花火野郎の観覧日記2016

観覧日記その19 8/27
第90回 全国花火競技大会 大曲の花火

  
秋田県・男鹿市


昼花火
天空に蓮竜の舞
大曲花火化学工業有限会社

昼花火
昇曲導付煙蜂乱舞
信州煙火工業株式会社

昼花火
煙竜の舞
株式会社山内煙火店

昼花火
雄物川に煙竜乱舞
株式会社紅屋青木煙火店

昼花火

  

オープニング500メートルナイアガラと
スペシャルスターマイン

オープニング500メートルナイアガラと
スペシャルスターマイン

 

 

  

10号自由玉・虹色のグラデーション
株式会社斎木煙火本店

10号自由玉・玉桜
株式会社小松煙火工業

10号自由玉・大曲冬物語
株式会社紅屋青木煙火店

10号自由玉・曲導付青海に花あかり
筑北火工堀米煙火店

広告仕掛け花火

10号自由玉・ラベンダーの花園
若松煙火製造所

10号自由玉・春の訪れ
株式会社マルゴー

10号自由玉・スノークリスタル
株式会社磯谷煙火店

10号自由玉・昇り分砲付八重芯朧菊
有限会社伊那火工堀内煙火店

  

大会提供花火「歓喜」

大会提供花火「歓喜」

大会提供花火「歓喜」

大会提供花火「歓喜」

フィナーレ特大スターマイン
カラフルなエール交換
   
 2013年以来3年ぶりだ。昨年も行こうとしてツアーを申し込んでいたが、開催週に風邪でダウン。今年は無事に観覧を果たせた。ツアーを選んだのは、もうフリーではホテルや新幹線指定席を確保するのが容易ではないからだ。往復の足と宿がセットされたツアーは価格もさることながらとくに宿の確保ができていることが大きい。私は有料観覧席については抽選販売になってから自力で申し込んで一度も当たった事がないので、その入手についてもツアー購入と共に仲間にお任せした。
 正午過ぎに大曲駅着、色々なにやらディスプレイとか新しくなっているようだ。駅でプログラム誌をゲットしてから愛好家達の憩いの場である「花火庵」に直行して15時過ぎまで過ごす。この間、花火庵では花火鑑賞士による花火関連セミナーが行われている。知り合いの鑑賞士が順に講師に立つので、レクチャーを楽しんだ。
 15時をまわった頃に会場河川敷に向かう。現着するまで盛岡から大曲に至る車窓は予報に反してどんより曇り空だったが、花火庵で休憩しているうちに好天になったようだ。観覧場所はC席だったが指定区画に三脚を置けば強烈な陽射しに焦がされた。ほんの2日前までの予報は激悪で、開催日は一日中雨とかのどうしようもなく悲観的な予報だった。それが前日金曜は半日ほども雨だったものの、開催日は終日晴れマークの予報に変わった。既に関係者によって対策されたのか河川敷を一見したところ特に通路などはぬかるんでいるようには見えなかった。
 団体客の一部はすでに塊になって所定位置に座らされていたが、私はさすがに炎天下から退散することにして、大曲に来たときは永い午後を過ごすことにしている憩いの日陰エリアに移動した。それから1時間半ほど太陽が少し傾く16時半くらいまで快適に過ごした。そうした場所にいれば通り抜ける風はひんやり涼しく、汗に濡れた身体には寒気を感じるくらい。
 昼花火競技の開始は17時30分、17時前にお席に戻るとちょうど同じマスで観覧する他4名も到着していた。昼花火競技の序盤は、日没する太陽がほぼ開花位置近くにあって眩しくて見づらかった。それでも珍しく何年かぶりで快晴の昼花火だったので、競技はきっちり撮影する。
 競技中盤は日没後の陽光を浴びて、スモークが一番綺麗に立体的に見えた。後半組は、もう陽射しが作品に当たらず、スモークの発色も冴えなかったので見栄えがいまいちだった。
 夜の部が始まるという頃、背後から弱いものの冷たい風を感じ、東成分の良風であることがわかった。東の予報は出ていたものの、この会場で東風というのはめったに無いので信じがたかったのだ。昨年、夜の部が同等の風向きだったが、その直前まで雨、というコンディション。
