花火野郎の観覧日記2016

観覧日記その15 8/7
第28回 神明の花火

  
山梨県・市川三郷町


堤防上と下の打ち上げ場

打ち上げ場と点火小屋

オープニング

10号5発

10号5発

10号5発

10号5発

二尺玉

二尺玉入り超特大スターマイン

 

 

超特大スターマイン

テーマファイヤー
百花繚乱〜市川三郷夏物語〜

テーマファイヤー
百花繚乱〜市川三郷夏物語〜

テーマファイヤー
百花繚乱〜市川三郷夏物語〜

テーマファイヤー
百花繚乱〜市川三郷夏物語〜

神明の花火グランドフィナーレ

神明の花火グランドフィナーレ

神明の花火グランドフィナーレ

神明の花火グランドフィナーレ
   
 今年も縁在って神明の花火に来ることができた。この週は花火大会集中週だけど、蒲郡の後は神明に備えて体力を温存してきた。神明の前日に観たい夏フェスがあって、先行抽選販売のチケットも当選していたのだけど、そこではっちゃけて体力を放出してしまうと、車で出かける神明、しかも翌日は仕事というタイトなスケジュールは無理と考えた。もちろんもっと若い頃なら全部乗せで平らげただろうけどね。
 往路は久喜ICまで繋がった圏央道を初めてその久喜から使う。現地で降りるICを迷ったが、昨年同様に増穂まで利用。所要時間はきっちり2時間と速い。メイン側、もしくは撮影場所近くには一日を快適に過ごせるオアシスがないので、今年も隣町富士川町の道の駅富士川(09:00〜18:00)にお世話になった。
 日にち固定の神明の花火が珍しく日曜開催となったおかげか、道の駅富士川で毎週日曜に行われているという朝市を楽しむことができた。様々な野菜に加えて桃やブドウ、プラムなど山梨らしい果物、花卉類も取りそろえて朝から賑わっていた。買い求めるのは地元の人だろうか駐車場もけっこう埋まっていて焦ったくらいだ。朝採りの新鮮な地場野菜を買い、土産の信玄餅を買い、昼飯を食べて駐車代に見合うお買い物はしたつもり。
 午前中早々に三脚を予定場所に置きに行った後は道の駅でずっと快適に過ごしていた。ここを憩いの場に使う愛好家さんは多くて、たくさんの知り合いの方々に出会って歓談させていただいた。
 到着時に既に道の駅の芝生エリアなどに折り畳み椅子が並べられていて、それはここで花火を観覧するバスツアーが入っているためだ。道の駅に横付けし、すぐそこで観覧、涼しい建物もあり土産も買えて暑い中を歩かなくて済むからけっこう人気のあるツアーらしい。ツアーとは別に道の駅自体も今年は7月12日から特別観覧席(花火側ウッドデッキテラス、1テーブルで5,000円=6人分、他。8月2日に完売)を販売している。道の駅は午頃からあとはずっと満車状態だったので、特別観覧席を確保してあっても夕方来たのでは入庫できない恐れはある。
 外のトイレ(トイレは別館)を使うだけで目眩がするほどの暑さだった。この日県内甲府市の予想気温は37度。笛吹川と釜無川の流れるこの花火会場一帯は川面を渡る風が心地よくて少しは気温が低いだろうがそれでも猛烈な暑さ。ほとんど道の駅の建物から出られない。富士川大橋を渡って三脚を置きに行き、昼過ぎにその様子を見に行き、夜の本番と3往復したけど汗びっしょりになる歩き。三脚だけは蒲郡に続きまたまた10時間以上も代わりに場所取りしてくれた。撮影場所は昨年とほぼ同じ、つかぴったり同じになるようにした。昨年生じた課題をクリアするためだったが、結果としては今年もまたああすればこうすれば、という目標ができて、次回が在ればまた同じアングルでやるだろう。以前の神明ならメイン会場の堤防道路上で撮影できたが、近年のワイドの規模だと下がらないと難しい。地元を含め多くの写真愛好家が集う高台は距離があるからその点は理に適っている。そこに登るのもいいけど帰りに時間がかかりそうで、住人であるとか、翌日も休日とかならともかくちょっと二の足を踏む。そこへいくと現在の場所は歩きは伴うけど町からの脱出は速いのだ。
