花火野郎の観覧日記2016

観覧日記その25 11/5
第1回 會津全国煙火競演会

  
福島県・会津若松市


オーブニングアクト
郷人演舞
観覧席の位置関係

  

  

齊木煙火本店(山梨県)
虹色のグラデーション

磯谷煙火店(愛知県)
光の宝石

市民花火
株式会社斎木煙火本店

市民花火
株式会社斎木煙火本店

市民花火
株式会社斎木煙火本店

市民花火
株式会社斎木煙火本店

市民花火
株式会社斎木煙火本店

千輪競技

     

千輪競技
太陽堂田村煙火店(長野県)
昇り彗星銀河群

千輪競技

 

千輪競技

  

千輪競技

   

エンディング花火
株式会社紅屋青木煙火店

エンディング花火
株式会社紅屋青木煙火店

エンディング花火
株式会社紅屋青木煙火店

エンディング花火
株式会社紅屋青木煙火店

エンディング花火
株式会社紅屋青木煙火店
   
 今年、新規に開催される花火大会としては一番花火愛好家に注目されたものではないだろうか。全身は2012年に伊達市で行われた「東日本大震災復興祈願花火全国煙火競演会」と考えるがこれは一回こっきりで終わった。会津全国煙火競演会は同じ名称を持つも、開催主旨は地域創世、振興と、会津の地に新しい花火大会を。という方にウェイトがあるようだ。
 花火愛好家が注目し、期待したのは、新たなる競技会であること、その出品煙火店の顔ぶれ、合間に行われる業者違いのいくつかのミュージックワイドスターマイン。ではなかろうか。日本煙火芸術協会も協力し同人が出品する芸術玉も見物だ。プログラムの詳細は開催が近づくまで確定されなかったが、夏の花火最盛期を過ぎる頃、全貌が見えてきた。早々に判った開催場所では、このロケーションで競技10号が打てるのか?と考えたものだが、やはり8号でぎりぎりのようだった。
 なかでもミュージックワイドスターマインの担当に長野の紅屋青木煙火店と山梨の斎木煙火本店が入っているだけで観覧を決めた愛好家が居てもおかしくない。11月初旬というほぼ冬季開催のこの大会を心待ちにしていた愛好家は多かったと思う。
 当日、主催公式のfbに濃霧に包まれた会場の写真が載っていて驚いたが、なに朝のうちの霧は晴れの予感。車と電車と迷ったが新幹線を使う電車ルートが若干費用が高いので車で向かう。終了時間が早いので東京近郊からも楽に日帰り圏内だ。車は会津若松ICに近い指定の駐車場に入れる。帰りの脱出を考えてのことだ。駐車したのが12時半過ぎ。
 そこから会場中心部、本部のある辺りまで徒歩15分くらい。暑い。陽射しもきつい。車から会場まで歩くのに、防寒対策をした下着などのせいで汗びっしょりになる陽気。
 メイン会場と思しき道路は、上下とも渋滞していた。スタッフに聞けば通行止めにされ、観覧場所に変わるのは16時30分という。思い切り開始直前ではないか。見ると車の切れる間をみはからっては、スタッフが有料区画の番号を路上にチョークで書き込んでいる。大変だなぁ。もっと通行止め規制が長く取れるといいのだろうけど、ICに直結している通行量の多い目抜き通りではなぁ。
 事前に見取り図やグーグルマップで見ていたとおり、道路1本の上に観覧の全てがある、という会場。本部席とトイレだけ休耕田か収穫済みの田圃の中に設けられている。予想外だったのは、メイン観覧道路の背後や周りの田圃や農道から自由に見られる。と思っていたが違っていた。付近の田圃は大きく周りを取り囲むように規制線が貼られていた。つまり田圃に勝手に踏み入るな、という仕様だった。実際はカメラマン席に入場できる16時前にはこの田圃エリアに地主さんの厚意か多くの観覧客や撮影客が入っていたのだが。
 田圃何枚もの広大なエリアに規制線が施されていたので、私は一見して、離れたり下がって撮る場所をロケハンするのは止めにした。初めての場所は正攻法、ということで大人しく、事前購入したカメラマン席に付くことにした。
 会場を通りながら、カメラマン席(道路後方)と有料席(道路前方)の間に通路があるのに気が付く。そういえば前が通路だから人や車が通りうる、と公式にあったような。うーむしまった。前を横切られても大丈夫な背丈の高い方の三脚が必要だったか。
 観覧席の道路から打ち上げ方向の田圃をひと目見て、「近い」。観覧ラインからワイド打ち上げラインまでは250メートルかそこら。それで幅400メートルか無理無理な画角だな。そう考えて超広角も用意したのだけど。打ち上げ場所向かって左後方の青空に聳えている磐梯山がまさに会津。あの頂にも登ったなぁ・・。

