花火野郎の観覧日記2016

観覧日記その1 3/12
28th 雪原カーニバルなかさと/舞子雪上花火大会

  
新潟県・十日町市/南魚沼市


撮影場所から打ち上げ方向
まだキャンドルは未設置

キャンドルを並べています

全てのキャンドルに
灯が入りました。

キャンドルの様子
 

松明滑走に合わせて打ち上げスタート

  

  

舞子雪上花火
右下が舞子高原ゲレンデ
   
 2月に入ってからタイヤを冬用にしたけど自宅近くでは出番がない。このままだと適所で使わないまままた履き替えることに・・・。という気持ちと、何か綺麗な物を観たい、そんな衝動で上越まで車を走らせる。2016年度になって初の花火観覧になる。途中から高速道を使うが関越トンネルはまだ先という前橋を過ぎたあたりで30分ほど渋滞を浴びて萎える。少し早く出てきて良かったぜ。久しぶりの関越トンネルを抜けると新潟は終日晴れ、という予報に反して雪じゃないかよう。暖冬と呼ばれていたが果たして高速道脇の山斜面などを見るに雪が残り少ない感じだ。
 塩沢・石打ICから一般道をなかさと清津スキー場に向かう。途中の峠道は引き返そうか・・・と考えるほどの雪降り。晴れじゃなかったんですか。しかし前回車の背丈を超えていた道路端の雪の壁はそれほど高くない。
 現地に正午頃たどり着くと時折晴れ間も見える天気だったので安堵し、もうここまで来たからには観て帰るしかない。このイベントは3回目だけれど、初観覧が2000年、前回が2008年と8年ずつ間が空いたという久しぶり。2008年から6年間はマイカーが無かったので雪国にはまったく来られなかった。それと天候の予報がいい具合にならない年が多く観覧を断念した時もあった。 現在はJR十日町駅西口から無料シャトルバスも運行している(3/10締め切りの事前予約制。所要時間は約45分)。
 まずはざっと空身でロケハン。午前9時から様々なイベントをやっているので会場は既に多くの客で賑わっている。スノーキャンドルを並べる雪原の緩斜面を見ると、なんとっ、既に三脚が20本くらい並んでいるではないか。あわてて車に取りに戻って三脚の壁の端に連ねる。たしか2008年の時はキャンドルエリアと見物エリアの境(そこが三脚ライン)が決まったのが15時近く。それから一斉に三脚を置いたので余裕とみていたが先着順になっていたとは。既にキャンドルエリアの端には境界を示すポールが何本も立っていて、それに沿うように三脚が並んでいた。出遅れた、良さげな場所は売れ切れたと思ったが、いや待てよ、三脚ラインがこんなに前だったかしら?どうも若干、三脚ラインが花火寄りに前に出ているような感じだ。事前に前回の写真を見て来たが、どうやら三脚を連ねた場所はたまたま前回とだいたい同じような位置だった。これより左側では花火が立木の向こうになるし、右側に行くとキャンドル群が構図から漏れて少し欠けてしまう。それに目の前を松明滑走が通るのでそのコースと花火とキャンドルの兼ね合いも重要だ。うぁぁぁもう立ってる、とどたばた立てた場所は偶然いい具合?
 撮影場所も決まるとあとは会場でいくつか買い食いしてお腹を満たし、車で昼寝をして過ごす。午後半ば、15時からのキャンドル設置を見に行くと、知り合いの愛好家氏数名と出会ったので歓談と情報交換。打ち上げ場所はほほ変わらないそうだ。2008年の時に徒歩で花火群を見に行っているので今回はパス。
 車で待機していると16時くらいから再び雪が舞い始め、気温もぐっと下がった感じだった。三脚は2本出して縦位置と横位置、という段取りだった。若干花火に接近している気がして前回よりやや広角目の焦点距離チョイス。18時から一斉にキャンドルに灯を入れ始めるが、着火スタートの合図として花火が上がる。つまりそれで花火の出どころが正確に判るので、この時点で構図が決まるがしばらくは目の前のキャンドル群を撮りまくる。まだ空の明るさが残るあたりの蒼みがかった時間帯がもっとも美しく見えるからだ。
 機材を三脚まで運んだ17時30分くらいから後はずっと斜め向かい風に乗った降雪で、これはカメラを2台構うのは無理かと1台だけ載せて袋を被せていた。予報では順風のはずだったがすっかり曇っている空といい読めないなぁ。直前10分くらい前に小止みになったところでやはりもう一台用意する。左斜め前からの降りなので傘は使えない。撮影直前までレンズキャップを付けたままにして、外した後はもう着雪するかは運任せ。
 18時40分、松明滑走の一団がキャンドルエリア上部からスラロームしているコースを滑り出す。ちょうど先頭がエリアの中央を過ぎたくらいのタイミングで花火が同時に始まる。花火は最大4号で、幾種類かの小型煙火や扇打ちも含まれて以前より時間も長く量も多い感じで満足だった。10分足らずの撮影が終わるとレンズフードの内側下に雪が積もっていた。
 この後フィナーレ花火として20時からもう一度打ち上げがあるが、撮影・録画組の愛好家は片づけて次に向かう人が多い。私も初回はここでキャンドル群を撮りながらプログラム最期まで過ごしたが、フィナーレ花火の頃にはキャンドルが大部分燃え尽きて燃え残りの残骸になってしまうので絵的に寂しいのだ。
 初観覧の撮りは銀塩カメラのみ。2回目は銀塩とデジタルカメラの同時撃ち。今回は2台ともデジタルカメラと自身の花火の撮影体勢も変わったのが年月を感じる。しかしながら一貫してこの数万個のスノーキャンドル群が織りなす美しさは不変で素敵だ。圧倒的な数の灯火が、無数に瞬いて揺らめく様は幻想的でいつまでも眺めていたい光景だ。極彩色のLEDによる複雑に明滅するイルミネーションとは別物の、温かい光の海だ。並べ方も毎回違うのかキャンドルの佇まいは前回とまた違っていて面白いと思った。

