花火野郎の観覧日記2020

観覧日記その3 2/23
車山高原skyparkスキー場 ゲレンデ花火大会

  
長野県・茅野市



御射鹿池

御射鹿池

御射鹿池

御射鹿池

ゲレンデ全景

 

リフト待ち

   

   

   

  

 

  

  

冬の夜空を撮影
    
 車で長距離ドライブ。煙火芸術協会の60周年祝賀会で、茅野市の太陽堂田村煙火店の田村清治氏と歓談させていただいて、そういえば競技会を除けば田村煙火の地元では長らくその花火を見ていないなぁ、と。そして長野行。何度も冬には出かけている田村煙火担当の車山スキー場を目指すが、そこだけでは時間を持て余すので(スキーはしないので)、近場の景勝地、蓼科の「御射鹿池(みしゃかいけ)」に立ち寄る計画。近年日本の絶景ムックなどで紹介されている場所だ。
 そこは山坂道を登って行った先に在り、猫の額ほどのといっては何だが、人工池のような形状。新緑や紅葉の頃なら絶景かも知れないが、この季節ではまるで枯山水。色味のほとんどない水墨画のような風景だった。寒い。それでも路線バスが客を運び、マイカーもけっこう駐車していて、入れ替わり観光客がやってくる。ここで小一時間撮影を楽しんだが、雲が多めでほとんどの時間が陽射し待ち。池の一辺しか立ち入れないので撮影ポイントは限られる。場所が分かったので機会があれば新緑やら紅葉のシーズンに来てみよう。
 御射鹿池から車山までは車で30分ほど。途中で遅い昼食にしてからゲレンデへ向かう。しかし白樺湖を過ぎた大門峠から先は例年なら圧雪路で迫る雪斜面に圧倒されながらの道程だがこれが全然雪が無い。いちおう冬タイヤだけれどノーマルで駐車場まで楽に入れる。夜間に凍結するような所も無い。
 駐車して冬用の長靴に履き替えて久しぶりのゲレンデへ。そして仰天した。過去にこれほど混み合ったこの場所を見たことがない。スキーよりスノボの客の方が多そうだが、90年代初頭のスキーブームの時のような、高速クワッドリフトへの大行列が出来ていた。おそらくは他のスキー場に雪が少なくてここに集中している格好か。ちょうどその90年代頃、この場所に初めて来ているが、何しろゲレンデ近くの駐車場は満車で、3キロも手前の白樺湖近くの駐車場に入れさせられたくらいだった。スキー客は前の晩に到着して仮眠して朝を待つなんていうのが普通で、暖房の効いた仮眠室が用意されていたくらいだ。  それからこの場所でのマイポイント。過去に何度も撮影した小高い斜面に立つとゲレンデ全景が見渡せる。賑わっているなぁ。まだまだ花火の準備は先だろう。インフォメーションで確認すると20時30分までクワッドリフトが営業し、そこで滑走は終了。21時から打ち上げ。三脚を運ぶのは夕方でいいだろう。しばらくは車で昼寝と待機。
 駐車場の車の中での長い待機時間。この駐車場を埋める車、そして着替えや帰宅のために戻ってくる家族連れをはじめとした多くの客。それらをぼーっと観ていてあることに気が付いてしまった。この駐車場はショッピングモールなどのそれとあることが大きく違っていることに。車のグレードがぜんぜん上なのだ。軽なんかほぼ居ないじゃないか。スキーキャリアを備えた車とか大型の高価なワンボックスとか、グレードの高いオフロードとか外車とか。家族連れを見れば就学前のような子供から親まで一家揃って、近所の公園やショッピングモールじゃなく、スキーウェアを揃え、道具を揃え、グレードの高いマイカーでスキーやスノボ遊びにこられるというのは、やはりそれなりに生活に余裕の在る裕福な家庭ばかりなのだ。現在じゃ手ぶらでスキーなどといってゲレンデ周辺にはレンタルの道具やウェアの店が充実しているものだが、マイボードの客がかなり居るじゃないか。一家分の装備を揃えてシーズン中に一度きりなんてことはないだろうし。私など、ここまでの高速料金におおのき、道中に立ち寄った食事処でのたかがうどん一杯の価格に仰天し、ゲレ食の高価なことにたじろぐ有様というに。
