花火野郎の観覧日記2016
観覧日記その29 12/3
秩父夜祭花火大会
埼玉県・秩父市
撮影場所から |
クヌギの森を散策 |
付近の公園の散策路 |
紅葉狩り |
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撮影場所から |
暮れなずむ秩父市街、17時頃 |
昇曲導付三重芯錦青銀乱 宮城県 若松將生 |
昇小花八重芯錦冠菊 長野県 田村清治 |
昇木葉付ひまわりの花 長野県 篠原茂男 |
昇分火銀彩の花 福島県 菅野忠夫 |
昇曲導付天竺牡丹 群馬県 小幡知明 |
昇小花華キキョウ芯錦先方向変化 秋田県 今野正義 |
虹色のグラデーション 山梨県 斎木慶彦 |
昇曲導三重芯変化菊 長野県 青木昭夫 |
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黄金の滝 |
朝から抜けるような快晴の日。朝一で郵便局でカレンダーを出荷してからその足で秩父に向かう。現着は10時30分くらい。花園インター出口から秩父方面に繋がる国道140号は早くも交通量が平日より多め。土曜開催は久しぶりだから混みそうだ。
昨年とは別の場所で以前ロケハンしておいたポイントを使うか、それより高い場所に行くか決めかねていた。ロケハンポイントは問題なく使えそう。1年経つうちに立木の背丈が伸びて視界を塞ぐなんてことはよくあるので確認だ。そのまま決めようと思ったが、朝から快晴なのでもう少し間合いが延びる山の上の方、広大な公園のポイントに行ってみる。それも最近ストリートビューでロケハンしておいた。車は広い駐車場に止めて、撮影場所までは山道の歩きになる。そこは有名な秩父の展望ポイントということ。眺望もそうだが、雲海の見える場所として知られているらしい。
雲海といっても、市街に霧が立ちこめて雲海のようになる現象で、ちょうど近くの多目的ハウスという施設で、それを撮った「雲海写真展」を開催していた。後で撮影場所でご一緒した地元写真愛好家から話を聞くことが出来た。霧が発生する日が読めないわけで、気象状況から明日の朝は出そうだとなると、夜明け前からスタンバっているらしい。当然空振りもあるが、うまく当たれば陽が昇って霧が消えるまで1〜2時間は撮れるとのこと。その写真愛好家のカメラのメモリから最近撮ったという綺麗な雲海の写真をたくさん見せて貰った。残念ながら秩父まで2時間半もかかるよそ者では、霧の日にぶつかるように足繁く通うのは無理そう。2011年度の秩父夜祭り花火大会では、日本芸術花火の最中という時間から夜霧が発生してその後の花火は駄目だったのだが、ここから見ていれば街灯りを透かして綺麗な眺めだったかもしれない。
展望ポイントからの長めは最高で、本日は空気も澄んで視界が良さそうなことから、こういう機会は何度も無いからとそのまま撮影場所に決めることにした。コンクリートの構造物だが揺れないわけではないから要注意だ。夜になって一般客の女の子が寒いからと足踏みしただけで全体がゆっくり揺れた。10号対打ちポイントまでの間合いは3キロメートルを超えるので視界良好な日でなければ無理。三脚を運んで場所取り、その様子を見に、山中を歩き回って紅葉散策と撮影、と車と撮影場所の山道を何往復もして今日は運動になった。秩父にしてはポカポカ陽気の一日だったからそんなことをしているだけでひと汗かいた。
場所を確保してから夜の花火本番まで8時間余り。結局下に降りることはなく(面倒くさい)、車で昼寝したり、近くの紅葉を撮影したり、撮影場所に同じ目的で集まった写真愛好家達と歓談したりで過ごした。知り合いには会わなかったが、先の雲海をはじめとして地元写真愛好家から希少な話が聞けて良かった。
暮れなずむ頃、街に灯りが点り始めると眼下は素敵なトワイライトタイムだった。しかし花火まではまだ2時間半ほどもある。駐車場から先は街路灯も一切無いので足下がまだ見えるこの時間に撮影場所に機材を運ぶ。こちらでの撮りも想定してカメラザックの山仕様。暖かい日といっても夜はダウンで完全防寒だ。夕刻からは定時雷ではないけれど、17時を過ぎると20分毎、18時からは10分ごと、19時からは5分毎と、羊山から3〜4号の単発が10発ずつくらい上がるから退屈することはない。居合わせた写真愛好家は10名ほどで、夜の部開始間際に一般観覧客も20数名上がってきた。
遠く離れているが、それでもはっきり進行のアナウンスが玉名を読み上げる声がはっきり聞き取れるくらいの音量だった。事前に知り合いの愛好家から花火部分の詳細なプログラムを送ってもらったので、日中、西武秩父駅まで取りに行く必要がなかった。昨年はぶっつけで撮ったが今夜は進行がばっちりだ。
19時35分のワイドスターマインからあとは、ほとんどプログラムが予定通りの時間で進行した。私はここ秩父で夜祭り屋台の背景の花火だけ観て四半世紀になるが、以前はまったく時間通りになんか進行しなかった。思い思いに曳き回す屋台が、ゴールの御旅所に達したタイミングで打ち上げるから、花火の点火は屋台まかせ。20分も30分も間が空くことがあった。しかし現在は屋台の進行もきっちりスケジュール通りなのかもしれない。
日本煙火芸術協会では新規に宮城の若松煙火製造所の若松將生氏が同人として加わり、今回は27名27組の尺玉対打ち54玉が披露されることになった。
日本芸術花火の終盤で、大玉スターマインを打った辺りからコンディションが良くなくなった。風は当初から予報通りの横流れの南南西くらいとみていたが、煙を吹き払うほどの風力がなかったか。幅広く拡散するにとどまった。その発煙が5号から10号の開花域に低く薄くたなびくように拡がって、とくに羊山での各種スターマインの開花位置を完全に覆ってしまった。ここ3年くらいは毎年のように同じ成り行きだ。快晴だった空も薄雲が拡がり、星が霞みはじめていた。
その後、各町スターマイン、あの花スターマイン、虹のスターマイン、黄金の滝と続くがコンディションが改善することはなかった。それでも久しぶりの土曜開催でのんびり出来るので最期まで観ることにした次第。
3キロメートルの間合いだが、10号対打ちは横で90ミリくらいか。スターマイン単独は130から150ともっと望遠領域になる。もちろん双方を人画面で撮ればもっと引きで撮れる。
マイカーを取り戻してからも久しぶりに最期の打ち止めまで観た晩だった。光量のある懐中電灯片手に真っ暗な森を戻り、機材を車に積んで22時20分帰宅スタート。土曜開催ということもあり、最期まで観た代償は渋滞。荒川対岸の迂回路を使うもしばらく渋滞。皆野から有料道路に入る予定だったが、対岸の140号を通った車も含め次から次へと有料道路に入っていく。そしてそこが渋滞してしまってせっかくの速く抜ける道が使えないとみた。そこでかつて夜祭りの行き帰りに使っていた抜け道ルートを通って快速で寄居まで達することができた。帰宅は午前1時。明日はまた朝一で出荷せねば。
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