 直ぐに再撮影できるようにカメラを三脚に載せたまま車に積み込み、19時過ぎに車を出して2箇所目、舞子高原雪上花火に向かう。清津スキー場近くの接続道路には駐車場に入りきれない車の長い路上駐車の列が続いていた。
 今夜はこの塩沢・石打エリアで、舞子、上越国際、湯沢中里とスキー場での花火イベントが重なっている。微妙に開始時間差があるので、2箇所は十分観られる。上手に車を走らせれば3箇所も可能?なかさと清津スキー場から舞子の予定観覧場所までは30分ほど。私は無理をせず、20時20分スタートということで急がないでも十分間に合う舞子だけにした。舞子はスキー場内からは何度も観ているので、今回は下の三国街道あたりから遠望しようと考えてストリートビューで撮影場所をロケハンしてあった。
 三国街道で路註は考えられないので、コンビニとか脇道とかそういうところに車を乗り入れるつもりでそれもロケハン済み。駐車場所から舞子高原スキー場方向に視界を確保するには少し歩かなければならなかった。隣は田圃でそこに面すると視界が拓け舞子と右側に石打丸山スキー場が一望できる。こちらに来ても空からは相変わらず雪が降り続いていた。視界がなくなるほどの降りではないが傘をさしながらの撮影になった。車から機材を運び待機する。開始まであと40分ほどの到着時には舞子高原スキー場上空は低く雲がかかっていて、ナイター照明を映してほんのりオレンジ色に染まっていた。こりゃ10号は打ち込んでしまうなぁ。やがて20時10分頃にスキー場の照明が落ち、山斜面上部から松明滑走が始まった。過去にはこの舞子のゲレンデ内で何度か目の前を通るこの松明滑走を見ている。気が付くと先ほどまで見えなかったゲレンデ後方の飯土山の頂上と稜線が見えていた。打ち上げ空間上空はいつしか雲が取れていた。何度か見ていて打ち上げ場所もだいたい判っているつもりだったが、いざ始まってみると予想より左側で縦位置に構えていたカメラを寝かす。ゲレンデとのバランスを調整して撮影開始。風は弱い南風か、7号10号の開花域に煙が溜まってスッキリ感はいまいち。舞子は雪原カーニバルとはまた違った煙火業者になる。しかしやはり10号が入ると高さもあって見栄えがするなぁ。花火は15分か20分くらい。ナイター照明が戻るのを待って再露光して撮影終了。
 片づけていると、近くの軽トラの車内から花火を見物していた年配の人が、「この後石打もあるよ」と教えてくれた。石打丸山スキー場は関越道を挟んで舞子と対面した場所にあるから、今の撮影場所からカメラを90度振るだけで撮影できる。しかし2015は妻有と同日開催だったので先週終わったんじゃないか?あるにしても昨年観ているし、舞子以上に風向きが下で悪そうだ。引き上げにかかり機材を積み込んで車を出すと、国道に出たところでフロントガラス越しに石打のイベント花火が始まった。地元の人が言ったとおりやはり今夜なのか。予想通り真っ向から煙が来る花火を車内からチラ見しつつ塩沢・石打ICへ向かうと、昨年妻有の帰路でこの石打の花火を撮影した場所を通りかかる。その時は私一人しか居なかったのだが、今回は車内から見物の路駐の車両が連なり、路肩で撮影している人も居たりでいささか賑わっていた。それというのも道路脇に積み上がる雪が前年より少ないせいではないだろうか。
 帰路は関越トンネルを抜けても渋川・伊香保の先までずっと降雪が続いた。雪国に来て都合3箇所のスキー場花火イベントが観られて満足な一日だった。

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