 夕方17時30分を回った頃に三脚をいつもの場所に置きに行くと、ようやく花火業者が軽トラで花火群を運んでいるのに気が付いた。「え・・!!!・そこなの? 」以前とは打ち上げ場所が全く違っていた。思えば車山の冬花火は2001年度が最後。つまり実に19年ぶりの観覧。色々変わっていて当然か。変わってないのはゲレンデ全体の佇まい。細部をみると子供用のエリアがかなり拡大していて楽しそうだった。思えば娘が小さかった頃、ここに花火撮影に連れて来て、日中は子供用ゲレンデで遊ばせていたっけ。
 打ち上げ場所が違うだけでいつもの撮影場所はおジャンになった。ゲレンデは賑わっているが、よく見れば滑走コース以外には雪が殆ど無いのだ。これが構図を制限する。ゲレンデ全体が真っ白に雪に覆われていたら悩まなかったかもしれない。しかし花火設置場所のすぐ後ろからもう雪のない斜面だった。つまり花火の背後に雪面もその反映も見込めないのだ。観覧客の後ろから撮るか、それとも、と慣れた場所であちこち一から時間をかけてロケハンすることになった。以前と同じ打ち上げ場所ならピンポイントで撮影位置が決まり、何も悩まなかったのだが。
 これはどうしよう、と車に戻って小一時間、悩んで善後策を考える。スマホの空撮マップで位置関係や花火からの安全距離を考え、風向きを計算し、かつゲレンデらしい構図とか、。。。そんなのあるんかい。雪が少なくてスキー場らしい構図が限定されるところに、以前とは全く違う打ち上げ場所。風向き。それらを考慮するとどこで撮ればいいのかを。ここまで大金の交通費をかけて来ているだけに、花火写真家が回数稼ぎの適当な写真で帰れるか。
 そしてなんとか撮影場所を吟味して割り出し、20時過ぎに実際に行って構図を確認しながら右に左に微調整し準備完了。晴れ待ちをしたほど雲が多かった日中とは打って変わって快晴の夜空。風はやや強めで寒い。もちろん完全防寒装備だから大丈夫。しかし素手でのカメラ操作は指が冷たさで痛かった。この日は通常撮影に加えて、年末に入手したスマホで一眼デジで撮るように花火を撮れないか実験した。そのこともあって15分の打ち上げでは撮影が忙しかった。スマホに警告表示「本体の温度が低すぎて機能制限が云々」。まぁむき出しだからな。
 打ち上げは単発とスターマイン、従来は無かった小型煙火を使用したもの。以前のように2箇所同時のスターマインとかは無くなったのだなぁ。それでも快晴の冬空に、花火の星の発色は冴え渡り、素晴らしく美しかった。長く尾を引く点滅星が一番印象的だった。終了後は満天の星空を少し撮影してから引き上げる。徒歩で車に戻ること自体時間がかかる撮影場所。真冬の装備をといて積み込むまでしばらくかかった。さらに最寄りの高速INが22時20分頃。ゲレンデからは30分ほどかかった。
 現在はナイター営業ましてやオールナイトなどそんなスキー場はほとんどないだろう。この車山も過去には花火のある晩はナイター営業とセットだったと思う。だから花火が終わってもまだ滑る客が大勢居たから花火を見物する客も多かった。しかしこの晩は花火前に営業が終了してしまう。だからそれから30分、寒いのに花火を見るためだけに残っているスキー客はかなり少なかった。私は会わなかったが花火写真愛好家はいくらか来ていたらしい。
    
    

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