花火野郎の観覧日記2016

観覧日記その21 10/8
5周年記念 北区花火会

東京都・北区


岩淵水門。赤水門(手前)と
青水門(右奥)。手前は
イベントエリア。

赤水門とイベント会場
打上げ場所はこの裏側方向

赤水門近くの水辺の斜面にも
小型煙火や星打ちのセッティング。

国道122号方面
川向こうは埼玉県川口市

観覧場所から。投光器の真下で
懐中電灯も要らず。

  

JAPAN BEAUTY
昇小花流星群光
秋田 小松忠二

JAPAN BEAUTY
昇曲付幻想イルミネーション
茨城 野村陽一

JAPAN BEAUTY
昇朴付万華鏡
愛知 磯谷尚孝

JAPAN BEAUTY
昇尾引付イルミネーション
静岡 池谷博文

  

  

  

グランドフィナーレ

往きに目をつけておいた
駅近のビア・バーで帰りに
一人慰労会。
   
 北区花火会は北区を代表する民間団体が中心となり、地元の協力を得ながら開催する秋の花火協働事業とのこと。北区民ひとりひとりが力を合わせて盛り上げる手作りの催しなので、「花火大会」とせず、親しみを込めて「花火会」と名付けられている。子どもからお年寄りまでが、今まで以上に「地域への愛着」を感じ、荒川の地域資源を活用した新しい観光事業として「北区の地域振興」と「地域イメージアップ」、併せて地域の『絆』を深めることを目的としている。
 以前の花火担当は別の業者だったと記憶していて、これまでに観覧した愛好家仲間からの評価は芳しくなかった。今回は花火担当が静岡のイケブンということを直前に知った。葛飾並みとはいかないまでも在る程度の内容が期待できるのかな、と身近なイケブンに初観覧してみた。鴻巣は昨年見納めと決めたし、秋大曲は費用がかかる。北区がなければ家で寝ていたところだった。
 花火会場は北区、荒川沿いの岩淵水門周辺(赤水門エリア・青水門エリア)とのことで、長いこと数え切れないほど通過した荒川の鉄橋を渡る京浜東北線や宇都宮線の車内から、「そういえば、大きな水門が見えたよな」とビジュアルな記憶に焼き付いていたその地点だった。
 水門の在る辺りは南側の隅田川と北側の荒川が岩淵水門(青水門)を介して接しているような場所だ。つまり水門が開いていればこの2つの川はそこで繋がっていることになる。現在使用されているのはより規模の大きな青の方で、赤は旧岩淵水門と呼んでいる。色の名前が付いているのはズバリ水門がその色にカラーリングされているから。
 電車から見える赤水門のすぐ下流に青水門があり、花火は両水門の間で隅田川と荒川に挟まれた場所で打ち上げられるようだ。近年の花火大会によくあるように、花火に近い、正面に相対した観覧場所はほとんど有料観覧席だ。無料のところは距離を置くが、河川敷の無料エリアのすぐ上流側を渡る国道122号から打ち上げ場所まで約1キロメートルほどと思う。一番近くて高い有料席ならワイド感たっぷりの打ち上げなのだろう。有料席へ入場するには隅田川を渡る細い橋ひとつしかないので、終了後は混雑しそう。
 赤羽から埼玉の川口までは、国道122号を通って学生時代に何度か歩き、また3.11、東北の震災の時には自転車で通ったことがある。だから判るのだが、この水門の場所まではJR赤羽駅から徒歩で30〜50分とけっこう距離がある。
 当日は昼過ぎまでは雨で、都内ではゲリラ豪雨の注意報も出ていたくらい。午前中はカレンダーの入稿の仕事が在り、出かけたのは15時を過ぎていた。最寄りの赤羽駅を東口に出るとすぐに花火案内所のブーステントがあり、そこでプログラム誌を配布していた。そこから先はプログラム誌裏の地図を見ながら会場に向かう客が多かった。私は国道122号の橋の袂から堤防道路に入るルート。会場一番手前から、打ち上げ方向にロケハンしながら河川敷を進んだ。会場は縦に細長い、といった感じ。中州のように見える打上げ場所正面とその西側の隣の区画は有料席になっている。