 富士川大橋の途中に町境があるようで、そこを過ぎて市川三郷町に入ると橋上でプログラム紙を配っている。町が違うので富士川町側では道の駅にもどこにもプログラム紙は置いていない。しかし有料見物席は在るという微妙な関係。
 16時過ぎに機材を運んでスタンバるが、持って行ったお茶のペットボトルは車内に置きっぱなしだった故「熱っ」と飲んでびっくりするくらいに加熱されていて笑った。カメラや機材も加熱されていてホカホカになっている。撮影場所は風が吹き抜けて心地良かったが陽射しは遮るものがなく、それが山の稜線に没するまで近くの木陰に避難して開始を待つ。近くには知り合いではないビデオの人とスチルの人が一人ずつだけ。他は18時を過ぎてからやってきた近隣の住民、家族連ればかりだ。周りもゆったりしていて心底のんびりできる観覧。
 スタートからアナウンスは途切れ途切れに聞こえるくらいだが、耳をそばだててなんとか進行はわかる。長い待ち時間だったぜ。風は日中はずっと北東で夕方17時頃からは南南東と順風気味の横流れ系でまずまずのコンディション。車だから昨年同様カメラは2台出したが、サブは押さえ的な。
 プログラムに記載されないコンクールの担当煙火師は、
1 株式会社山内煙火店(山梨)
2 株式会社丸玉屋小勝煙火店(東京)
3 株式会社マルゴー(山梨)
4 小口煙火株式会社(長野)
5 斎木煙火本店株式会社(山梨)
 後半直ぐに入るメッセージ花火も、普通ならプロポーズなどのメッセージとともに聞き流し、ちょっと休憩タイムくらいに考えるのだけど、メッセージと共に上がる玉が凄くて結局休み無く撮ってしまう。
 二尺玉はスターマインに含まれるものを入れると計6発(山梨産2発、新潟産4発)あった。しかしその内容は全て芯入錦冠菊で、昨年は芯菊が1発入ったと思うがもう少しバリエーションがあればなぁと思う。特にスターマインに続けて打つ玉は出来が良いだけに単独でじっくり観たいところ。
 テーマファイヤー、フィナーレ共に両煙火店の持ち玉を十二分に活かした最大の見せ場で目が覚める展開だった。目の前で咲く、聖礼花やブーケなどは、かつて競技会などでそのたった1発が観られることが希少で感動していたわけだが、それがここでは次から次へとふんだんに、惜しげもなく乱舞している光景はまるで夢のようなひとときだった。もったいなさ過ぎて泣けるくらいの振る舞いだった。その足元ではレインボーカラーの星打ちが繰り返し行われ、豊富な色彩、煌びやかな咲き誇りは、間違いなくテーマ通りの百花繚乱。長く暑い一日の待ち時間の労苦を吹き飛ばすような幕切れだった。もちろん大会全編が素晴らしいのだけどこの最期の数分間だけでも見に来た甲斐があった。地元の2大煙火店が協力し合い、競い合い、いつしかいずれ劣らぬ素晴らしい持ち味とパフォーマンスで満たされた大会になったのだと感嘆した。両煙火店が得意とする星が様々なパターンの虹色変化だから、レインボーカラーがふんだんに観られた晩でもあった。
 手早く片づけて21時30分に車にたどり着く。もう既に道の駅の本体施設はクローズ。観覧ツアーの椅子席も綺麗に撤収されていて驚いた。トイレやら出発準備をしてから車を出し、21時45分には高速イン。帰りも2時間で快速で帰れると思いきや、順調快調と走るのもつかの間、日曜の夜なのに相模湖や小仏トンネルを頭に20キロ近い渋滞に巻き込まれて、まる1時間よけいにかかってしまった。良かったのは出口ICでとっくに日付が変わってしまったせいで高速料金が割引で往路よりかなり安かったこと。「まるで夢のようなひととき」のフィナーレのおかげでずっと幸せな気持ちで走れた。それがなければ翌日に仕事を控えてとてもじゃないけど平穏な感情で渋滞にはまることなんかできなかっただろう。帰宅は圏央道久喜開通前の昨年より遅い0時半だった。来年は月曜開催だからまたまたその日だけ休みにしても翌日仕事という厳しい観覧になりそうだがなんとか都合をつけてまた観に来たい。

    

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