花火野郎の観覧日記2023

観覧日記その5 7/29
第99回 野尻湖花火大会

  
長野県・上水内郡信濃町

    

打ち上げ場所のひとつ琵琶島

 



    
 29〜30日は花火集中日。しかし桑名も、おいでんも、蒲郡も、隅田川も、立川ももう何度も出かけた。それで行ったことのない見たことのない花火大会シリーズ、ということで初めての場所を選んだ。
 災害級の暑さが続いている。なんでもここ25万年のうちで最も地球全体が暑いらしい。その災害級の暑さの中で労働している私からすればその暑さの中で行楽するのくらいは問題ない。しかし高原の湖なら避暑になるかと思いきや、現地の大会指定駐車場で車を降りた途端に打ちのめされるような暑さ。ロケハン時に現地の住人に声をかけると涼しかったのは随分昔の話らしい。地球温暖化かどうか近年は下界と変わらない暑さということ。駐車場には私を含め県外ナンバーが多く、やはり日中は避暑地を求めた行楽客が多いようだ。
 初めての場所で正確な打ち上げ位置がわからなかったので、あらかじめ現地の花火の写真などから台船を使っているだろうとか推察し、だいたいの風向きに応じた撮影場所をストリートビューで検討してあった。
 夕刻に現地のスタッフらしき人に声をかけると、打ち上げは湖に浮かぶ琵琶島と台船ということだが、その台船はまだ設置されてなかった。風向き予報などから推定の撮影場所2箇所ほどに捨て三脚で場所取りしておく。それから近くのレストランのひとつで昼食とよく冷えたビールを楽しみ、車の近くの木陰でチェアリングして長い午後を涼しく過ごす。午後遅くなると避暑の行楽客と入れ替わりに花火客の車が詰めかける。そしてそれから花火が始まる頃になっても駐車場を求める車が湖の周回道路を絶え間なく通っていた。
 しかし19時30分打ち上げに対して、18時近くなっても花火台船は姿を見せず、構図が決められない、というか2箇所の候補地のどちらにするかも決められない。大玉10号を含めた打ち上げの一部は湖に浮かぶ琵琶島の鳥居の近くからとわかったが、スタッフに聞いた台船はなかなかやってこない。準備もあるので2箇所の撮影場所のうちのひとつ車から遠い方に絞り、意を決してスタンバる。と準備をしていると約1時間前の18時20分頃、ようやく台船が曳航されてきた。どこの桟橋から来るのかと思ったらもその琵琶島の鳥居近くの湖岸にあらかじめ接岸されていたようだ。
 ほどなく台船の位置が決まり、打ち上げ位置の全容がようやく掴めたわけだがもう開始まで45分ほど。場所を変えようもないが車の近くの撮影場所の方がよかったかどうか悩んでいた。
 しかし定刻になってオープニングに全箇所からの一斉打ちが始まると、それはこんなものかとフレーミングしていた構図のど真ん中にぴったり収まっていて自分でも驚いた。いやなかなかこれはいい具合じゃん、と。それからカメラ方向も画角も1ミリも変える必要がなく撮り続けた。日中は快晴だったが山間の湖ということで空模様はずいぶん変わる。序盤は低空の雲が通過し、10号域が霞んでいたがほどなく視界良好になった。
 夕刻にメイン会場と思われる場所に行ったが、大会本部が発見できず、プログラムもわからなかった。当日は担当煙火店もわからずプログラムもわからず、そして花火の配置もわからず、とまるで30年前に戻ったようだった。全国行脚に出かけた頃は、とにかくスマホも情報サイトもアプリもなく、常にぶっつけで撮影していた。今日はまるでその当時のようじゃないか。大型の有名花火が同時開催の7月最終土曜だから、ここでは花火の知り合いにも誰にも会わない。しかしどこでやっていのか進行のアナウンスは存在し、それでプログラムとスポンサーをアナウンスするのが聞こえて、内容がよくわかった。見ながらよくまとまった出来の良い玉だなぁと思っていた。のちに担当は信州煙火工業と判り安心の打ち上げ内容と合点がいった。
 2つの台船と島から、単発打ち、スターマイン、そして水中投下花火、斜め打ち出し花火が順に繰り返された。久しぶりにぶっつけで先の展開が不明な撮りもときめくじゃないか。
 ここでは船から投下する水中花火が何度も行われるが、投下ルートは一定してなくて、さまざまな場所で投下していた。いっときは遥か遠くの湖面で展開。当然画面外。そしていっときは目の前の湖面を横切ってけっこう間近で展開し、なんと絵になることかと内心狂喜乱舞だった。
 打ち上げの配置や規模内容がわかったことで、次回観覧の機会があれば場所を特定しやすい。帰りは相当渋滞するかと思われたが、駐車場から出るのに時間がかかったくらいで最寄りのICまでスタートしてから1時間ほどだった。
 

INDEXホームページに戻る
日記のトップに戻る