実はこの大会に行こうと決めてから日が浅く、有料席を検討、購入していない。で、今回は無料の一般席エリアでの観覧。プログラム誌の見取り図から現在地と打上げ方向を確認しながら進むと、堤防道路近くでよさげな場所を見つけて即決。こういう時は長年の経験に従って間違いない。正面に赤色の水門が大きく見えて、その右奥にそれ以上に大きい青水門がのぞめる。視点も高いので気に入った。出てみないとわからないが花火群は赤水門の背後あたりと予測した。手前に北区商店会秋まつりの会場が在り、仮設ステージを囲むようにブーステントが並ぶエリアがあった。前景としてもいずれもよさそう。到着時、あたりをぐるりと見て回ったが、三脚の数はけっこうあったのだけれど知り合いには一人も出会わなかった。観覧場所まで歩いてくるに、昼過ぎまでの雨のせいか靴はびっしょり濡れていた。早くから敷いてあったと思われるブルーシート類にもかなり水が溜まっていた。
 17時を過ぎた頃から青空ものぞき、夕焼けが美しいような空になった。しかしながら到着してしばらくすれば夕刻から空気が冷たい感じで、長めのコートを着ているのだけれど冷えた。そういう季節なんだと思い知った。そういえば同じ日に開催の鴻巣市の花火に昨年行った時はもうダウンを着ていたんだよなぁ。
 私の観覧場所からで花火のメイン打ち上げラインまでは6〜700メートルくらいだろうか。メイン打上げ場所は有料席エリアの正面でチケットが無いとそのエリアに入れないから今回は花火の設置を見ていないので間合いは見取り図からの推定だ。
 一般観覧エリアからだと、赤水門が壁になっていて花火設置を直接見る事は出来ないが、水門の西側一般席方向にも少量の花火設置があったので。こちら側でも少し打つんだ。と思った。
 夕刻になると商店会秋まつりエリアにいくつもバルーン照明が灯って、あややとあきらめムードになったが、花火開催時間中は1つを残して消灯したので良かった。代りに辺りが暗くなってから赤水門がばっちりライトアップ開始されて素晴らしくフォトジェニック。装備はカメラザックにカメラ1台。三脚も1本のみの軽い仕様。事前に調べた間合いから標準のズームで足りる、とレンズも1本きり。
 打ち上げは5分ほど遅れて18時45分頃に始まった。途中で5分ほどのインターバルが入るので正味40分ほどの打上げタイムだった。
 オープニングのあと、プログラム序盤では日本煙火芸術協会同人の5号玉9組各5発が披露されて充実していた。その後は物量の多いワイド系が放たれる度に厚い煙が留まってしまう感じで、低空の風が弱含み。途中で川向こうに流れた煙が逆風で会場側に吹き戻される場面もあり、その時は会場全体が霧のようになってしまった。直後にまた逆の風になって終幕はクリアとなったものの3号4号の開花域に溜まった煙が綺麗に取れることなかった。1時間足らずのあいだにコンディションがめまぐるしく変わった晩だった。気の毒だと思ったのは、いちばん料金の高い特等席をはじめ、有料席エリアがことごとく煙にまかれ、花火に近づくほど、厚い煙塊に阻まれて何も見えない状況だったと思う。その意味ではカンで適当に決めているとはいえ、撮影場所はなかなか良かった。視点が高いのと離れているせいで、停滞した煙の上に咲く花火が見られる時間もあったわけで。
 花火内容は最大5号までだが満足できた。打上げ正面側の有料席にはカメラマン席なども在るらしいのでまた同時期に開催されるなら今度は有料側で観覧したい。
 終了時には会場には驚くほどの観客が居た。河川敷ではイベントが続くのですぐに帰らない客もいるが、駅側に戻るに細い橋や、橋の上の狭い歩道を通らなければならず最初のうちだけ渋滞した。30分ほどで赤羽駅に戻る。駅の近くで往きに目をつけておいたビア・バーで一人慰労会(瀑)。本日は有料席を使わずに一般観覧エリアだったので、地元に少し見物料を還元といったところ。
    

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