花火野郎の観覧日記2022

観覧日記その3 4/23
The絶景花火@Mt.Fuji

  
山梨県・南都留郡鳴沢村

    


晴天にでっかく富士山

カメラ席からの会場の様子

カメラ席からの富士山

散水中。右側打ち上げ列

10号・四重芯変化菊
有限会社菊屋小幡花火店

10号・里山の忘れ柿
有限会社菊屋小幡花火店

10号・聖礼花
株式会社斎木煙火本店

10号・虹色のグラデーション
株式会社斎木煙火本店

10号・ミラーボール
株式会社磯谷煙火店

10号・マドンナブルーの花
株式会社紅屋青木煙火店

10号・八重芯錦冠菊
株式会社紅屋青木煙火店

株式会社磯谷煙火店

株式会社磯谷煙火店

株式会社斎木煙火本店

株式会社斎木煙火本店

株式会社紅屋青木煙火店

株式会社斎木煙火本店

株式会社斎木煙火本店

株式会社磯谷煙火店

有限会社菊屋小幡花火店

 2020年度のプレ大会に続き、本大会として開催は1年おいて今年開催となった。2020年にクラウドファンディングで出資した参加者には本大会の先行購入権があり、2月に開催の通知と先行販売の案内が来た。しかしクラウドファンディングの権利は先行のみで、普通は先行には早割とか早期購入者は割引特典がつきものだがそれは一切無し。単に一般より早く買えるだけ。しかし案内を見てただちに躊躇したのはその価格。一般観覧は25,000円、VIPは80,000円。カメラマン席は驚嘆のなんと40,000円!自分史上過去最高。こんな高いカメラ席は初めてだ。しかし財政的に厳しくも一昨年の絶景が「アレ」だったから雪辱したい気持ちもあって苦渋の購入。さらに開催地はスキー場。リフト券を購入するスキーヤーには駐車場だって無料なのに、今回は高額なチケットにもかかわらずさらに駐車券まで別売りときたものだ。
 自宅周りでは曇っていたので期待しないで出かけた現地の日中は快晴。気温も高く汗ばむ陽気だった。河口湖ICあたりからは素晴らしい快晴の富士山の眺め。日中はでっかい富士山は埼玉からは拝めないので堪能した。この辺りに住む人は毎日こんなでっかい富士山がそこにあるのが普通なのだなぁと羨望。現地の鳴沢村はちょうど桜の散り時で、富士山と桜や新緑のコラボの撮影ができて楽しかった。どうせ相模湖あたりで渋滞にはまると予想して早めに出たがその渋滞にまったく遭遇せず、予想より相当早く現着してしまった。会場はゲートオープンもまだ先で、近くの道の駅鳴沢で時間を潰した。
 15時から駐車場インできる。さらに観覧会場へは16時入場。私は前回の絶景の時の若干の特権でカメラマン席を入場時間前に下見できた。打ち上げ方向に向かって左右に広く設置されたカメラ席。チケットに記載された購入番号順につまり先着で購入した順に入場して好きな区画を確保する、というシステム。知り合いのスタッフに花火のセッティングを説明されながら全ての区画からロケハンした。そして私の長年の経験則がこの場所に警鐘を鳴らし、私は40,000円も出して買ったカメラマン席に再び入場することは無かったのだ。
 私の中での警鐘は「使えない」ということが第一。花火の設置は3箇所打ちで、センターだけ10号。カメラ席から10号までおよそ300メートルあまり、それで3箇所打ちの幅も300メートルくらい。10号を頂点に三角形の配置だ。しかしカメラ席から見ると左右幅は強烈にワイドだった。しかも目視で筒の数が数えられるくらいの距離。そして至近距離の10号。花火に近すぎ、ワイドすぎ。観るぶんには迫力だろうけど、写真屋には酷な稀に見る至近距離地獄。これは撮影に経験が浅いカメラマンには気の毒だ。この至近距離と幅では、画角も8ミリから14ミリ程度の超広角領域の撮りになるし、間合い350メートル程度で、カメラ席より標高が高い位置から打ち上げられる10号はおそらく頭の上。写真撮影に熟知した人間が設定したカメラ席ではない。なんでもいいからカメラマン席を設ければ高くても買う奴は買ってくれる、その程度の設定。ゲレンデだからカメラマン席が一番下、つまり一番低い位置。カメラ席の前に通路と別の有料席があり、高低差もない。前が通路や客席だと低い三脚では用が足りない。間違ってもそこでなら良い写真が撮れるとか、撮影に適した間合いと画角とか、他の客に邪魔もされないし邪魔にもならないとか、そんなことは微塵も考えられてないことだけは事実。もちろんこの至近距離でも撮れるだけのレンズは、一昨年の同大会で懲りているのでは万が一にと用意していた。しかし左右の打ち上げは思い切りハの字に寝てしまうだろうし、前の花火列と奥の10号が重なってしまうだろうし。やはり使えない。
 それから小一時間、あたりを隈なくロケハンし、別の撮影場所を探した。しかし街路灯やら、駐車場に配置された多数の仮設のバルーン照明とか、立木とか障害物が多々あり、かつ富士山が綺麗に抜けて見えるかとか、条件が揃わない。いくつか妥協をしなければならず、合点のいくベリーベストな撮影場所はなかった。そして決めた妥協の産物の場所は4つある駐車場の一番奥。この開催地でいちばん間合いの稼げる位置だった。すぐ背後は森でこれ以上引けない位置。
 18時から打ち上げ開始だが、まずは富士山が見えるような時間帯に花火とのコラボを楽しませる、という設定。しかし撮るには空が明るすぎ、眺めるだけ。10分ほどのインターバルで実際の開始。4大煙火店の象徴的な10号玉を打ちながらそれぞれの業者の紹介。上がってみれば間合いとして500メートル程度離れた最奥なのに立ち位置より打ち上げ場所の方が高い位置のせいで高さ、幅ともきつかった。縦位置で10号を入れる高さは問題ないがスターマインの加わった3箇所打ちとなると幅がきつく、ロケハン時にはバルーン照明や街路灯を外した位置にしたのに広角にふったせいで画面に入り込んでしまった。横位置に構えるとより多くのバルーン照明が入ってしまうためそれもNG。ここの駐車場は細長く4区画あり、ゲレンデ側から棚田のようにひと区画ずつ下に下がっている。最奥の駐車場はつまり一番低い場所からの見上げの画角になるわけ。だから間合いをとっても手前の打ち上げが入ると10号の高さが出づらく、盆の半分くらいが頭を出すくらい。
 カメラは2台用意したが使用可能なレンズが1本だったので1台しか使わなかった。日中は快晴だった天気も予報通りなのだが曇り空に転じ月も無い晩。肝心の富士山の山体を常時露光できる環境じゃなかった。打ち上げ開始は18時と早く、出だしのプログラムではなんとか山体が見えていたので露光可能。あとはたとえ月明かりに富士山が浮かんでいたとしても弾幕が厚くて、その背後の富士山は肉眼でも見えなかっただろう。花火は確かに贅沢だった。各煙火店ともコロナに苛まれた年月の鬱憤を晴らすがごとくの打ち上げだった。しかしこの有料席の価格設定ではリピートできるクラスは限られるだろう。
    

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