花火野郎の観覧日記2016

観覧日記その22 10/15
ふじさわ江の島花火大会
神奈川県・藤沢市


 

     
   

オープニングあたり

  

     
   

20号・八重芯錦冠菊先銀バリ
   

虹色八方咲

四重芯変化菊
   

  

  

フィナーレ

フィナーレ

フィナーレと20号

20号・彩色芯錦冠菊先色蜂

海無し埼玉県人にはご馳走の
しらす丼を今年もまた
   
 江ノ電車内では何カ国語もの会話が飛び交ってたいへん賑やかだ。しかし身動きもできず、通勤時のラッシュアワーのように押され押し返し、腰越まで40分ほどもかかった最期には腕に力が入らなくなっていた。花火の日だから特別というのでなく、最近の鎌倉は平日でもこんな感じだ。町中では目抜きの大通りだけでなく、枝葉の路地の津津浦々までガイドブック片手の観光客が闊歩している。
 しかしこの混雑ぶり、平日のしかも信号機故障とか架線トラブルとか何か支障があったときの山手線並みの混み方だ。現在はほぼ4両編成で走らせているとはいえ、車幅も狭い江ノ電は、ホームに溢れる客を飲み込むと手も上がらないほどのすし詰めとなった。当然ながら途中駅で乗車することはできないくらいだ。
 鎌倉散策には江ノ電より路線バスの方がぜんぜん便利なのだけれど、江ノ電に乗る、外から江ノ電を眺める、というのもひとつの観光目的になっているのだろう。七里ヶ浜沿いのいくつかの駅の周りでは、カメラ片手の観光客が線路を取り巻いて江ノ電がやって来て通過するのを待っていた。なんでもスポーツものアニメのOPの光景で聖地なのだという。それでなくても海を背景に電車が走る光景を撮れるポイントだから人気があるのかもしれない。すし詰めの車内ではそんなことより早く先に進んでほしいと願うのみ。
 昼過ぎまで来客があったので、事前に藤沢が地元の愛好家氏に場所取りをお願いしてあった。現着は江ノ電鎌倉駅や途中駅がが混雑していたこともあり運行は遅れ気味で日没もまもなくの16時30分頃。
 いつもの突堤にはずらりと三脚が並んでいて、刻一刻と沈み行く夕日に向かってしきりに撮影をしているところだった。私も日没撮影に加わり、花火までの待ち時間を楽しんだ。
 撮影場所は昨年とほぼ同じだったが、打ち始めてみると台船の位置が若干違っていた。なんでも台船が100メートルていど沖合に出ていたらしいが、こちらからはまったく見えないからなぁ。例年と変わらぬ位置だから使用レンズも同じで1本きり、カメラも1台のみだ。
 打ち上げ位置だけでなく演出も例年と出だしから変わっていて、新鮮というかいい意味でとまどった。定刻にスタートしたが、まずトーチがワイドでチカチカして始まった。例年なら開幕で10号1発それからスターマインに移る。今回は10号打ちがなく、いきなり銀色ワイド系の展開。メイン側ではアナウンスしているのだろうけれど、こちらではまったく聞こえないから、花火に合わせて臨機応変に撮るというのは変わらない。プログラム誌にも大まかな流れだけで詳細な記載が無いから、そもそもどのあたりを進行中かもよくわからない。
 打ち方も例年以上に多彩で楽しめた。大きな扇状星打ちや曲打ちが何度か繰り返されたがそれらを軸に見応えのあるラインナップ。中盤以降10号の逸品が続くのはいつもどおり。今回は多重芯もののキマりがいまいちだったようだが、八方咲系の数も多く十分楽しめた。
 風向きはともかく20号の冠星が真っ直ぐ綺麗に落ちていたから風力は弱含みだったようで、途中のワイド系後の滝落としや終幕の猛烈打ちの直後の二尺はだいぶ残煙が浮く感じになってしまった。ともあれ今年も質の高い堀内ワールドを堪能することが出来たのはありがたい。
 終了後は愛好家氏とともにいつもの店のしらす丼で夕食。こうして食事と歓談をして混雑タイムを1時間近く避けたはずなのに、往きに味わったぎゅうぎゅう詰めの江ノ電は帰りもまた同じだった。最寄りの腰越駅ではまさかの初の入場規制を経験。やって来た鎌倉行きはドアもきしんで開くほどの満員御礼。そこをぐっと押し込んで乗ったものの、カメラザックと三脚を両手にぶらさげたまま身動きがとれない状態。行き帰りのこれで翌日以降はすっかり筋肉痛だった。鎌倉駅からは座って帰れたのは良かった。江ノ島の架橋上や西海岸でも例年より混雑していたと聞く。長雨が続いたあとで朝からの超秋晴れ、ときてより多くの観客が詰めかけたのかも知れない。
    

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