祭りも共に開催されているのでおそらく人出も見込まれる。会場近くに駐車できないと困る。駐車場は河川敷の公園に併設だけどすでにかなりの台数の車が入っていた。スタッフの誘導に従い、メイン会場らしき辺りをかなり過ぎた位置になんとか駐める。
むむむ、寒い。思えばこの日は自宅周りは朝から雨。気象レーダーを観ると雨雲は無いことになっているがしっかり霧雨だ。だから出かけようかどうしようか迷った。午後から良くなるという予報なものの雨は免れる程度で、この分厚い曇り空は晴れそうにもない。風は穏やかだが冷たい。出がけにクリーニングすることになっていたダウンジャケットを持ってきて良かったぜ。
河川敷の桜並木は今が盛りで桜祭りには絶好のタイミング。それどころか寒さと曇り空のせいかまだ蕾も残していて、見頃は続きそうだ。残念ながら花冷えに加えて曇天のせいで目映いほどのコントラストはない。会場にはそこそこ客が居たけれど混み合うというにはほど遠い。
祭り本部テントでスタッフにバルーンイリュージョンをやる場所や花火の位置などを聞いてからロケハンする。早朝から一度レースフライトがあったらしいが、現在は飛行中のバルーンは無く、天候や風向きの関係もあったのだろう。午後の競技は14時からになっていたが、実施が「協議中」になっていた。イリュージョンは近くの河川敷グラウンドとのこと。そこを大きく1周したがこの時点では花火筒は発見できず。とりあえずそのグラウンドを正面に見下ろす一番視点の高い堤防道路に三脚を仮置き。
桜並木の撮影などひとしきりやった後、15時頃再びバルーンイリュージョンの会場を見に行くと、奥のグラウンドで花火屋さんらしきスタッフが設置を始めたようだった。しばらく眺めていると、やがて運搬トラックを乗り入れ、筒を降ろし始めたので間違いなさそう。手際良く作業はすすみ、前列5箇所、後列中央にやや号数の大きい(5号?)玉の筒を設置した。花火の位置が判ったので、仮置きの三脚の位置をまた変える。あとはバルーンをどう風に配置するかでまた検討しなくては。
現地に来る前にストリートビューで予習ロケハンした時点で、撮影場所は視点の高い堤防道路の上だな、と直感した、昨年までのイベント写真を見ると、バルーンは河川敷に在るようだったからだ。つまり係留バルーンを見下ろすような視点になる。その時は花火の位置は不明だったがバルーンの向こう側であることは確か。
それでカメラ、バルーン、花火という手前から奥の位置関係を考えると、花火が手前にある巨大なバルーンで隠されないか?ということが最大のポイントになる。故に、可能なら(場所的にどうにもならないのでなければ)バルーンに近づき過ぎない、ことが大切。もちろんナイトグローが主たる被写体ならかぶりついても良いのだが、こちらのメインはあくまで花火。それで視点を高くすればより花火がバルーンの上に出る部分が多くなるわけ。もちろん縦方向の幅が拡がるからより広角が必要になる。
花火設置のこの時、イリュージョンの会場グラウンドではバルーン教室みたいなイベントをやっていた。旧型ASIMOバルーンを来場一般客も手伝って準備し、膨らませるまでを体験できるみたいなものだ。これで途中まで大きくなったバルーンを観ていたので撮影位置の予想に役立った。途中まで、というのは急遽午後のフライトが決まり、イリュージョン会場がどうやらマーカーのターゲットになるらしく、膨らませかけたASIMO君も急いで片づけることになったのだ。
この場所の堤防は河川敷からだとかなり高さがある。斜面は途中2段くらいの段差があり、一番上の堤防道路とで、3段階の視点が選べた。私は比較検討のうえ、やはり一番上にしたのだ。もっとも比較時は完全に膨らませたバルーンがそこに無いので予想にすぎない。1、2段下だと、バルーンと桜並木の重なりがいい感じだが、かんじんのバーナーの位置が枝で隠されてしまうのでは、と外した。
車で昼寝をしていて、16時頃に目を覚ますと、すでに競技フライトのバルーンが多数イベント会場上空を通過中だった。さすがにHONDAがスポンサーする『熱気球ホンダグランプリ』の第1戦、というだけあって、参加しているチームが多かった。すごい。私はこれだけたくさんのバルーンが一度に飛行しているのを実際に観たことがない。ざっと数えて30機くらいがさまざまな高度で通過中だった。ああ。これが快晴の空だったら、と惜しい気持ちだ。上空の風が速いのかバルーンはけっこうな速度で通り過ぎていった。ちなみに第2戦は5月に長野県佐久市で行われ、バルーンイリュージョンと花火も開催される予定。