 13時30分頃から南ゲート設営予定付近に既着の写真愛好家によってそれとなく出来た、「プレ入場待機列(非公式。本当の待機行列は15時から)」に荷物で場所を取って、それから急いで車に引き返して追加でより背の高い三脚と背の高い踏み台を取ってくることにした。この日は車まで結局2往復(約6キロメートル)。
 観光でもしたかったが、会場に到着して観覧場所や打ち上げ場所を見ながら通過、すぐにカメラマン席入場待ちの待機列に並んでしまって、あとはそこで歓談しながら時間が過ぎるのを待ったという経過から、駐車場と会場の最短距離での往復のみ。観光は無しになった。
 有料カメラマン席は、他の観覧有料席より早く8月8日前後に販売開始と公式に告示された(3,000円)。最初に500円割り引きで早割というかたちでFAXで申し込みを受け付けた。人気だったらしく早割として500円引きで売りはじめた1週間から10日くらいで正規料金で売る前に完売した模様。写真や動画を撮るなら、取材申し込みとかすればそれでもできるけど、それって要するに無料観覧狙い。カメ席を買うことでいくらかでも協賛になればいいかな、と考えた。カメラマン席は会場ほぼ中央にある本部テントの両脇(南北)の細長い区画。その中で先着順に好きな場所を得る。
 ゲートイン前にチケットを持っている客には、半券と引き換えにプログラム冊子と立派なLEDライトが配られた。それから色々準備が必要でしょうから、と有料観覧席組より早く16時30分過ぎからようやくリストバンドを受け取りながら、カメラマン区画への入場が始まった。リストバンドが必要なのは、別の区画に設けられた露店エリアに買い物に行くにはゲートの出入りが必要だから。
「走らないで」と言われても、開始まで間がない状況でしかも場所も決まってない(先着順に好きな所に陣取る)のだから焦る。早足が駆け足になるのも無理からぬ事。人の習性か南ゲートに近い一番手前の南側の区画から順に埋まっていく。待機列の後ろの方の人ほど北側に向かうほかない。私は段取りが悪くて三脚が1本増えてしまったので(使うのは1本)、南側に1本、北側に1本と両方押さえた。ちなみに待機列の前から3番目だったのでそこは余裕。風向きなどからは南側が良さそうだったけれど、現地に来る前から駐車場に近い北側と考えていたせいで、結局北側の端の方に三脚建立。踏み台を据えて、4段脚でそこそこの高さを稼いだ。
 カメラも載せて、もろもろ準備が済んだ打ち上げの30分ほど前に、知り合いの愛好家氏から驚愕のセッティング状況の情報がもたらされる。打ち上げ場所400メートルだから、てっきり400メートルのワイドスターマインをやるのだと思っていたが(おそらくほとんどの写真、動画愛好家はそう思いこんでいた)、実際は半分ずつ。担当業者によって左半分右半分と200メートルずつ、ということだった。え、え、えーっ!!。なんとっいや今更、この直前に400メートルワイドスターマインがお前らの妄想の夢幻だとそう知らされても・・たはは。もう臨機応変にやるしかないっ。しかし知り合いに聞いてみても我々は疑いもなく400メートルワイドスターマインと思いこんでいたのだから、誰もがどこでそのように錯覚したのだろう?