 昼花火が快晴の空を背景に見られることもめったに無いが、好天に恵まれて、かつ開催中の東風も希だ。私の観覧経験では10年や15年に一度あるかないかの好条件。
 当初地上近くは南風、上流から川沿いに吹く風だったが、次第に北東方向に変わった。そうなると全ての打ち上げが順風で綺麗に見える。広告仕掛けなど物量が在るときこそ多少は滞留するものの、割物や創造花火など競技枠の玉数では問題なく綺麗に見えた。割物は多重芯ではキマる玉が少なかったものの、自由玉では目を見張るものが多く出品されて楽しかった。八方咲系が増えたのも流行といえるだろうか。
 撮りはカメラ1台で三脚は1本。大曲は経験上ズーム1本で全てのプログラムを撮れることがわかっているので、よけいな荷物は持たないで来た。それに天気予報が悪かったので最低限の荷物にしてあった。もちろん故障に備えてカメラボディは予備がある。この日はコンディションが良かったせいもあり、途中でどんどこ撮っているうちに、「足りるのか?」とメモリー残が気になった。案の定後半に入って残りが少なくなり、大会提供のあと1業者の出品を撮ったところでメモリーカード交換。花火撮りで32GBが底を付きそうになるなんて2015の土浦以来か。競技だけだと問題なくても、創造花火以上に物量の多い広告仕掛けなんかもきっちり押さえていると足りない、足りない。
 大会提供は21時寸前に始まった。今回は90回記念スペシャルプログラムで、例年の大会提供とは異なり、テーマ性やストーリー性は無く、全体の8割ほどを各出品業者供出の玉を順に打つパートが占めていた。それぞれの得意玉がワイドで5〜7発ずつ打ち上がる間はゴージャスだった。
 終了後は彼方のトーチと此方のライト類とのエール交換のひと幕になり、私は毎回それを横目に片づけをしているが、おもわず手を止めて見とれてしまった。周りの客も前のA桟敷の客も、最期のフィナーレスターマインが終わるやいなや、この時を待ってましたとばかりにライトを取り出して降り始めていた。
 花火師側のトーチは例年通りだが、観客側はおそらく音楽ライブなどで使うライブLEDライトやLEDコンサートライトをこの時のために用意してきているのか、実にスーバーカラフルな光景になっていた。こんな綺麗なエール交換は大曲では初めてだった。たいていは観客側は懐中電灯やペンライト、はたまたスマホの画面などを振っていたのが様変わりだ。
 ライブだと色が統一されていたりもするが、ここでは実に色とりどりで素晴らしく綺麗だった。のちにNHKの録画を見たら横方向から客席を録った絵があって、もっとボリュームのあるカラフルなライトの乱舞に感動した。現在は1本で12色カラーチェンジできるライブ用ライトもあるようで、さっそくAmazonで買うことにしたくらいだ。
 このエール交換の最中に、火薬の匂いがC席に立ちこめていることにも気が付く。打ち留めになってから西の向かい風に変わったのだ。なんとラッキーな。陽が落ちたあとは、あれほどじりじり焦がされていたのに急に寒くなった。花火に熱中している間は気にしていなかったが、打ち終わって我に返ると肌寒く感じた。
 毎回のことだが花火終了後に大曲駅ホームに立つと、花火も終わり、花火を追いかけた夏も終わりだなぁと思う。とりわけ今夜は涼しく、夜の空気はひんやり冷たいからかいっそう季節を感じて少しもの哀しい。
 泊まりは秋田駅近くのホテル。ツアーを申し込んだ仲間によれば帰りの大曲〜秋田間の新幹線指定席が事前にいくら努力しても取れなかったらしいが、当日同席した鉄分の濃い若い愛好家仲間が、携帯電話で指定席のキャンセルが出ているのを確認してゲットしてくれたので座って秋田駅まで行けた。感謝。
    
    

INDEXホームページに戻る
日記のトップに戻る