花火野郎の観覧日記2016

観覧日記その14 7/31
2016 第34回 蒲郡まつり納涼花火大会

  
愛知県・蒲郡市


開幕10号一斉打ち
スパークリングサターン

三尺玉1発目
昇り曲導付紅小花入錦冠菊

  

全国10号尺玉ニッボン・プライド
変色花・有限会社伊那火工堀内煙火

全国10号尺玉ニッボン・プライド
海鏡・加藤煙火株式会社

ワイドスターマインと三尺玉

ワイドスターマイン
ワイド・ミーツ・バッハ

ワイドスターマイン
ワイド・ミーツ・バッハ

三尺玉3発目
昇り曲導付彩色小花入錦冠菊

大玉連発

特大スターマイン
HEAT UP GAMAGORI

特大スターマイン
HEAT UP GAMAGORI

特大スターマイン
HEAT UP GAMAGORIと三尺玉

特大スターマイン
HEAT UP GAMAGORI

特大スターマイン
HEAT UP GAMAGORI
   
 開始時間になったが会場は静かなまま。アナウンスも音楽もほとんど聞きとれなかった。低い音量でT SQUAREの「TRUTH」が流れて開始の音楽なのかなぁと思っていたがアナウンスは聞こえない。
 この大会ではカウントダウンに、数字の型物花火(4号10発)を使い、10、9、8、と打っていくのだけれど、いきなりその「10」が目の前で打ち上げられて、そこで初めて大会がスタートしているのだと判った。普通にご唱和くださいのカウントダウンや定刻打ちだったら、開幕の10号10発一斉を撮り逃していたところだった。
 無事に開幕一斉は捉えたものの、その後も最期まで進行アナウンスはかろうじて聞こえるくらい。近くの人の話し声の方が大きいくらいの音量だ。当然ながら音楽を伴うワイドスターマインなどのその音楽も聞こえなかった。音響関係のトラブルと思うが、事前に全てのスピーカーの設置位置からきちんと音が出ているかのチェックをしていなかったのだろうか。人の話では良く聞こえていたエリアもあったらしいから見落としたか。音が命の野外音楽フェスとは比較できないが、そうしたイベントでは音響のチェックはしつこいくらいやる。それでも本番では誰かの楽器の音が変だったり、マイクが音を取れなかったりトラブルが起きるのだ。今や花火打ち上げに音楽は切り離せない演出要素。本番でいきなりシステムが落ちることもあるが、どうも事前のサウンドチェックが甘かったように思う。
 今回は打ち上げ場所のふ頭に海を挟んで相対した竹島ふ頭の最前列だ。最前列確保には超接近戦というリスクがともなうが、打ち上げ中にも消されない竹島ふ頭一帯を照らし出すオレンジ色の街路灯が全て背後なので、この色光害を受けなくて済む。竹島ふ頭で街路灯の近くで花火を見上げる客の多くは、花火本来の色が見えていないのではないかと思う。その代わり花火だけの絵柄になるが、海面が写る位置なので一度は撮って見たかった。
 しかしこの位置を確保できたのは幸運のたまもの。前夜の宿泊地桑名を午前6時台に経ち、蒲郡の竹島ふ頭に現着したのは昨年より早い午前8時前。しかしバーチャルロケハンで目星を付けていたあたりもその背後も辺り一面びっちり場所取りされていた。当日午前0時からは解禁状態なので、朝一で来ても勝負にならないとはいえ途方に暮れた。もっともそういう場所は竹島ふ頭の中でも協賛席や本部に並ぶ中央付近のごく一部ではある。  それでもあきらめずに最前列のシートを丹念に見ていくと、希望地の一帯でちょうど大きなシートとシートの間に1メートルくらい隙間が在るのを見つけてそこに2本の三脚をコンパクトに入れることができた。しかも植え込みが後ろにある希望通りのロケーション。もちろん立って構えても文句を言われないためだ。運良く三脚を立てた時点でその植え込みの背後にはまだシートが敷かれて無かった。こうして我が三脚と一緒に置いた折り畳み椅子は花火が始まるまで約12時間、炎天下に野ざらしとなったのだ。
 昼飯をAPITAに買いにいったり、ときおり三脚の様子を見に行くが一日のほとんどは近くの蒲郡市民会館内に避難して過ごす。照りつけるふ頭に早くからやって来て座り込んでいる客など居ない。私は17時過ぎに機材を運んで準備に取りかかったが、両脇の大きなシートに客がやってきたのも18時過ぎくらいだった。
 日中はほぼ南南西の風で、定時雷の煙は打ち上げ方向から面と向かって流れてくるヤバい風向き。予報通り18時くらいから変わってくれればよいのだがその18時の雷でも駄目だった。しかし開始直前の雷では煙が右方向に流れているではないか。弱いながら90度変わって南東の風になったわけだ。てっきり風下観覧とあきらめていたのでテンションが上がる。滞留はあるだろうがこれでふ頭一帯が風下煙まみれになることはなくなってラッキー。
 カメラは2台体制で16-35のワイドズームがほとんど活躍した。サブは昨日も使った14ミリの大広角。ズームで駄目な(画角が厳しい)時は、こっちが拾ってくれたかと。それでも14ミリは横位置固定なのだが、横位置の天地では最初のフレーミングでは10号の開幕一斉で画角の天を盆が突いていたので次以降仰角構図を修正してのぞむ。メインはワイド系、水中、水上打ち出しなどの他は縦位置。けっこう縦横切換が頻繁だった。
 2隻(今年は3発なので1隻に筒2本もう1隻に1本)の三尺台船までは1キロメートル以上在り、最初35ミリの画角ではさすがに遠すぎるなぁと思ってそれより上のレンズにその時だけ交換しようと用意していた。しかし1発目の三尺を35ミリ画角で撮ってみると一部はみ出しているではないか。ありゃ、意外とでかい。奥から手前方向という風向きから考えると3発全て冠系の垂れた引き先がこっちに向かってくる状況なので思ったより盆が拡がったか。もちろん2発目からは対策。
 フィナーレは最大設置幅400メートルワイドに(そこに斜め打ち曲打ちが入るからさらに広い)10号をふんだんに入れた超ワイドで高々度スターマイン。高さも幅も充分な面のボリューム。頭上高くまで壁のようにそそりたつ10号の打ち上げ空間は覆い被さるかのような圧倒感だった。これを至近で見る迫力は、充分に蒲郡ならではの出し物。予算もあろうが、フィナーレを見る限りそれにふさわしい終了感だった。その中で、物量で空間を埋め尽くす、というのではなく全ての玉の姿がきっちり良く見える、という量や開花の配置をうまくコントロールているように思う。つまり大量に上げとけばそれなりに迫力や豪快さは出るだろうけどそれってただのめちゃくちゃであるわけで、花火玉を花火玉で塗りつぶすのを避けているかと思う。プログラム全体に随所に担当煙火店特有のバステル点滅が散りばめられて華やかだった。
 出来るだけ速く駅に向かったが、構内は海側からの一方通行でしか改札を通さない体勢で、しばらく方面別の行列と入場規制に加わるしかなかった。21時38分初の快速で宿泊地豊橋へ。今期最初で最後の2日連続観覧をどうにか果たすことができた。

    

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