堤防から再びバルーンイリュージョンの会場を観ると、それぞれのバルーンを係留するアンカーみたいなものが等間隔で並べられていた。おそらくそこに各チームが位置するのだろう。それで会場奥の花火設置との位置関係を観ながら、バルーンが膨らんだ全体のマッスを想定して立ち位置をまた調節して三脚を置き直す。風は安定した東方向で、観覧場所の堤防側は風下気味だった。それは予報通りで結局方向は変わらず。あとはナイトグローの際に、ちゃんとバルーンが膨らませられるくらいの穏やかな風だといいのだけれど。
撮影は縦位置でと考えていたが、花火が5箇所のワイド打ち、そしてイリュージョンの時のバルーンの係留場所の配置が横6列と幅があったので、現地で横位置撮影と判断した。センターに大玉が入ると20ミリでギリギリという画角。現地で地図を確認すると手前の打ち上げ列までが250メートルほどだった。
19時前、最初に会場センター、堤防に向かって一番前に位置したHONDAのASIMOバルーンが膨らみ始めた。天頂部の風抜き穴のカバーとその周りが青色の新型バルーンらしい。やがて完全に膨らんだが他のがまだだ。どうやらメインスポンサーのバルーンを最初に展開して、膨らませてのイベントが続行可能か風の具合を見ているのでは、と思った。ナイトグローイベントでは、風が強すぎるとバルーンを展開(装着)しないで、バーナーだけむき出しで焚く場合がある。バルーンが密集した状態で風に煽られると危険だからだろう。それで各地の熱気球イリュージョンでは、風が強ければバーナーだけの演出という事が多々ある。この渡良瀬でも過去にバーナーだけの年があったらしい。
ASIMOバルーンが完成して19時ちょうどになると、GOサインが出たのか、他のチームも一斉に膨らませ始めた。これでイベント開始まで後30分で全部揃うのか?と思ったのだが、見事定刻にバルーンイリュージョン&花火はスタートした。私はいくつかこの手のイベントを観てきたが、これほどたくさんの参加のものは初めてだった。6列で3機ずつというわけではなく、奥に向かって4機並ぶ列もあったりで、手前のバルーンに隠されて全部数え切れなかったが、20機前後だと思う。
進行アナウンスに伴い、「バーナー、オン!」のかけ声で一斉に焚かれて全バルーンが夜空に浮かび上がる。それと同時に花火掃射。それから参加チームをひとつずつ紹介、という進行。後半は音楽に合わせて、それぞれがランダムにバーナーを焚き、花火打ちも合わさっていくという盛り上がりだった。
膨らんでみるとやはり間近にみるバルーンは大きい。そしてゆったり風に流されているようでいて受風面積の大きさから、やはりかなり影響されていた。イベント途中で手前の1機が「そこだけ風の流れの関係か」かなり風に押される形で、ボンベを積んだバスケット部分が何度か横倒しになるほど煽られた。
全体にバルーンが暴れ黄味で、大きいから動きはゆっくりなものの、かなり動きまわっていた。だからバルブで露光すると全体が激しくぶれる。2.5号程度の花火が射出され開く、そのほんの僅かの時間にも前後左右にバルーンが動き回っていた。
30分ほどのイベントだったが、花火がまだ残っている中盤まで進むと、参加チームのバルーン1機ずつの紹介が一巡したあたりで、風上にあたる奥に位置したチームから次々に店じまいを始めたので、見かけのバルーンは次第に数が減っていった。やはり風上側はそうとう煽られて膨らませた状態の維持とコントロールが難しかったのだろうか。最後まで踏ん張ったのは最前列の5機。スポンサーのASIMOバルーンは最後の最後に畳まれて、一番最初に膨らみ、ラストまで残った形になった。
ライトアップと桜まつりが続行しているせいか、イリュージョンが終わって一斉に車を出す、というわけでもなく駐車場から出るのはスムースだった。帰りがけに自宅近くの幸手市権現堂桜堤の夜桜を見物に立ち寄る。さすがに同市年間最大のイベントで、桜が満開時の土曜日だけあってもの凄い人出だった。
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