花火野郎の観覧日記2017

観覧日記その23 11/11
おやまバルーンフェスタ2017 ナイトグローショー

  
栃木県・小山市




  
   
 昨年。グローイベントの場所が変更になったのを知らずに痛い経験をしたので、今年は雪辱にと最初から総合公園に向かった。
 車だと自宅から4〜50分というところ。JRだと小山駅まで30分だが、会場の小山総合公園まではJR小山駅から4キロメートル以上あるので、そこまでどう行くかがネックになり、結局車がペスト。
 日中から風が強く、午後2時30分からのフライトを見物して時間を潰すつもりがそれ自体が中止になってしまった。この日は午前中の競技で終了。体験イベントも中止になった。この時点でずいぶん見物客が帰って駐車場もすかすかになった。
 なにしろ直ぐ西側の河川敷やその向こうの田圃地帯から猛烈に土埃が舞い上がり、公演内が白っぽく見えるほどだった。河川敷の花火の設置を見に行こうにも(午後早い時間では準備していない)堤防道路に上がれないくらいの向かい風だった。で、ずっと車内で待機。車にも白くなるくらい土埃が降り積もった。私は小山のバルーンは何度か観ているが、この場所で見るのは初めてだから、いちおうロケハンして撮影位置の見当はつけたが、後は実際にならないとわからない。
 風が強いと、グローイベント自体が取りやめになるか、または球皮(気球の本体風船の部分)を外して、バスケットとむき出しのバーナーだけのイベントになってしまうのが怖い。確かに危険ではある。受風面積がめちゃくちゃ大きいバルーンは、風が在れば思い切り煽られる。同様のイベントで、風のためにバスケットごと横倒しになったのを見たことがある。バーナーの口火が着いている状態なので非常に危険だ。しかしバーナーだけというのは、グローバルーンの最大の見せどころを封印するわけだから何の意味もない。ナイトグローはバーナーで内側から照らし出された気球が巨大な電球が点ったように夜空に浮かび上がる、まさにそれを見せるためのイベントだからだ。
 そんな状況だが知り合いの愛好家氏何人かと出逢い、歓談できたのは良かった。夕刻、皆で堤防道路に設置を見に行くとちょうど準備が始まって、既に打ち上げ筒が3ヶ所に分けて並べられていた。その位置からもう一度撮影場所を調整してまた待機。
 17時過ぎに撮影予定場所に機材を運んだが、風は予報に反して収まりそうもなかった。なにしろ千葉か神奈川かでは竜巻注意報出たくらいの日だ。駐車場にもグローイベント目当ての車がどんどん入ってきた。
 そして開始前の本部アナウンスで、「強風のため球皮を外した状態でイベントを行います」と正式に言われてしまって、風がどうにか収まりさえすれば、という一縷の望みも無くなった。
 最初は膨らんだ気球がいくつも並んだ状況を想定して、それら全体が収まるであろう離れた位置に三脚を建てていた、全体規模については、イベントを行う「森のはらっぱ」に各チームが係留する位置決めが既にされていたのでそこから推察した。しかしこの間合いはあくまでバルーンが膨らんで並んでいる、ことを前提としている。それがバーナーを焚くだけになると、大きな気球の直径に対してバーナーが小さすぎて見窄らしいことこの上ない。当初バーナーだけと発表されたらその場で帰ろうと思っていた。それほどグローバルーンイベントでバーナーだけというのは情けない。闇夜にバーナーで自チームの気球を浮かび上がらせてアピールできるからこその、参加チームにとってもお祭りのようなイベントだからだ。
 じゃ帰ろうか、と思った時に既に並んだバスケット群を大勢の一般客が直ぐ近くで見ていることに気が付いた。通常のグローバルーンなら、それぞれの参加チームは最低でも膨らませた熱気球の直径分以上の間隔をとって配置する。しかしこの晩はバーナーだけのイベントになったので、それぞれのバスケットはかなり接近して寄せ合った状態で置かれていた。全体成りが省スペースになったせいか、けっこう接近したところに見物ラインが引かれていたわけで。
 それではっと閃いて、花火を入れるのが厳しくなるのを計算した上でもっとバスケットに接近してバーナーの炎を大きく写せばいいんじゃないか、と考えたのだ。バスケット同士圧縮して置かれていたので、離れているとその部分がたぶん花火に対して小面積すぎる、というカンも働いた。
 というか、競技フライトも無しで、昨年はそれでも見られた飛んでいる熱気球を今回は1機すら見ていないのだから、これで帰ったら、小山まで飯食いに来ただけになってしまうじゃないかよう。
 競技にどれくらい参加したのかわからないが、グローに参加したのは12チームだった。いよいよ開始間際になって、球皮を膨らませないので、より安全だからといって「もっとバスケットのそばでご観覧下さい」とアナウンスされ、私のような写真や動画を撮らずに見物だけの客は一斉に各チームのバスケットの周りに近寄った。バスケットの合間に見物客が入り込み、見るからに楽しそうな良い感じの光景になって、これは絵になる、と写真屋としては思ったものだ。
 そして練習で一斉にバーナーを焚くと顔が火照るほどの熱気を感じ、かつ炎が密集しているので良い感じだった。あとは花火がどこから出るか?
 イベント開始から15分以上は一切花火無しで、チームの紹介とかそういうのをやって、花火はラスト10分ほどだった。
 最初の出だしで直ぐに撮影位置を変え、その後も2度3度変えた。当初離れて撮るつもりが、花火に接近したので、予想と見た目の打ち上げ空間がかなり違っていた。あとは臨機応変で。横位置でいけるかと思ったが、やはり無理。16ミリレンズを縦にしてやっと。バーナー群は適当に全部を入れないで切るしかない。バーナーと花火がいい具合に収まったのは、結局2〜3カットにすぎなかった。これまで見たときのように司会のアナウンスに合わせて3,2,1「バーナーオン」+花火というような撮りやすいものではなく、花火が始まったら打ちっ放しで、バーナーも音楽に合わせて適宜ご自由に、と言う感じだった。その分各チームは盛大に燃やしてくれたので炎の歯抜けが一切無くてなかなか絵になった。
 結果としては、グローバルーンと花火のはずが、「炎の祭典」と花火になってしまったから昨年のリベンジは果たせなかったが、それなりに絵になったのでまぁいいかと。しかし正午から半日も待機した割には少々残念な結果と言える。画角や間合いのデータが取れたので次回に期待しよう。

    

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