 打ち上げが始まると風は下は南風、上空は北東と違いがあった。それにしても音楽付きのプロは大音響だ。動画組は音源に困らないと思うが、スピーカーの数も多いし客席に近い。半分の数でも充分な音量と思うけれど。
 プログラム2番の、日本煙火芸術協会による7号芸術玉10発のところで事件だった。なんと開花した盆の中をドローンが飛行しているではないか。少なくとも本部北側の客の視界にはそう見えたはず。禁止じゃなかったっけ?幸いに見えたのはこのプログラムの時だけだった。私はドローンを花火の前なのか中なのか判別できないが、開花している時に同じ視界の中で見るのは初めてだ。いやー花火の星と比較しても意外と明るいものだな。
 車に近いから、という理由で北側にしたのだけれど、いいのか悪いのか、市民花火の斎木煙火本店とエンディングの紅屋青木煙火の設置列はどちらも北側つまり左半分だった。つまりド、真正面。斎木煙火は7号入りと直前に聞いてはいたが実際に入ってみると16ミリの横位置で上が切れた。14ミリもあったけど、全ての打ち上げが14ミリ相当というわけではないから。16ミリ始まりの広角ズームにしてあったのだ。右側のワイドが縦位置で収まるから、縦で行けると思ったら、斎木煙火が3箇所打ちでスタートすると縦ではいきなり駄目と察知して1枚も撮らずにただちに横位置に切り替えている。16ミリ横にして3箇所の根本がきっちり入るくらいで、これは近い。当初の半分のワイドできっちりでは、400メートルで打ったら半分しか撮れないじゃないかよう。青木煙火は最大4号ということで、普通に綺麗に収まった。
 予算や打ち上げ幅、持ち時間など制約が在る中で、市民花火の斎木煙火本店と、エンディングの紅屋青木煙火はやはりたいしたものだった。コンパクトな打ち上げ幅の中で特長のある持ち玉や打ち方で、きちんと斎木ワールド、青木ワールドを作り出している点はさすが。この2回のミュージックワイドがあったせいで、この大会は体を成した。多くの愛好家が全国から集結したわけだがこのプログラムに関して文句の出る愛好家は居なかったと思うし満足できたのではと考える。
 しかしながら、えびす講よりもっと狭い決められた範囲にカメラマンが集結して、しかも超接近戦だから多くが同じような超広角。私にしても近場に隣り合わせた愛好家とできあがる絵に大差ないだろう。そこが今後の写真的課題か。
 初回であるし、おやおやな進行もご愛嬌と考える。実際に通しで運営し、実際に客が入って、帰ってみないとわからないことが多いものだからだ。途中でプログラムに記載の無い運営スタッフへのサプライズ花火とか、プロポーズ花火とかが挟まったせいか、進行は押して終了予定の19時を15分ほど過ぎていた。これで19時台の電車に乗るはずだった愛好家はあきらめざるを得なかった。臨時を増発しているでもなく、1時間に1本しかなく、21時台で終電なのだから終了後はのんびりできそうもない。
 新しく興したこの大会が、運営が習熟され、改善され、会津に煙火競演会あり、と新しい地域の観光の目玉として発展していって欲しいと願う。この時期には希少であるし、千輪だけの競技というのも千輪好きの私には願ってもない面白い趣向。しかしまったく同じ内容で来年も無事開催、となったら行くかどうかは5分5分。トータルで費用もかかるし、内容を鑑みるとちょっと遠いなぁ。次は本当に400メートルワイドでやるなら考えたい。
 電車組に話を聞くと、利用者が少なく楽に座って帰れたという。マイカー組にしても実際は周辺道路の渋滞もあまりなかった。駅も混まないのだとしたら、近隣から徒歩や自転車で観覧に来ていた地元客が多かったということか。私にしても会津若松IC近くの指定駐車場に入れたが、そこを出ればICまであっという間でその点は快適だった。車をスタートが19時40分。磐越道インが19時55分だった。そして23時には自宅で風呂から上がっていた。
    

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