花火野郎の観覧日記2016

観覧日記その23 10/21
TOKYO数寄フェス 不忍池ファイヤーアート 和火・茶火

  
東京都・台東区


開始前のロケーション
     

  

  

  

   

   

  

  

  

   
   
 この晩はお台場の花火もあったのだけれど、それは12月に恒例のレインボー花火として5回ほど開催されるので、この日限りになる上野のイベント花火をチョイス。
 平日の晩とあってどちらに向かっても仕事帰りではぎりぎりかな。台場なら勝手がわかっていて、どこかのポイントに直接向かえるけど、上野の方は初お目見えなので、何がどのようになっているかわからない。
 TOKYO数寄フェスは、文化芸術拠点としての上野公演一帯にARTが集い、日本文化を世界に発信。といった趣旨でさまざまな形のアート表現が展開されるイベントだ。仕掛けたのは、東京芸術大学と東京都。そのうちのひとつがこの花火を使ったアート表現「不忍池ファイヤーアート 和火・茶火」。「夏の夜空を彩る花とは異なる花が不忍池に咲きます。都会の中に潜む不忍の闇を彩るファイヤーアート和火・茶火を目撃してください。」とのキャッチ。アーチストは日比野克彦 + 島田清夏。
 不忍の池の一角のボート池で行われるとのことだが、その辺りは行った事がなかった。いや小学生時代の上野動物園への遠足で行ったか。上野駅を出るともう辺りは暗い。不忍の池の外周をまわって丁度駅と反対側がボート池。15分ほどで現着。池の大部分は大きな蓮の葉が生い茂っていた。途中の外周道路ではなにやら人が多いが、このイベント目当てではなさそうでどうやら例のポケモンGOか。不忍の池では珍しいターゲットが居ると報道されたことがある。途中に何人かガードマンが警備していて、それでイベントがあるのだと判るくらい。
 肝心のボート池まで来ると開始を待っている客が居たがそれほど多くない。なにしろ東京都がバックになっているわりには、駅にボスターもチラシも見当たらないイベントだ。公式HPもあるが私もネット上で台場ともども開催情報を見なかったら知らないままだった。もっとも大々的に広報したところで河川敷や海岸のように広いわけじゃないから、人が押し寄せすぎても困るのだろう。
 ようやく開催場所に着いて、池方向を見ると暗い水面に何カ所にも分けて一塊の花火セットが点在。置いてあるか浮かせてあるのが見て取れたがもう暗くて詳細はわからなかった。なにか構図上のアクセントを、と思うと暗闇に池の中心に位置する弁天堂がライトアップで浮かび上がっているのでそれをアクセントに入れた構図を探る。最前列にはもう客が居て選べる場所が限られた。畔には樹が多く、池面を広範囲に見通せる場所が少ない。しかも花火設置の正面側はフェンスで囲われて関係者様のエリアになっていて入れなかった。もう少しくまなくロケハンしたかったが、開始まで30分を切っていたので妥協する事にした。
 最前列の客が立っているので、その頭越しにカメラを高く据えて撮る事にした。以前お台場でもやったことがあるが、ノーファインダー撮法だ。三脚の脚はめいっぱい伸ばし、エレベーター部も最高まで繰り出す。これでカメラはバンザイして撮るほどの高さになる。踏み台を用意してない時、その高さになるとファインダーは覗けないのでノーファインダー撮法。花火の展開具合は想像で考え、弁天堂や花火の水面への反映、周りの木々の入り具合など出来上がりを予想。そして前の客がスマホを取り出したり、脇から斜めバンザイして撮られても最小の被害で済むように、周囲の客をできるだけ画面外に出す事を考えて画角や構図を決める。全ての花火設置が撮れないのは仕方ない。カメラを最大高くして撮影。エレベーターを下ろして確認。向きを微調整というのを何度かやって、本番はカメラだけ高く上げてファインダーは覗かないで撮る。という結果がその場で見られるデジタルカメラならではの方法。こういうのもデジタルになってから自分の中で必要が生んだやり方だ。周りと背後を客で囲まれたので三脚の脚だけ蹴られないように気を配る。池端の木々の枝や葉っぱや、水辺の手すりとか水草とかいろいろ障害物もあるが、辺りに照明もなくそこそこ闇に沈んでくれるだろう。
 開催情報を見た時から場所柄、打ち上げ物はなしで、ジャーブとか星打ちとかそうした煙火類だけで構成するだろうと予想していた。そしてそれに合わせた撮影の段取りも考えてあった。
 煙火はずっと打ちっ放しというわけではなく、音楽も無い静寂の中で、水上に置かれたいくつものセットからランダムに打ち出す、または一斉に打ち出す、といった展開。スマホで写真や動画を撮ろうとする客は、唐突にパパパッと打ち出して終わり。間をとってまたしばらくしてシュバシュバッといった“いつ花火が飛び出すかわからない”展開になかなか着いて行けないようだった。
「静寂の池に咲く侘び寂び」と枯れたテーマだからか、金銀、和火といった無彩色の火が中心で一切の色味がなかった。星打ちもそれほど高く上がらない小さなもので、それらも全て白一色。トーチ、フラッシュ、ジャーブ、回転もの、星打ちで構成。
 18時45分から正味15分で終了。片付けている間に背後を通って引き上げる客はそこそこ多かった。次回があるのかどうがわからないが、その時のためにボート池周辺をロケハンしながら帰る。
    

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